バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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今回で第6話目…大分感覚が戻ってきたなと思う混沌の魔法使いです!!今回もどうか宜しくお願い致します


第6問

 

第6問

 

1回目の戦闘終了後、私にはとんでもない問題が残った…それは…

 

「死になさい!!吉井明久!!!試獣召(サモ)…」

 

「龍也!お願いだ助けて!!殺される!」

 

明久を殺そうとする島田という仲間内での大問題だった…

 

「龍也!島田さんを本陣に連れて行ってくれ!!!」

 

「まぁ、良いが…ほら、島田落ち着け。明久は味方だ」

 

後から羽交い絞めにして説得を試みるが…

 

「違うわ!!コイツは敵!!ウチの最大の敵なの!!!」

 

暴れまくる島田…何だろう…暴れるはやてみたいだ…

 

「た、龍也!宜しく!!!」

 

「後でどうなっても知らんからな」

 

ずりずりと島田を引き摺りながらFクラスへと戻って行こうとすると

 

「放しなさい!龍也!!…くぅ・・びくともしない!!!吉井!絶対許さないからね!!!」

 

「は、早く!連れて行って!なんかその禍々しい視線だけで殺されそうだ!!!」

 

甘いな、この程度可愛い物さ…はやてとフェイトに比べれば…

 

「ちょっと放し…殺してやるんだからあーッ!!!」

 

私の拘束から逃れる事が出来ないと判断した、島田はそう叫んだ…

 

「まぁ、落ち着いたか。島田」

 

「ええ、まぁ…とりあえず放して」

 

戦線から離れた所で漸く落ち着いたのか、そう言う島田を放すと

 

「吉井の馬鹿…助けてくれたって良いのに…」

 

何処か不貞腐れたように言う島田を見て

 

(ああ…島田は明久が好きなのか…)

 

その行動に隠された島田の想いに気づいた私は

 

「ああ、好きな人に助けて欲しかったのか…」

 

「!?!?違う!違うわよ!!」

 

顔を真っ赤にして違うと言う島田に私は更に確信を深めた…自分に対する好意には気付かないが、他人に対する好意には気付く龍也

 

「まぁ、そう言う事にしておこう」

 

「違うって言ってるでしょ!!!」

 

真っ赤になり怒鳴る島田を微笑ましく見ながら、私はFクラスに戻った…

 

「それじゃあ、行って来る!」

 

「ああ、頼んだぞ!」

 

私達と入れ違いで走っていく須川を見ていると

 

「龍也、それに島田、どうしたんだ?点数がやばいのか?」

 

「いや、島田が錯乱したのでな。連れて帰ってきただけだ」

 

「た、龍也!…ひっ!?」

 

またからかわれると思ったのか、慌てて私の口を押えようとしたが、それより早く

 

「兄ちゃんを呼び捨て…死ぬか…?」

 

「ふふ…ウフフフフ…」

 

両サイドからカッターを向けられ、息を呑む島田…可哀想だから助けるか…

 

「まぁ、落ち着け。2人とも…私はあまり苗字で呼ばれ慣れてないから、名前で呼んでくれと言っただけだ」

 

はやてとセッテの頭を撫でながら言うと

 

「む…兄ちゃん良いなら…」

 

「…龍也様の考えなら、私が言うことはないです」

 

2人とも頷きカッターを収納する…それを見た島田は

 

「こ…怖かった…」

 

へたり込む島田…悪い事をしてしまったな…

 

「まあ、点数が大丈夫なら一緒に来てくれ。これから俺も動く」

 

ほぅ…雄二が動くのか…それは見て置いてそんはないな…

 

「良いだろう。代表の力見せてもらおう」

 

「期待に沿えるかは判らんぞ」

 

にっと笑う雄二…どうやら自信があるようだ…私はそう判断し、雄二たちと共に戦場に向かった…

 

 

 

ピンポンパンポーンッ!!!〈連絡いたします〉

 

龍也と島田さんが離れ、押され始めていた前線を立て直すために送り出した須川君の声だ!これで何とかなる!僕がそう思っていると

 

〈船越先生、船越先生〉

 

しかも呼び出し相手は今Dクラスが呼ぼうとした船越先生。最高だよ!

