ガンダムビルドファイターズ 勝利の栄光をヅダに! 作:MR.ブシドー
「落ち着いたか?」
「うん……」
しばらくして霊香は落ち着いたが、亮にぎゅーっと抱きついたままであった。
助けを求めるように大男を見たのだが無視される始末で、霊香が満足するまでそうしている事にする。
だが……それがある意味、修羅場に発展しまう事を予想していなかった。
「これは……どういう事だい兄さん?」
「み、美桜?」
部室のドアが開き入ってきた美桜は、振り向いた大男の急所に一撃を食らわせてゆっくり入って来る。
その背後にはニュータイプの発するプレッシャーの様なモノが出ているのを、全員が感じてしまう。
晃は大男の元に行くと、腰を叩いてあげていた。
「何よ貴女……」
「君こそ誰だい? それになんで兄さんに抱きついているのかな?」
霊香は亮から離れると、同様のプレッシャーを放つ。
「す、凄いです……わ、私より年下なのにあんなプレッシャーが……」
「…………美桜ちゃん、嫉妬?」
志織は2人のプレッシャーに怖がっていたのだが、愛は何時も通りの様子でポテチを食べていた。
桜は……隅で落ち込んだままであった。
「話が進まないね。こうなったら……勝負だよ!」
「望む所よ! 良弘、予備のカースロード! いつまでもダウンしてるんじゃないわよ!!」
「ちょっ、止めたげようよ!?」
霊香は先ほどの亮とのバトルでカースロードは大破しているのだが、予備があるらしくそれを持っているらしき大男――良弘に言う。
だが急所をやられていて未だにダウンしているので、蹴りを入れて出させようとした。
~10分後~
霊香を止めて良弘への蹴りを止めさせてから回復するのを待ち、霊香と美桜のバトルが始まろうとしていた。
待っている間も2人の様子に志織は泣きそうになったり、落ち込んでいた桜を元気付けるのも大変であった。
「さて、それじゃ始めようか?」
「貴女みたいなのが私に勝てると思ってるの?」
亮も美桜が勝てるとは思わなかった。
美桜は初心者であり、対する霊香はかなりの経験を積んでいる。
そうこうしている内に、バトルシステムが起動しフィールドが形成される。
フィールドは前回と同じ宇宙であった。
「九音 霊香、行くよ、カースロード」
「矢倉 美桜、ブレイヴ、出撃する」
宇宙空間に飛び出す2機。
ブレイヴはすぐに変形し飛行形態になると、そのまま宇宙を駆けた。
直ぐに出会った2機は戦闘を始める。
美桜の銀色のブレイヴは変形しMS形態になると、ドレイクハウリングを発射した。
対する霊香のカースロードはドレイクハウリングの一撃を避けると、シザーファングを展開しバスターソードをライフルモードにして3連射するがブレイヴは回避する。
「そこそこやるみたいね!」
「そっちもね。だけど……勝たせてもらうよ」
カースロードは接近しバスターソードを振るう。それをブレイヴはヒラリとかわすと、脚部からGNミサイルを発射し至近距離で命中させた。
カースロードは爆煙に包まれたが、直ぐに飛び出して来る。
「中々の一撃だけど、まだまだよ!」
「これぐらいで終わったら逆に困っていたよ」
バスターソードとビーム・サーベルでお互いの攻撃を受け止める。
カースロードは空いている脚で蹴ろうとするが、それはただの蹴りではなく爪先からビーム・サーベルを発振させた蹴りだ。
「これで!」
「やらせないよ」
先にブレイヴがカースロードを蹴りを入れ、変形して飛行形態になり距離をとる。
「この……逃がさないわよ!!」
「別に逃げてる訳じゃないよ」
逃げるブレイヴを追うカースロードだが速度は飛行形態のブレイヴがかなり上回っており、到底追い付けるはずがない。
距離が開く一方で霊香は苛立ち、ついに「トランザム!」と叫ぶ。瞬間、カースロードが赤く発光しGN粒子の翼が広がった。
「あれがトランザム……Хорошоだね」
「なんでそんなに余裕そうなのよ!」
「なんで? そんなの簡単さ」
「なっ!?」
ブレイヴとカースロードの距離が縮んでいく中で、美桜はクスリと笑った。
あと少しというところでブレイヴは急停止。いきなりの事でカースロードはブレイヴを追い抜いてしまい、とっさに振り向こうとする。
「これでконецだからさ」
「う、嘘!? 私が1日に2回も……」
ブレイヴはトライパニッシャーを発射し、カースロードは避ける事が出来ずその赤い光に包まれる。
バトルは美桜の勝利で終了したのだ。
苦戦していた亮や負けてしまった桜もだが、あまりの事でこの場にいる全員が唖然となっていた。
「どうだったかな?」
「とりあえず言える事は…………美桜、お前は本当に初心者か? 何処かで練習してたとかじゃなくて」
「そうだけど?」
なんで当たり前の事を聞くんだい? っと言いたげに美桜は首をかしげ、全員をため息をついた。
「それに毎日、皆の動きを見てるからこんなの当たり前だよ」
美桜はドヤ顔で亮を見て、これは頭を撫でろと言うことかと美桜の頭を撫でた。
「私が1日に2回も負けた……」
それに対して、霊香はかなり落ち込んでいた。
それを慰めようと良弘は美桜の肩をポンと叩くと、霊香に睨み付けられ……
「なんでなのよ! 私が1日に2回も負けるなんて、この! この!」
霊香は容赦なく良弘に蹴りを入れ、その様子を見て亮を思った事を思わず口にした。
「今日はカオスだな……」
っと言う訳で初心者-美桜VS紅い悪魔-霊香の一戦でした
いやーマキブしたりしてたらなぜかヅダより、ブレイヴの方が上手く扱えて……泣けました
そしてそろそろもう1機のMS IGLOOの機体を扱う娘を活躍させていこうと思いますので!