バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。 今回はデート? 見たいな話で行こうと思います。 日や場所を変えて明久と明久を愛する魔王の話です。ドタバタちょっとコメデイでお送りします、それでは今回もどうか宜しくお願いします



第68問

第68問

 

 

~偶然というか。半分拉致~

 

「偶然ね。アキ」

 

「それは結構無理があるよ。美波」

 

偶然と美波は言うが。ムッツリー二と一緒に雄二の家に遊びに行く約束をしていたので、待ち合わせ場所に行こうと家を出た瞬間。美波に首筋に手刀を叩き込まれ意識をアッサリと刈り取られ……気が付けば僕は近くの公園のベンチで寝かされており、そこに美波が来てそう言うが。奇襲した挙句放置してそれは無いと思うが……

 

「なによ、文句あるの?」

 

不機嫌そうな美波

 

「文句? あるわけないよ?」

 

「へっ?」

 

逆に驚いた顔をする美波に

 

「ほら、だって普通に遊びに来てもらったら姉さんが怒るし、電話とかの連絡でも僕の携帯って盗聴されてるから姉さんが外出禁止って言うし。こういう風でも全然問題ないかな? 美波と遊びに行けるし」

 

事実僕の携帯の通話は姉さんの手持ちのPCで聞けるので。下手に美波とかと電話をしていたらまず怒られるし。遊びに来てもらっても姉さんに追い返されるなら。拉致してもらった方が確実に遊べるというものだ

 

「……可哀想に……それが普通になってるのね。アキ」

 

「え? なんでそこで哀れむような顔で僕を見るの?」

 

「ううん、何でもないわ。まぁ暇だから遊びに行かない?」

 

「うん……それは良いけど」

 

「けど?」

 

尋ね返してくる美波に

 

「雄二に連絡しない……ピロリン♪「たすてけ」……うん、雄二に連絡は必要無さそうだね。じゃあムッツ……ピロリン「HELPッ!!」……も連絡は必要無さそうだから、行こう」

 

捕まる前ならいくらでも助けるが、捕まった後では僕に出来る事は無い……出来るのは2人の無事を祈るだけだ

 

「それならいいけど……じゃあ行きましょう。アキ」

 

自然に僕の手を取った美波に

 

「どこに行くの?」

 

「ラ・ぺディスよ。美春が是非ってね」

 

「へーそうなんだ」

 

危ない趣味の子だと思っていたが、肝試しの時で大分印象が変わって……ちょっと変わってるけど良い人だと思う。僕はそんな事を考えながら美波と共にラ・ペディスに向かった

 

 

 

 

(怒るかと思ったけど……まさかこうなるとは……)

 

アキをどうやって誘えば良いか判らず、奇襲という手を選んだのだが……まさか感謝されるとは

 

(玲さんのブラコンはやばいわね。携帯だけでも何とかできないかしら)

 

盗聴は不味いだろう、いくら弟と言っても……それにアキもそれに慣れてしまっているのも問題だ

 

「美波。少し時間あるかな?」

 

「? どうしたの」

 

考え事をしながら歩いていたのをアキに止められ振り返りながら尋ねると

 

「折角だからちょっとぶらぶらしてから行きたいなー。なんて……駄目?」

 

んー美春は1時くらいに来てくれればお昼もご馳走してくれるって言ってたっけ……今の時間は10時45分。確かに少々早い……まぁ早くなってしまった理由は

 

(秀吉と瑞希を出し抜く為だったからなー)

 

2人も動く気配をしていたので先手を打って奇襲・拉致をしたので、美春に呼ばれた時間にはまだ時間がある

 

「良いわよ。1時に来てって言われてたし」

 

「そっか、じゃあ色々見てみよっか。欲しい本とかあったし」

 

アキの言葉に頷き2人でぶらぶらとウィンドウショッピングをしながら、本屋に向かって歩き出した

 

「……あった、あった」

 

「何の本?」

 

嬉しそうに見つけた本を抱え込むアキにそう尋ねると

 

「本の続きだよ。魔法使いと生ける亡者のね……これ結構面白くてさ。 これで5冊目なんだけど、まだまだ序盤なんだ」

 

5冊目で序盤とはまた随分な長編……って

 

「これ知ってるわよ。ウチ、ドイツの図書館にあったもの」

 

「え?」

 

ドイツで見た事がある。確か百科事典なみの厚さで10冊セットの本。途中まで見たが読むのを止めた……いや、正確には読みきれなかった。3巻に入ったところで日本に来る事になり図書館で借りていた本を渋々返したので、よく覚えていた

 

「守護者の物語でしょ?」

 

「そうそう! へードイツにもあるんだー」

 

日本語翻訳版なのかな? と思い表紙を見るが翻訳の文字は無い

 

(あれ? どういうことなのかな?)

