バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回インターバルの話になります。それでは今回の話もどうか宜しくお願いします


第56問

 

 

第56問

 

「龍也。僕は終ったよ」

 

「どうした!?明久目が死んでる上に魂が抜け落ちそうな顔をしているぞ!?」

 

テストの翌日、終業式の日に明久は今にも死にそうな顔でそう告げた

 

「テストでね。名前を間違えてアレクサンドロス大王にしちゃったんだ」

 

「何をどう間違えたらそうなるの?」

 

隣で聞いてたテイアナが呆れ顔で言うと明久は

 

「歴史だからメモしてたら間違えて名前欄に……」

 

「それにしても馬鹿すぎますね。馬鹿」

 

「僕の呼称を馬鹿にしないで!セッテさん」

 

蔑むような視線のセッテに耐え兼ねて明久が顔を覆い隠す

 

「大丈夫よ。アキ。ウチはアキが馬鹿でも気にしないから」

 

「明久君。大丈夫ですよ。私と美波ちゃんが居ますから」

 

「美波、姫路さん……」

 

明久が女神でも見るような目で2人を見ている。どうも明久は最近ピリオドの向こう側に行きかけているようだ。まぁ本人が良いのなら私が言うことは何も無いが……

 

「……ぷくー」

 

「秀吉。言いたい事があるなら言うたらどうや?」

 

明らかに不貞腐れている秀吉にそう言うはやて、秀吉は

 

「あの2人だけって言うのは気に入らない」

 

「お前は自分から攻めないからな。時には攻勢に出るのも大事だぞ?」

 

ヴィータとはやてが秀吉に良からぬ事を吹き込んでいる。これで秀吉も魔王化か……私がそんな事を考えていると西村先生が入ってくる

 

「SHRを始めるぞ。さてまず連絡事項だが。Fクラスは夏休みの初期は補習だ、高点数の姫路や八神達も悪いと思うが補習に参加してくれ」

 

ブー!ブー!

 

Fクラスの面々のブーイングを聞き流し西村先生は

 

「文句があるなら今から補習にするか?俺はそれでも一向に構わんぞ?」

 

シーン

 

静まり返るFクラス……折角昼で帰れるのに態々今日から補習をする気は皆無いのだろう

 

「では終業式後、教室の掃除を行い今日は下校だ。体育館に移動するようにではSHRを終る」

 

私達は終業式に参加するために体育館に移動し。掃除を終えてから下校した

 

「いやーまさか補習に引っ掛かるとはなあ」

 

「はやてちゃん達が悪いんじゃないんでしょ?」

 

なのはとフェイトも合流し家に向かいながらそんな話をする

 

「私となのは、は希望生徒だけの夏期講習はあるけど明日から夏休みだよ」

 

まぁそれはそうだろうな。2人ともAクラスだし補習とは縁が無い筈だ

 

「まぁ仕方ないさ。Fクラスなら補習も致し方ない。何時も通り騒がしく面白いと思うからそれはそれでも良いがね」

 

Fクラスの面々が馬鹿だが、明るく面白いそういうのも悪くないが

 

「でもよ、兄貴、リィン達はどうするんだ?今日だろ皆来るの」

 

「まぁそこは補習という事で納得してもらおう」

 

「それであの甘えん坊が納得するとは思えないですけどね」

 

甘えん坊のリィンが納得するとは思えないと言うセッテ。まあそれに関しては私も同意だが。納得してもらうしかない

 

「まぁそれはそれで後で考えよう」

 

どうせ今考えてもどうしようもないのだし、私はそんな事を考えながら家へと帰った

 

 

 

 

「むふふーお兄様に会えるです」

 

「楽しそうだなーリィン」

 

荷物を纏めながら言うとアギトちゃんがそう尋ねて来るので

 

「アギトちゃんは楽しみじゃないんですか?」

 

「勿論楽しみだ。兄に会いたいしなー」

 

「ヴィヴィオも!ヴィヴィオもパパに会うの楽しみ!!」

 

うんうん当然です!皆お兄様が大好きですから!そんな話をしながら荷物を纏めていると

 

「準備は出来たか?」

 

幻術で13~16歳くらいの姿になったお姉様が尋ねて来るので皆で頷くと

 

「良し。では行くとしよう」

 

「うん!ヴィヴィオパパに遊んでもらうの!!」

 

楽しそうなヴィヴィオちゃんにお姉様が

 

「ヴィヴィオ、パパは不味いな。お兄様にしておいた方が良い」

「はーい!お兄様だね!判った♪」

 

にこにこと笑うヴィヴィオちゃんの頭を撫でて

 

「良し、では行こうか。兄上様の家の場所は判ってるし今から兄上様の居る世界に行けば昼前には兄上様に会えるだろう」

 

リィン達は荷物を持ってスバルとシャマルと合流してからお兄様の居る世界に転移しました

 

「さてとでは行くとしよう」

 

地図を片手に言うお姉様に先導されて移動します

 

「アギトちゃん。皆振り返るんですど。何ででしょう?」

 

「さあ?」

 

リィン達は理解してなかったが。タイプの違う美少女だらけの一行はとても目立っていた。特に先頭を歩くリインフォースは特に目立っていた。本人はガン無視だったが……

「ほえー美味しそうです」

 

皆で歩いていると道の脇から良い匂いがして立ち止まります。

 

「鯛焼きですかー」

 

今度お兄様と来た時に買って貰いましょう。今買い食いするのは良くないですから

 

「今度皆で……あれ?お姉様?アギトちゃん?」

 

