バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです!!今回はお宅訪問です!!さてどうなるでしょう?どうかお楽しみに


第8問

 

 

第8問

 

「ここかのう…」

 

地図を何度も見る…間違いない…此処じゃ…じゃが…これは…

 

「もしかしてあんたの友達ってお金持ちなんじゃない?」

 

「うむ…ワシもそんな気がするのう…」

 

豪邸の前でワシと姉上はどうすれば良いか困っていたのじゃ…ワシの家3件分くらいの敷地を持つ豪邸の前に立ち尽くしていると

 

「あれ?秀吉とお姉さん?…どうしたの?」

 

「本当だ、こんな所で何してるんだ?2人とも?」

 

「…ここは住んでる人の居ない館のはずだが?」

 

何時もの3人組に遭遇する…ワシは

 

「うむ、龍也に夕食に誘われたのじゃが…ここに住んでる様なのじゃ…どうすれば良いか迷ってしまってのう…」

 

「ええ!?龍也此処に住んでるの?」

 

「…金持ちなのか?」

 

ムッツリー二と明久が驚いていると

「あれ?木下さん?もう来たの?」

 

フェイトが買い物袋を提げて後から歩いてくる

 

「ハラオウンさん…ここが八神さんの家なの?」

 

「龍也の家って言うか…私達も此処で住んでるんだけどね」

 

「!?!?ブシューッ!!!」

 

「ムッツリー二!?何を想像したんだ!?」

 

鼻血を噴出し倒れるムッツリー二を介抱する明久を見ながらフェイトは

 

「まぁ、とりあえず家にどうぞ」

 

門を開け入っていくフェイトに

 

「うむ…」

 

「ええ…」

 

ワシと姉上がついて歩いて行くと、その後を雄二達も着いて来る

 

「のう、誘われたのはワシと姉上じゃ。こんな大勢で来たら迷惑がられるぞい?」

 

「聞いてみて駄目だったら帰るさ」

 

「うん、聞くだけ聞いてみたい」

 

「……」

 

むう…良いんじゃろうか?

 

「ただいまー」

 

「あ、おかえりフェイトちゃん。えーと…後の人達は?」

 

家の中に入るとなのはに出迎えられたが、雄二達を見て驚いている様だ…ワシが

 

「うむ、同じクラスメイトなのじゃが…ついて来てしまったのじゃ…」

 

「…ま…また美少女が!!龍也はハーレムを築いてるのか!?こ…殺すしかないのか!?あの…龍也を!?」

 

「お、落ち着け明久!?須川の二の舞になるぞ!?」

 

こそこそと話す雄二と明久…

 

「うん?何だ…明久達も来たのか」

 

2階に続く階段から龍也が降りてくるが…

 

「「「………」」」

 

思わず絶句してしまったのじゃ…なんと言うか気品と高貴さを兼ね備えた私服に目を奪われたのじゃ…

 

「…!カシャッ!!カシャッ!!!」

 

ムッツリー二が素早くシャッターを切る中、龍也がワシ達の前に立った…

 

「どうした?」

 

停止しているワシ達にどうかしたか?と尋ねてくる龍也に

 

「あ…ああ何でもないのじゃ…明久達も来てしまったんじゃが…」

 

「僕たちも良いかな?」

 

「迷惑だったら帰るぜ?」

 

雄二と明久が尋ねると龍也は柔和な笑みを浮かべ

 

「かまわないさ、食べて行ってくれ」

 

そう言って歩いて行く龍也となのは達…ワシ達がどうすれば良いのか迷っていると

 

「どうした?やっぱり帰るのか?それならそれでも構わんが?」

 

全員で首をぶんぶんと振り、龍也の後を追って歩き出した…

 

 

 

 

 

「いらっしゃい…あれ?吉井達も一緒なん?」

 

「…っち…うるさいバカどもが来ましたか…」

 

八神さんは友好的だったが、セッテさんにとんでもない暴言で迎えられた…

 

「さ、好きなところへ座ってくれ。今用意するから」

 

そう言って歩いて行く龍也を見送り、何処に座るか思案する…

 

八神さんの隣 …目で殺すと訴えている

 

セッテさんの隣 …ナイフを構えている…

 

知らない女子の隣 …睨まれている

 

フェイトさんの隣 …黒い目で睨まれている…

 

うん、上の4席は駄目だね。殺されちゃうよ…僕達は仕方なく知り合い同士固まりになって座ろうとしたが…

 

「こ…これに座るのか?」

 

「見るからに高級そうだよね?」

 

