バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです!!今回で戦争終了の予定です!それでは今回もどうか宜しくお願いします


第7問

 

第7問

 

「明久、よくやった」

 

テストを受けなおした後、雄二がらしくない言葉を口にした…僕を素直に褒めるなんて…どういう風の吹き回しだろう…

疑問を感じながら雄二の顔を見た瞬間、その謎は解決した…凄まじいまでの笑顔、それはもうムカつくほどの…さてはこの男…

 

「校内放送聞こえてた?」

 

「ああ、バッチリな」

 

この男!人の不幸を喜んでやがる!!許せん!!!今すぐにでも窓から突き落としてやりたいが…もっと粛清を加えるべき人物がいるので後回しだ…

 

「雄二、須川君が何処に居るか知らない?」

 

そう須川君だ…彼を処刑しなければ…ああ…今すぐにでも逢いたい…何処かに隠れてるかも知れないけど…そうなったら草の根を分けても探すつもりだ…

 

「もう直ぐ戻って…」

 

「た…助けてくれええええッ!!!」

 

雄二の声を遮って須川君の悲鳴が聞こえる…何事かと思っていると

 

「私は人の嫌がる事をする奴が嫌いだ…お前のやったことはどうにも目に余る…よって話し合おう(処刑してやろう)」

 

ゴキ!ゴキ!!ゴキ!!!

 

首と肩を鳴らしながら龍也様登場…どうやら僕の為に怒ってくれてるようだ…なんと良い奴なんだ…でもそれをするのは僕の役目だ…さっき家庭科室から包丁はパクって来た…靴下には砂を詰めた…これで話し合わないなんて間違ってる…

 

「ち、違う!!違うんだ!!!あれは代表の指示で…」

 

どうやら最も先に処刑する奴がいるようだ…僕は隣の雄二に

 

「シャアアアアッ!!!」

 

鋭く踏み込み包丁を突き出す、狙いは避けにくく致命傷になりやすい肝臓だ!僕が襲いかかろうとする直後龍也が

 

「でも、どうなるか判ったよな?よって話し合いだ(処刑)」

 

「イヤだアアアアアッ!!!話し合いの裏に処刑って聞こえるぅぅぅッ!!!」

 

ああ、須川君は龍也が殺ってくれるんだね?それじゃあ僕は確実に雄二を仕留めるよ!

 

「あ、船越先生」

 

ちィ!撤退だ!雄二の始末も大事だけど、今は僕の体の安全が第一だ!卓袱台を蹴散らし掃除用具入れに飛び込む、その直後

 

「成敗!」

 

「ギャアアアアアアッ!!!!」

 

ボキャアッ!!と今まで聞いた事のない音と須川君の断末魔の悲鳴が聞こえる。どうやら殺すべき者が1人減ったようだ…

 

「…さてと…そろそろ決着をつけるか」

 

「…そ…そうじゃな!頃合じゃろうしな!」

 

「…コクコク!!!」

 

顔を青褪め震える雄二達は

 

「おっしゃ!Dクラス代表の首級を獲りに行くぞ!!」

 

「「「おうっ!!!」」」

 

教室から出て行った…くそ…僕も行きたい(雄二を殺す為に)だが外に船越女史がいる以上僕は動けない…頼む、龍也…憎い奴を殺ってくれ…僕がそんな事を考えてると

 

「あー明久」

 

くそ、もう教室を出るところか…ここで討ち漏らすなんて無念だ…僕のテレパシーは龍也には届かなかったようだ…

 

「船越先生が来たって言うのは嘘だ」

 

その言葉を最後に教室から人の気配は無くなった…僕が恐る恐る外に出てみたのは…

 

「……」

 

畳みに頭から突き刺さって沈黙している須川君の姿だけだった…

 

「くそ!逃がすか雄二!!」

 

オブジェと化した須川君はどうでも良い、今はあいつを殺すことだけを考えろ!!奴の姿を追って廊下に飛び出す。Dクラスに総攻撃をかけるんだから、さっきの渡り廊下にいるはずだ!!下校を始めた他のクラスの生徒達を避けながら雄二を探す

 

「下校している連中に上手く溶け込め!多対一の状況を作るんだ!!」

 

憎い奴の声がする…何処だ!何処に居る!?雄二の姿を探してると

 

『塚本、討ち取ったり!!!』

 

どうやら塚本君を討ち取ったようだ…だが今はどうでも良い…雄二だ!!雄二を殺すんだ!!辺りを見回しているとやっと見つけた…雄二は

背が高いから、落ち着けば見つけるのは簡単だ…見つけたァッ!!!憎い敵を見つけ駆け出そうとした直後

 

「援護に来たぞ!もう大丈夫だ!!皆落ち着いて取り囲まれないように動け!!」

 

今の声はDクラス代表の平賀君!!

