バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は夏休み編のオリジナルの話で行こうと思います。ドタバタほのぼのだと思います、この後は夏休み編の番外編「僕とホンネと召喚獣」「海編」「オリジナル」とやってから7巻の内容に入っていこうと思います、それでは今回もどうか宜しくお願いします



第65問

 

 

第65問

 

 

「そ、そんな!? 何でこんなことに!?」

 

夏休みの最初の週の土曜日、龍也の家に遊びに来た僕達はとんでもない事件に巻き込まれた

 

「は、はやてちゃんがっ!?」

 

血の海に沈むはやて様達

 

「このままだと死ぬぞ!? 何でこんなことに成ったんだよ! こんちくしょうっ!!!」

 

雄二がそう叫ぶ、それは僕も同意見だ。部屋の大半を鮮血で染め上げているはやて様達を視界に入れないようにしながら

 

「救急車を呼ばないと!」

 

「そう……だ、駄目だ!? 奴が動き始めた!!!」

 

雄二の視線の先を見る、そこにはこの惨劇を引き起こした張本人がおり、倒れているはやて様に近付いてた

 

「だ、駄目だわ! この位置じゃ止められない!」

 

「くそう! 仲間をこんな所で失うなんて!!」

 

もう駄目だ止める事もはやて様を助ける事も出来ない、そしてはやて様に近付いた人影は、彼女の前にしゃがみ込み

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーて、ねーちゃ?」

 

頬を叩きながら舌足らずの言葉でそう話しかける子供。そしてはやて様は

 

「ぶほっ」

 

また大量の鼻血を出して満足気な表情をしている

 

「うー?」

 

ぺちぺちと頬を叩く子供はゆっくり立って、とことこと歩き回っている。5~6歳前後に見える銀髪の子供……可愛らしく目に傷のあるその子供の名は

 

「どうして、料理を食ったら子供になるんだよぉ!!!」

 

「ある意味天才的な料理センスなのかも」

 

僕達の目の前に置かれた抜群に見た目の良い料理を食べ、意識を失った龍也本人だ。何が如何してああなるかは不明だが、とにかくこの料理を作った本人

 

「ちっちゃい、お兄さん。ボールですよ~」

 

「ボーリュ♪」

 

龍也の妹を名乗るシャマルさんの話によると食べた後に何らかの効果が起き、龍也が子供化したとの事。一体どういう作り方を……

 

「えーいッ♪」

 

「ぶっ!?」

 

顔にボールを投げつけられる、6歳児程度の力では痛くも何とも無いがびっくりした

 

「ボーリュ♪ ボーリュ♪」

 

跳ね返ってきたボールを追いかけて歩くチビ龍也を見ながらどうしてこうなったのかを思い出していた。そうそれは昼時に起きたんだ

 

「んー勉強ばっか嫌だぁ」

 

遊ぶ前に夏休みの課題を終らせようと真面目な事を言う龍也に教えて貰いながら、僕達は夏休みの課題をやっていた。そして昼時に

 

「お兄さん♪ 今日は私がお昼を作りました」

 

ふわふわとした金髪ににこにこと笑う小柄な少女がそう言って料理を運んでくる

 

「美味しそうだね」

 

「そうね、流石は龍也の妹って所かしら」

 

「そうですね」

 

課題を片付けながら並べられる料理を見ていて気付いた、龍也の顔が面白いくらい青褪めている事に

 

「あと、オムライスがあるんですよ♪」

 

シャマルという少女が嬉しそうに部屋を出て行くと、龍也は真剣な表情で僕達にこう告げた

 

「良いか、この料理は絶対に食うな」

 

「「「え?」」」

 

こんなに美味しそうなのに? 僕と雄二が首を傾げているとはやてさんが

 

「まさか、1人で!?」

 

「死にますよ! 龍也様!?」

 

慌てふためくはやてさんとセッテさん、ええ? どういうことなの一体?

