バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。バカテスももうじき100話を越えますが、まだ私のやりたい話には到達できてないのが現状です。ペース配分を間違えたような気もしますが、まぁ仕方ないのでこのままいきます。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



第97問

 

 

第97問

 

霧島さん達に連れられAクラスに匿われていると

 

「それで、どういうことなの吉井君」

 

自分の席で自習していた木下さんが、僕の近くに座り直しながら尋ねてくる木下さんに

 

「えっとね。3年生の小暮先輩と小山さんが……」

 

「はい。吉井君。これ美味しいよ♪」

 

差し出されたクッキーを受け取り頬張る

 

もぐもぐ

 

朝ご飯食べてないからお腹空いてたんだよね

 

「BクラスがAクラスに宣戦布告をするって話「

 

「……吉井。これも食べる?」

 

霧島さんから差し出されたポッキーを両手で持ってカリカリと齧りながら

 

「その作戦が先生を呼び出して科目を」

 

「吉井君。これを食べないか?」

 

「君のお勧めは死んでも食べない」

 

久保に差し出されたお菓子はガン無視し。ふーと一息はいてから

 

「話を脱線させてごめんね。木下さん、なんか3年生が小山さんを焚きつけてなにか考えてるみたいなんだよね」

 

口をハンカチで拭きながら言うと

 

「Bクラスがあたし達のところに攻めてくるってことね。科目制限のおまけつきで」

 

「うん。そういうことなんだよ」

 

木下さんは顎の下に手を置きながら

 

「正直な話。その程度の作戦でどうこうなるとは思えないんだけど……」

 

「……小山に協力している3年生って言うのが気になる」

 

別に学年に協力してもらっては駄目というルールはないから問題ないんだけど、あの黒い先輩が関わっているとなると不安になるのは当然だろう

 

「他のクラスの試召戦争にかかわるのはルール違反だけど、直接関わってこないで知恵を与えてくるって言うのは何か裏がありそうよね。何か知らないの?」

 

木下さんの言葉に僕は少し悩んでから

 

「なんか僕に投薬するとか。それですべてが丸く収まる言ってた」

 

……

 

木下さんや霧島さんが無言で停止する。投薬と言う時点で魔王が関わっていると理解したんだろう

 

「また魔王を増やしたのかな?吉井君は凄いねえ」

 

「凄くない!凄くないよ!?大体3年生に顔見知りなんていないし!」

 

僕がそう言うと木下さんはどーだかと言ってから

 

「まぁ。Cクラスのやり方はあたしも気に入らないし。それにCクラスの代表には色々と仮があるし。しょうがないから手伝ってあげるわ」

 

「ありがとう。今度龍也に木下さんは良い人だったよって言うよ」

 

一瞬びくんっと方を動かした木下さんを見て首を傾げていると

 

(吉井は魔王を作るだけじゃなくて誘導するのも得意そう)

 

(天然差が増してるからね)

 

(良い……天然の吉井君。良い……)

 

ひそひそ話を聞いて若干の寒気を感じる。もう少し久保から距離を取ろう。このクラス最大の武力とも言えるなのはさんとフェイトさんを探して

 

「あれ?なのはさん達は?」

 

僕がそう尋ねると工藤さんが笑いながら

 

「風邪。なんか喧嘩してプールに落ちたんだって」

 

「何やってるの?あの2人」

 

頭いいはずなのに……何やってるんだろう。そのころ龍也は

 

「お前ら何やってるんだよ。本当」

 

「「ずいまぜん……げほっ!げほっ!!!」」

 

咳き込んでいるなのはとフェイトの額に絞ったタオルを乗せていたりする。悲しいまでに男と女の位置が逆であった……

 

「所で作戦を潰すのは良いけどさ?具体的にはどうするわけ?」

 

工藤さんにそう尋ねられてもそう言うのを考えるのは僕の役目じゃないしどうしたものかと考えていると

 

「……CクラスとBクラスの間で連絡を取らせなければ良い」

 

確かにそれが一番確実だろう。連絡が取れなければ3年生。いや小暮先輩の悪巧みは失敗するのだから

 

「CクラスとBクラスの連絡役を邪魔すればいいんだね」

 

「連絡役と言うよりかは他人の恋路の邪魔ってことだね」

 

「あはは!それじゃあ僕達馬に蹴られて死んじゃうかもね」

 

「……大丈夫。本当の恋愛じゃないから」

 

方向性が決まり盛り上がりを見せる霧島さん達に

 

「じゃあ邪魔って何をすればいいのかな?何かある?」

 

「「「……」」」

 

とたんに黙り込む霧島さん達。どうやってやればいいのか誰も考えてなかったようだ

 

「代表は何か良い考えはある?」

 

「……恋愛の邪魔をする方法ならたくさんある」

 

おおっ!なんて頼もしい言葉!さすがは霧島……

 

「……薬は何種類使って良い?」

 

駄目だった!?魔王の対処法の代表格の投薬を持ち出してきた!?

