バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はテストの話と言いたいですが……残念ながら内容は別物です。まぁ少しはテストの話もありますけどね?。メインは別の話になりますそれでは今回の話もどうか宜しくお願いします


第55問

 

 

 

第55問

 

お泊り勉強会を終え、テストの当日

 

「どうした?明久?目が随分と荒んでいるが?」

 

「姉さんが……姉さんが!!なんか僕から女のこの匂いがするとか言って!減点を480点にしたんだ!どうやって挽回しろって言うんだよ!!」

 

どうやら理不尽な事で減点されたのが原因のようだ。そして

 

「ごめんなさい……ごめんなさい……もう止めて下さい」

 

康太は青い顔で卓袱台に突っ伏し死んでいる。よほど陽向にお話されたんだろう。制服の下に包帯が見えるのが何よりの証拠だ

 

「俺は何もなかったが……明久とムッツリーニは瀕死のようだな」

 

雄二は特に弱ってるようには見えない。これならテストも大丈夫そうだ

 

「うーし、テストを始めるぞー!」

 

西村先生が入ってくる。さてとテストに集中するか、主に点を取り過ぎないように……私はそんな事を考えながらシャーペンを手に取った

 

 

龍也達がテスト受けている頃、六課では

 

「では只今より!龍也の居る世界に行く事が出来る人を決めるバトルロイヤルを開催します!!!」

 

イエーッ!!!

 

観客が大いに盛り上がる、私はその様子を見ながら

 

「なんでこんな大体的になってるの?なんか……シャッハさんとかも居るんだけど?」

 

「あれじゃないか?今の内に聖王教会に来るようにスカウトする気だろ?」

 

まぁそんな所だよね。

 

「そして特別引率枠を手にしたのは……リインフォースです!!!」

 

これは妥当だろう。リィンさんもアギトさんもヴィヴィオもリインフォースさんが大好きだ。きっと引率枠はリインフォースさんになると思っていた

 

「そして残りの2名はバトルロイヤルで決定されます!!欲しい物は力づくで手に入れろ!強者のみが全てを手にする事が出来る!!!」

 

「スバル。クイントさんが何時にもましてエンジン全開だな」

 

呆れたように言うチンクさんに

 

「言わないで。お母さんのテンションの高さは今に始まった事じゃないし、私に言われても困るから」

 

もう恥かしいなーお母さんは

 

「それでは、試合開始ーッ!!!」

 

ゴーンッ!!!

 

ドラを叩く音と同時に

 

「死ね!スバル!!!」

 

「ライトニング……スピアーッ!!!」

 

「恨みはあります。さっさとリタイアしてください」

 

嘘ーッ!!!なんで私だけ集中砲火受けてるの!?即座に極光を発動させ一気に離脱する

 

「せいッ!!!」

 

「うわっ!!」

 

同じく極光の光を纏ったノーヴェが踏み込んで来て蹴りを放ってくる

 

「ちょっ!これバトルロイヤルだよね!?なんで私を集中放火するの!?」

 

オットーの電撃の槍、ウェンディのスナイパーライフルの狙撃、ノーヴェの蹴り、シグナムさんの剣撃を裁き。交わし防ぎながら言うと

 

「お前は龍也に可愛がられてるからな!そんなお前を行かせる訳にはいか無いという事で皆、同意したんだよ!!!」

 

「そんなのないよーッ!!!」

 

そんな理由でAランクの魔道師達から集中放火って!酷すぎる!!!でも

 

「悪いけど……そう簡単には行かない!!」

 

スウウウウッ!!!まだ未完成だけど……龍也さんに教わった中国とか言う国の奥義

 

「気功!?お前そこまで」

 

「悪いね。ノーヴェ!私は何時だって進み続けてるよ!!!」

 

ドンッ!!!

 

「なっ!?純粋な体術で魔法並みのスピードだと!?」

 

「ヒュウウウ……壁拳ッ!!!」

 

ダンッ!!!

 

しっかりと踏み込み拳を打ち出す

 

「かはっ!?」

 

「魔力と気の合一までは行ってないですけど。充分な威力はありますよ!シグナムさんッ!!!」

 

ズドンッ!!!

