この作品シリアスなところ意外に多くて主人公も色々抱えてるので書くのが難しいです。今はアニメに沿ってますがいずれ脱線するかも……
それでは今回もよろしくお願いします!
日付が替わったばかりの時間。俺は勉強を終え、そろそろ寝ようかと考えていた。
「早く寝ないとまた寝不足になりそうだしな……」
そういいつつ、最後に何か飲み物を飲みたいと思い俺は自分の部屋を出た。
「あれ、式まだ起きてたの?」
するとなぜか茜とボルシチがいた。こんな時間に茜が起きてるのは珍しい。
「今から寝るところ。茜は……ボルシチに起こされたのか?」
「そうなの。ボルシチなんで私だけ起こすんだろう?式なんかまだ起きてたのに」
「毎回餌あげてるからだろ?」
居間に着いたところで俺はキッチンの方に飲み物を飲みに行く。
「夜にあげたやつ残ってるじゃない!これじゃ駄目なの?」
しかし、ボルシチは嫌なのかゴミ箱のビニール袋を噛みだす。
「わかった。わかったから!」
俺が飲み物を飲む中、茜は餌を追加するが……
結局ボルシチはビニール袋を噛む。
「ビニール袋の方がマシだっていうの……」
「変わった猫だな。普通なら悩むところだが、うちには栞がいるからな。今日の朝にでも聞いてみたらどうだ?」
「うん。そうするよ」
「じゃあ、俺は寝るぞ」
「私も寝るよ。式、おやすみ」
「ああ、おやすみ」
そして、その日の朝。
「ねぇ、栞。ボルシチってビニール袋を噛むけど何か理由あるのか通訳して」
実際に聞いてみることにしたらしい。俺も気になるので聞き耳を立てる。
「うん。『放浪の身である私を拾ってくれたことは感謝している』」
ボルシチ、よくわかってるじゃないか。しっかり感謝できるなんて偉いな。
「『だが、王族の料理がどんなものか期待していたのだが普通すぎて残念だった』」
ん?ボルシチ君一体君は何を言っているのかな……
「『それに比べてビニールの歯応えには快楽すら覚える。簡潔に述べればここの食事はビニールよりも劣る――』」
「おい、ボルシチ!お前、拾ってもらったわりになんてこと言いやがる!可愛いからって何でも許されると――」
俺はボルシチに能力を使って、反省してもらおうとするのだが、
「ボルシチに何しようとしてるの!」
「がっ!奏何をするんだ俺はボルシチに世の中の厳しさを――」
奏の後ろからのチョップを後頭部に受け、頭を押さえて文句を言おうとするが奏の顔が『やめろ』と物語っていた。
そう言えば奏はうちの中でもボルシチを溺愛している方である。怒らせるのはよくない。
「ほら、生徒会あるんだからもう出るわよ」
「……はい」
こうして俺は学校に登校するのであった。そして、いつも通りの学校生活が始まると思ったのだが、今日は何かおかしかった。
生徒会を手伝い、一時限目までは特に異常はなかった。
だが、それ以降どうにもクラスメイトの特に男子の行動がおかしい。
「式、悪い今から数学教えてくれないか!」
「ああ、珍しいなお前が勉強教えてくれなんて……」
休み時間に勉強嫌いのやつが俺に勉強を教えてくれと行ってきたり、
俺が教室を出ようとすると。
「式!どこに行くんだ!?」
「いや、普通にトイレだけど……」
「そうか、一緒に行こうぜ!」
なぜか俺が教室から出るたびにどこに行くか確認され、誰か一人ついてくる。
こんな感じで俺は昼休みを迎え、生徒会の用事で奏の所まで来ていた。さすがにここまでクラスメイトはついてこなかったが……
「どうなってるんだほんと。意味がわからん」
頭はクラスメイトの不可解な行動で混乱中である。だが、仕事はしないといけないので奏に声をかける。
「奏、生徒会の仕事手伝いに来たよ。どうしたんだそのでこ」
なぜか奏の額はどこかにぶつけたように赤くなっていた。
「ちょっとぶつけてね。それより仕事の前に一つ聞きたいことがあるんだけどいいかしら?」
「ん?なに改まって?」
「茜がスカートを穿いてないって噂になってるんだけど、あんた何か知らないの?隣のクラスでしょ」
奏がいつにもまして真剣な表情で聞いてくる。
茜がスカートを穿いてないない?スカートってあのスカートだよな。それを履かないなんて
「茜がそんなことするわけな――」
この瞬間俺に衝撃が走った。朝は普通だったはずのクラスメイトが一時限目の後におかしくなりだした。なぜそのタイミングだったのかが俺の頭を混乱させていた最大の要因だった。
だが、茜が登校してくるのはいつもギリギリ。もし、仮に何かあってそれがうちのクラスに情報が流れてくるのは朝のHRの後となる。その後俺の行動を制限、または監視していたとすると……
