バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです、今回は肝試しの準備になりますが。常夏コンビは改心してるので衝突は無し!でも3年生も出ます。それでは今回もどうか宜しくお願いします


第58問

 

 

第58問

 

「やあ、3年諸君。今日は私が君達にとても良いお知らせを持って来たよ」

 

ぐっとサムズアップする教頭。だが

 

「教頭。頭から血が出てますが?」

 

「ああ?これかいさっき階段から滑ってね、大丈夫。2~3分で止まるさ、心配してくれてありがとう、常村君」

 

にっと笑う教頭はそのまま教壇に立ち

 

「さて1つ聞きたい。幾ら受験とはいえ。折角の夏休み……勉強だけ終わりたいかね?」

 

返答はNO全員首を振る

 

「良い返事だ。そこでだ、今召喚獣が姿を変えているのは知ってるよね?それを使って全学年での肝試し大会と言うのを企画している。勿論授業の一環なのでただの遊びとは言えないが、どうだろう?嫌だと言うのなら無理にとは言わない、参加してくれるのか嫌か、聞かせて貰いに来た。ちなみに3年のC・D・Eクラスは二つ返事でOKだった、Bは少し考えたいと言うので保留。Aクラスの君達はどうかな?」

 

にこにこと笑う教頭は

 

「高校生活最後の夏休み、思いっきり楽しみ、勉強に備える。そのためのイベントだが、どうかな皆?」

 

その言葉に俺達は迷う事無く頷いた、高校最後の夏休み。確かにその通り何時までも夏期講習と言うのも味気ない

 

「良い返事、どうもありがとう、では3年生は3年生で集まり肝試しの準備を、ルールはこれね」

 

配られたA-4プリントを見る

 

各学年対抗肝試し大会 ルール

 

1 2人1組での行動が必須。1人だけのチェックポイントは認めない

 

2 2人のうちどちらかが悲鳴を上げた場合、両者とも失格とする(悲鳴の定義がカメラの装着するマイクで拾う音声が一定値を超えた場合とする)

 

3 チェックポイントはA~Dの各クラスに1つずつ。計4箇所とする

 

4 チェックポイントには各ポイントを護る代表者2名、チェックポイントで召喚獣での勝負をする(1年は召喚獣の操作にも慣れて居ない為、チェックポイントに到達した場合。スタンプを貰い通過とする。2年または3年生同士は召喚獣で対決し、撃破で通過とする)

 

5 絶叫でリタイアが5点。仕掛けでリタイアで2点。教師が40点、全組終了時にチェックポイントが残っていた場合+200点が持ち点となり。この点の一番多い学年が優勝となる

 

6 脅かす側の一般生徒の召喚獣バトルを禁止する。あくまで一般生徒は脅かすだけである

 

7 召喚時に必要となる教師は各クラスに1名ずつ配置する

 

8 通過の確認及び失格判定の為、脅かされる方はマイクつきのカメラを携帯する

 

9 設備への手出しの禁止 常識的にそんな事をする物は居ないと思うが、もし設備を破壊した場合その学年は罰とし。運動会の準備を全てやってもらう

 

 

10 初日は2年が驚かす役となり、1年と3年が驚かされる側。 2日目は3年が驚かす側となり、2年と1年が驚かされる側。 最終日は1年が驚かす側になり、2年と3年が驚かされる側とする

 

結構凝った作りになってるな

 

「まぁ勉強と言うの建前で、殆ど遊びのようなものだ。各学年順番で脅かす側、脅かされる側をして、楽しもうと言う企画さ」

 

ウィンクする教頭は

 

「もちろん、教師側からのバックアップもある。設備に必要な物等は紙に書いて職員室に提出して欲しい、あまり高価なものでなければ用意しよう。それでは準備頑張ってくれたまえ」

 

出て行く教頭を見ながら俺達は肝試しについての打ち合わせを始めた、折角の学園側からの遊んで良いとも取れる許可無駄にするなんて勿体無い真似はしたくなかった

 

 

 

 

 

「おーい誰かそこの釘とってくれー」

 

「もきゅもきゅ。兄、もっと」

 

「暗幕足りないぞ!体育館から持って来てくれ」

 

「お兄ちゃん。お兄ちゃん。遊ぼ!遊ぼ!」

 

「よしよし、おいで」

 

「誰だッ!!龍也の周りにチビッコ配置したの!?子煩悩モードになってるぞ!!」

 

1番頼りになりそうな龍也が旅館でも見た、お父さんモードになってる。あれでは使い物にならない

 

「あ、すいません私です」

 

