バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。本来なら次の話は霧島さんの家でのお泊り勉強会ですが、ちょっとここに1回オリジナルの話を入れておこうと思います……ヒントは魔王と魔王。貴方の言い分は正しい!!です。それでは今回もどうか宜しくお願いします



第52問

第52問

 

 

何時もと同じ昼休み。皆で卓袱台をくっつけ昼食の準備をする

 

「おじゃましまーす」

 

「龍也来たよ」

 

最近はなのはとフェイトも良くFクラスに来る。違和感がないほどに馴染んでいるのが正直怖い

 

「しっかし、龍也は本当料理上手だよな。今日のこのタンドリーチキンの辛さの調節なんて絶妙だぞ」

 

龍也が机の上に広げた重箱(4段)の中から薄く切られたタンドリーチキンを取り出し齧る。辛さといい柔らかさと良い。最高の一品だ

 

「馴れだな、慣れで誰でも出来る。あと2つだけ辛いのを……」

 

「ふぐうううッ!?痛い!辛いを通り越して痛いいいいッ!!!」

 

明久がのた打ち回る。龍也はそれを見て

 

「うん、激辛は後1つだな」

 

「ロシアンルーレットかよッ!!!」

 

龍也は意外と悪戯好きと言うか。時々こういう事をするので困る

 

「ああ……辛かった。口直しにこれを……ふぐうッ!!喉が!喉がアアアアアッ!!」

 

「明久、大当たりだな!。それは「真・タンドリーチキン~味覚最後の日だ~」

 

なんだ!?そのネーミングは!?

 

「さっきのタンドリーチキンはギリで私が食べれる辛さだったが。「真・タンドリーチキン~味覚最後の日~」は心臓の弱い人なら即死レベルの辛さだ!」

 

「お前は良い笑顔で何を言っている!?明久が痙攣してるぞ!?」

 

「私は明久を忘れない」

 

「死亡?死亡決定か!?」

 

龍也が目を閉じ十字を切るので思わず俺はそう叫んだ

 

「明久、これを」

 

「ぴくぴく」

 

痙攣してる明久の口を開き秀吉がカルピスを流し込み

 

「アキ!まだ死んだら駄目なんだからね!!」

 

ドスドスッ!!

 

凄い勢いでの島田が心臓マッサージを行い

 

「明久君。まだ河は渡っちゃ駄目ですよ」

 

明久のを手を握り締める姫路……なんと言うかこの3人も何だかんだで抜群のコンビネーションだよな。数分後明久は蘇生したが、何を食べても味がしないと良い、昼食を食べるのをやめた。恐るべし「真・タンドリーチキン~味覚最後の日~」

 

「そういえば。雄二は大丈夫だったの?」

 

「何が?」

 

作ってきたおにぎりを食べながら尋ねると明久は

 

「いや。昨日も一昨日も遅くまで出掛けた上に、昨日は途中まで女の子と2人きりだったでしょ?大魔王様は怒らなかったの?ああ、ちなみに僕は関節技フルコースの上にロープで縛られて姉さんに監禁されかけたけどさ」

 

そう笑う明久だがそれは笑い事で済まされる事ではない。だが翔子にばれなければ何の問題も

 

「……大丈夫。吉井、雄二には今からお仕置きをするから」

 

「ぐあっ!頭蓋がッ!!頭蓋が軋んでいる!!!」

 

よく通る声と同時に俺の頭蓋がみしみしと軋み始める。こんな事を出来るのは翔子だけだ

 

「待て!話し合おう!俺は何もしていないぃぃッ!!!……助けてくれ!龍也!明久アアアアッ!!」

 

「私はお前を忘れない」

 

「僕も雄二を忘れない」

 

「行き成り見放しやがったな!コンチクショオオオオオッ!!」

 

俺はそのまま翔子に暗がりにへと連れて行かれ。78発目の掌打を数えた所で意識を失った……

 

 

 

 

PiPiPiPiッ!!!

 

「うん?明久、お前の携帯じゃないか?」

 

「そうだね。誰だろう」

 

龍也に言われ携帯を取り出しメールを見る。送信者は雄二からで内容は

 

「たすてけ」

 

「きっと……助けてと打ちたかったんだろうな」

 

「僕もそう思うよ」

 

2人で雄二の冥福を祈っていると

 

「龍也さん、今日は一緒に帰れるんですか?」

 

「あーどうだろう?雄二もいないし、瑞希は確か外出禁止だよな?」

 

龍也が尋ねると姫路さんがコクリと頷く。昨日と一昨日と帰りが遅かったので週末まで外出禁止になってしまったらしい

 

「となると勉強を教えれるのは私達だけだよな。一応聞くがお前達は今日も勉強をしたいか?」

 

龍也の問いかけに頷くと龍也は

 

「ふむ、今日も一緒に帰れそうにはないな」

 

龍也がそう言うとフェイトさんが

 

「んじゃ、今日は私も明久達に勉強を教えてあげるよ」

 

「あ、いーね、それ」

 

確かにAクラスの二人が手伝ってくれるのならそれほどありがたいことはないが……

 

「龍也の家のリビングの改修って終った?」

 

「いやまだだ」

 

肝心の勉強場所がない。うーんと僕と龍也が唸っていると

 

「……週末なら私の家に泊まりに来ても良い」

 

「おお?翔子、お仕置きは終ったんか?」

 

「……うん、はやてに教わったとおり108の殺人技で……」

 

108の殺人技!?はやて様は霧島さんに何を教えたの!?