 

「Dクラスの本隊だ、遂に動き出したぞ!」

 

うちのクラスの誰かの声が聞こえる。これでこの廊下には双方の主戦力が集ってる事になる…

 

「本隊の半分は坂本雄二を獲りに行け!!他のメンバーは八神龍也を抑えろ!!!」

 

さすがDクラス代表、龍也を自由にすればあっと言う間に全滅だ…これは正しい判断だ

 

『『おおー!!!』』

 

平賀君の号令の下、雄二と龍也を囲もうとDクラスが動いた直後

 

「龍也ー!!帰ろう!!!」

 

「龍也さん!帰りましょう!!!」

 

「なのは、フェイト?」

 

龍也が見たことも無い美少女2人に声を掛けられる…

 

「今戦争中だから無理なのだが…?」

 

「そんなのどうでも良いの!!!」

 

「その通りです、早く帰りましょう!!」

 

「ちょっと…待て!!くっ!雄二すまない!!後は何とかしてくれ!!!」

 

有無を言わさず美少女2人に連れ去られてしまった…なんて羨ましい…タイプの違う美少女2人に腕を掴まれるなんて…なんて羨ましいんだ!!!!

 

「しもた!兄ちゃん連れ去られたで!!」

 

「女狐えええっ!!!」

 

八神さんとセッテさんが凄まじい勢いで追走していく…皆の目が点になってる中、雄二がいち早く再起動し

 

「Fクラスは全員退避!!人ごみに紛れて撹乱するんだ!!!」

 

「逃がすな!!八神龍也が居ない以上、個人同士の戦いになれば負けは無い!追い詰めて討ち取れ!!」

 

本隊の人達も分散し、確固撃破に回っている…個々の能力にまさるDクラスだから取れる作戦だ…というかこのままでは僕も不味い…何とか撤退しよう…僕がコソコソと動いていると目の前に平賀君が見える…倒せないにしても弱らせる事は可能のはずだ…

 

「Fクラス 吉井が…」

 

「Dクラス 玉野美紀!試獣召喚(サモン)」

 

「なっ!近衛部隊!?」

 

突然僕の目の前に現れたDクラスの女子に驚いていると平賀君が

 

「残念だったな、船越先生の彼氏クン?」

 

ぐあ!そのネタを言うのか!!!

 

「ち、違う!あれは雄二が勝手に!!!」

 

「そんなに照れなくても良いじゃないか。さ、玉野さん。彼に祝福を」

 

「わかりました」

 

玉野さんは既に古典の点数で武装した召喚獣を喚出している…僕の召喚獣では勝てない

 

「ちくしょう!!後一歩でDクラスを僕の手で落せるのに!!」

 

「何を言うかと思えば彼氏クン…幾ら防御が薄く見えても、Fクラスの人間が来れば近衛部隊が来るのは判りきってるじゃないか。ま、近衛部隊がいなくてもお前じゃ無理だけどな!」

 

平賀君がフンッと鼻を鳴らして僕を一瞥した。うう…ムカつく!!だから僕は対抗して、片目を瞑って応えてあげた

 

「それは同感。確かに僕には無理だろうね…だから…姫路さん、よろしくね」

 

「は?」

 

何を言ってるんだこの馬鹿と言う表情の平賀君の隣に。姫路さんが現れ肩を叩き

 

「Fクラスの姫路瑞希です。えっと宜しくお願いします」

 

「あ、こちらこそ」

 

「その…Dクラス平賀君に現代国語勝負を申し込みます」

 

「…はぁ。どうも」

 

状況が飲み込めてないのか困惑してる平賀君に

 

「あの…えっと…さ…試獣召喚(サモン)です」

 

『Fクラス 姫路瑞希 現代国語339点』

 

    VS

 

『Dクラス 平賀源二 現代国語129点』

 

「え、あ、あれ?」

 

戸惑いながらも平賀君は召喚獣を構えさせたが…

 

「ご、ごめんなさい!」

 

相手に反撃の隙も与えず一瞬でDクラス代表を倒し。この戦いは決着となった…

 

試召戦争 Fクラス対Dクラス… Fクラス勝利!!!

 

 

 

FクラスがDクラスに勝って喜んでいる頃…

 

「フェイトちゃん、もうちょっと早く!!」

 

「ちょっと…限界かも…」

 

龍也の両サイドを抱え激走するなのはとフェイトに

 

「「返せえええッ!!!」」

 

鬼気迫る表情で追いかけてくるはやてとセッテ…

 

「…自分で走れるんだけどな…」

 

引きずられながら私はそう呟きながら、商店街を見ていた…

 

「むっ!?」

 

「きゃう!」

 

「うわっ!」

 

急に気になる広告を見て立ち止まる、それに伴いなのはとフェイトがひっくり返りそうになるのを受け止めて。ついでに

 

「どっこいしょ」

 

走ってきたはやてとセッテも抱き止め

 

「タイムセールだそうだ。見ていこう」

 

「マイペース過ぎへん?」

 

「た、タイムセール?」

 

驚いてるはやてとフェイトに

 

「良いタイミングですね」

 

「私、龍也様が作ってくれる物なら何でも良いです」

 

全く動じてないなのはとセッテを連れて、私はスーパーへと足を踏み入れた…

 