 

〈吉井明久君が体育館裏で待っています〉

 

あれ…須川君…?

 

〈生徒と教師の垣根を越えた、男と女の大事な話があるそうです〉

 

いやあああああッ!!船越女史だよ!!単位を楯に生徒に交際をせまるような人だよ!!僕が来るまで何時間でも待っていてくれるだろうけど…僕の貞操がアアアッ!?!?

 

「吉井隊長…あんた…男だよ!」

 

「クラスの為にそこまでしてくれるなんて!!」

 

違う!僕はそんな覚悟をしてない!!お願いだ!!!そんな感動した顔で握手を求めないで!

 

『おい、聞いたか今の放送…』

 

『ああ、Fクラスの連中…本気で勝ちに来てるぞ』

 

『あんなに確固たる意思を持ってる奴らに勝てるのか…?』

 

Dクラスからそんな呟きが聞こえてくる…お願い!戦場に良い影響を与えないで!?どんどん否定しにくくなるから!!

 

「皆!吉井隊長の死を無駄にするな!!」

 

「絶対に勝つぞ!!!」

 

いやあああああッツ!!!うちのクラスにまで良い影響を!!もう止めて!!

 

「隊長!行けますよ!!この勢いで押し返しましょう!!!」

 

嬉しそうな君島君が近寄ってくるが、今の僕に返事をする気力はなかった…

 

「…隊長?」

 

返事のない僕が心配になったのかもう1度尋ねてくる君島君に

 

「す…」

 

「す?」

 

「須川ああああああああッ!!!!」

 

僕の恨み手帳にまた1つ名前が追加された…

 

「工藤信也、戦死!」

 

「西村雄一郎、残り40点です!」

 

「森川が戻ってこない!やられたか!?」

 

一時期士気が跳ね上がったが、残念ながら戦力の差は明らかで徐々に戦死の報告が飛び込んでくる…僕はその報告を聞きながら体育座りをして指を噛んでいた…

 

(工藤君と森川君が戦死した…これで18人居た僕らの部隊は残り5人…もう限界だろうか…部隊も僕の精神も…)

 

ごつごつと壁に頭を叩き付けていると

 

「明久!あと少し持ち応えろ!!」

 

「今行くぞ!明久!!」

 

雄二と龍也の声が聞こえる…援軍だ!!これで助かった!!

 

「援軍だ!!しかも八神がいるぞ!!このままでは不味い!!早く吉井達を全滅させて後退するぞ!!!」

 

龍也の存在を危険視しているようで、早く僕たちを全滅させようとするDクラス…まだ雄二達との距離は随分遠い…このままでは全員戦死だ!!

 

「西村雄一郎、戦死!」

 

これで後4人…どうする!どうする吉井明久!!!

 

「五十嵐先生!Dクラス鈴木が召喚を行います!」

 

「負けるか!Fクラス田中も行きます!!」

 

『Fクラス 田中明 科学67点』

 

    VS

 

『Dクラス 鈴木一郎 科学92点』

 

 

これで残り3人…雄二達は間に合わない…

 

「どんどん行くぞォッ!!」

 

向こうはやられる事を恐れず突っ込んでくる…このままでは駄目だ…

 

「ぐはあ!!」

 

笹島君を倒したDクラス生徒が向かって来る…もう戦うしかない!!!

 

「試獣召喚ッ(サモン)ッ!!」

 

そう判断し、召喚獣を呼び出す…特攻服に身を包んだもう1人の僕…

 

「Fクラス中堅部隊長、吉井明久。貴公の相手を…あがぁッ!!!」

 

脇腹に激痛、何も突っ込んでくる正面に出てこなくても…フィードバックってかなり痛いのに!?

