アニメのこの回テンポがよくて作者は結構好きです。
遥の能力って兄弟の中では目立ちませんが自分的には一番欲しい能力だったりします。
それでは今回もよろしくお願いします!
午前中に偽プライベートビーチ騒動があった日の午後、俺は部屋に鍵をかけてパソコンをいじっていた。
内容は今日の騒動についてだ。テレビで放送される分は向こう側も変なものを乗っけたりしないと思うので俺はファンサイトの巡回をしていた。
これもⅣと呼ばれる俺の習慣の一環である。
国は娯楽としてかなり規制が甘めなのだが、たまにやりすぎだろと思う画像もあるのでそういうのは削除している。
俺はどのサイトにもⅣという名前で入っており、削除申請をすると管理者はすぐに削除してくれるのでありがたい。
「あー、葵姉さんも奏も特に変ななしっと。茜は……相変わらず盛り上がってるな」
パソコンの画面にはプレハブが壊れた時の恥ずかしがる茜の姿が出ていた。そしてそこではコメントが結構きて盛り上がっているようだった。
「茜からするとこういうのも死にたくなる位恥ずかしいんだろうけど。王族である以上これぐらいは我慢してもらわないとな」
そんな感じで、ネットをしていると――
「うわあああぁぁぁ!?」
「わあああぁぁぁ!?」
急に遥と茜の叫び声が聞こえる。
「何かあったのか?」
疑問に思った俺はパソコンを閉じ、叫び声のした遥と岬の部屋に入っていく。
「おい、うるさいぞ。何かあったのか?」
「見た?」
「ミ、ミテナイヨ……」
「見たね!?」
「何してんだお前ら……」
部屋に入ったところで二人が何かのコントのような会話をしていたので、俺は首を傾げる。
「遥見間違いかな?今の写真ってさ私……」
「ところで姉さんたち、ちゃんとノックしたの?人の部屋に勝手に入るなんて非常識だと思うよ」
「ご、ごめん!」
「ドア開けっぱなしだったぞ……」
「あっ……」
「もう、遥!誤魔化さないでよ!」
そう言われると遥は舌打ちをしてしまう。それよりも、茜の写真か。おそらく遥も俺と同じく削除申請でもしてたんだろう。
「わかった説明するよ。あれはね……姉さんの……そっくりさんだよ」
「無茶だよ遥!?」
茜はそう言って考え込んでしまう、おそらく姉弟間の禁断の恋愛とか考えてるんだろ。
苦しいにも程がある言い訳だな。しょうがない、兄が一つ助けて――
「式兄さん助けてくれ、いやⅣ――」
俺に小声で声をかけてきた遥に対しての俺の返答はその場にあったペンをへし折るというものだった。
「遥、今お前はなんて言おうとしたんだ?兄さんよく聞こえなかったな~?」
俺は茜や岬などの察しの悪い兄妹達には自分が裏で動いていることは言ってない。知られたくないのである。
「す、すいません!」
「自分でどうにかしろ。見届けてやる」
「そ、そんな……」
そうと決まればまずは茜を妄想の世界から呼び戻すことにしよう。
「ほれ、茜。遥もそんなことは考えないと思うぞ」
「やめて!心を読まないで!?」
「表情に出やすすぎなんだよ……それより、遥に聞くことがあるんじゃなかったのか?」
そう言いつつ俺は遥に悪い笑みを浮かべるのであった。
「そうだ!遥、結局あれはなんなの!お姉ちゃんには言えないの、他の人なら言えるの!?」
「えーと、式兄さんになら……」
「茜、どうやら遥はお前にはいいたくないらしい、岬を使って揺さぶりをかけよう」
「うんそうだね。もしもし、岬?遥が……」
俺の提案通り茜は岬に電話をかける。
「うわああぁぁぁ!?待ってえぇぇぇ!姉さんには簡単に言えないことなんだ!でも、姉さんが心配するようなことは一切してないから、これについては忘れて――」
茜は無言で携帯をかけようとするが、
「少し時間をください!」