気がついたらリィンは独りぼっちになっていました……多分まだ近くに居ると思うのですが。私の背が低い事、それに人が多くなって来たことでリィンはお姉様たちの姿を見失ってしまいました

 

「ふえ……お姉様……アギトちゃん……スバル、シャマル」

 

きょろきょろと辺りを見回しますが皆の姿は見当たりません

 

「ふえ……ひっく……皆……どこですか~」

 

リィンはこの街の事を知りませんし、どこに行けばお兄様に会えるかも判りません……途端に心細くなって泣き出しかけていると

 

「どうしたの?」

 

「ふえ?」

 

綺麗な顔をしたお姉さんに話しかけられました。リィンは涙を拭いながら

 

「お姉様達とはぐれて……お兄様の家が判らないんです」

 

「お兄様?……その髪にその剣十字のペンダント……貴女のお兄様って龍也君のこと?」

 

「お姉さんはお兄様を知ってるのですか?」

 

やっぱりと言うお姉さんはリィンに手を伸ばして

 

「いいわ、あたしは龍也君の家を知ってるし連れてってあげる」

 

「良いんですか?お姉さん」

 

「ええ、それに1度声を掛けたのにはい。さようならなんて後味悪い事も出来ないしね」

 

にこりと微笑むお姉さんに

 

「リィンは八神リィンと言います。お姉さんの名前は?」

 

「あたし?あたしは木下。木下優子よ、リィンちゃん。ほら荷物もってあげるから行きましょう?」

 

笑いながら手を伸ばしてくるお姉さんに頷きながら差し伸べられた手を握り。リィンはゆっくりと歩き出しました

 

 

 

 

 

 

 

「リィンとはぐれたのか……」

 

「すいません、兄上様少し目を離した隙に……私がついていながら」

 

申し訳無さそうに言うリインフォースに

 

「良いさ、リィンは駄目だと言っても勝手に歩いてしまうし。お前のせいじゃないよ、しかしほっておくわけにも行かないしな……良し私が見てくる。はやて達は先に昼食にしていてくれ」

 

この世界に魔力を持つ者は居ないし。直ぐに見つかるだろうと思いそう言うと

 

ピンポーン

 

「誰やろ?はーい」

 

近くに居たはやてが門の外に通じるスピーカーから尋ねると

 

「えーと、Aクラスの木下優子です。迷子になってたリィンちゃんを連れて来たんだけど……入っても良い?」

 

「んー今鍵開けたで入って来てなぁ」

 

はやてがそう言いながら門を操作する。すると数分もしないうちに扉が開き

 

「ふえーん!!!お兄様ーッ!!!!」

 

トトトッ!!!

 

凄まじい勢いで走ってくるリィンを抱き上げる

 

「駄目じゃないか、リィン勝手に歩き回ったら」

 

「ごめなさいです!!ううう……」

 

えぐえぐと泣きじゃくるリィンの背中を撫でながら

 

「すまないな、優子。態々連れて来させてしまって」

 

「ああ、良いのよ。だってあんなに泣きそうな顔をして歩いてたらほっておけなかったし。それにあのこのペンダント見て龍也君の妹だって判ったしね」

 

そう笑う優子に

 

「本当にありがとう。優子」

 

「そんなに気にしないで。それじゃあたしは秀子がお昼作ってるから帰るわ。リィンちゃん、これに懲りたらかってに歩き回ったら駄目よ」

 

「はいです。お姉さん、ありがとうございました」

 

リィンが頷いたのを確認してから優子は帰っていった。暫く抱っこしていたら落ち着いたのかリィンは私の腕から居り

 

「ごめなさいです。勝手に歩いて心配させて」

 

リインフォース達の前に行き謝るリィンに

 

「全く、駄目だぞ。運良く兄上様を知ってる人が居たからここに来れたが。2回も同じ事があるかは判らんのだから勝手に歩かないこと」

 

「そうですよ。リィンちゃん、迷子になったらお兄さんが心配しますし、勝手な事はもうしたら駄目ですよ?」

 

シャマルとリインフォースにしかられショボーンとするリィン

 

「やはりリィンが1番妹じゃないんですか?」

 

「私はそう思うよ」

 

「リィン……ちょっと。私もフォロー出来ません……」

 

「駄目だなーリィンは」

 

同じ融合騎の皆にそういわれたリィンは

 

「リィンが1番お姉さんなんですよ!?」

 

「でも1番我侭だし」

 

「うっ」

 

「1番甘えん坊だし」

 

「1番泣き虫だし」

 

「ふええええッ!!!お兄様皆がリィンを苛めますーッ!!!」

 

「仕方ない事だ。お前が勝手な事をして心配させたからだ」

 

「ええええんッ!!誰も味方が居ないですーッ!!!!」

 

泣きながらはやてに抱きつくリィン。少し悪ふざけが過ぎたか

 

「冗談だ、リィン。おいで」

 

「むう……」

 

はやての足を掴みじーとこっちを見るリィンに

 

「ほら。おいで」

 

ゆっくり歩いてきたリィンを抱き上げ

 

「リィン達の好きなオムライスやコーンスープも用意してある。皆でご飯にしよう」

 

「デザートは?」

 

「プリンとチーズケーキだよ」

 

「わーい!リィンプリン大好き!!!」

 

なんとまあ、切り替えが早いことだな。私は苦笑しながらリィン達とリビングに行き。昼食を取り始めた、きっと明日からはもっと賑やかでもっと楽しい毎日が来るだろうと思いながら

 

 

第57話に続く

 

 




補習編に入る前にちょっと短い話を入れました。次回からは補習と肝試し編に向けていこうと思います。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします

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