 

ドイツで見た本が日本にある。という事は翻訳した人物が居るはずなのだが……

 

「じゃあ。今度貸そうか?」

 

「いいわよ。読むのは……まだ苦手だし」

 

ウチがそういうとアキは

 

「あはは、実はさー僕も辞書と睨めっこしながら見てるんだよ。これ漢字多いからさ」

 

アキが本を開く、確かに漢字ばかりで難しい字も幾つか見える。

 

「だから勉強も兼ねて見てるんだよ……でもまあ続きが見たいから頑張ろうかな? って思ってさ、だから美波も一緒にどう。偶にひ……瑞希が教えてくれたりしてるんだけど。美波もさ一緒にやったら楽しいと思うんだ」

 

アキはただ皆で居るのが楽しいから、という感じなのだろう……でも悪い気はしない、これが秀吉なら嫌だが瑞希なら良いか

 

「じゃあ。今度一緒に」

 

「うん。約束」

 

そう笑うアキにつられて笑い、ウチも何か本を買おうと思い。アキと別れ本を探し始めた

 

「何を買ったの?」

 

「え。えーとね……秘密」

 

ウチがそう言うとアキは

 

「んー気になるけど。言いたくないなら別にいいよ」

 

と言って笑った。ウチはほっと溜め息を吐いた

 

(こんなの見せれるわけないじゃない)

 

誕生日血液型からの相性占いと。意中の彼を落とす100の方法……これはちょっと見せれるものではない。ウチがそんな事を考えていると

 

「んー今11時半だよね、どうする? 小物でも見る?」

 

「そうね。そうしましょうか」

 

ウチとアキは12時半頃まで小物等を身ながらブラブラとウィンドウショッピングを楽しんでから、ラ・ぺディスに向かった

 

「いらっしゃいませ!」

 

美春に出迎えられそのまま席に案内され

 

「お姉様と吉井は昼食はまだですよね?」

 

確認してくる美春に頷くと美春は笑顔で

 

「では、すぐに持ってきますので待っててくださいね」

 

カウンターに入って行った美春と美春のお父さんの会話が少し聞こえてきた。

 

『おや? あの子が美春の友達かい?』

 

『そうです。美春の大事なお姉様と吉井です』

 

アキの扱いが雑だ……アキはと言うと携帯に来ていたメールを見て「頑張れ。逃げ切るんだ雄二」とか呟いているのでどうも坂本は逃亡中のようだ

 

『しかし本当に良いのかい? 美春。お手伝いのお小遣いを全部……』

 

『良いんです。今まで迷惑を掛けたお詫びなので。では持って行きますね』

 

暫くすると美春は慣れた手つきでトレーにサンドイッチと紅茶を乗せて来た

 

「おまたせしましたです。それと今日は新作メニューの試食をして頂きどうもありがとうございます」

 

「新作?」

 

首を傾げるアキに美春は

 

「はいです。美春は最近良くお手伝いをしているのですが、今までの通りクレープだけではという事で。サンドイッチやスープのほうにも力を入れようと思ったのです」

 

慣れた感じでそう説明した美春は

 

「と言う訳で食べた感想とかを教えていただけると嬉しいです。それは美春が作った物なので」

 

そう笑った美春はカウンターに戻って行った

 

「じゃあ。頂きます」

 

「頂きます」

 

手を合わせてから食べ始める。ウチのサンドイッチはレタスとトマトにチーズとハムとオーソドックスな具だが

 

(パンと具にかけてあるドレッシングが凄くおいしい)

 

ちょっと辛味のあるこのドレッシングが凄く美味しい

 

「お肉入ってる。ローストビーフサンドだ」

 

アキはアキで違う具らしい。それを聞いたウチは

 

「へーこっちはトマトとチーズよ」

 

「え? そうなの? 美味しい?」

 

興味を引かれたのかそう尋ねてくるアキに

 

「美味しいわよ」

 

「1口ちょーだい。駄目?」

 

え? ちょ、ちょっと待って。これ試食とか行ってたから半分に切ったのが1つだけ……今ウチが齧ったこれだけで……

 

「僕のも1口上げるからさ」

 

ち、違う! ウチが言いたいのはそうじゃないの! 間接キスになるのが気に掛かってるの!