そう言って遥は考え込んでしまう。俺からすれば今まで気づかれなかったことが奇跡みたいなものだったので正直に言ってもいいと思うんだが……
でも、岬から伝えられたらすごい語弊のあることになりそうだな。それだけは避けるとするか。
「時間切れ」
「もう一声下さい!」
「遥がどうしたの!?」
「うわあああぁぁぁ!?」
再び電話をかけようとしたところで岬が部屋に戻ってきてしまう。
「今すぐ駅前のプリン買ってきてくれたらっ、来週遊園地連れてってやるよ!」
「ほんと!?いってきまーす!」
その岬をすぐに遥は追い出し、息を荒げている。
そんなの眺めながら俺は笑いをこらえるのに必死だった。しかし、これ以上は可哀想だな。
「遥、別に言ってもいいんじゃないか?茜にみられた時点でお終いだろ」
「そうするよ。式兄さんは最初からわかってたんだね。こうなることを……ほんと、滅多に見せないけどその腹黒さは奏姉さんに匹敵すると思うよ」
「褒め言葉として受け取ってやる」
「じゃあ、姉さん説明するよ……姉さんはパソコンあんまりしないから知らないと思うけど、ここにあるのは櫻田家のいくつもあるファンサイトでここにある姉さんの画像を僕が個人的に削除申請してたんんだ」
「え……つまり?」
遥がわかりやすく説明したというのに、茜は理解できなかったらしい。ほんと、茜はネットやらないからな。
「茜、ファンサイトってのは俺達のファンが非公式に作ったものでな、テレビで出た画像などをアップして、みんなでおしゃべりしたりするものだ」
「国はこれを娯楽として容認していてね。でも、姉さんはこういうの嫌がると思って隠してたんだ」
「おーい、茜大丈夫か?」
俺たちの説明を受けて、茜のライフはかなり削られたようで、すでに項垂れていた。
「大丈夫じゃない……でも、おしゃべりって例えばどんなのなの?」
「いや、えっと……かわいいとかここが好きとか……見えただの見えないだの」
「見えたってなにが……?」
「茜そこは察しろ」
「ああぁぁああぁああ!?」
「姉さんがスカートでピョンピョン跳ねるから……」
「もうお外行けないよおぉぉ!」
茜はそのまま部屋を出ていってしまう。まぁ、ショックだろうな。
「式兄さんはあれでよかったの?」
「ん?別にパンツの画像が上がるのはあいつの自業自得だからな。いくらⅣといっても何でもかんでも粛清すればいいってもんじゃないんだよ。これでもファンクラブの連中には恐れられてるが信用もされてるんだぜ?」
「そのあたりのバランスが取れる辺りさすが式兄さんだね」
「でも、茜の規制が緩いのは認めるよ。実際奏のパンチラ画像は何のためらいもなく削除したしな。というか奏は結構ネットをチェックしてるから削除しないと画像アップしたやつが心配だったからだけど」
「た、たしかにそれは削除した方がいいね」
遥も奏のリアクションを想像してか若干声が震えていた。
「それより、振り回した詫びに今から岬が買ってくるプリン。俺持ちにしといてやるよ」
「えっ?それなら遊園地を……」
「知ったことではないな」
そう言って俺は部屋から出るのであった。
そのころ、茜はネットで晒しものになっていることを知り、王様になる決意を固めたとか固めなかったとか……
最近しっかりと推敲せずに投稿してるのですが、やはりミスが目立つようになってしまいますね。間違いを見つけたらすぐに指摘してくれると嬉しいです。
あと、アニメにだんだん追いつきつつありますが、アニメはすでに原作とは違う動きをしてる部分も多いので残りの話でどうなるか。作品を書いてるのもありますがめっちゃ気になってます。
下手したらオリジナルが多くなるかもしれませんがその時はよろしくお願いします!