「あーと、リインフォースさんだったけ?」

 

肝試しの手伝いとして龍也が連れて来た銀髪の少女がしょぼーんとした様子で言うと雄二は

 

「ま、まあ誰にも間違いはあるか、そうきにしないでくれ」

 

そのあんまりの落ち込み具合に良心が痛んだのか珍しく優しく声を掛ける、雄二を見ながら

 

「えーと、釘とって」

 

板を押さえながら手を出すと、手に釘が落ちる。何の声もないので気になり振り返ると

 

「……?」

 

「あーアザレアちゃんか。ありがと」

 

黒いフードで顔を隠したアザレアちゃんにお礼を言うとぺこりと頷き、そのまま龍也の方に向かい、お手伝いした褒めて褒めてと尻尾を振る犬の様に龍也のコートの裾を掴んでいた

 

「全て近き理想郷か(アヴァロン)……ッて痛ったあ!?」

 

ぼんやりしながらトンカチを振るったので指を強打してしまう。あまりの激痛に蹲ると

 

「大丈夫、アキ?」

 

あー赤くなってるなと言いながら美波は慣れた手つきで僕の指に絆創膏を張ってくれた

 

「気をつけないとだめだよ?アキ」

 

「う、うん……」

 

優しい笑顔だ……なんか癒され……そんな事を考えていると後ろから鈍い木の砕ける音がする

 

「ちょっとなにやってるのよ!粉砕してどうするの秀吉」

 

「姉上……私は今とても……明久が憎い」

 

……ブリュンヒルデが出たのって間違いでも何でもないんじゃ。僕は背筋をかける寒気にそう思った

 

「あれ?こんな雰囲気だったらFFF団が来るのに?」

 

そういえば最近FFF団の活動を見ないような

 

「ははは、吉井何を言ってるんだ?FFF団?そんなのとっくに解散して「神を称える会に」生まれ変わってるさ。現在各クラスに布教中さ!!」

 

須川君が何か怪しい宗教を作ってる……まぁFFF団よりかはましか

 

「神を称える会の絶対ルールとして、魔王に見初められた勇士は魔王にお仕置きされるのが面白いので放置、それ以外の異端者は今まで通りの処置をする」

 

……なんだ、基本的にはFFF団のままか

 

「うーし、1回休憩にしようぜー!朝から動きっぱなしだからな!」

 

確かに今10時。朝8時から動きっぱなしなので少し休憩したほうが良い

 

「ふー、肝試し楽しみだなあ」

 

汗を拭きながら言うと姫路さんが

 

「わ、私は出来たら肝試しよりお勉強のほうが良いです」

 

困った様に言う姫路さん。うーん僕は勉強より肝試しのほうが良いな。勉強嫌いだし

 

「だ、大丈夫よ瑞希。どうせ全部作り物なんだし怖いものなんて無いわ!」

 

青い顔をする美波。あれ?もしかして美波もお化けは苦手なのかな?どうにも自分に言い聞かせてるように見える

 

「こんにちわ。ユナちゃん」

 

「ああ。美春さんでしたね。お父さんとは仲直りできましたか?」

 

「はいです、それで思いました、やっぱり美春はお父さんが大好きなんだって」

 

一時期危ない趣味の人だと思っていた清水さんだが、どうやらただのファザコンだったらしい、危ない趣味よりかは大分ましなので良いだろう

 

「美波ってお化けとか苦手?」

 

「そ、そそそそ!!そんな事無いわよ!? アキったら何言ってるの?」

 

目を閉じているのは怖がっている証拠だと思うが、ちょっと試してみよう

 

「そういえば噂で聞いたんだけどさ。この学校って……実はワケありらしいよ?」

 

「わけって?何ですか?」

 

青い顔をする姫路さんと美波に

 

「なんかここって本当にお化けが出るんだってさああああッ!!!」

 

「きゃああああ!?」

 

これは驚いた姫路さんの悲鳴

 

「いやあああああッ!?」

 

これは驚いた美波の悲鳴

 

「きゃあああッ」

 

ちょっと白々しいこの悲鳴は秀吉の

 

「ぎゃああああああッ!?!?」

 

これは美波に抱きつかれ頚椎に深刻ダメージを受けている上に、秀吉にヘッドロックを喰らいその痛みに叫ぶ僕の悲鳴、多分秀吉がブリュンヒルデを出したのは間違いじゃない本気で僕の頭蓋を砕く気だ、でも頬に感じる柔らかい感触が心地良い

 

「ご、ごめん……美波。秀吉、冗談だから離れて……くれない?」

 

「う、うそ!!……だってウチには聞こえてくるもの……呪います。殺しますって!!」

 

ははは怖がって幻聴まで……ふと美波の後ろを見ると

 

「呪います……殺します」

 

とても良い笑顔でリヒトちゃんが囁いていた、あの悪戯好きの小悪魔めッ!!!

