バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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今回で本音を喋る召喚獣の話は最後にしようと思います。 今回はドタバタでいけたら良いなと思っています

少々不安は残りますが、どうか今回の更新もどうか宜しくお願いします



第80問

第80問

 

これは面白事になりそうや、私はそう思った。兄ちゃんが普段あまり出さないような声を出して、自分の召喚獣を蹴り飛ばした

それすなわち……

 

(話されたらまずいと言うこと!)

 

その手の質問はあの手この手ではぐらかし続ける。兄ちゃんの秘密を聞く良い機会だ

 

『痛いじゃないか』

 

「召喚獣とは言えさすが私だ。あれだけ全力で蹴ってもピンピンしてる」

 

兄ちゃんが驚いているのが判る。これは絶対にさっきの一撃で消滅させるつもりだったに違いない

 

「今度こそ消え去ってもらおうか」

 

『ただではやられんぞ』

 

召喚獣が構えを取る。身長差があるから最初から構えを取っているのだろう、だがこれは不味い兄ちゃんの目が明らかに本気の色をしている。

 

次の一撃でなんとしてもKOするつもりだろう。どうやって止めるかを考えていると

 

「行くぞ! 次は焼却炉だ!!」

 

瑞希が腕に抱えている召喚獣を奪い返して、外に向かって蹴りだそうとしている明久の姿が目に映る。そしてそれを

 

「あ、明久君!? 幾らなんでも外に蹴りだすのは酷いと思います!?」

 

その召喚獣を抱え、珍しく機敏な動きで明久の手をかわしている瑞希、それを見た私は

 

(それや!)

 

兄ちゃんに集中している召喚獣を横っ飛びで抱え上げる

 

「ぬあ!? はやて! 召喚獣を返せ!」

 

「へっへーん。嫌や♪ この子には色々聞きたい事があるんやもん♪」

 

こんな面白いチャンスを逃す手はない、私は兄ちゃんの召喚獣を抱き抱えバックする、それと入れ替わりにヴィータが前に出て。その両脇をセッテとティアナがガードする

普段は互いに死ねと思っているが、共通の目的がある時は何にも言わず連携が取れる。これでそう簡単にこの召喚獣を奪い返される事はない。あと20分、何をしても兄ちゃんの秘密を聞き出す!!

 

 

 

 

瑞希の腕の中の召喚獣を取り返そうと色々と考えていると、瑞希が

 

「あの、明久君。さっきの質問なんですけど」

 

「……さっきの質問?」

 

さっきって何を聞かれたっけ? 瑞希の腕の中の召喚獣を奪う事だけを考えていたせいか、何を聞かれたのか覚えていない

 

「はい、明久君の好きな人は?」

 

くっ!? それか!? 出来る事ならばこんな事はしたくないが、これ以上聞いてくるのならば仕方ない。瑞希にも同じ土俵に立ってもらおう。僕は自分の召喚獣が口を開く前に

 

「えっとね、僕の好きな人は」

 

「は、はい。明久君の好きな人は!」

 

ずずいっと身を乗り出し、どんよりとした目で僕を見る瑞希に

 

「………Gクラスに居る。左門さんかな?」

 

僕は大分間を空けてから。はっきりとそう告げた。すると瑞希は

 

「……え? さ、左門さん? 誰ですか? そんな人聞いたことも……」

 

驚きに目を見開いている瑞希の前に

 

ポンッ! ←瑞希の召喚獣登場

 

「さぁ! これで条件は五分五分だよ瑞希! 好きな人の話を続けようじゃないか!」

 

驚いている瑞希の腕から召喚獣を奪い返しながら言うと瑞希は

 

「ひ、卑怯です! 好きな人の名前で騙すなんて!」

 

そう怒る瑞希に僕の召喚獣が

 

『ごめんね、瑞希ちゃん』

 

ぺこりと頭を下げる。確かに今の僕の心境は瑞希に対する謝罪の気持ちで一杯だ。こんな地獄に引き込んだ事を心から後悔している。

 

