バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回からは補習編に加え、多数の小動物が登場していきます、多分ほのぼの・ギャグメインの話が多くなると思いますがどうか宜しくお願いします


第57問

 

 

第57問

 

「えええーお兄様今日も学校なんですか!!何で!!!」

 

「何でって言われてもなぁ、Fクラスだから仕方ないんだよ」

 

リィン達が来た1週間、嬉しそうに遊びに行こうと言いに来たリィンにそう言うとさっきまでの笑顔はどこへやら、不満そうな顔で文句を言うリィンに

 

「帰ってきたら遊んでやるからな?」

 

「やだやだやだ!!!リィンはお兄様と遊ぶんですーッ!!!」

 

ばたばたと駄々を捏ねるリィン、こんなんだから皆に1番妹って言われるんだ……

 

「やだやだやだ!!!ヴィヴィオもパパと遊ぶーッ!!!」

 

なんて事だ、リィンだけではなくヴィヴィオも駄々っ子モードになってる。

 

「ヴィヴィオ。これは仕方ない事なんだ、ヴィヴィオも学校に行ってるから判るだろう?帰ってきたら遊んであげるから、良い子でお留守番しててくれるかな?リィンも1番お姉ちゃんだと言うのなら我侭は言うものじゃないよ。リィンは良い子だからちゃんと待ってられるよな?」

 

2人の前にしゃがみ込み言う。いくら私が子供に甘くてもこういう所はちゃんとしないといけない。2人は賢いから私の言う事が判るのだから

 

「判った……です。リィンはお姉ちゃんで良い子だからちゃんと待ってれるです」

 

「ヴィヴィオも良い子だから。待ってる」

 

「良し、2人ともいい子だ」

 

よしよしと2人の頭を撫でながら立ち上がり

 

「昼間までだからお昼を食べた後に一緒に遊ぼうな。じゃあ行って来る」

 

「「いってらっしゃい」」

 

ひらひらと手を振る2人に手を振りかえし私は家を出た

 

「いやー凄いですねー龍也さん。優しいお父さんだけじゃなくて厳しい所は厳しいんですね」

 

 

「何してるスバル」

 

門の所にすわり足をブラブラさせてるスバルにそう尋ねると

 

「日課の5キロの走り込みを終えて休憩中です。この後は型と筋力トレーニングです」

 

良い拳打は足腰が重要だと言ったのをちゃんと覚えてたのか、感心感心

 

「そうか。では昼にでも組み手やるか?」

 

「はい!お願いします!!」

 

笑顔のスバルはよっと言いながら門から飛び降り

 

「大分出来るようになって来たんですから。えーと?はっけい?でしたっけこれ?」

 

ヒュウウ……

 

息を吸い込み気を練り上げるスバル

 

「ああ、中国の武術の奥義とも言える物だが……まだまだ甘いな」

 

パチン

 

「はうっ!?」

 

デコピンするとそのまま練り上げていた気が霧散する

 

「まだまだ甘いぞ。スバル教えたとおり歩法と呼吸法の復習をしておけ」

 

「はーい……」

 

消沈気味のスバルはそのまま目を閉じ、意識を集中させ始める……

 

(馬鹿だがこういうときの集中力の高さには驚かされるな全く)

 

極光にしろ。気の練り上げにしろ私が数年がかりで覚えた物を半年やそこらで覚えたスバルには正直驚かされる。これが才能の違いと言う奴かねー。そんな事を考えながらはやて達が来るのを待っていると

 

「スバル?……見てたよ。いっぺん死のう」

 

「!?!?私何も悪い事してないですよ!?」

 

絶対零度の言葉と気配、魔王モードのなのはとティアナに挟み込まれるスバル

 

「た、助け」

 

「頑張れ。スバル。私は応援してるよ」

 

「龍也さんの薄情者オオオオ!!!」

 

ドドドドドッ!!!

 

砂煙を上げて走り出すスバルとそれを追走していくなのはとティアナ

 

「さて。なのはとティアナが始業ベルに間に合うと良いのだがね」

 

「まぁそん時はそん時やろ。ほれ行こ♪」

 

「待ちなさい狸。どさくさ紛れになに腕組もうとしてるんですか」

 

バチバチッ!!!

