ちょっと伸びたので途中で切っています。
そして、感想やメッセージをいただきましたありがとうございます!
意外にもハーレムでもOKという方が多くてびっくりしてます。
一応まだ未定で進めますが、しっかりと決めたいと思います。
それでは、今回もよろしくお願いします!
ゴールデンウィークも終わり、普通に学校に通う日々。俺は今日もみんなより早く起きて余裕のある朝を過ごしていた。
「式、わかってると思うけど――」
「朝は生徒会の仕事があって、俺はその補佐として早めに登校するだろ?ちゃんと覚えてるよ」
「悪いわね、でもあんたちょっと顔色良くないわよ?」
俺は一年生ながら、生徒会長が欠席することが多く、仕事を消化できない事があるので葵姉さんと奏に頼まれてこうして手伝いを引きうけているのだ。そして今日の俺は調子が悪い。
「いや、昨日遅くまで勉強してたんだけど、いつものくせで早く起きて寝不足なだけだよ。」
ついでに今回の委員会は各クラスのクラス委員にも招集がかかっており、茜は自分のクラスのクラス委員を務めている。今日の委員会には参加の予定のはずだが……
「おはよう、式、カナちゃん」
その本人がようやく起きたようである。男である俺からすればまだ間に合うけど……
「今頃起きたの?茜、今日は委員会あるんだけど?」
「へ?」
この様子だと覚えていなさそうである。昨日の夜話してたはずなんだけどな。
「クラス委員も参加するって、昨日奏が言ってただろ?ついでに俺も生徒会の補佐で行くけどな」
「あっ!」
ダメだこりゃ……でも、まだ間に合う時間でよかったよ。遅刻でもしたら奏の機嫌が悪くなりそうだ。しかも、その矛先は俺にしか向かないからさらに質が悪い。
「急いで準備しなきゃ!」
茜は急いで準備に取り掛かっていた。そして、奏も出る準備をしていた。
「あれ?奏。ちょっと早すぎないか?」
「あんた。茜が時間通りに事を運ばせてくれると思うの?」
「無理だな。一緒に登校したら間違いなく遅くなる」
今日は葵姉さんもいないから押しつけることも叶わない。これは意外にめんどくさい。
「あんたが無事茜を連れて来てくれると、お姉さんも嬉しいんだけど」
「いつもなら考えてあげるけど、今日は調子微妙だから断る。今は茜の相手をして疲れたくない」
「なら、あんたはいつ出るの?」
「俺も奏と一緒に行くよ」
茜には悪いけど一人で登校してもらおう。どうせ、真面目だからいざとなれば能力使ってくるだろうし。
そうと決まれば早速、行くとするか――
「待って~~!式、カナちゃ―ん!」
「うるさい、玄関で騒がないで」
「なんでまだ時間あるよ?」
「あんたと一緒だと時間かかるでしょ?」
「だって~カメラが~……」
茜に追いつかれてしまい、巻き込まれてしまった。これは間に合うか?
「茜がついてくる以上、さっさと家を出た方が賢明だろ。いってきまーす!」
「それもそうね。いってきまーす」
泣いてる茜を無視して俺と奏は家を出る。すると丁度ご近所さんが犬の散歩中だった。
「奏様、式様おはようございます」
「「おはようございます」」
「今日はお早いんですね」
会話が始まってしまったが、話す気力がない。こういうのは奏に任せるとしよう。
「今日は朝から生徒会の集まりがありまして、私。副会長ですから」
「大変ですね~」
「いえ、好きでやっていることですから」
さすが奏見事なまでの営業スマイル。この切り替えっぷりはさすがだな。まぁ、俺もそれを見習っているんだが。
「そうですか、それにしても式様顔色があまり良くありませんが……」
マジか……ご近所さんに心配されるレベルだったのか俺の顔色。
「すいません。少し寝不足なもので、お見苦しいところを」
「いえ!それよりも大丈夫なのですか」
「大丈夫ですよこれぐらい。自分も生徒会を手伝っている身なので寝不足だけでサボるわけにはいきませんから」
俺もできるだけ笑顔で保つ努力をする。でも、顔色悪いなら意味ないか……
「奏様も式様も偉いですね――」
「まっへぇ~~!」
すると、後ろからパンを咥えた茜が出てくるのであった。空気ブチ壊しである。
ああ、人が真面目に頑張っていたのになんてことしてくれるんだい茜さんや……
そして現在、結局茜と一緒に登校中である。
「式、なんか調子悪い?」
茜にまで心配される始末でため息がでそうになる。
「寝不足なだけだ。でも疲れてるからあんまり話しかけないでくれ」
「うん……わかった」
茜が少ししょげた顔をしてしまうが、今はかまってやるだけの気力がないのでしょうがない。
茜はかわりに奏の後ろに背後霊のように動きだす。
「茜、くっつきすぎよ」
「だって~カメラがあるんだもん」
「いい加減慣れなさいよ……」
「無理!私が王様になったらなくすもん!」
えっ?茜王様になる気あるのかよ。意外だななんかあったのか?