思わず尻込みしてしまう…TVで見るような装飾が施された椅子に座る事に抵抗を感じてしまったのだ…

 

「何してるん?はよ座りや」

 

八神さんに促され、震える手で椅子を引き出し座る…雄二、僕、ムッツリー二、秀吉、お姉さんの順番だ…

 

「ゆ…ゆゆ…雄二がちがちだよ?」

 

「お…お前こそガチガチじゃないか?」

 

2人で憎まれ口を叩いていると

 

「何してるんだお前達は?」

 

龍也が料理を運んで来て苦笑する…僕は思わず

 

「だ…だって?見るからに高級そうな椅子で…」

 

「ははは、大した事無いよ。1脚20万くらいだから…おい!?どうしてカーペットの上に正座するんだ!?」

 

20万もする椅子の上に座ることなんて出来ません…僕は此処で良いです…雄二と秀吉も同様で正座しようとしている

 

「だって、料理零したりしたら…僕には弁償できません!」

 

「良いって、零しても気にしないから早く座れ…」

 

龍也にそう言われて椅子に座りなおす…出来るだけ汚さないように気をつけながら

 

「今日は秀吉と優子を招待したのでな、少々凝った物にしてみたんだ」

 

そう言って目の前に置かれたのは魚の焼いた物に、野菜とソースが添えられた…俗に言うフレンチという物だった…

 

「ごめなさい…龍也僕お金ないから…召使いとして働くよ」

 

「突然何を言い出すんだ!?」

 

だって…見るからに高級そうなんだもん…僕にはそうしないとお金払えないよ

 

「友達なんだから金を取ろうなんて思ってないから安心しろ!」

 

「そうそう、気にせんで良いから食べや」

 

八神さんと龍也に言われ、震える手で両脇に置かれたナイフとフォークに手を伸ばそうとして…

 

「だ…駄目だ!僕にはテーブルマナーなんて判らない!!!」

 

「お、俺もだ!どうやって食えば良いんだ!?」

 

「あ、姉上、ワシにマナーを教えて欲しいのじゃ!」

 

皆パニックになってしまった…それを見て龍也は呆れたように頭を押さえ

 

「別にマナーとか気にしなくて良いから普通に食べろ。材料自体はスーパーで買ったんだ、そんなに気にしなくて良いよ。康太を見ろ」

 

「えっ!?」

 

龍也に促されてムッツリー二を見ると、適当にナイフとフォークを使って食べている…僕達の葛藤はなんだったんだ!

 

「美味いぞ。明久」

 

普通に食べているムッツリー二が羨ましかった…

 

「まぁこれは前菜なんだから、そんなに気にするなよ。他のが持って来にくくなるだろう」

 

前菜!?これが!?というか前菜という事はコース料理!?まだこんなのが続くの!?僕達は軽はずみな気持ちで魔境に踏み込んでしまったようだ…

 

「あ、美味しい!何で味付けしてるんですか?」

 

お姉さんが優雅に魚を切り分け口に運び、そう尋ねると

 

「ワインビネガーと私が栽培してるハーブだ。口がさっぱりするだろう?」

 

ハーブまで栽培してるんですね、僕達とは格が違うんですね…僕はそんな事を考えながら前菜を口に運んだ…その瞬間、体を稲妻が駆け抜けたような気がした…

 

「…美味い…涙が出るぜ」

 

「本当だよ…最後の晩餐はこれが良いな」

 

「何故泣き出す!?対応に困るぞ!?」

 

思わず泣きそうになるくらいに美味かった…

 

「本当に美味いのう…」

 

「…うん」

 

夢見心地というのはこの事だろう…1口ごとに幸福を感じるよ…

 

「木下さんの弟さんって面白いね」

 

「そ…そう?」

 

「はやてちゃん…Fクラスの人って皆こんな感じ?」

 

「まぁ…此処にいるのは取り分けバカやから…」

 

八神さん達に馬鹿にされてるがそんな事なんてどうでも良い…この幸福を長く感じたいよ…

 

「良いカボチャがあったので、冷製スープにしてみた。口に合うと良いのだが」

 

今度置かれたのは黄色いスープだった…生クリームとハーブが乗っており。見た目にも美しい

 

「…ああ…美味い…美味すぎる」

 

「本当だよ…このまま死んだって良い」

 

これも美味しい…もう…このまま死んだって良いと思うくらい…

 

「大袈裟だな、まぁ喜んでもらえて嬉しいが」

 

大袈裟!?とんでもない!これが正しいリアクションなんだ!!ムッツリー二を見てみてよ

 

「…」

 

美味すぎて魂が半分出てるんだよ!?…え!?目をごしごしと擦る…ムッツリー二の背中から白い靄見たいのが出てる…ヤバイ!昇天しちゃうよ!?僕が慌ててムッツリー二の背中を叩くと。その靄は吸い込まれるように消えた…

 

「はっ!?あの川はどこへ!?」

 

臨死体験!?美味すぎて臨死体験したの!?どういう調理法で作られたのこれ!?