 

火花を散らすはやてとセッテに

 

「本当2人は仲良しだよね。ヴィータ」

 

「喧嘩するほど仲が良いって奴だな」

 

のほほんと話すフェイトとヴィータ、そして

 

「いやあああああッ!!死ぬッ!!死んじゃう~ッ!!!」

 

スバルの悲鳴と凄まじい爆発音

 

「ああ。平和だなー」

 

六課の日常があり、とても落ち着く

 

「全然平和じゃないですよーッ!!!!!」

 

騒がしいのが私の日常。その基準で行くとこれは平和だ……私はそんな事を考えスバルの悲鳴を後ろに聞きながら学校へと向かった……

 

 

 

 

 

(逃げよう雄二。この魂の牢獄から)

 

(良い事言うな明久。俺もこの補習地獄には飽き飽きしてたんだ)

 

折角の夏休みなのに補習で登校なんて在り得ない。ならば逃げ出すと言う選択をするのは当然の筈だ

 

(しっかし、龍也は化け物か?)

 

多少日陰の場所に陣取る、何時も黒コートを纏う友人を見る。半袖でも熱いのに平然とコートを着ている龍也には汗1つ無い。一体どういう体の作りをしてるのだろう

真面目にノートを取っている龍也を横目に見ながら

 

(それでどうやって逃げ出す雄二?龍也は多分逃げるなんて言うと怒るから協力してくれないだろうし。何か策ある?)

 

(何だ?人を誘っておいて何の策も無いのか?)

 

(あったら1人で逃げてるよ)

 

(同感だな)

 

Fクラス男子の必須技能、口を動かさない会話術をしながら作戦を考える。そんな話をしていると他の男子も逃げ出したいのか。僕と雄二の話に乗ってくる、殆ど全員が逃げる事に賛同してくれた。この人数なら下手に策を講じるかは

 

(人海戦術で行こう。誰が捕まっても恨みっこ無しで)

 

(シンプルだが強力な作戦だな。それで行こう)

 

後は鉄人の隙を伺うだけだ。今は解説してるもう少ししたら黒板の方を向くはず、狙いはそこだ

 

「式に表すと……」

 

いまだッ!!!

 

僕達が腰を浮かしかけた瞬間

 

「全員動くなッ!!!」

 

後ろを向いたまま鉄人が叫ぶ。思わず身が竦み動きが止まる

 

「脱走しようとはいい度胸だ。そんなに俺の授業は退屈か?」

 

そう尋ねてくる鉄人はにやりと笑い

 

「そうか、それはつまらない授業をした俺の落ち度だな。どれ詫びと言っては何だが1つ面白い話をしてやろう。姫路・島田・木下。それに八神ファミリーは耳を塞げ」

 

八神ファミリーと一括りにするのはどうなんだろう?そしてそれに何の反論もせず耳を塞ぐ龍也達はその認識で良いのか?僕がそんな事を考えていると鉄人は懐かしい記憶を思い出すような顔をして

 

「そう、あれは10年以上前の夏……俺が留学生のブラジル人とレスリングをやっていた時の事だ」

 

「「「「ぎゃああああああッ!!!!!」」」」」

 

何人かの男子がその暑苦しい言葉で脳をやられぴクリとも動かなくなる。かと言う僕もヤバイ。この暑い中そんな暑苦しい話を誰が好き好んで聞きたいものか、だが耳を塞ごう物ならば

 

「ちゃんと話は聞けッ!!!」

 

「ぎゃっ!!!」

 

チョークを投げられる。僕達には歯を食いしばりその話を最後まで聞くと言う選択肢しか残されていなかった……地獄のようなレスリング談義の後に休憩となり瀕死の僕達は、雑談をしていたのがふと龍也が

 

「そういえば召喚獣の装備ってどうなったんだろな?」

 

「そういえばそうやね。私も気になるわ~」

 

確かに今回の試験は召喚獣の装備が変わるから皆必死で勉強したんだ。どう変わったのか見て見たい

 

「そうだな。では西村先生。お願いがあるんですけど」

 

「何だ龍也?」

 

優等生の龍也に笑顔の対応する鉄人。生徒の差別は良くないと思う

 

「召喚の許可を頂きたいのです。期末試験でどう装備が変わったのか見て見たいので召喚許可を貰いたいのですが」

 

不味い事になったと言う顔の鉄人は

 

「いや。試召戦争でもないのに召喚獣を呼び出すのはどうかと思うぞ?龍也」

 

「何も悪い事をしようと言う訳では無いんですが……何か問題があるんですか?」

 

冷静な龍也の質問に鉄人は

 

「さて、そろそろ休憩時間も終わりだ。授業の準備をしてくれ龍也」

 