「王様、なる気あったんだ……」
「なったらカメラ廃止できるもんね!」
こんな考え、茜自身で思いつくことはない。言いそうなのは葵姉さんか奏辺りだろう。そして奏が知らない時点で吹き込んだのは葵姉さんか。まぁ悪気はないんだろうけど。
「できなくはないと思うけど、それってもっと注目を浴びることになるんじゃない?」
「はっ!?それはいやだぁ!」
やっと、本末転倒だということに気付いたのか。王様が人前に出なかったらそれはそれで大問題だしな。
「でも、王様になるのは私だから」
奏の言葉には強い意志が感じられた。やっぱりうちの家族で一番王様を志しているのは奏だな。
「じゃあ、なったら監視カメラ廃止してほしいなぁ~」
奏の雰囲気もなんのその茜は自分の言いたいことを言っていた。この様子だと何も気づいてないのだろう。
というか、だんだん奏の機嫌が斜めになっていっている。俺が体調良くないことがわかってるので俺に茜を押しつけてはこないと思うが、後が怖くなるな……
「そんなに嫌なら修ちゃんに送ってもらえばいいじゃない」
「あれに借りは作りたくない……」
「あれって……」
修、お前自分の知らないところで妹にもの扱いされてるぞ……
「にしても、人見知りがよくクラス委員になれたわね」
「学校のみんなは知り合いだもん」
茜にとって知り合いならなんの問題もないらしい、そこに至るまで時間かかりそうだがな。
「なら、国民全員と知り合いになればいいんじゃないんですかね」
「えへへ~、無理だよカナちゃん。国民が何人いると思ってるの~」
茜、やめて!これ以上奏を刺激しないで!もう、なんか怒りオーラまで見えてきたから!
「あんた、どうしてクラス委員になったのよ」
奏の疑問はもっともだ。普通こんな性格のやつがクラス委員やるなんて想像できない。
「なんでって、クラスにまとめ役は必要でしょ?でも、みんなやりたくないだろうし、クラス委員ならクラス全体が見渡せるもん。それに、みんなが困って私を頼ってくれるなら応えてあげたいもん」
奏と俺は驚いた表情になる。あんな人見知りなのに潜在的な部分で王族なのか。さすがだな。
「あっ、そうだ!カナちゃん、リムジンとか出してよ!それで学校行けばいいじゃん」
なんだその超理論は、どう考えても無理だろ様々な理由で……
「あんたはね。姉にリムジン買ってってせがんでるの。わかる?」
姉にリムジンを揺するなんて新しい発想だな。普通の姉妹間のやりではないな。
それに誰が運転するんだよ……
「言ってみただけです……じゃあ、ドラゴンとか。空飛ぶ絨毯とか!」
「ドラゴンっていくらするのよ!」
ドラゴンなんて生成したら世の中もやばくなりそうなのでやめてください。というかそんなことするなら自分の能力で飛べばいいだろうに……
すると、奏はスマホを取り出して何かを見ている。
「何見てるの?」
「株価チェック」
「はぁ、そんなに頑張って貯めなくてもいいのに。そう言えば式もやってたんだっけ株」
「ん。奏に教えてもらって少しな。今はやってないけど」
ずっと話しかけられなかったので少々間をおいてから返す。
「お小遣い程度ならまだしもカナちゃんはやりすぎじゃない?」
「うるさいわね。あるに越したことはないでしょ」
「貯金いくらあるの?」
茜が恐ろしい質問をしていた。俺も結構あるからな奏なんて――
「んーー、よくわからないけど国家予算くらい?」
マジかよ!そんなに稼いでいるとは、さすがだな。普通そこまでやらないだろ……
「ワンマンアーミー!!」
「なによそれ?」
「一人軍隊みたいな意味だよ。にしてもそんなに貯めてたんだな奏」
「あんたも宝くじの一等何回も当てた額あるのによく言うわ」
「一騎当千!!」
「わざわざ日本語っぽくしなくてもよい。あー、体が重い」
やっぱり、茜と絡んでいると楽しいが疲れる。熱はないと思うが番組で無茶した分がきてるのか?いや、それにしては期間空きすぎているか。
「式、無理しなくてもいいのよ?」
「いや、疲れてるだけだから」
「そう?茜も式にはあまり迷惑かけないようにしなさいよ」
「わかってるって」
もう少しで商店街だ学校まであと少しだし、問題ないだろう……と思ったのだが