「奏。茜はほんとにスカートを穿いてないかもしれない」
「なんであなたが知らないのよ。……もしかして噂も」
「ああ、今初めて聞いたよ。おそらく、俺が見たらすぐに指摘すると思って男子どもが俺を遠ざけたんだ……」
「今すぐ茜を呼びましょう。もしもし、急で悪いんだけど茜を生徒会室に呼んでもらえないかしら?」
どうやら奏は茜には直接電話するのではなく呼び出すようだ。
「なんでそんな回りくどい真似するんだよ」
「たぶんなんだけどあの子携帯持ってないのよ。葵姉さんがさっきメールしたけど返ってこないって言ってたし」
茜……もう色々忘れすぎてお兄ちゃん頭痛くなってきたよ。
『一年A組の櫻田茜さん。生徒会副会長がお呼びです。至急、生徒会室に来てください』
「もしも、もし仮に茜がスカート穿いてなかった場合ってどうしたらいい?」
「何言ってんのよ。普通に指摘して終わりじゃない。式らしくもない」
いや、奏の言うことはもっともなのだが、すでに今は昼休みである。その長時間スカートをはいてなかったなんてあの茜が知ったら……死んでもおかしくないな。
「奏、あくまでも言う時はオブラートに――」
そこまでいいかけたところで、目の前に茜と茜の幼馴染である花蓮が出てきた。
そして、その茜は……
「茜!やっぱりあんたスカート穿いてないじゃない!」
「奏さん!?」 「おいぃ!」
言っちゃったよこの姉さん!?
『『下から覗ける。下から覗ける』』
よく見れば後ろには大量の男子達がってこれ一年生ほぼ全員じゃ……
これは茜完璧に死んだな。
というか男子どもは茜が階段を上るから後をつけてたんだな。呼び出したのは失敗だった。
「やだ、カナちゃん!ちゃんと下穿いてるよ!」
『『えっ!?』』
茜の一言でその場にいる全員が固まる。
「いや、茜でもその格好……」
「もう、だから今日は視線を感じたのか。仕方ないな男子どもは、式も?」
「いや、今日学校で茜を見るのは今が初めてだ。というかうちのクラスの男子ども、今日お前らの行動がおかしかったのはこれを見せないためとか言わないよな」
「ソ、ソンナコトナイゾー」
いい棒読みだ。だが無意味だ。
「後でお前ら全員シメるから、んで茜その格好はどういうことなんだ?」
「えっとね。登校中、カメラを避けたらスカートが引っ掛かって破っちゃったの。それで、途中で短パンに穿きかえたってわけ」
なるほど、俺も奏も朝早く出てきたからわからないわけだ。葵姉さんも用事があったのかな?
「なるほどー私てっきり」
花蓮もようやく納得いったという顔になる。朝からずっと茜の姿で悩んでいたんだろう。兄として申し訳なくなる。
「なにも穿かずに学校に来るわけないでしょ」
「そりゃそうだよねー」
「そうだよ。ほら――」
そういいながら茜はカーディガンを持ち上げ、短パンが見えるようにしようとするが。
そこにあったのは短パンではなく、どう見ても下――
「みるなぁ!」
次の瞬間俺の視界がぶれた。というよりも、そのまま目の前に壁が迫ってきていた。
ここまで来て、ようやく奏が俺の頭をつかみ、壁に叩きつけようとしてるのを理解できた。
「がぁっ!?」
「うわあああぁぁぁぁ!?」
俺が壁に叩きつけられるのと、茜の断末魔は同じタイミングになるのであった。
「いってぇ!?何するんだ奏!」
「見ないで!?」
「ぐっ!?」
奏の腕を振りほどき、視線を戻そうとしたのだが。それが叶うことはなく俺は再び壁に体をぶつけていた。
今度の原因は茜が能力を使い、衝撃波を生み出し俺にぶつけたものだった。
茜、いくらなんでもそれを普通の人間に放つのはどうかと……
「なんで……俺だけ……」
俺の意識はそのままブラックアウトしていくのであった。
最後に事の顛末を語るとしよう。
どうやら、茜はスカートが破けたあと、短パンを穿こうとしたが予鈴がなってしまい急いでしまったところで、短パンを穿き忘れてしまったらしい。
さらに、そのスカートは途中で捨ててしまい、俺が気絶した後、取りに行ったが行方はわからない。
そして、ここが一番重要である。奏と茜に気絶させられ機嫌が悪かった俺は、自身のクラスメイトの男子どもに能力を使って粛清し、満足したのだが。それが葵姉さんにばれてしまい俺は説教までくらうはめになるのであった……
実際スカート穿いてない女の子いたらリアクションに困りますね。
作者もモブと同じく本人にほんとのことは言えないと思います笑
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