「まて。鉄人、龍也の言うとおりだ俺達は自分の召喚獣の装備を確認したいだけだ。なぜそれだけの事で渋る?」

 

雄二がそう尋ねると鉄人は

 

「さて、授業を始めるぞ」

 

鉄人といわれた事にも反応しない。これはおかしい

 

「待って下さい。西村先生その反応はあまりに失礼ではないですか?」

 

ティアナさんが鉄人の腕を掴みそう言うと

 

「いや。それは判っているんだが……そのだな」

 

歯切れの悪い鉄人を見たティアナさんが

 

「雄二。白金の腕輪をこれは召喚獣に何かあったとしか思えない。召喚フィールドを」

 

「お、おう!起動!!」

 

珍しく名前で呼ばれた雄二が驚きながら白金の腕輪を起動する。そして僕も

 

「じゃあ!試獣召喚!!(サモンッ!!!)」

 

早速召喚獣を呼び出すのだが……

 

「あれ?なんか凄く強そうなんだけど!?」

 

「馬鹿の召喚獣にしては贅沢な装備ですね」

 

セッテさんの鋭い毒舌も気にならない。白銀の甲冑に大振りな剣を携えた騎士の姿をした自分の召喚獣。

 

「す、凄い!!これはかなり強そうだよ!!!」

 

「ああ、見た目といい身体の大きさと言い。かなり強そうだな」

 

「ええ、この召喚獣で試召戦争をすると本物の戦争みたいに見えるな」

 

皆で僕の召喚獣を見ながらわいわいと話をする中。姫路さんが

 

「何時もの召喚獣は可愛いですけど、この召喚獣は凛々しい感じがしますね」

 

「え?そ、そう?」

 

そんな事言われた事無いので凄く嬉しい

 

「そういえばそうね。きりっとした表情してるし悪くないわね」

 

「うん。私もそう思う」

 

美波と秀吉にまでそう言われ照れていると

 

「全くお前達も酔狂だな。明久の何処が良いんだか」

 

パコン

 

雄二が苦笑しながら僕の召喚獣の頭を叩く、フィードバックで

 

「痛いじゃないかゆ……う……じ?」

 

雄二に文句を言いながら召喚獣を見ると頭がゆっくりと地面に落ち。転がって僕達を見ていた

 

「「「きゃああああッ!!!」」」」

 

「ええええ!?嘘!!僕の召喚獣が行きなりグロイ事なってるんだけど!なんで!?」

 

僕が絶叫していると龍也が僕の首を見る

 

「首もげてないよな?何でだ?」

 

「マイペース過ぎるよ!龍也!!」

 

龍也の天然マイペースも困ったものだ

 

「ふーむ。これあれか?頭が取れるようなった召喚獣って事か?」

 

「弱点丸出しやな。遣い物にならんで?」

 

ヴィータさんとはやてさんのコメントが痛い、でも確かに首の取れる召喚獣なんて弱点だらけだ、甲冑と剣の意味がまるで無い

 

「どういうことだ?鉄人説明してくれ」

 

「良くは知らんが。どうも今呼び出される召喚獣は化け物や妖怪の姿をするらしい」

 

「お化けですか?」

 

「ああ。召喚システムは科学だけじゃなくオカルトや偶然の上で成立してる。つまり」

 

「調整に失敗したか。あのど馬鹿が夏だから!肝試しだ!とかそんなノリで好き勝手やったと言うことか」

 

龍也の言うど馬鹿とは間違いなく博士だ。博士ならそんな事をやりかねない。だって博士は悪ふざけが大好きだから

 

「それでなんでも召喚獣の特徴や本質から呼び出される召喚獣が決まるらしい」

 

ふむ。龍也は1回頷いてから

 

「ではお前の特徴は頭がない=馬鹿だから。デュラハンなんだな?」

 

「ストレートすぎるよ!龍也!!」

 

龍也のストレートすぎる発言が胸に突き刺さる。龍也はいい奴だけどどうも少し抜けてるから困る

 

「吉井、なんか面白い事になってるな?」

 

「それお前の召喚獣か?馬鹿すぎるから頭が無いのか?」

 

復活するなり酷い言いようだ

 

「ならそっちも召喚してみなよ。僕のより酷いのが出てくるから」

 

僕の言葉に頷き3人が同時に召喚獣を呼び出す

 

「「「試獣召喚!!(サモンッ!!!)」」」

 

ゴゴゴッ!!!