 

「ははは、はやての殺人技は強烈だからな、肉体と精神に深刻なダメージを与えるもんな」

 

ヴィータ様、それは笑い事ではないです

 

「……私は、はやて達と話をしたいから、週末に泊りがけでゆっくり話をしたい。ついでに勉強も皆でしたら楽しい」

 

どうやら霧島さんの中では1がはやて様達と話す 2勉強会と言う感じらしい。まぁそこは触れないほうがいい

 

「皆でと言う事は私達も良いの?」

 

「……勿論」

 

皆で勉強会、しかもAクラス級に教えてもらえると言うのはとても助かる、だが1つ気になることが

 

「雄二は参加できるの?」

 

「……大丈夫、きっと週末には退院できるだろうから。じゃあ私は雄二を病院に連れて行くから」

 

そう言って霧島さんはFクラスを出て行った。暫く窓の外を見ていると瀕死にしか見えない雄二を引き摺っていく霧島さんの姿が見えた

 

「あれ生きてるのかな?」

 

「馬鹿、世の中には知らないほうが良い事と言うのが多数あるんです。気になっても目を閉じなさい、口を閉じなさい。それが長生きの秘訣ですよ」

 

セッテ様の瞳の中の黒い光に本能的な恐怖を感じ僕は何度も頷いた

 

「だがそうなると今日の勉強は無理そうだな。しかたない解散にするか?」

 

場所もないし解散にするか?と言う龍也にムッツリーニが近づき

 

「……俺の家でやれば良い」

 

「おお?良いのか康太」

 

こくんと頷くムッツリーニ、どうやら今日も無事に勉強できそうだ。

 

 

 

 

 

 

「……俺の家はそんなに広くない。だから全員は無理。はやて様達はジャンケンで決めて欲しい」

 

放課後、Aクラスからなのは様達が来た所で俺はそう言った。流石に10人はきつい。なので2人だけと言うとはやて様達は怖い目でジャンケンを始めた

 

「ジャンケン!……死ねええッ!!!」

 

「このおっ!!」

 

ジャンケンと言うと同時に拳を繰り出すはやて様、もうその一撃はこれで意識所か命を刈り取ろうとする一撃だ

 

「しばらく待っていれば収まるだろう。ああなったら誰にも止めれん」

 

「良いの!?本気で殴り合ってるよ!」

 

「良いの、良いの。あれははやて達なりのスキンシップだから。ジャンケンを始めると大概ああなるんだ」

 

なんでもないように言う龍也だが、その争いはかなり激しい

 

「このおッ!!!」

 

「甘いわ!!」

 

ドンッ!!!

 

高速の左フックがなのは様の顎を打ち抜き。ズシャリと崩れ落ちるなのは様。

 

「ふふん!接近戦でも私は強いで」

 

「どうやらはやてとフェイトが来るみたいだな」

 

からからと笑う龍也だが、あの争いは笑い事ではないレベルだと思う

 

「では行こうか。ああ、そうそうヴィータ、なのは、セッテ。ユナ達を頼む」

 

龍也はやはり子煩悩なお父さんと言う気がする、俺はそんな事を考えながら

 

「……じゃあ案内する」

 

俺はゆっくりと自分の家へと案内を始めたが

 

(陽向はテニスの試合で居ない筈、だからはやて様と陽向が合う事はないだから大丈夫)

 

「……今鍵を開ける」

 

鍵を開け玄関の戸を開く

 

「あっ、おかえりお兄ちゃん♪」

 

バタンッ!!

 

「……すまない、やはり俺の家は駄目だ。図書館にしよう」

 

「あの?ムッツリーニ?今可愛いピンクのエプロンの子が居た気がするんだけど?」

 

「それにお兄ちゃんとか言ってたわね?土屋の妹?」

 

一瞬だったがしっかりと見られていたようでそう尋ねてくる。明久と島田に

 

「……気のせい。さっ早く図書館に「もう、そんなに照れなくても良いじゃん。お兄ちゃん♪」

 

陽向が戸から顔を出しにこっと笑ったが、はやて様達を見て

 

「……お兄ちゃんちょっと話をしようよ」

 

「……無実を主張する」

 

「うん、うん判ってる。判ってる、私の前に女の子を連れて来るとか死にたいんだよね?」

 

「……違う!はやて様達は龍也ので、島田と木下は明久の!」

 

ガシッ!!