 

再度踏み込みBJを貫くよう気を練り上げ掌打を放つ

 

「かっ!?」

 

ドシャ……

 

シグナムさんが倒れる、意識を失ったのか騎士甲冑が解除されるのを見ながら

 

「うーん……ちょっとイメージと違う」

 

シグナムさんを倒せたのは予想外の攻撃で不意を突けたからだ。それでなければ私の未熟な気功なんて通るわけもない

 

「このッ!!」

 

「えーとこうじゃなくて。こうでもなくて」

 

ノーヴェの連続蹴りを交わしながら教えて貰った気の練り方と言うのを試すが

 

「うーん。違う……」

 

そもそも魔力と気は別物で使い方なんて良く判らない

 

「聞かないと判らないなー。うん、諦めよう」

 

今は判らない戦闘技法に拘るより、得意な事をしよう

 

「シッ!!」

 

「よっ!!」

 

首を狙って飛んで来た蹴りを腕の側面で受け止め。そのまま半回転しながらノーヴェの顎目掛け裏拳を放つ

 

「がっ……!?……こ、このお……」

 

がくがくと失速するノーヴェに

 

「顎先を狙うと脳震盪を起こすって本当だよね。ごめんねノーヴェ!」

 

トン!

 

ノーヴェの首筋に手刀を叩き込み意識を刈り取る

 

「うわ!やばいっすよ!スバル段違いに強くなってるッす!!」

 

「一旦離脱!!」

 

オットーとウェンディが撤退しようとして

 

「ごめんね?2人とも?」

 

「た、旅の鏡?」

 

シャマル先生の魔法でリンカーコアを直接攻撃され、昏倒していた

 

「しゃ、シャマル先生も参加してたんですか!?」

 

「うん。お兄さんに会いたいし、偶にはこう言うのもいいかな?って思ってね」

 

やばいって、シャマル先生はやばいってどれだけ強くてもリンカーコアを直接攻撃されるのは不味いって

 

「ねえ?スバル」

 

「は、はい!?」

 

笑ってるけど目が笑ってない!?

 

「手組まない?断ってもいいけど……そうなると貴女を次に狙う事になるけど?」

 

もう術式が完成してる断れば即座に旅の鏡を喰らい私は昏倒するだろう

 

「組みます!なんでもします!!」

 

即座に敬礼し協力要請を引き受ける。シャマル先生は温厚だが基本的には、魔王側の人間勝利の為なら手段を選ばない冷酷さも持っている

 

「そう、それじゃあ参加者の場所を教えてあげるから。一撃必倒でお願いね?」

 

「はい、判りました!!シャマル先生!!!」

 

ごめんね、皆……私まだ死にたくないの……私は自分の命と龍也さんの所に行く権利を得る為にシャマル先生と手を組んだ……

 

~20分後~

 

「スバルの裏切り者お……」

 

「本当、ごめん。ディード」

 

二刀をうまく使い、私を間合いを入れさせなかったディードも掴まえ。漸く一撃を叩き込むことが出来た

 

「スバル……少し手加減覚えて」

 

ディードはそう言い残し昏倒した

 

「はぁ……はぁ……つ、疲れた」

 

極光の長時間維持と気の練りすぎによる疲労。考えてみると精神力と体力を同時に消費してるわけで限界が来るのも早いが、何とか全員を倒す事が出来た

 

「うん、お兄さんと比べると荒いけど大分良くなってるんじゃない?」

 

「どうも」

 

にこにこと笑っているシャマル先生の顔が怖い。若干びくびくしながら返事をすると

 

「どうやら優勝者が決まったようですねー!!優勝者はスバル!準優勝者はシャマル!に決定しました!!それではバトルロイヤルを閉幕いたします!!!皆さん参加者の健闘に拍手を!!!」

 

パチパチと降り注ぐ拍手の中。バトルロイヤルは閉幕と相成った……

 

 

 

 

テストを終え、家に帰ると

 

「やあ。おかえり龍也」

 

「ジェイルか久しぶりだな」

 

研究室にこもりきりだったジェイルに出迎えられる

 

「どうだったね?テストは?」

 

「高校生の問題にてこずるとでも?」

 

「はは、愚問だったね」

 

からからと笑うジェイルは

 

「実はね私はリヒト君に頼まれてある物を作っていたのだよ」

 

「あるもの?」

 

含みのある笑みを浮かべるジェイルは

 

「ふっふー、調整にミスしてリビングを大破させてしまったが、今度はそんなミスはない。完璧な仕上がりさ」

 

楽しそうなジェイルを見て強烈な嫌な予感がする

 

「ただいまー、おろ?スカリエッティさんやん。久しぶりやなー」

 

「お父さん、研究は終ったのですか?」

 

「また変なの作ったんですか?」

 

はやて達も帰ってきてジェイルに話しかける

 

「変なものとは失礼な。いたいけな幼子の願いを叶えてあげたのさ」

 

「また何か悪巧みしてますね?」

 

「学習しないねー。頭良いくせに」

 

なのはとフェイトにそう言われたジェイルは

 

「ははは、今回はそう変な物ではないよ?なぁ?リヒト君?」

 

背後に話しかけるジェイル、それと同時に何かに突き飛ばされ腰を打つ

 

「あいたたた。リ……ヒトか?」

 

「うん」

 

私を押し倒していたのは大人モードのリヒトだった

 