 

現れたのは腐乱した身体を持つゾンビ×3

 

「なるほど、お前達は性根が腐ってると言うことか?」

 

「「「神よ!!その発言はあんまりです!!!」」」

 

泣き崩れる3人。あれ?この3人ってあれだよね?特に龍也を神と崇めてる3人だよね?よほどショックだったのだろう体育座りで泣いている

 

「ははは、龍也は案外きつい事言うな、じゃあ秀吉のはどん何なんだ?」

 

「召喚してみよう。試獣召喚!!(サモンッ!!!)」

 

秀吉が召喚獣を呼び出す

 

ぽんッ

 

「えーとヴァルキリー?」

 

ゲームで良く見るヴァルキリーの姿だが甲冑が黒く禍々しい

 

「ふむ。ブリュンヒルデか?愛ゆえに夫殺しをした」

 

「秀吉?僕を殺すとか無いよね?ね?無いよね?」

 

思わず数歩下がる、ブリュンヒルデの話は有名すぎる。そんな事秀吉はしないと判っているが恐ろしい

 

「ひ、酷い!私はそんな事しない!」

 

「だ、だよね!秀吉はそんな事しないよね!?」

 

うん、秀吉がそんな事するわけない。きっと何かの間違いに違いない

 

「木下さんの本質は愛ゆえの殺傷願望って事ですか?」

 

「ち、ちがう!!これは何かの間違い!」

 

動揺する秀吉を僕の前から引き離した姫路さんが

 

「じゃあ、今度は私が召喚獣を呼び出しますね!きっと可愛いのが出てくると思います!」

 

「頑張って!姫路さん」

 

「はい!試獣召喚!!(サモンッ!!!)」

 

姫路さんが自分の召喚獣を呼び出す

 

「きゃああああッ!!見ちゃ駄目です!!!」

 

「ふぐう!!目がッ!!目がアアアッ!!!」

 

一瞬で目潰しされ悶える、一瞬しか見えなかったが胸が強調された際どい格好をした召喚獣を見た。僕が激痛に悶えている中

 

「はやて?何故私の目を塞ぐ?」

 

「兄ちゃんは見ないで良いからや。とりあえず瑞希。雄二からはなれて召喚獣を消しい」

 

「は、はい!!」

 

きっと怖い顔をしてるのだろう、少し怯えた感じの声で返事をした姫路さん、だが目が痛くて見えないので声で判断するしかない

 

「康太のはヴァンパイアか?何でだろう?」

 

「……俺にもさっぱり判らない」

 

嘘は言うものじゃないよムッツリーニ。ヴァンパイアなのはきっと女の子が好きだからだよ

 

「これ?何かしら?着物に簪?」

 

「あれじゃないか?イザナミ。夫であるイザナギを呪い殺すといった日本神話の女神」

 

「なんでウチの召喚獣までそんなヤバイ感じなの!?」

 

秀吉と美波の本質って何?僕を殺したいの?なんか接し方が難しくなるんだけど

 

「じゃあ私の召喚獣ってどんなんやろ?」

 

「きっとあれですよ、ベルゼブルとかの醜い感じですよ。はやて」

 

「黙れストーカー。その台詞そのまま返したる」

 

漸く視力を取り戻したタイミングではやてさんたちが召喚獣を呼び出す。

 

「「「「「試獣召喚!!(サモンッ!!!)」」」」

 

現れたのは4人とも似通った姿をした天使達

 

「えーと?なんやろ?」

 

はやてさん達が首を傾げる中。龍也が

 

「あれじゃないか?パールヴァティ。2面性を持つ女神の」

 

二面性?ああ。龍也への愛と敵対者を殺す事に何のためらいも無い残酷性と言うことか

 

「じゃあ龍也は?」

 

「私?なんだろうな?取り合えず呼んでみるか試獣召喚(サモン)」

 

龍也が召喚獣を呼び出す。

 

「ルシファー?」

 

8枚の白と黒の翼を持つ天使が現れた。それを見た龍也がボソリと呟く。ルシファー、ゲームとかでは有名すぎる天使、神に反逆し悪魔の王となった存在

 

「なるほど。善と悪の二面性と言うことか?」

 

「受けいれちゃうのそれ!?」

 

龍也がルシファーなんてありえない。だって龍也は怖いけど優しいしとてもそんな感じではない

 

「ははは!これは滑稽!実に愉快!!私の本質はこれか!!!!ははははッ!!!!」

 

なんか凄く笑ってるだけど?なんで?