 

「良いんだ、妹の料理を食べるのは兄としての義務だから。覚悟は出来ている」

 

覚悟って何を大袈裟な……

 

「……龍也がふざけるなんて珍しい」

 

「……本当」

 

霧島さんとムッツリーニがそう言うと、なのはさんとヴィータさんが

 

「悪ふざけなんかじゃない! 龍也さんは本気で覚悟を決めているんだ!」

 

「兄貴、食べないほうが良い! きっと大変な事になる」

 

思いとどまるように言う二人を見ながら龍也は僕に何かを手渡してきた

 

「これを頼む」

 

「なにこれ……って遺書ぉ!? 何で!?」

 

何でお昼を食べるくらいで遺書がと思わずにはいられない。そんな事を考えているとシャマルさんがオムライスを持って来て龍也の前に置いた

 

「皆さんの分も直ぐ持ってきますから」

 

そう笑い出て行くシャマルさんを見ていると、龍也はスプーンをとり

 

「願わくば、私と言う犠牲が最後になりますように」

 

そう呟きオムライスを口に運んだ、そして次の瞬間

 

「!?!?!?ッ!!!!!!!」

 

声にならない悲鳴と目を見開き、危ない感じに痙攣し始めた

 

「「「「えええッ!?!?」」」」

 

見た目は美味しそうなオムライスなのに!? 僕たちが戦慄している中、龍也は喉を押さえて転げ周りそして

 

「パタ……」

 

水の入ったコップに手を伸ばす途中でその手がゆっくりと地面に落ち、動かなくなった……

 

「……脈が無い……」

 

「「「嘘オオオオッ!?!?」」」

 

咄嗟に脈を取ったムッツリーニがそう宣告する、脈が無いって死んだって事!? 突然の事に驚き停止していると

 

「ああああああッ!?!?」

 

龍也が突然手を伸ばし、絶叫を始める。苦しそうに叫ぶ龍也に近付こうとした瞬間

 

ポンッ!!!

 

「うー?」

 

煙と共に龍也の姿が消え代わりにそこには6歳くらいの幼児が居た……え。え? どういうこと? ショタに対する世界の修正力か服も小さくなっているちび龍也は、もこもこと動きコートの中から抜け出し。

 

「だーれ?」

 

舌足らずの様子でそう告げた……こ、子供化!? どういう製法で作られたのこれ!? 僕達が目の前のオムライスとエビフライを見ているとはやてさん達が

 

「「「「「わ、私判る!?」」」」

 

自分を指差してそう訪ねるとちび龍也は1人ずつ指差しながら笑顔で

 

「テーナ」

 

「ごふっ」

 

名前を呼ばれ倒れるティアナさん

 

「セー」

 

「ぶばッ!」

 

女子にあるまじき勢いで鼻血を出し昏倒するセッテさん

 

「にゃのは」

 

「はう」

 

恍惚とした表情で倒れるなのはさん

 

「フェイ」

 

「ポタポタ」

 

静かに鼻血を垂らすフェイトさん

 

「ヴィーネネ」

 

「もう死んでも良い」

 

軽い音を立てて倒れるヴィータさん、そして

 

「はーて、ねーちゃ♪」

 

トトトと近付きギュと抱きつくちび龍也にはやてさんは、ムッツリーニも匹敵するかと言う勢いで鼻血を噴出し昏倒した。 そして冒頭に戻る

 

「ボーリュ~」

 

ボールを追いかけて遊んでいるちび龍也。もう完全に幼児化している

 

「これ料理?」

 

「わからねえ。危険な薬品とか混ざってるんじゃないか?」

 

「……恐ろしい兵器」

 

僕達が戦慄していると、その料理をじっと見ていた工藤さんが行き成り動いた

 

「ていっ!」

 

「……うわ!?」

 

ムッツリーニに足払いを仕掛け転倒させ、マウントをとった工藤さんは

 

「お腹空いたでしょ? はい、あーん」

 

「むぐうっ!?」

 

エビフライをムッツリーニの口に押し込み、吐き出させるものかと口を両手で押さえ、無理やり飲み込ませた

 

「!?!?!?ッ!!!!!!!」

 

声にならない悲鳴をあげて暴れるムッツリーニを両手足で押さえ込み

 

「どんな子になるのかな? すっごい楽しみ!」

 

魔王の笑みを浮かべる工藤さん、これ見方かえたら押さえ込んで首絞めてるようにしか見えない。そしてムッツリーニは動かなくなり。ポンと言う音ともに姿を変えた

 

「みゅ?」

 

5歳前後の幼児と言うのは龍也と同じだが

 

ピコピコ、フリフリ

 

楽しげに動くケモミミと尻尾が追加されてる……

 

「か。可愛いいいいいッ!!!!」

 

「ふみゃーッ!!!!」

 

抱き上げられ威嚇の声を上げるムッツリーニ。その仕草は猫に見えなくも無い

 

「こ。これならお持ち帰りしたい♪」

 

「ふーっ!!!!」

 