 

「ごめん。霧島さん。それは雄二限定の対処法だから」

 

そんなのは雄二にしか耐えれる物じゃない。連絡役を廃人にするのは気がとがめるので駄目と言うと工藤さんが

 

「やっぱり色仕掛けが一番じゃない?」

 

「そんなの効果あるの?」

 

木下さんの言葉に工藤さんがにやりと笑う。僕は嫌な予感がし手で顔を隠した

 

「きゃああああッ!?どうしたあたしのスカートを捲るの!?」

 

「たまには僕以外のも見たいかなって思ったんだけど……なんで目を閉じてるの?」

 

「魔王に殺されたくないから」

 

絶対何処かからの情報で魔王に伝わる。そうなれば僕に待っているのは死亡フラグだけ。それを回避するのは当然だろう。と言うかこの面子で話し合って大丈夫なのかと言う不安を感じ僕は

 

「あのさ。皆「合コン」って何の略か知ってる?」

 

「「「合唱コンクール」」」

 

駄目だこの面子。相談する相手が悪すぎる、僕は絶望にも似た溜息を吐くことしか出来なった

 

「……吉井隠れて」

 

「わわ!!」

 

突然霧島さんに椅子の後ろに押し込まれ驚いていると。霧島さんが

 

「……Cクラスが吉井を探している。静かに」

 

その言葉に頷き。Cクラスの女生徒と話をしている木下さんを見ていると

 

【女子更衣室でも覗かれた?】

 

情報を知るためとは言えその方向性は酷すぎる。魔王がいるのにそんなことする分けないのに

 

【うん。そんなところ】

 

全然違うのに!?あんまりだ!?この話がAクラス経由で瑞希に伝わったら殺される!?僕が内心怯えていると木下さんが話を終えて戻ってくる

 

「なんか、ごめんね?」

 

「いいよ……仕方ないって割り切るよ」

 

願わくばこの話が瑞希達の耳に入らないことを願うしかない。

 

「それで吉井君。具体的にはどうするつもりだい?」

 

「変態行為はやめたほうがいいよ」

 

手をわきわきと動かして僕に伸ばして来る久保の手を工藤さんが弾いてくれたことに安堵しながら

 

「とりあえず情報を集めたいと思うんだ。小山さんが根本君にどうやって連絡を取ろうとしているのかが判らないと勝負にならない」

 

情報戦が重要になると思いそう言うと

 

「じゃあ小山さんのほうは僕が調べよう。同志がいるからね、きっと情報を教えてくれるよ」

 

それはもしかすると清水さんなのかもしれない。今はもう同性愛者ではなくファザコンに進化しているが久保の情報を知るために同姓愛者の振りをしていると聞いている。ちゃんと久保を騙せているようだ

 

「……私達は、FクラスとCクラスの戦闘の状況を確認する」

 

「オッケー。任せておいて、その代わり写真よろしく♪」

 

「ま。仕方ないわね、やると言った以上はちゃんと手伝うわ」

 

「えーとじゃあ僕は」

 

なにか手伝いをしないと思い誰を手伝おうかと聞こうとしたとき

 

「吉井君はここに居たほうが良い」

 

「……外に出たら危ない」

 

「そうだね~。さっきも探しに来てたしAクラスにいたほうがいいよ」

 

「ほとぼりが冷めるまではここに居なさい。心配しなくてもちゃんと見てきてあげるから」

 

優しい笑みを浮かべてくれる霧島さん達に僕は深く頭を下げながら

 

「そっか……ごめん。皆、ありがとう」

 

僕がそう言うと4人は「どういたしまして」と言って教室から出て行った。僕はその背中を見ながら、今度このお礼はしないとなぁと心に決めたのだった

 

 

 

 

 

 

 