「私の召喚獣を返せ!」

 

「嫌や!」

 

なお僕が申し訳ない気持ちで一杯の時、龍也と魔王連合は戦闘を繰り広げていた。

 

『放せー!!』

 

召喚獣が全力で暴れているのにまったく緩むことのない、魔王ハンド。いったいどんな力をしているんだろうか? 僕がそんな事を考えている間に龍也と魔王連合は一歩動けば一歩下がるを繰り返していたのだが、案の定魔王連合すぐに行き止まりになる

 

「さぁ返すんだ」

 

龍也が手を伸ばすと、魔王達は声を揃えて

 

「「「「召喚しますよ(で)(ぞ)」」」」

 

「ぬっぐうう!?」

 

龍也が顔を歪めて後ずさる。何をそんなに動揺する事があるんだろう? サモンさせれば……はっ!?

 

魔王属性の召喚獣 何をしでかすか判らない。なぜならその本音は常に邪な欲望に満ちているから

 

(これは何て酷い脅しだ!? 魔王の恐怖を知っている龍也が動揺するのも判る!?)

 

魔王の考えの恐ろしさに僕が戦慄していると

 

「ふふ、いらっしゃい瑞希。思う存分本音で語り合いましょう? ウチもちょっと瑞希が何を考えてるか知りたかったしね」

 

美波が瑞希の肩を掴んでそう笑う。あれ? おかしいな。あの2人って協力関係にあったんじゃ?

 

「だ、大丈夫です! 私には隠し事なんて」

 

『実は美波ちゃん。前にはやてちゃんから貰った、良く判る洗脳術って言う本がありまして。それで明久君を洗脳しようかと思っているんですが、どうでしょう?』

 

「いやあああああッ!!!」

 

大慌てで自分の召喚獣の口を塞ぐ瑞希、だけど僕は

 

(え? 良く判る洗脳術? 瑞希は何を考えているの? 彼女は僕に何をする気なの!?)

 

『僕は瑞希ちゃんが何を考えているのか判らない!』

 

そして僕の召喚獣はorzのポーズで嘆いていた。僕も多分これ以上何かあったらそのポーズをしそうな気がする

 

「瑞希、あんたって何時もそんな事を考えてるの?」

 

呆れたように言う美波。だが本体の言葉は信用出来ない、重要なのはその足元の召喚獣だ

 

『それ良いね! 秀吉が嫌いになるようになったら良いな!』

 

「少しは黙りなさい、このド馬鹿!!!」

 

自分の召喚獣に飛び掛る美波を見ながら。僕は畳に両膝を着いてorzのポーズを取り

 

『「僕には彼女達への接し方が判りません!!!」』

 

僕は龍也みたいに達観してないから。もう危ない所まで逝ってしまった魔王達の考え方が判らなかった……

 

『でもそんな皆も可愛いよね♪』

 

orzのポーズをしていたはずの僕の召喚獣がそんな事をのたまうのを聞いて

 

「そぉいッ!!!」

 

『ふぎゃああああッ!』

 

僕は即座に立ち上がり、自らの召喚獣をゴミ箱にダンクした。もうフィードバックなんか気にしている場合じゃない!!!

 

 

 

 

同時刻、別の場所である意味巻き込まれた2人の生徒が居た……

 

「あ。あの! 久保君」

 

「うん? えっとキミは……?」

 

「私、Eクラス代表の中林って言います!」

 

「ご丁寧にどうも。中林さん、僕に何か用かな?」

 

「えっとなんて言ったら良いのかな? 私、久保君に聞いてもらいたい事があって……毎日ずっとモヤモヤしたき持ちで一杯で、ううん……違うかな? 切なさ? 悶々? とにかく上手く言えないけど、どうしても聞いてもらいたいことがあって。あの久保君。今忙しい?」

 

「いや、時間なら大丈夫さ。問題ないよ」

 