「なっ!?魔力不足でその姿は維持できへんのじゃ!?」

 

「そう。でもジェイルが魔力を蓄えるペンダントを作ってくれた。これで大人モードを1日維持できる」

 

楽しそうに笑ったリヒトは

 

「だからおにーさまは貰っていくね?」

 

「はっ?」

 

私を抱え上げるとそのまま走り出す。待てよ?リヒトって大人モード時は私の事を異性として好きとか言ってなかったか

 

「そうだよ?おにーさま。だからおにーさまはリヒトのね?」

 

にい……と肉食獣の笑み……

 

「はやて緊急事態だ!!リヒトが肉食獣の笑みをしてる!!!」

 

「言われんでも!!」

 

追走を始めるはやて達だが、リヒトの俊敏性は思いのほか高くはやて達の手をするすると回避している

 

「なんて俊敏性や!?」

 

「は、速い!?」

 

「ふふふ。闇は強いんだよ?」

 

くすくすと笑うリヒトが最高速に達しようとした瞬間

 

「あ」

 

「おお!?」

 

ポンッ!!!

 

可愛らしい音を立ててリヒトが子供モードに戻る

 

「とと!!」

 

体制を立て直しリヒトをキャッチする

 

「?大人モードが解除された?何で?」

 

不思議そうに首を捻っていたリヒトだが

 

「このッ!!リヒトは悪い子や!!!」

 

「いひゃい!いひゃいよー」

 

はやてに頬を引っ張られるリヒト。餅の様に伸びる頬っぺた

 

「なんで大人モードが解除されたんですか?お父さん」

 

「ん?簡単だよ。リヒト君は買い物とかを大人モードで行きたいって言うから大人モードに変化できるようにしたよ?でもねそれ以外の目的例えば、R-18的な事を使用と考えると強制解除されるようにしたんだよ。命は惜しいからねえ私も」

 

にこにこと笑うジェイル、なるほど自分の命を護る予防線はちゃんと用意していたのか

 

「酷い!嘘吐き!!」

 

「酷くないさ。だって君は普通に成長できるんだ。インチキしないでちゃんと大人になればいいだろう?だからそれは当然のことだよ?」

 

リヒト・アザレア・ユナはオリジンの融合騎だ、つまり普通に成長する事が出来る。それを指摘されたリヒトは

 

「むー騙された」

 

「騙してないさ。そもそもはやて君達を出し抜こうと考えるほうが危険だよ?私の配慮に感謝こそして欲しいものだよ」

 

くすくす笑うジェイルは

 

「でもご希望通り邪な事を考えない限りは大人モードでいられるし、買い物だって遊びに行く事だって出来る。今はそれで我慢したまえよ」

 

「まぁそっか、うん。今はこれで良いかなー」

 

にこにこ笑うリヒトは来ると振り返り

 

「今度大人モードで一緒に買い物に行こうね♪じゃあねーおにーさま!」

 

ひらひらと手を振り走っていくリヒト。それは大人モードの非ではなくあっと言う間に見えなくなった

 

「モテる男は辛いな?龍也」

 

「黙れ死ね、諸悪の根源」

 

こいつが全ての原因だ。私にはこいつを殴る権利があるはず。私が握り拳を作ると

 

「おお、怖い怖い。そうそう。龍也君宛に手紙だよ!」

 

手紙を投げつけそのまま白衣を翻し奔っていくジェイル。奴を叩きのめしたいが手紙も気になるので封を切り中身を見る

 

「ん?ははは……そうか」

 

手紙を見て思わずクスクスと笑ってしまう。それを見たティアナが

 

「どうしたんですか?」

 

「スバルとシャマル。それにリィン、アギト、ヴィヴィオ、とリインフォースが私達の夏休みにあわせて来るそうだ。ふふ楽しみだな」

 

リィンとアギトが書いたのか可愛らしい便箋に入れられた手紙を丁寧にたたみコートに仕舞う

 

「1度帰ってやらねばと思っていたが。どうやらその必要は無さそうだ」

 

明日は終業式、きっとその日にリィン達が来るだろう。それを楽しみだと思いながら

 

「さてと夕食の準備でもしようかな」

 

 

「あ、それなら手伝いますよ?」

 

「それは助かる」

 

ティアナが手伝うと申し出てくれる。作る量が多いのでそれは助かる。私はそんな事を考えながらキッチンに向かった。

 

もうじき夏休み。きっと今まで以上に騒がしく楽しい日々が待っているだろうと思うと。私は自然と笑みを浮かべた

 

 

第56問に続く

 

 




夏休み編の構想が多いせいか。かなり短めの話になってしまいました……でも補習・夏休み編はほのぼの・ギャグをメインにした話を中心に長い話で行きたいと思っているので今回の話はこれでご勘弁を、それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします

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