明久がAクラスで匿われている頃。雄二達Fクラスは

 

「坂本!古典の先生が来たわよ!」

 

「おしっ!ここから英語から古典に科目を切り替える!ティアナ。姫路準備はいいか!」

 

「はいっ!」

 

「こっちは大丈夫よ」

 

出入り口でスタンバイしている2人は古典の教師を見ながら

 

「先生!この勝負が終わったら古典での勝負の許可をお願いします!」

 

「一気に吹っ飛ばすわよ!」

 

「「試獣召喚!」」

 

 

Fクラス 姫路瑞希 英語451点

 

Fクラス ティアナ・ランスター 英語414点

 

400点越えの2人の攻撃で前線に来ていたCクラス生の大半が点数を大幅に削られ後退する。その間に科目を点数が減っていたFクラス生が教室に退避し。補充を終えた生徒が前に出る。それと同時に使用科目が古典に切り替わる

 

「姫路、ティアナ良くやってくれた。助かった」

 

ねぎらいの言葉をかけると2人は

 

「すいません。今野で点数を大分使ってしまったんで補充してきます」

 

「こっちもね。朝から補充の繰り返しで段々点も下がってきてる。早い内に一手考えなさいよ」

 

そういって教室に戻る2人を見ながらおれは

 

「今野で入れ替えは3回目か」

 

3度目となると向こうもそろそろこっちの狙いに気付くだろう。それに向こうは点数の高い生徒で姫路とティアナを抑えようとしてきた結果的には上手く押し返すことが出来たがそろそろ不味い。遊撃で暴れまわっているセッテも大分点数が減ってきたと言って戻ってきているし

 

「こっちもそろそろ手を打つか。秀吉!」

 

「なに?作戦変更?」

 

今まで前衛で囮と撤退補佐をしていた秀吉に

 

「ああ。姫路の補佐に回って欲しい。あいつらは姫路とセッテ。ティアナを抑えることを考えている。あの2人は攻撃的だからほっておいても大丈夫だが姫路は明久が関わらないと攻撃的じゃないからな」

 

俺がそう言うと秀吉は少しだけ眉を上げて

 

「私は攻撃的って言いたいの?」

 

「違うってただここで武勲を挙げたら明久が凄いって言うんじゃないかなってな?島田が活躍できない今。お前の評価を上げるチャ……もういねえ。すげえなあ、魔王の行動力は」

 

あっという間にいなくなり前線でCクラス生と戦っている秀吉を見ながら

 

(今のうちに突撃舞台を用意するか)

 

Fクラスの何人かは補充に集中し点を上げ続けている。機会を見て一気に押し返すためだ。それに突出部隊は敵の注意をひきつける。その隙を見て教室を出ないことには勝負にならない

 

(さてと……作戦を練り直すか)

 

全員の点数票の見直しに作戦の立て直し、部隊の展開場所。考える事だらけだ……俺はそんなことを考えながらFクラスに戻ったのだった

 

 

 

 

 

コグレとミヤビの話はあんまり面白くなくて……いやでも興味深いことはあったっけ

 

(ボクと同じ人はハジメテミタケドネ)

 

自分と同じと言う人間と会うのは初めてだった。そこだけは楽しかったけど……でも

 

(アキ君。アキ君って誰ナノサ)

 

ミヤビが楽しそうに。そして誇らしそうに何度も呼んでいた。アキ君が誰なのか?そんなことを考えながら、1人でぶらぶらと校舎を歩いていると。空き教室のほうから

 

「遠藤先生!Fクラス吉井明久、Cクラス中村君に勝負を申し込みます!!!」

 

吉井アキヒサ?……アキ?……もしかしたらこの教室にいるのがミヤビの言っていたアキ君なのかもしれないと思い。廊下の影で見ていると

 

「くっ。仕方ないだろ!?俺英語27点しか残ってなかったんだよ!」

 

そう叫ぶ男子生徒の前にいたのはぽわぽわした雰囲気の男子で点数は

 

「Fクラス 吉井明久 英語27点」

 

「ぷふっ!?ナにあの点数?」

 

思わず笑ってしまう点数だっただけど。あのほにゃっとした雰囲気は嫌いじゃなかった。コグレとミヤビに案内してもらうより面白そうと思ったボクは

 

「なァなァ。そこのアンちゃん!」

 

「こういう嫌な予感だけは当たるんだよなあ」

 

