ガンダムビルドファイターズ 勝利の栄光をヅダに! 作:MR.ブシドー
これからやっと2番手の試合になるのだが、すでに亮は疲れていた。
身体的にではなく、精神的にであるのだが。
「それじゃあ2番手のバトルを始めましょう。貴方が私の相手ね」
「そうだよ」
亮は今まで突っ込まなかったが、この相手とだけは戦いたくはないと思っていた。
なぜなら女子の制服を身に纏い……
ゴリラのような姿をしているからだ。
蒼城学園の誰もがそう思っているのだが、口に出しては言えずにいる。だがどう見てもゴリラである。
今日1日でSAN値が物凄く削られている気がするが、亮はもう考えないようにした。
「矢倉 亮、ヅダ改、出撃する!」
ヅダ改はフィールドに飛び出し着陸する。
フィールドほ引き継がれるため、そこは志織が戦った森林であるのだが……開始早々に木々が薙ぎ倒される音が周囲に響き渡る。
「な、なんだ……?」
音は次第に近くなり、ヅダ改の目の前に現れたのは……グラビトン・ハンマーを振り回す、全身ピンク色のボルトガンダムであった。
「なんでさ!?」
あまりの事で亮は違う作品の主人公の口癖の様な事を言ってしまう。
ヅダ改は後方にジャンプしグラビトン・ハンマーを避け、対艦ライフルを発射するのだがそれはグラビトン・ハンマーに防がれる。
せめてグラビトン・ハンマーだけでも破壊できれば良かったのだが、さすがに無傷であった。
「ウホホホホ! そんな豆鉄砲じゃワタシのボルトガンダムちゃんのビューティフルなボディには傷一つつかないわよ!」
「どこがビューティフルなんだよ!!」
ヅダ改は逃げた。ひたすら逃げた。
あんな重量の塊の直撃を喰らった時は装甲の薄いヅダ改だけでなく、どんな機体だろうとひとたまりもないであろう。
かと言って逃げ回っているだけではバトルには勝てない。
そして対艦ライフルを豆鉄砲扱いする相手であるため、まともにダメージを与えられるのはおそらく右肩に搭載しているヒート・パイルだけであろう。
「なら……こうするしかないよな!」
ヅダ改は対艦ライフルをピンク色のボルトガンダムに投げつける。
ピンク色のボルトガンダムはグラビトン・ハンマーで対艦ライフルを破壊するが、ヅダ改は既にザク・マシンガンを装備していた。
「豆どころか、そんな砂粒じゃますます意味がないわよ!」
「だろうな。だから……こうするんだよ!」
ヅダ改はザク・マシンガンを投げ付け、ピンク色のボルトガンダムはそれに気を取られておもわず破壊する。本来なら機体にぶつかろうがどうってことはないのに、だ。
「この瞬間を待っていたんだ!」
「ウホッ!?」
ヅダ改はボルトガンダムがザク・マシンガンに気を取られた瞬間、ボルトガンダムの足下にシュツルム・ファウストを撃ち込んだ。
爆発が起こり、周囲に煙が広がる。
「ど、どこにいるの!」
「ここだよ」
煙はすぐに晴れピンク色のボルトガンダムはヅダ改の姿を探すが、見付けられず声を出すとすでにヅダ改はピンク色のボルトガンダムの真後ろを取っていた。
「ウホー?! いつの間に!?」
「ヅダ改のスピードをなめるなよ! 撃ち込む!!」
ヅダ改の右腕に装備されたヒート・パイルは鈍い音を立てて撃ち込まれた。必殺の一撃が決まり、勝利が決定する。
「ふぅ……無事に勝て……」
勝てた事に安堵してから、対戦相手の女ゴリラを見ると……目がハートマークになっていた。
亮は思わず顔がひきつり……1歩下がると、女ゴリラは同時に1歩出てくる。
「ウホ……今の一撃、私のハートまで貫いたわぁ。私と……お付き合いしましょぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「全力で遠慮させてもらうッ!!」
こうして、亮と女ゴリラの鬼ごっこが始まった……。
部室を飛び出し全力で走ること10分、亮はどうにか無事に部室に戻って来ていた。
女ゴリラには穂香の一撃(回し蹴り)が炸裂し、厳重に拘束されている。
「なんで、こうなるん……だよ……」
「その……なんだ? うちの部員がすまなかったな……」
誰もこうなるとは思っていなかったが、あんまりと言えばあんまりの事に普段は謝らない穂香が素直に謝っていた。
かくして、その後の亮は美桜や霊香に慰められていたり、あのデルタプラスを操っていた男子生徒は拘束された女ゴリラを羨ましそうに見ていたりしていたのであった……。
亮くん……お疲れ様(意味深
っと言う訳で最新話ですが、この作品…………本当に変態の集まりですね
そして次は今回の練習試合の最後を飾るのは愛ちゃんのアストレイゴールドフレーム天ミナです!
次はどんな変態出そうかな……