 

「あ、明久君……私にも聞こえます!? 」

 

ええ!? 姫路さんにも!?

 

「呪うです……恨むです」

 

小悪魔2号オオオオオオッ!? 龍也と同じ銀髪の少女、リィンちゃんが面白そうな顔をして囁いていた

 

「……明久」

 

「「「きゃあああああッ!?」」」

 

美波と姫路さんと秀吉の悲鳴が重なり頚椎、左腕、頭部から聞こえてはいけないメキョッと言う音がした

 

 

「ふぐおうっ!?」

 

だめだ、これは生死にかかわるダメージだ!? 

 

「だ、誰かと思ったら土屋君ですか」

 

「もう、驚かせないで、おかげでアキの腰が変な方向向いてるじゃない」

 

「全くだよ、明久が白目向きかけてるじゃないか」

 

それはやったのは全部貴方達です。っていうかもうだめ……

 

僕は信じられない激痛に飲まれ意識を失った

 

 

 

 

 

「おおーッ!!! 馬鹿そうな人が泡吹いてます」

 

「本当だーッ!! 面白いねー」

 

泡を吹いてる明久を突いて遊ぶリヒトとリィン。どうも最近悪戯好きの小悪魔属性を取得したようだ。ちなみに明久に大ダメージを与えた3人はと言うと

 

「秀吉のせいよ!ウチのせいじゃない!」

 

「何を言ってるの!美波!明久の頚椎を粉砕したのが止めになったんだよ!」

 

「2人のせいですー、私は無罪です」

 

責任の擦り付け合いをしている、そんな事を言う暇があるのなら明久を助けてやれよ

 

「良いのか、龍也、小悪魔2匹が明久に止めさそうとしてるぞ?」

 

「リヒトちゃん。腰を直してあげましょう」

 

「そうだねー」

 

明久の腰を掴んだリィンとリヒトは

 

「「せーのっ!!」」

 

「へぷろぷっ!?」

 

聞こえてはいけない鈍い音と明久の奇声。見た目こそ幼女の2人だが、融合騎の2人の力は並みじゃない、変な方向を向いた腰を矯正するなんて朝飯前だ。まぁ力任せなんでダメージは深刻だろうがな!

 

「良い事しましたねー」

 

「そうだね!」

 

小悪魔2人が楽しそうに笑う、明久の身体からはぼやっとした白い靄が出始めているがまあ大丈夫だろう

 

「良いのか、龍也あの小悪魔2匹をほっておいて」

 

「良いんだ、誰かが昔言ってた、可愛いは正義って。だから良いと思う」

 

「お前って結構子煩悩だよな、まぁ明久だから良いけどよ」

 

明久は暫く白目を向いていたが数分後に無事生還した、その際、ハーレムか!やるのう明久と褒めてくれたお爺ちゃんに頭を撫でて貰ったと証言した点から。臨死体験をしていたと思われる

 

「肝試しかー面白そうだよなー」

 

「パ……お兄様、ヴィヴィオも楽しみー♪」

 

嬉しそうなヴィヴィオの頭を撫でていると

 

「うーす、2年の代表は居るかー?」

 

「ああ、俺だが?」

 

「うし、3年の肝試しのルート表な、で?お前達のは?」

 

「まだ出来てないのでもう少し待って欲しい」

 

「OK、判っただが早いうちに頼むぞ。3年は3年で楽しみにしてるからな」

 

ほほう。ジェイルのやつめ上手く3年生も引き込んだか、勉強ばかりでストレスが溜まっているから乗りやすいだろう

 

「んじゃな、2年には怖い奴が多いと聞いている。どれ程驚かしてくれるか楽しみにしてる」

 

ひらひらと手を振りかえっていくソフトモヒカンを見ながら雄二が

 

「あれば常村か噂では粗暴で気が荒い聞いていたがどうも感じが違うな」

 

「何かあったんだろう?気が変わる何かが」

 

ジェイルから聞いてるので内容は知っているが、まぁ言うことではないだろう

 

「うーし、休憩終り!!続きやるぞ!」

 

「おーッ!!!」

 

気合を入れる2年生全員と

 

「「「「「おー」」」」」

 

ちびっこ6人、なんとも微笑ましい気分になりながら準備を再開すると

 