すりすりと頬擦りする工藤さんを引き離そうとするムッツリーニ。って!? みてる場合じゃない!? 工藤さんが行動に出た以上他の魔王も

 

「……雄二、あーん」

 

「く、来るな」

 

壁に追い詰められる雄二、駄目だ奴はもう助からない、せめて僕だけでも

 

「ってあれえ!?」

 

美波が僕の背後に回りこみ既にガッチリを動きを封じていた、しかも

 

「ひ、秀吉までも!?」

 

僕の腰を押さえる秀吉、この状態から抜け出す術を僕は知らない。だがせめてもの抵抗と口を必死に閉じる。視界の隅では

 

「……仕方ない」

 

「何をする気だ。翔子」

 

料理を机の上に置いた霧島さんは

 

「……はい」

 

「ぶふぉっ!?」

 

僕の角度からは見えないがスカートを捲り上げた。ギリギリで下着は見えていないだろうが、突然の行動に雄二が赤面し噴出した瞬間

 

「……今!」

 

「もがっ!?」

 

投げ込まれたから揚げに目を白黒させる、雄二に近付き口を押さえる

 

「……良く噛んで飲み込んで」

 

「ぐぐぐぐ」

 

飲み込むものかと抵抗する雄二、いいぞ頑張れ! 雄二

 

「うにゃー」

 

工藤さんは猫じゃらしでムッツリーニで遊んでいる。

 

「可愛い~」

 

酷い、酷すぎる。友人を猫扱いなんて!? それを見ながら雄二VS霧島さんを見ていると、僕の前に姫路さんが立って

 

「はい、あーん♪」

 

「むぐーっ!!!」

 

差し向けられる恐怖の兵器を前に冷や汗を流しながら、口を閉じて抵抗する

 

「……飲み込んでくれないなら、最後の手段」

 

なんだ? 霧島さんは何をする気だ!? 左手と足で雄二の動きを封じ込めた霧島さんは。右手で雄二の手を掴み

 

「……えい」

 

自分の胸を掴ませた

 

「っ!?!? ふぐっ!?」

 

驚き抵抗する力が緩んだ瞬間、両手で無理やり雄二の口を動かし咀嚼させ

 

「……はい、よく出来ました♪」

 

上を向かせて無理やり口の中の物を飲み込ませた

 

「!?!?!?ッ!!!!!!!」

 

床に倒れ暴れる雄二を見下ろす霧島さん、さっきから殺人現場にしか見えない。そして

 

ポンッ!

 

またあの音と共に雄二もまた姿が変わった。今度は龍也と同じ様に唯の6歳前後の幼児だが

 

「ふええええッ!!!」

 

泣きまくっている。もう凄い泣き声だ

 

「……よしよし、おいで」

 

「……うー」

 

警戒しているちび雄二に

 

「……御菓子あげるから」

 

「チョコ!」

 

チョコで釣られ抱っこされる雄二、そんな雄二を抱っこした霧島さんは悪い笑みで

 

「……ゆっくり教育、私を好きになるように。フフ……ウフフフフ」

 

こ、怖い! 怖いよ!? 何この地獄!? 僕は絶対に食べないぞ! 必死で口を閉じて抵抗していると。

 

「仕方ないわね、アキ。 ふっ」

 

耳元に息を吹きかけられ。全身を悪寒が走る

 

「ひゃあああ!? モガッ!!!」

 

「可愛い明久君が見れます!」

 

そして口に詰め込まれるオムライス。そしてそれを無理やり飲み込まされる。そして

 

「!?!?!?ッ!!!!!!!」

 

龍也達と同じ様にのたうち回る、そう例えるなら体の中で何かが爆発する感覚。そして骨格が変化する激痛……気絶したいのに気絶すら出来ない

 

「どうなるかな?」

 

「楽しみですね」

 

「ケモミミでもショタでもOKだけどね」

 

僕を見下ろす、美波達を見ながら僕は意識を失った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何この天国……多分今全員が同じ感想を抱いているに違いない

 

「えい」

 

「むー」

 

「てや!」

 

「うにゃっ!」

 

ボールを4人の周りでくるくる回しながら戯れる。幼児×3と猫獣人1匹。 そこだけが別空間になっている

 

「か。かわいいです。明久君」

 

「本当、持って帰りたい」

 

きゃいきゃいと遊ぶ天使×4。ウチもアキは持って帰りたい気がする。 そんな事を考えていると愛子が

 

「じゃーん! 猫じゃらし~」

 

ぴこぴこと猫じゃらしを揺らすと

 