 

『み、美春。残り半分をどうして持って行かなかったんだい?』

 

『美春の計画の為です。お父さん、それに残りの半分は残りの半分で別の具を挟んで持って行きます。そして……ふふふ。 あとは吉井が美春の計算通りに動いてくれるはずですから』

 

美春はこの為にウチとアキを呼んだの!? 応援してくれるとは言っていたがまさかこんなことまでするとは予想外だ

 

「はい、あーん」

 

!?!? ま、待って! お願いだからサンドイッチをウチの口元に向けないで!

 

「?」

 

首を傾げるアキ。これもう食べるしか無い流れ……しかも少しだけ齧られた部分が向けられている

 

「落ちちゃうよ?」

 

その言葉で反射的に齧ってしまい。もう恥かしいのやらなんかで味なんか全然判らなかった

 

「じゃあ、美波のも食べていい?」

 

手を伸ばすアキに

 

「ま、待って」

 

「?」

 

待ってと言われた意味が判らないのか首を傾げるアキに

 

「お、お返しだから。 ほら」

 

「あーん」

 

全く気兼ねなしでウチの差し出したサンドイッチを齧るアキ

 

「これも美味しいね」

 

駄目だ。ウチのこのドキドキはアキには全く無いらしい……と思ったのだが飲み込んだ後。真っ赤のウチと差し向けられたサンドイッチを見て

 

「あ。あああ……ごごごめん」

 

面白いくらいうろたえ始めた……それにくすくすと笑いながら

 

「別に気にしないわよ」

 

と言ってそのままサンドイッチを食べ始めた。 その後も半分だけのフルーツサンドやコストが高いので1個しかとか言って持ってこられた。クレープやプリンをアキと分けて食べたのだが……結局恥かしいのとかので味は良く判らなかった……

 

「ありがとうございましたー」

 

美波と明久を見送り持っていたトレーを抱えた美春は

 

「んー思ったより進展は無しですかね?」

 

残念と言う感じで呟いたのだが……

 

『あ、これさっきのお店で買ったんだ』

 

『リボン? ウチにくれるの?』

 

『うん、今日誘ってくれた御礼に』

 

『あ、ありがとう……アキ』

 

そんなやり取りが聞こえた美春は満足気に頷き。大成功です♪と言って店の片付けを始めた……

 

 

 

 

 

~ふと出かけたときに。大魔王と出会った~

 

「死ぬかと思ったぜ」

 

「よく生きてるね。雄二」

 

美波と遊んだ次の日。雄二に呼ばれて公園に行くとそこにはどこの国のレジスタンスですか? と言いたくなる様な格好をした雄二が植え込みの中に隠れていた

 

「なにちょっと首絞められて。100Vのスタンガンを喰らっただけだ問題ない」

 

「それは普通重傷だよ」

 

それ以外にも明らかに殴られたであろう青痣の痕が……なにがあったのだろう

 

「ちょっと女の人に道を尋ねられただけだ、浮気と断定して殴りかかってくるのやばいだろ?」

 

「それは災難だったね。はい、服」

 

「サンキュー」

 

メールで言われた通り雄二の家により受け取ってきた服と、後で代金を返すので買ってきてくれと頼まれた物を渡す。素早く着替えた雄二はカツラとサングラスをして

 

「良し、これで大丈夫だろう。映画行くぞ」

 

「大丈夫?」

 

ふらふらしてるが大丈夫か? と尋ねると

 

「昨日見る予定だったんだ。俺はなんとしても見るぞ」

 

それなら良いけどと呟き2人で映画館に向かって歩き出したのだが……

 

~10分後~

 

「あ、明久君、こんにちわ。 偶然ですね」

 

「……吉井、雄二を見なかった?」

 

笑顔の瑞希とメリケンサックを装備している霧島さんにエンカウントした。 隣で変装している雄二がガクガク震えている

 

「……吉井、隣の人は?」

 

「え、ああ。 親戚だよ」

 

ふーんと言った霧島さんは携帯を取り出し

 