「見て見て」 「仲いいわね」 「良すぎー」 「あらあら」
茜がピッタリと奏にくっついており、人々の視線を集めていた。俺は問題ないのにこっちが問題になるとは。
奏も上辺では笑っているが内心恥ずかしそうである。隣にいる俺ですら恥ずかしい気持ちになる。
「なんか、かなちゃん。人前だといっつもいい顔してるよね。選挙に熱心なのはいいけど、そこまで世間体を気にする必要ないと思うよ?」
「それは自分に言っているのかしら?」
やばい!奏めっちゃ怒ってるというかどう考えてもこれは茜が悪い……
「むしろ、お前は少し気にしろ。一応王族なんだからな」
「そう言えば、式もそういうのうまいよね。疲れないの?」
……その格好で言われるとものすごく腹が立つので無視することにする。
「茜、お願いだからその手だけは離してくれないかしら」
「やだ、離したらカナちゃん逃げるでしょ?今は式に頼れないし」
「逃げないわよ。体調の悪い弟をおいて逃げるわけないじゃない。それにそんなことしたら余計に恥ずかしいわ」
俺はこのセリフを聞いた時に悟った。
この人めっちゃ逃げる気まんまんだと……
「ホント? じゃあ……」
しかし、茜はそれを信じ手を離すがその瞬間――
「っ!」
「あっ!」
二人は全力疾走で行ってしまった。俺を置き去りにして……
「何してるんだあの二人……いっか、ゆっくり登校できるし」
俺は気を取り直して自分のペースで登校することにした。
一人の道は平和なもので特に何事もなく学校に近づいていたのだが――
「危ないっ!」
という声とともに猫が車道に飛び出してくる。しかも、トラックが目の前に迫っていた。
「助け――ぐっ!?」
トラックに対して能力を使おうとしたが鋭い頭痛が襲ってきて、全く減速できなかった。
能力の使いすぎと同じ症状が調子悪い時に出るが、ここまで調子が悪いとは……
こうなれば無理やり猫に対して能力を使えば――
「くっ!」
だがその俺の目の前を飛んでいったのは能力を使った茜だった。しかも猫を抱き抱えるまではいいけどあのままじゃ!
でも、今の俺じゃ茜を動かせない。ゼロ距離なら突き飛ばせるか!?
そう思い俺は茜に突っ込むように車道に飛び出たがそこで自分が助かる方法を考えてないことに気付いた。
しかも、あのトラック法定速度守ってない、このままだと――
「くそっ!?」
「えっ、式?」
俺は焦るが今更体のキャンセルは利かない、ならせめて茜だけでも!そう思い茜に触れた瞬間俺の目の前には10メートル以上の黒い壁ができていた。それに驚いてしまい能力は不発に終わり、俺の手は茜の肩に触れただけとなる。
「これは、奏か……」
「はぁ……はぁ……」
無事がわかり、俺がホッとすると猫も茜の腕から抜けてどっかいってしまう。
そして、奏が茜を抱きしめる。
「能力はあっても体は普通の女の子なんだから、無理しないで!」
「う、うん」
茜の顔が赤くなる。こいつ、あんまり状況理解できてないんじゃなかろうか。
というか俺の心配はなしなんですね……
「おいおい!あぶねぇだろ!」
トラックの運転手が怒鳴りながら、降りてきた。こちらに非があるとはいえずいぶんと偉そうな態度だな。お前は王族を引きかけたんだぞ。
「お前っ――」
能力で痛い目を見てもらおうかと思ったが後ろから感じたオーラに俺は動けなくなった。
「もうしわけありません。急に飛び出したりして、ご迷惑をおかけしました」
「げっ、櫻田家の次女に次男そして三女!」
「ただ、あなたも制限速度を大きく超えていたとうかがえました。もしも、この子になんかあったらタダじゃおかないので以後お気お付け下さい」
「ひっ!す、すいません!」
怖い、めっちゃ怖い。笑顔怖い!運転手完全にビビちゃってるよ。なんか怒る気失せちまった……
そして、やっぱり俺の心配はしてくれないのね、なんか悲しくなってくるよ……
というわけでまだ途中ですが長すぎたので切りました。
この後のやつはもうできてますが、すぐに投稿するかわかりません
色々ありますが、一日最低一投稿が今の目標のひとつなので。
お気に入り、感想、評価などよろしくお願いします!