ぶつぶつと呟いていていてボクの話を聞いてない

 

「「なァなァ。そこのアンちゃんってば!!!」

 

「合流できる隙を探しつつ、違和感の正体を突き止めるほうが」

 

「アンちゃんってば!!!」

 

Yシャツに飛びついて無理やり動きを止めると

 

「クエッ!?」

 

鳥みたいな声を上げて立ち止まったアンちゃんに

 

「にひー♪ようやく気付いてクレタ」

 

笑いながら言うとボクと咳き込んでいるアンちゃんに気付いた女生徒が

 

「……吉井。知り合い?」

 

「ううん。初めて会う子だと思うけど……」

 

ここでしまったと思った。無理やりYシャツに飛びついて動きを止めたから怒っているかもしれない。ボクがそう思っていると

 

「ごめんね、気付かなくて。えーと、君は?」

 

笑顔で尋ねてくるアンちゃんに

 

「オコッてないの?」

 

「怒る?なんで?気付かなかった僕が悪いんだよ。ごめんね」

 

やさしい……ボクは

 

「ゴメンネ?コグレのアンナイハ退屈だったから、ニゲテキタ。アンちゃん……ガッコアンナイシテ?」

 

僕がそう言うとアンちゃんではなく、隣の女子が

 

「ごめんね。今お姉ちゃんたち忙しいの、後にして」

 

「えええええッ!!ヤダヤダ!今アンちゃんがいい!!!」

 

ボクがそう言うとアンちゃんはよしって手を叩いてから

 

「判ったよ。案内してあげる。だかた静かにしてて?」

 

「吉井君。良いの?試召戦争は?」

 

「こうも頼まれちゃうと断りにくいでしょ?だからいいんだよ」

 

にこりと笑い手を伸ばして来るアンちゃんに

 

「アリガト!オレイニ後でコグレが考えてるセンソウノ事教えてアゲルね」

 

あんまり嬉しくて口が滑ってしまった。もしかすると先に言えって言われるかな?下からアンちゃんの顔を野底もウトすると

 

「そう、ありがとう。じゃあ行こうか」

 

アンちゃんはそう笑ってどこから案内しようか?と言って歩き出そうとする。それを見た2人の女子が

 

「ちょ、ちょっと!?今聞かないの!?この子知ってるんでしょ!?」

 

「……先に聞いておいたほうがいいんじゃないの?吉井」

 

2人の女子にそう尋ねられたアンちゃんはにこっと笑いながら

 

「色々考えたいこともあるし、別にいいよ。それにこっちのほうにはCクラスの生徒は来てないみたいだしね。それじゃ行こうか?えーと……名前は?」

 

にこにこと笑いながら尋ねてくるアンちゃんに

 

「リンネ!リンネ・クラインだよ!」

 

「リンネ君だね、じゃあ行こうか」

 

延ばされた手を握り返しながら

 

「アキヒサは優しいね!キイテタ通りだよ!」

 

この人は優しくて良い人だ。僕がそう言うとアキヒサは

 

「誰に聞いたかは気になるけど。まぁ、いいやおいで」

 

ゆっくりと手を引いてくれるアキヒサの後をついて歩く。

 

(ふあー暖かい手。ダデイみたい)

 

心のそこから安心できる暖かい手。この手は離したくないと思えるくらいに凄く暖かくて気持ち良い手

 

(イイなー。アキヒサのこともっと知りたくなったかも♪)

 

手の温かい人は優しい人って日本では言うし、それに少し話しただけ判る。アキヒサは優しいと言うのは良く判る

 

「ぎりっ」

 

「ちょっと久保。小さい子に嫉妬の視線と言うか、自分と同類と判断して嫉妬しないでよ。見てて何かいや」

 

「……うん。ちょっと引く……」

 

アキヒサと僕の後ろをついてくる3人の声を聞きながらボクは暖かいアキヒサの手を握り返しながら

 

(にひー♪校長とダディに言われてイヤイヤ日本に来たけど。きてよかった♪)

 

ボクはそんなことを考えながらアキヒサの後ろ顔を見つめるのだった

 

第98問に続く

 

 




はい。原作では男のリンネ君ですがこっちではどうでしょうね?まあ判るとは思いますけどね!

次回で9巻は終わらせる予定です。段々やりたいイベントに近づいてきましたが。やはり100話は超えそうですね
それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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