 

「メインはこれだ」

 

今度置かれたのは肉の塊だった…ああ、龍也…君はなんて良い奴なんだ…僕のカロリー不足を知ってこんな良い物を…

 

「優子はこれな」

 

お姉さんのは食べ易いように切られていた…なんと言う心使い…優しすぎるぞ龍也!?

 

「えっと…どうして名前で呼ぶの?」

 

お姉さんが若干赤みを帯びた顔で尋ねると

 

「呼びやすいからだが…嫌なら止めるが?」

 

「嫌じゃない…から…このままで良い…」

 

赤面しているお姉さんだったが次の瞬間青褪めた…

 

「「「「……」」」」

 

絶対零度の視線×4心臓の弱い人なら即死レベルだ…かという僕もかなり怖いのだが…僕はそんな事を考えながら肉を切ろうとしたが…

 

スッ…

 

まるで存在しないように軽やかに吸い込まれるナイフ…

 

「すげえ…こんな事本当にあるんだ…」

 

「…手が震えるよ雄二…僕こんなの食べる権利あるんだろうか?」

 

「…大丈夫だ…大丈夫な筈だ…俺達にだって食べる権利はあるはずだ…」

 

僕達みたいな金も無い、コネも無い、頭も悪いやつが食べても良いのだろうか?思わず考え込んでしまう

 

「良いから食べろ、それとも食べないなら下げるか?」

 

「「食べます!!食べさせていただきます!龍也様!」」

 

もう駄目だ、こんな良い人を呼び捨てになんか出来ない!この人は神だ!貧困に喘ぐ僕を救う神なんだ!この人は僕達なんかと違う別次元の人なんだ…だから女の子にモテるのも当然なんだ!異端審問にかけるまでも無い。この人は裁く側、僕達は裁かれる側なんだ!…これはちゃんとFFF団の定例報告で言わないといけない。この人を敵に回すことなんて出来ないんだから

 

「…これはこんど作り方を教えてもらいたいのう」

 

「…俺も」

 

秀吉とムッツリー二は作り方が凄く気になるようだったが…今の僕にはこれを感謝しながら噛み締めて食べるという選択肢しかなかった…

 

「デザートはオードソックスにカスタードプディングだ」

 

大満足の僕らの前に置かれた最後の品は、見るからに美味そうなプリンだった

 

「…今日という日を俺は忘れない」

 

「僕もだよ…こんな幸せな日を忘れる物か」

 

「ワシもじゃ…Fクラスで良かったのじゃ」

 

「…コクコク」

 

「大袈裟だな、本当に」

 

「あはは!Fクラスの人って面白いね」

 

「うん!そうだね」

 

龍也たちに笑われているが、それでも良い…今日という素晴らしい日を忘れない為に…

 

夕食後、少し休んでから帰る事になった…何なら泊まって行っても良いと、龍也は言ってくれたがそこまでして貰う訳に行かないので。丁寧に断った…玄関まで送ってくれた龍也と八神さんに

 

「ご馳走様でした、凄く美味しかったです」

 

丁寧に頭を下げるお姉さんに続いて

 

「「「「本当にありがとうございました!!龍也様!!!!」」」」

 

僕達4人は腰を90度に曲げて、誠心誠意感謝を表現した

 

「その様って言うのは止めて欲しいな。私は友達を招待しただけなんだから。良かったらまた来てくれ。お前達といると面白いからな」

 

そう言って笑う龍也にまた来ると約束して、僕達は自宅へと帰って行った…本当は色々聞きたい事があった…どうして高町さんとハラオウンさんと暮らしてるのかとか、どうしてこんな家に住めるのかとか…でも今日は聞かないで置こう…また今度もっと仲良くなってから聞こうと思いながら、僕は歩を進めた…明日はBクラスとの試召戦争だ、次も勝つぞ!と闘志を燃やしながら…

 

第9問へ続く

 

 

 




…えーと面白かったですか?それだけが気掛かりです、ですので感想を頂けると凄く嬉しいです!!それでは次は必殺料理人の回です!どうぞお楽しみに!!!

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