「うにゃっ!?」

 

ボールを追いかけていた土屋が猫じゃらしを凝視する

 

「おいで、おいで」

 

興味を引くようにゆっくりと動く猫じゃらしに

 

「うにゃーッ!!!」

 

飛びかかろうとした瞬間

 

「とうっ!!」

 

開いていた窓から誰かが飛び込んできて、ジャンプした土屋をかっさらう

 

「だ、誰!?」

 

驚く愛子にはやてが

 

「あー陽向やん。元気?」

 

「元気ですよ、はやてさん。こう第6感に来る。可愛いお兄ちゃんの気配に従ってきましたが」

 

「ふにゃ?」

 

ごろごろと喉を鳴らす土屋を抱きしめて

 

「こんなに可愛いお兄ちゃんを見れるなんて思ってもなかったです!」

 

「ふぎゃーッ!!!」

 

抱きしめられ絶叫する土屋と

 

「ムッツリーニ君は僕が貰う!」

 

「? あー私のお兄ちゃんを取ろうとする人ですね、1度話し合おうと思っていたんですよ」

 

睨み合う土屋の妹と愛子を見ながら

 

「おいで、おいで。アキ」

 

「明久君。こっちですよ~」

 

「明久、お菓子を上げるよ」

 

メンバーが足りなくなり解散となったのかそれぞれ好き勝手に動き始めた。チビッコ軍団のうちの1人、勿論ウチのターゲットはアキだ、アキの興味を引くように手を叩くと

 

「……あそんでくれるの?」

 

ボールを抱えてそう尋ねてくるアキに

 

「勿論! 遊んであげるわよ!」

 

「はい、一杯遊びましょうね」

 

「この2人より遊びは得意だよ」

 

手を伸ばし、アキを招き寄せると。アキは考える素振りを見せながら

 

「じゃ。もなみー♪」

 

とととと駆け寄ってきたアキを抱っこしようと待ち構えていると

 

「アキ君、ゲットです!」

 

「うにゃー」

 

窓から何者かが飛び出してきてアキを抱き上げて距離を取る、そこには

 

「アキ君♪」

 

「ねーちゃ♪」

 

アキを抱っこし頬擦りしている玲さんが居た。って言うかどうやって探知したのかが気になるところだ

 

「おや、瑞希さんに美波さん、それに……秀吉さん。貴女達が欲しいのはアキ君でしょうがそうはいきません」

 

ぎゅっと抱っこしてウチ達から遠ざける玲さんは

 

「今の内に新しい常識を刷り込むとしましょう。 これは神が与えてくれたチャンスです」

 

にやりと怪しい笑み。ここで玲さんを逃がせば何かが終る。アイコンタクトを取り、3人で玲さんを囲む

 

「なるほど、一時手を組んだようですが、私はそう簡単には終わりませんよ」

 

「きゃっ! きゃっ!」

 

玲さんに肩車されはしゃいでいるアキを奪還する為に一時秀吉と手を組むのも何の躊躇いも無い、こういう時

 

「……雄二は良い子」

 

「ねーは誰なの?」

 

「……私は翔子。雄二の味方」

 

「じゃあ、遊んでくれるのか?」

 

「……うん」

 

「じゃあ、ボールとって来る!」

 

翔子が非常に羨ましい取り合う相手が居ないのだから。だがそれで言うと龍也はと言うと

 

「「「「「ジーッ」」」」」」

 

なまじ実力が拮抗している為動くに動けない、はやて達と

 

「可愛い。お兄様です♪」

 

「遊ぼッ!」

 

「かわいいですね、お兄ちゃん」

 

「に、兄さんもこんなに可愛い時が」

 

「にーさま! 可愛い~」

 

「ボール持って来たよ」

 

何時も龍也にじゃれ付いて遊んでいる。チビッコ軍団がこれでもかと龍也に構っている。何時もと逆の立場が嬉しいのかもしれない。そんな微笑ましい光景を見ながら。ウチ達はいかにこの大魔王からアキを奪還する機会を得れるかを伺いながら。玲さんの退路を断ちながらどうするかを考えていた

 

 

 

第66問に続く

 

 

 





夏休み編という事で大分弾けてみましたが、どうでしょう? 面白かったのなら良いのですが、次回は「愛子VS陽向」「瑞希&美波&秀吉VS玲」「魔王(バトルロイヤル)そしてちび雄二の洗脳を開始する翔子と言った内容でお送りしたいと思います。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いしま

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