ここで起きた悲劇といえば2つ。1つ目が学園長が設定したフィールドが学校中に張られていた事。そして2つ目は2年の学級で久保の評価が地に落ちた、肝試しのときに中林が休んでいた事

 

ポン×2 久保&中林の召喚獣登場

 

『実は私久保君の事がずっと気になって、運動ばかりしてるからかな? あの知性の光る目が凄く好きで、私と付き合ってください!』

 

『あの肝試しの時から吉井君と疎遠になってしまった。それに魔王達も邪魔だ、もうこうなれば夜にでも無理にでもヤッてしまうしかないだろうか?』

 

「………え?」

 

「まぁそのそういうわけだから、僕は女子に興味はないんだ。ごめんね」

 

「えええええええッ!?!?」

 

中林の悲壮な悲鳴が響き渡った。なお後日中林は

 

「あのさ、ガチホモの久保君に狙われてる。吉井君って凄く可愛そうだと思うんだけど」

 

「うん、私も。それに島田さんとか姫路さんとか、木下さん(妹)とかの言うことのほうが説得力あるんだよね」

 

明久の知らない所で魔王3人衆は久保の危険性を女子と男子に説いていた。そして2年の中での久保の評価は

 

『頭は良いが、ノンケでさえ喰おうとするガチホモ』

 

となっている。中林は

 

「危険すぎると思うのよね」

 

「うん。それはそう思うよ、現にBLに興味のない女子は吉井君に久保が近づけないように色々としてるし」

 

例を挙げれば、パケツの水を引っ繰り返したり、授業で使う道具で通せんぼしたりと。色々している

 

「私はうん……多分久保君……ううん、久保の邪魔をしたい」

 

「そう! じゃあ島田さんか姫路さんに話を聞くと良いよ」

 

同性愛者を駆逐する部隊に新たなメンバーが増えた瞬間だった。なお美波に協力体制にある女子を纏め上げているのは

 

「良いですか! 久保の邪魔をするのです!」

 

同性愛者からファザコンにジョブチェンジした。清水美春だったりする……

 

 

 

 

 

「「「くたばれえええええッ!!!」」」

 

龍也と雄二と声を揃えて自らの召喚獣をゴミ箱に蹴りこむ。この作業たった8分の間にもう10回以上やってる気がする……

 

「はぁ、はぁ、はぁ。今日は何てハードなんだ」

 

「まったく、だ。実体化した召喚獣がここまで厄介、だとは」

 

「くそ……あれだけ全力で蹴っても駄目なのか!」

 

その気になればコンクリートでさせ蹴り砕く龍也の一撃を喰らってもその召喚獣はピンピンしている。なんてタフなんだ、あの一撃を喰らって(さっき試しに僕の召喚獣を龍也に蹴って貰ったが消滅しなかった。僕は肋骨が蹴り砕かれたかのような痛みに悶絶する事になったが……)

 

「……そろそろ雄二は諦めて正直に本当の気持ちを教えてくれるべき」

 

「僕は秘密が多そうな龍也君の話も聞きたいし、吉井君の秘密も聞きたいなー♪ 苛めるネタが増えるから♪」

 

「そろそろ龍也さんも限界でしょうか?」

 

「だろ? ポーカーフェイスで誤魔化してるけど。兄貴疲れてるぞ」

 

え? そうなの? 隣の龍也を見ると表情自体は涼しげだが額に少し汗が浮かんでいるのが見える。これは龍也でさえ疲れを覚えるレベルの試練だと言うのか!?

 

それにドS魔王の工藤さんが本格的に僕達に標的を絞ってきた、このままでは誰かが自爆してそれが誘爆する!