 

 

「夕飯の買出しにいって来るのじゃ」

 

「早く行ってきなさいよ、私お腹空いたんだから」

 

小説を読みながら言う姉上に

 

「そう言うなら買い物くらい、行っててくれても…あいだだだ!!!腕の関節はそっちには曲がらないのじゃあアアア!!!」

 

文句を言った直後、腕関節を逆向きに曲げられた…ワシには姉上に逆らう事など出来ないのじゃ…ワシは痛む腕を擦りながら買い物に出かけた…

 

「ん?秀吉か」

 

「おお、龍也ではないか。どうしたのじゃ?」

 

スーパーの前で龍也に会いそう尋ねると

 

「何夕飯の買出しだ。そう言うお前は?」

 

「ワシもじゃ…所でおぬしを連れさった女子はどこじゃ?」

 

まだ制服なので一緒の筈と思い尋ねると…

 

「もう来るはずだ。袋に入れてくれるというからな…頼んだんだ」

 

ほうほう…中々感心じゃな…

 

「所で龍也、あの2人の女子は知り合いなのか?随分親しそうじゃッたが…?」

 

「幼馴染だよ」

 

なるほど幼馴染なのかそれは納得じゃ…ワシが頷いていると

 

「お前たせしました…あれ木下さん?」

 

先ほど龍也を拉致した女子達が姿を見せる…

 

「姉上の知り合いかのう?」

 

「姉上?…と言うと木下さんの妹さん?」

 

「ワシは男じゃッ!!!」

 

妹と言われ思わず大声で反論すると

 

「ご、ごめんなさい…木下君」

 

「悪気は無かったんだよ?」

 

謝ってくれる女子2人に

 

「良いのじゃ…ワシも大声を出して済まなかった…木下秀吉じゃ。宜しく」

 

「あ、高町なのはです」

 

「フェイト・T・ハラオウンです」

 

ワシと高町達が自己紹介をしておると

 

「秀吉?…何やっとるんや?」

 

「ワシも買い物じゃ、姉上には勝てんからのう…」

 

八神にそう返事を返すと龍也が

 

「秀吉の所の両親は?」

 

「うん?今日は遅くなるそうじゃ。だからワシが料理をするのじゃ」

 

うんうんと頷く龍也は

 

「それだったら、良かったら私の家に来ないか?夕食をご馳走しよう」

 

「えー…」

 

明らかに面白く無さそうな八神に龍也が

 

「食事は大勢で食べたほうが楽しいだろう。もし迷惑でなければ一緒にどうだ?」

 

お昼の弁当を思い出す…あれは凄く美味しかったのじゃ…ワシが作るより遥かに…

 

「ちょっと待って欲しいのじゃ。姉上に聞いてみるのじゃ」

 

姉上から預かった携帯で自宅に掛ける

 

『もしもし?』

 

「姉上ワシじゃ」

 

『何?どうしたの?』

 

「うむ、ワシのクラスの友人が一緒に夕食を食べないか?と誘ってくれておるのじゃが…どうじゃろうか?姉上も一緒に」

 

『……良いわ、ご馳走になりましょう…』

 

おろ?以外じゃ駄目と言うと思ったのに…ああ、判った…買い物代が浮くからじゃな…

 

『後で捻るわよ?』

 

「なぜじゃ!?」

 

『失礼な事を考えたでしょう?』

 

「そんな事は無いのじゃ…」

 

浮いた食費でBL本を買い漁るのじゃろうとか考えただけじゃが…

 

『まぁ良いわ、後で折るから』

 

「折る!?わしの腕をか!?」

 

『それじゃあ、切るわよ』

 

「待つのじゃ!折るって何処の骨を…ああああ…切られたのじゃ…」

 

無慈悲にもツーツーと言う携帯をポケットに仕舞い

 

「うむ…ご馳走になるのじゃ」

 

「なんで泣いてるんです?」

 

セッテにそう尋ねられ、ワシは

 

「死刑宣告を受けたからじゃ…」

 

「死刑宣告…?どういう事だ?」

 

「絶対に逆らえない力関係の事じゃ…お主は気にしなくて良いんじゃ」

 

「それなら良いが。ん…これ地図な、それじゃあ待ってるぞ」

 

「うむ」

 

ワシは受け取った紙をポケットに仕舞い、自宅へと戻った…

 

「はーい、秀吉こっち来なさい」

 

「…判ったのじゃ…」

 

笑顔でこっちに来いと言う姉上に頷き、近付いた直後

 

「痛いのじゃあアアアアッ!?」

 

「あんた、凄く失礼な事を考えたでしょ?もう折るわよ」

 

「許して欲しいのじゃあああああッ!!!」

 

龍也…もしかしたら家にいけないかもしれないのじゃ…許して欲しいのじゃ…ワシは薄れ行く意識の中龍也に謝っていた…

 

第8問に続く

 

 

 




えーと木下姉弟は好きなので、登場させてみました。さて次回はお宅訪問…どうなるかお楽しみに!それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします

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