 

「この部隊長はバカだ!俺1人で十分だから皆は残りを!!!」

 

ちょっと召喚場所が悪かっただけなのに、酷い言われようだ…

 

「くたばれ吉井!!」

 

倒れた僕の召喚獣に斧を振り下ろそうとする相手…

 

「そうは行くか!!」

 

低い大勢のまま横っ飛びさせ、敵に足払いを仕掛ける…相手が驚いてる今がチャンスだ!!!だから大声で叫ぶ…バカを釣り上げる魔法の言葉を…

 

「ああ!!霧島さんのスカート捲くれてる!!!」

 

『『『『何ィッ!?!?』』』』

 

流石は才色兼備の霧島さんだ、Dクラスの男子はおろかFクラスの男子にDクラスの女子まで振り返る人気だ…ただ女子の皆さん…折角の共学だから男子に興味を持とうよ…でもこれで良い!!急いで上履きを脱ぎ窓に投げつける

 

ガシャァアン!!!

 

破砕音と共に窓が砕けちる

 

『何だ何事だっ!?』

 

突然の音に全員の注意が逸れる。今だ!

 

「うわ!島田さん!!そんなものをどうする気だよ!!」

 

自分の保身の為に小芝居を打ちながら、消火器の安全弁を引き抜く

 

ブシャアアアッ!!!

 

景気の良い音と共に噴出される消火器の粉末…

 

「島田さん!なんてことを!!!」

 

これで皆島田さんの仕業だと思ってくれるはず…

 

『Fクラスの島田め!!!なんて卑怯なんだ!!!』

 

『許せねぇ!!彼女にしたくない女子ランキングに載せてやる!!!』

 

『在学中に彼氏の出来ない状況にしてやる!!』

 

…骨の1、2本じゃすまない事態を引き起こしてしまった…でも仕方なかったんだ!!!

 

「だあああッ!!!」

 

今度は粉を吐き出しつくして空になった消火器を天井のスプリンクラーに投げつける!

 

シュワアアアアッ!!!

 

狙い通りスプリンクラーが作動し、水滴が辺りを舞う粉を落し始める…それと同時に

 

「Fクラス!八神龍也参る!!!」

 

「試獣召喚ッ(サモン)ッ!!」

 

龍也が煙を突っ切って召喚獣を呼び出す

 

『Fクラス 八神龍也 科学875点』

 

    VS

 

『Dクラス 中野健太 科学43点』

 

龍也の召喚獣の体当たりで、敵の召喚獣が頭から天井に突き刺さる…なんて破壊力なんだ…僕だったら死んでる…

 

「くっ!後退するぞ!!あんな化け物に勝てるか!!」

 

塚本君が真っ先に後退しながら撤退指示を出す中…雄二が悪い笑みを浮かべ

 

「龍也」

 

「ん?」

 

「逃がすな」

 

「了解」

 

短い雄二と龍也の会話の直後…

 

バチバチッ!!!

 

ゴオオオッ!!!

 

龍也の召喚獣の手から炎の玉と雷が現れ

 

「Fクラス 八神龍也 Dクラス10人に勝負を挑みます」

 

強制的に召喚させられたDクラスは

 

『ちくしょう!悪魔め!!』

 

『いやあああッ!!!』

 

『補習室はイヤだアアッ!!!』

 

阿鼻叫喚の悲鳴の中、点が表記された

 

『Fクラス 八神龍也 科学875点』

 

    VS

 

『Dクラス 10人 合計680点』

 

ズドーンッ!!!!

 

問答無用で消し炭になる召喚獣×10を見ながら

 

「…敵じゃなくて良かったね。雄二」

 

「…ああ、あの化け物には勝てる気がしねぇ…」

 

がっくりと項垂れるDクラスの戦死者を見ながら、僕達は戦場を後にした…第2戦目…魔王様により勝利…

 

第7問に続く

 

 

 




…龍也さん無双Ⅱ!でした!面白かったですか?それなら良いのですが…それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします

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