 

「工藤さん! 工藤さんは僕達なんかの所より、ムッツリーニの方に行ったらどうだい!」

 

工藤さんが1番苛めたいムッツリーニを生贄にしようとすると

 

「だってリアクションが鼻血から召喚獣になっただけで面白くないもん」

 

ムッツリーニは召喚獣の頭を必死に叩いているだけだった。あれは確かに面白くない!? くっならば僕と龍也以外の誰かを生贄に! 辺りを見回すとふと瑞希と美波と目が合う

 

「あ、明久君! 今はこっちに来たら駄目です!」

 

「声を聞くのも駄目だからね! あっち向いてなさい!」

 

『はやてちゃんに教わったとおり監禁するのが早いんですかね?』

 

『薬は使いたくないよね』

 

なんだろう。聞かないようにしてるのに僕の耳の中に聞こえてくる「薬」「洗脳」「既成事実」「重婚の出来る国」と100%犯罪臭しかしない単語が凄く怖い

 

「瑞希ちゃんと美波ちゃんの秘密は知ってるからね。今更聞く必要はないんだよ」

 

ちっちと指をふる工藤さんを見ながら、僕は隣の雄二を指差して

 

「じゃあ、雄二で!!!」

 

「ふざけんなてめえ!! 翔子だけで手一杯なのにドS魔王まで相手に出来るかぁ!」

 

その言葉は正しだろうが、生きる為には犠牲が付き物だ、だけど、犠牲になってくれと言われて、はいそうですかと納得できるわけも無いが

 

「ん~坂本君を苛めると代表が怒るから駄目かな? だから残ったは吉井君と龍也君かな♪」

 

くそだめか! となれば秀吉だけどってあれ?

 

「ねぇ。さっきから秀吉の声がしなくない?」

 

「そう言えばそうだな? まさか召喚フィールドから脱出したのか?」

 

2人で秀吉を探していると、秀吉は正座して目を閉じていた

 

「精神統一すれば、この召喚獣は静かになる」

 

目を開いてそう笑う秀吉。なるほどそうすれば

 

『本当は胡坐をかけば、明久が覗いてくれるか持って少し期待しました。そして姫路と島田は死ね』

 

「ごめん。目を閉じてないとこの馬鹿が何か喋るから」

 

召喚獣に拳骨を落として目を閉じる秀吉を見ていると

 

「……雄二達の召喚獣を連れて来た」

 

「「「え?」」」

 

霧島さんの手の中には先ほど全力でゴミ箱に叩き込んだはずの僕達の召喚獣の姿が

 

「しょ、翔子! そいつをこっちによこせ! 今度こそ冥界に叩き込んでやる!!」

 

「お願い霧島さん! 僕の召喚獣を返して!」

 

「翔子何も言わず、私の召喚獣を返せ。そしたら」

 

龍也が雄二の後頭部を掴んで持ち上げる

 

「おい? 龍也?」

 

「雄二を縛り上げてお前にくれてやる」

 

「ッおいいいいいいッ!?」

 

どうも龍也自身相当てんぱっている様だ。あの聖人ともいえる龍也がFクラスと同じ行動をしてる辺りそう思う。

 

「……欲しいけど我慢します!!!」

 

「くっ! ならばジェイル印の媚薬をつけてやるぞ!」

 

「おい!? 龍也!? 後生だ! それだけは勘弁してくれ!!!!」

 

「……凄くッ! 欲しいけど……我慢……しますっ!!!!」

 

龍也も壊れてきてるし。霧島さんなんか今にも血の涙を出さん勢いでそう叫んでる、色々と皆限界が見え始めていた

 

「じゃあ、今の内に。ねえ。坂本君達の好きな人は誰かな?」

 

僕達が霧島さんに気を取られている内に工藤さんが召喚獣にそう質問する。

 

「くっ! こうなったら!」

 

龍也が雄二を頭上に持ち上げて立てた膝上に叩き付ける

 

「げふっ!?」

 

「そして貴様も死ね! 明久!」

 

「なんでぇ!?」

 

僕は頭をつかまれ。畳に叩きつけられた。その余りの威力に一瞬意識を失う。だがそのおかげで召喚獣が黙り込む、

 

「あれ? 黙っちゃった?」

 

そうか龍也はこれが狙いだったのか!? 大ダメージを伴ったがそのおかげで意識は、傷みに集中して本音所ではない。その間に座禅を組んで意識を集中する

 

「……ぶくぶく」

 

雄二は泡吹いてるけど、大丈夫! やつは頑丈だから! 僕が座禅を組んだと同時に美波達も座禅を組んで目を閉じていた。これであと5分持ち応えたらこっちの勝ちだ!