「……発信機の反応がある。 前に雄二の部屋に侵入した時に雄二のTシャツにくっつけてた奴の」

 

あ、これヤバイね。 霧島さんが凄く怖いエガオになった。 雄二はと言うとだらだらと汗を流し携帯でもここまでは震えないと言う勢いで震え始めた

 

「……何か言いたい事は?」

 

「し、死にたくねえええ!!!」

 

サングラスとカツラを捨てて走り出す雄二とそれを追って走り出す霧島さんを見ながら

 

「じゃあ、帰ろうかな」

 

映画のチケットは雄二が持っているので、もう映画は見れないし……帰ろうかと思い振り返ると

 

「あ、明久君」

 

「何? ひめ……瑞希」

 

一瞬姫路さんと言い掛けた瞬間、瑞希が般若のような顔をしたので言いなおすと

 

「私も翔子ちゃんが居なくなっちゃって暇なんで一緒に遊びませんか?」

 

確かに折角出かけてきてこのまま帰るのも味気ないし

 

「うん、良いよ。行こうか」

 

「はい」

 

2人で歩き出して数分後

 

「ぎゃあああああああッ!!!!」

 

雄二の悲鳴が響いてきた……さらば雄二。生きていたらまた会おう……

 

 

 

 

 

 

「で、どこに行くの?」

 

そう尋ねてくる明久君を見ながら

 

(ど、どうしましょう!? 誘ったのは良いですが何も考えていません!)

 

あのまま明久君を帰してしまうのは惜しいと思って誘ったのですが。肝心な事は何も考えていなかったことに気付き焦っていると

 

「大丈夫? 調子悪いの?」

 

心配そうな明久君に

 

「い、いえ。大丈夫です! 買い物に行くつもりだったんですけど……付き合ってくれますか?」

 

「うん、良いよ。で何を買うの? 瑞希」

 

そう笑顔でたずねて来た明久君の手を掴んで

 

「はい♪ 皆で行く海水浴で着る水着を買いに来たんです」

 

「え?」

 

「だから水着を買いに来たんですよ」

 

逃げようとする明久君の手を掴んで

 

「じゃあ、行きましょうか」

 

「ま、待ってそれは不味い……」

 

慌てる明久君に

 

「付き合ってくれるって言ったじゃないですか……」

 

と少しだけ涙声で言うと

 

「判った! 付き合わせていただきます!!!」

 

「はい、それじゃあ行きましょうか」

 

私は明久君の手を引いて、翔子ちゃんと行く予定だったデパートに向かった

 

「これ何かどうでしょう?」

 

「え。あ……えと良いんじゃないかな?」

 

そっぽを向いてそう言う明久君に

 

「そうですか、明久君はこう言うのが好みなんですね。覚えておきます」

 

え? と振り返った明久君は

 

「だ、駄目! こういうのは駄目だから!!」

 

手で×を作る明久君。私が持っているのは

 

「明久君が喜ぶのならこういうのでも良いと思ったんですけどね」

 

「駄目! 絶対駄目!!!」

 

首を振って駄目と言う明久君を見ながら、白色でたっぷりとレースで飾られたビキニを元に戻し

 

「ちゃんと見てくれないからですよ」

 

「いや……ほら。僕って明らかに場違いだと思うんだけど」

 

おどおどしてる明久君に

 

「そんなに気にしないで良いじゃないですか。それよりちゃんと今度は見てくださいね」

 

「はい……」

 

水着を見て目を白黒させている明久君の手を引いて、私はまた水着を探し始めた

 

 

 

 

 

「これ可愛いですね。 胸の所が特に」

 

瑞希が手に取ったのは胸の所の三角になっている所がレースになっている。ピンク色の水着。パレオだっけ? それとセットになっているその水着を身体に当てて

 

「これどうですか? 似合いますか?」

 

「可愛いんじゃないかな?」

 

横目で見てそう言うと瑞希は

 

「んーじゃあ、こういうのは……「駄目!」……判りましたこう言うのは駄目なんですね」

 

くすくす笑う瑞希。絶対からかわれてる……とは判っているのだが……

 

(ああ言うのは絶対に駄目!)

 

ワンピースタイプとセパレートの中間の水着で。背中の生地が網目状になっていて、前は胸元を強調するデザインでかなりセクシーな物だった

 

(あんなの着てられたらどうやって接すれば良いか判らないじゃないか!)