「おおっ!兄ちゃんこれ見てな、召喚獣の姿が変わったで」

 

はやての面白そうな声に振り返ると、そこには仮面をつけ腕が4本にふえ血塗れの服を着て、その腕に刀を4本持った召喚獣がいた

 

「えーとカーリー?」

 

「そやよねえ。暗黒の女神の、何かヴィータ達のも同じ風になるで?」

 

はやての何気ない言葉を聞いた私は

 

「なあ、あれってさ暗がりから出して走らせるだけで充分脅威なんじゃ?」

 

「それ良いかもな。凄い怖いぞ」

 

暗がりから血塗れの服を着て4本の腕に武器を持った女が走ってくる、うん。下手すればトラウマものだ

 

「……雄二。私のも変わった」

 

「同じ召喚獣だとオオオオッ!?」

 

翔子の召喚獣もカーリーだった。雄二がドン引きし後退するが素早くその腕を掴んだ翔子は

 

「……ふふ、逃げるのは……許さない、雄二は私の」

 

「ぐおおおッ!!超痛てええええッ!!!」

 

ギリギリと雄二を締め上げる翔子の細腕、だがその破壊力は雄二の苦しみようを見れば明らかだ

 

「さ、子供達よおいで。あれは見るべきじゃない」

 

「「「「「「はーい」」」」」」

 

「見捨てるのかぁ!?俺を見捨てるのかぁ!?」

 

「可愛いリィン達にトラウマを与える事は出来ない、自分で何とかしてくれ」

 

早く遠ざけたほうが良い、あと数分も立たず雄二は折られるから

 

「お兄様、あのお姉ちゃんははやてちゃんと同じ感じの人なんですか?」

 

「そうだよ、リィン、だから少し離れような?」

 

背中で雄二を隠しながらゆっくりと離れる中

 

「ふぎゃああああッ!!!」

 

「……雄二。大好き♪」

 

雄二の断末魔の叫びが響いた、これで雄二は頼りにならない

 

「うーん。とりあえず。久保と優子。後平賀?、肝試しの流れを考えようか」

 

「俺は呼ばれて無いぞ?」

 

「黙れ卑怯者。お前は肉体労働でもしてろ、役にたたん無能め」

 

「うっ!ちくしょおおおおッ!!!!」

 

振り返り逃亡していく根本は無視。

 

「八神君は結構毒舌なのかい?木下さん」

 

「うーん。卑怯者が嫌いみたいよ?」

 

「如何して俺だけ名前が疑問系なんだ」

 

だって面識ないし、名前もうろ覚えだし

 

「まあまあ、良いだろう?平賀源内」

 

「俺は平賀源二だっ!!」

 

「それは失礼、覚えておこう平賀。では肝試しの内容を考えよう、雄二は死んでるから」

 

鯖折りされ白目向いた雄二を幸せそうな顔をして抱きしめている翔子を見ながら言うと

 

「あー吉井君も死んでるわね」

 

「えっ?」

 

振り返ると明久が激しく痙攣していた、一体何がッ!?

 

「木下さんが放さないから悪いんです!」

 

「なっ!自分の責任を人のせいにするの!? 無理に引っ張るから手を放しちゃって明久がロッカーの角で頭ぶつけんたんじゃない!私のせいじゃない!」

 

「アキ。大丈夫?アキ?……これはもう目覚めのキスをするしか」

 

「「待ていッ!!!」」

 

あっちはあっちで大変だな、まぁほっておこう。その内明久も起きるさ

 

「あと、土屋君が愛子に苛められてる」

 

「ふふふ……かーわい。そんなにびくびくしてどーしたの?」

 

「……く、来るな」

 

康太が愛子に追い詰めれていた、そして開いていた窓から何かが投げ入れられ康太の足元に転がってくる

 

「……陽向に監視されてたああああああ……」

 

「ふふふ、大丈夫……僕が助けてあげるからね?だから僕のところにおいでよ」

 

「……い。嫌だ」

 

首を激しくふる康太に愛子は更に楽しそうな顔をして詰め寄っている。あれは完全な苛めっ子だな

 

「ふーこんなので大丈夫なのか?2年生は?」

 

「さぁ?」

 

どうも肝試し大会に向けての課題は山積みのようで、私は先行きが不安を感じざるを得なかった……

 

 

第59問に続く

 

 




混沌とヤンデレをこよなく愛す、混沌の魔法使いです。今回は結構壊れギャグが多かったと思います。次回から肝試しにはいっていこうと思いますそれでは次回の更新もどうか宜しくお願いします

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