 

「ん~なんか静かになっちゃったね?」

 

「……困る。私は雄二の気持ちを聞きたいのに」

 

「んーなんか手を打たんと駄目やね。貝になられたままでは詰まらんし」

 

魔王組みの声を意図的に無視して意識を集中する。5分くらいならなんとか!

 

「しかたない、じゃあ学園長に貰ったこの箱を使おう」

 

「うん? 箱? 何につかうんや?」

 

「ふっふーこの中にカードが入っててそれを引くんだよ」

 

「なるほど、連想ゲーム! それは面白そうですね」

 

「じゃあ、みんなで1枚ずつ引くか!」

 

魔王組みが嬉々とした声で何かを読み上げてくる

 

「1枚目はしましま」

 

「2枚目はピンクです」

 

「3枚目は水色だ!」

 

「さーてこの3つで連想させるものはなんや!」

 

はやてさんの問いかけに僕達の召喚獣はそれぞれ

 

『『『パンツ!』』』

 

『パジャマ?』

 

龍也だけちがう!? というかその3つでパジャマ!? どういう思考回路してるんだ!?

 

「あはは! やつぱ龍也君って感じ♪」

 

「いやいや、リヒトとかが新しいパジャマが欲しい言うてたから、たぶんそれやろ?」

 

「正直そうだな」

 

龍也は間違いなく健全な男子高校生の思考回路ではなく、お父さん的な思考回路なんだろうと僕達は確信した。この後も色々あった例えば

 

『龍也』

 

『異性』

 

『どうなる』

 

 

『魔王になる』×2

 

『ストーカーが増える』×2

 

『そのうち刺されそう』×2

 

納得の意見が集まったのだが、当人はと言うと

 

「まて! 刺されるとはどういうことだ!?」

 

『全く意味が判らんぞ!?』

 

僕達の言葉の意味を全然理解していなかった……

 

 

『雄二』

 

『魔王』

 

『黒魔術』

 

『『『人生の墓場直行便』』』

 

『『『魔王の奴隷』』』

 

「ちくしょーッ!! 判ってた、判ってたけど改めて言われるといやだーッ!!」

 

『でも俺は別にそれでも「黙れええええッ!!!」みぎゃああああッ!?!?』

 

暴露しかけた自らの召喚獣に全力の踵落しを叩き込んでいた

 

「ぷふー♪ 最高♪」

 

「これは中々に面白いです♪」

 

魔王衆はそれを見て爆笑していた。多分僕も傍観者の立場なら同じだったと思うのだが、次のは正直引いた……

 

『魔王が』『互いに』『憎いと思ってる相手』

 

『島田と姫路! ずっと死ねって思ってる』

 

「余計な事を言うなーッ!!! 死ねとまでは思ってないから!」

 

「まぁ……流石にそこまでは思わないわよね? 常識的に」

 

「そ、そうですよね!? 美波ちゃん」

 

と本体同士は表面上は笑い合っていたが、召喚獣達は

 

『『『フーッ!!!!』』』

 

猫の様な唸り声を上げて、殴る蹴るの大喧嘩を繰り広げていた……特に瑞希の召喚獣は後からの奇襲でダブルKOを狙っていた……

 

(もしかして瑞希って物凄い腹黒なんじゃ)

 

正直皆との付き合い方が良く判らなくなった。とりあえず今判るのは

 

(秀吉にしても、美波にしても、瑞希にしても……後に立たれない様にしよう)

 

後からドスンッ! の可能性がある以上。背後の警戒は怠れないと僕は思った……

 

「んーそろそろタイムUPやし、ここはストレートに」

 

はやてさんが何かを弄っているのが聞こえる。ただその音が

 

カチャカチャ

 

明らかに金属音なのは死ぬほど怖い。はやてさんの得意技って確か投げナイフだよね? まさか……

 

「好きな人を暴露しい。じゃないとナイフ投げる」

 

そのまさかが来たーッ!!!!