 

と僕が葛藤していると瑞希は僕の手を握る。え? 何故に試着コーナーに僕を引っ張っていくのですか? そしてその小悪魔の笑みは何ですか?

 

「やっぱ着て見ないと判らないですよね」

 

「う、うん……そうだけど、待ってぇ! お願い! 引きずりこまないで!!!」

 

試着コーナーに入ったら僕の手を離すと思っていたのに! 瑞希はその手を離さずグイグイと引っ張り続けている。 それに必死で抵抗したが

 

「えい」

 

「おおう!?」

 

可愛い声とは対照的に強い力で引きずり込まれ。素早くカーテンを閉めた瑞希は

 

「じゃあ直ぐ着替えますから」

 

「その前に僕を外に出し……わわ!!」

 

瑞希が服に手を掛けてしまったので慌てて背中を向ける。

 

(う。ううう……お、落ち着かない)

 

衣擦れの音と甘い匂いで落ち着かない……僕は目を閉じ瑞希が着替え終わるのを待った

 

「良いですよ。 こっち向いてください」

 

といわれ少し考えてから振り返る

 

「あ」

 

「ど、どうですか?」

 

もじもじと尋ねてくる瑞希。そのふわりとした髪と同じ色の水着と白い肌が映えてとても綺麗だった

 

「す、凄く綺麗だと思う」

 

「そ、そうですか! じゃあこれを買うことにしますね!」

 

そう言って水着に手を掛けた瑞希

 

「あ」

 

「あ」

 

上の水着を勢いのまま脱ぎかけた瑞希と目が合い……ギリギリで見えなかったが僕には刺激が強すぎ。一瞬で僕を意識を失ったただ不味かったのは。後ろでは無く前に倒れた事で……倒れた時に瑞希がギリギリで押さえていた水着を剥ぎ取ってしまったらしく

 

「あ、あああ!? 明久君! ちょっと起きてくださいー」

 

物凄く動揺した瑞希の声が僕が最後に聞いた物だった……

 

「あ、起きました?」

 

「え……あ。あれ? 何があったんだっけ?」

 

気が付けば僕は公園のベンチで瑞希と並んで座っていた。なにがあったのか思い返すと途中で記憶がすっぱり抜け落ちている。買い物に行った所までは覚えているのだが

 

「ちょっと疲れたから寝るって言ってたじゃないですか」

 

「あれ? そうだっけ?」

 

「そうですよ」

 

瑞希がそう言うのなら間違いないだろう。

 

「ごめんね。 折角誘ってくれたのに途中で寝ちゃって」

 

「いえいえ。全然構わないですよ」

 

そう笑う瑞希に気になった事を尋ねる

 

「なんか、妙にツヤツヤして無い?」

 

「え? そ、そうでしゅか!?」

 

なんか凄く慌ててる。下手に聞かないほうが良いと判断し

 

「ごめん。僕の気のせいみたいだ」

 

「あ、そうですか……」

 

ほっとしたような瑞希を見ながら

 

「明後日からだね」

 

「そうですね」

 

泊まりの海水浴まで後2日。今から楽しみだ

 

「じゃあそろそろ帰って夕食の準備をしないと」

 

「そうですか、じゃあ気をつけて」

 

「うん。瑞希もね」

 

公園で瑞希と別れ僕は家に戻り、夕食の準備を始めたのだが……

 

「アキ君から女の子の匂いがするのでお仕置きです」

 

「り、理不尽すぎる!! ぎゃあああああ!!!」

 

容赦ない姉さんの鳩尾への裏拳からのアッパーで僕は意識を刈り取られた……

 

 

 

 

~出番の無い子~

 

「ごほっ! ごほっ!! うー頭痛い」

 

「馬鹿ね。明後日泊まりで海水浴なんじゃないの?」

 

「うん、それまで……こほっ! 治るといいんだけど」

 

「まぁ休めば治るんじゃない? 夜、お粥でいいわよね?」

 

「うむ。お願いするよ」

 

部屋を出て行った姉上を見ながら

 

「なんか……凄く出遅れた気がするよ」

 

と呟きお粥が出来るのを待った。早く熱が引くといいんだけど……

 

 

第69問に続く

 

 




秀吉は出番無し、その代わり次回からの海水浴編で出番が多いと思います。海水浴は当然龍也さん一行もくるので間違いなくカオスな展開になるでしょう
それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします

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