 

「くっくっく。なるほどなるほど……実に面白いよ全く」

 

龍也の笑い顔は今まで見たことの無い笑い方だった、自嘲?っていうのかな?なんかそんな感じの嫌な顔だった

 

「まぁ良いがね。私の本質を改めて認識できたからな」

 

龍也はそう言うと召喚獣を消し。

 

「さて。西村先生?このことについて私は少々話をしないといけないので教頭室に行って良いですか?」

 

「た、龍也?とても良いエガオなんだが?教頭と何を話すつもりだ?」

 

龍也はにっこり笑い

 

「ええ、主に拳を使った話し合いを少々」

 

ゴキン

 

龍也が拳を握り締めるとそんな音がした

 

「あ……ああ。許可する」

 

「どうも」

 

ぺこりと頭を下げて出て行く龍也を見て

 

「俺達もババアに聞いてくるか?」

 

「そうだね、学園長に聞きに行こう」

 

スタスタと龍也の後を追って教室を出る

 

「キサマら!!ドサクサに紛れて脱走か!」

 

「しまった雄二気付かれたよ!?」

 

「走れ明久!!学園長室に逃げ込めばこっちの勝ちだ!!!」

 

僕と雄二は鉄人から全力逃亡を始めた……

 

 

 

「はっはっは!!死ね。ジェイル」

 

「折れるッ!!背骨から真っ二つになる!!!」

 

アルゼンチンバックブリーカーでジェイルをへし折ろうとしながら学園長室に向かう。一応あの人の話も聞いておきたい

 

「おっと、足が滑った」

 

「フギャーッ!!!」

 

ジェイルの背骨がミシリト嫌な音を立てるが何の問題も無い

 

「失礼しまーす」

 

「ふごおおおッ!!!折れる!!マジで折れる!!タップ!タップです!!!」

 

ユサユサとジェイルを揺すりながら学園長室に入ると、雄二と明久の姿もあった

 

「ん?なんだ雄二達もいたのか?」

 

「ヘルプミーッ!!!」

 

「少し黙れ」

 

ドンッ!!!

 

ジャンプして着地する

 

「!?!?」

 

ゴキョメキョッ!!!

 

嫌な音を立てる背骨、そして白目を向いたジェイル無造作に投げ捨て

 

「で?あの召喚獣は何なんですか?学園長?」

 

「平然と良く訪ねられるね?あんた……」

 

驚いた顔でそう言う学園長だが

 

「まぁ古い知り合いらしいからアタシが言うことじゃないだろうけどね。それで質問の召喚獣だけどあれはアタシからのプレゼントさ。折角の夏休みなんだ何かイベントの1つも欲しいだろう?」

 

にやりと笑う学園長、なるほど

 

「つまりあれですね。最初から企画しているイベントだと言い張るんですね?どう思うよ雄二」

 

「いーんじゃねえ?後残り2日の補習を肝試しにしてくれると言う学園長の心遣いは無下にしたくないしな?」

 

はは!雄二の悪知恵には恐れ入る。

 

「いいや。ただの肝試しなら駄目さ、あくまで召喚獣は学習意欲上昇の為の物なんだからね。見た目だけ楽しむのは授業の一環とが認めないよ」

 

「ならあれですね。チェックポイント作って、そこで勝負させましょう……ああ、学年別にやらせるのも面白いですねえ」

 

「あんた。もう復活したのかい?」

 

白目を向いていたジェイルが復活して早速悪知恵を働かせ始めた

 

「折角の妖怪に神!!これは面白い!!実に面白い事が出来る!!それなのに眠ってなんかいられないですよ。雄二君に明久君!肝試しのルールは私が考えよう!そしてそこに愉悦をみい。「黙れ馬鹿ッ!」ふぐおうッ!!さすが龍也何の躊躇いも無く広辞苑の角で強打とは恐れ入る」

 

ドクドクと血を流しはっはと笑うジェイルに皆ドン引きだ

 

「そ、それじゃあ。教頭イベントのほうは任せるよ?」

 

「ええ、お任せください!!最高のイベントを用意しましょう!」

 

楽しそうなジェイルだきっと面白おかしい内容を用意するに違いない。こうして学園と召喚システムを使った一風変わった肝試し大会の開催が決定した

 

「あ。学園長、今私の妹が遊びに来てるんですけど。連れて来ても良いですか?」

 

「……あんた、ぜったい天然だね。まぁ良いさね、許可しよう」

 

第58問に続く

 

 




えーと3年との対立は無しで、元狂気の天才科学者が企画した面白おかしい肝試し大会にする予定です。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします

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