 

「んじゃあーまずは明久の召喚獣♪」

 

えっと驚き目を開けるとはやてさんがナイフを振りかぶってる、しかも狙いは頭

 

「死ぬ! 頭は駄目!!」

 

止める間もなく放たれるナイフに思わず目を閉じると

 

「やーどうもどうも、良いデータが取れたから、フィールドを消したよ」

 

博士の声と共にトスッと乾いた音がする。目を開けるとさっきまで暴走していた召喚獣の姿はない

 

「「「「や、やっと終った……」」」

 

ふーと全員が溜め息を吐く中、すくりと誰かが立ち上がる、ふとその人物を見ると

 

「……」

 

能面のような表情の龍也は無言で博士に近寄り

 

「ん? どうしたんだ?「死ね、この馬鹿野郎」

 

驚くほど淡々とした声で博士の襟を掴んで、実にスムーズな動きで博士の白衣から何かを取り出してから。窓ガラスに向かって投げつけた……

 

パリーンとガラスの砕け散る音とドスンと何かの落ちる音に僕達が身を震わしていると、龍也は

 

「行くぞ」

 

「どこへ?」

 

僕がそう尋ねると龍也は

 

「ラ・ペディスだ。全員好きな物を頼め、奢る」

 

そう言って淡々と歩き出した龍也ははやてさん達に

 

「ていッ!!!」

 

バシ×6

 

声の割には鋭すぎる打撃音のするチョップを叩き込む。全員が頭を押さえて涙目で蹲るのを見ながら

 

「後で追いついて来い。どうせ暫くは痛くて動けないだろうしな」

 

「「「はひっ」」」

 

にやりと底意地の悪い顔をして笑った龍也は

 

「行くぞ、今日はやけ食いでもしんと気がすまん」

 

「金は? この人数だぞ?」

 

「ほれ。見てみろ、雄二」

 

ぽいっと投げ渡されたのは皮の財布。雄二はそれを見て

 

「ばふっ!? 30万も入ってやがる!?」

 

「と言うわけだ。奢るくらい問題ない、それと……この際あれだ。あの馬鹿のせいで苦労した面子にはあれだ。大盤振る舞いだ、好きな物を買ってやろう」

 

嬉しいけど、話の方向がずれてるんじゃ?

 

「その悪いですよ……龍也君」

 

「気にするな。私が良いと言っている。それにあの金は……」

 

そこでまたにやりと底意地の悪い顔をした龍也は

 

「馬鹿の金だ。使った所で何の問題もあるまい?」

 

なるほど、ささやかな復讐と言った所か……じゃあ!

 

「僕はあれかな! 最新のゲーム機!」

 

「俺は新型のMPプレイヤー!」

 

「あいつの財布の中身を空っぽにしてやるぞ!!」

 

「「「おおーッ!!!」」」

 

僕達はそう握り拳を作ると、街へと繰り出していった……

 

第81問に続く

 

 




これで本音を語る召喚獣は終わりです。次回はオリジナルの話か7巻の話にしようと思っています、オリジナルならほのぼの系。7巻なら混沌系ですね
それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします

それとバカテスの最終巻を買ったんですが、明久×瑞希よりも私は断然明久×美波を推します、最終巻を見るまでは明久×瑞希か美波でしたが、明久×美波のほうがポイントリードしましたね。と言うわけで今度からは、美波の出番が増すでしょう。まぁ馬鹿と魔王と召喚獣では明久はハーレムENDなので少しだけ他のヒロインより出番が増す程度だと思ってください。それでは長文失礼致しました

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