 

肩を捕まれ万力のような握力で骨が軋む

 

「関係ない……お兄ちゃんは私だけを見ないといけない。ちゃんとそれを教えて上げる」

 

「嫌だぁ!!お話は嫌だアアアッ!!た、助けて!!龍也。明久!!」

 

助けを求めて2人に手を伸ばすが2人はさっと目を逸らした。

 

「裏切り者オオオオッ!!」

 

「ちょっと待っててくださいね♪お兄ちゃんと話したら家に入れますんで」

 

陽向はそう言うと俺を引き摺り家へと戻り、ガチャンと鍵を閉めた

 

「じゃあ。お兄ちゃん……お話しようね?」

 

「い、イヤアアアアアアアッ!!!!」

 

光の消えた陽向の目が死ぬほど恐ろしかった……俺のトラウマがまた1つ増えた瞬間だった

 

 

 

 

「イヤアアアアアアッ!!!!」

 

閉まった扉の向こう側から康太の悲鳴が聞こえてくる。私は隣の明久に

 

「康太も此方側だったようだな」

 

「そうだね、妹って言う点では龍也と同じかな?」

 

「そう言うお前は姉だもんな」

 

魔王に狙われる者同盟に3人目の仲間が増える事になりそうだ

 

「私、あの子と凄く仲良く出来そう」

 

「あ、私も仲良く出来そうな気がするよ」

 

はやてとフェイトが楽しそうに笑う、魔王で妹属性とやらの2人はあの陽向と言う子に強烈なシンパシーを感じたようだ。恐らくあの子も同じだろうが、暫く待っていると扉が開く

 

「どうぞ。上がってください」

 

「ご親切にどうも」

 

扉を開けてにこりと微笑む陽向に促され、リビングに入ると

 

「……ゆっくりしていくといぃ」

 

目が死んでいる康太に出迎えられた。何故か首元にタオルを巻いている康太は凄く弱っているように見えた

 

「……」

 

「……」

 

私がそんな事を考えているとはやてと陽向がジーッとお互いの顔を見て、次の瞬間

 

ガッ!!

 

がっしりと握手を交わす。やはり本能的に同質なので仲良くなるのも異様に早い

 

「ブラコンとは……?」

 

「至上の愛!」

 

「兄に近寄る女は……?」

 

「排除すべき敵ッ!!」

 

「己が愛の成就の為には……?」

 

「「手段を選ぶなッ!!!」

 

はやて・陽向・はやての順でそんな問いかけをした2人は

 

「兄ちゃん、この子むっちゃいい子や!!!」

 

「お兄ちゃんの友達にも私の同類が居たのって凄く嬉しい!!」

 

はやてと陽向はまるで10年来の友人の様に嬉しそうにそう言った。それを見た私は鞄からスケッチブックを取り出し

 

 

『私八神龍也は、八神はやてと土屋陽向の接触により、土屋陽向の思考回路が完全に魔王化しても一切の責任を負いません。

しかし土屋康太がどんな過ちを犯したとしても友人であり続ける事を誓います』

 

「……お前は何を言っている!?」

 

その分を見た康太の叫びに明久は無言で

 

『土屋康太がどんな過ちを犯したとしても友人であり続ける事を誓います』

 

「2度ネタ禁止ッ!!!」

 

康太が思わずそう叫び立ち上がった瞬間、康太が首に巻いていたタオルが落ちる、タオルに隠されていた康太の首元には噛み跡の様な物が見えた。康太は慌ててタオルを首に巻き

 

「!!!見た?」

 

「はっきりと」

 

「境界線を越えちゃったんだね……でも大丈夫誰にも言わないから」

 

「弁明をッ!弁明をさせてくれ!!」

 

「マーキング?」

 

「えへっ♪つい勢い余ってお兄ちゃんの首噛んじゃったんです。ちょっと甘かったと思います」

 

「変な事言うなあ!陽向に俺は何も感じていない!!」

 

「へーそう?」

 

陽向がスカートに手を伸ばした瞬間

 

「兄ちゃんは見ないほうがいいな?」

 

「うん?何も見えんし何も聞こえんぞ?」

 

はやてに目と耳を塞がれ一瞬、視覚と聴覚が封じられるが

 

「ブッシャアアアアアッ!!!」

 

「あは♪やっぱり意識してるじゃん」

 

「アキ!頬を赤らめて目を逸らしてるんじゃないの!!」

 

「明久のバカーッ!!」

 

「ま、待って二人とも話を……ッギャアアアアアアッ!!!」

 

明久の悲鳴と鼻血の吹き出る音がしてから数分後、私の目を塞いでいたはやてがその手をどけ

 

「うーん。今日は勉強無理そうやね」

 

「……そうだな」

 

血の海に沈む康太と明久を見て私達はそう呟いた、結局この時の出血の量が凄かったせいか、週末まで2人の調子は悪いままだった……

 

 

 

 

一方その頃ミッドチルダでは

 

「ずるい……卑怯……ヴィヴィオもパパに会いたい」

 

龍也の所にリィンとアギトが行く事を知り、ヴィヴィオが不貞腐れていた……

 

「どうします?あれ?」

 

「今考えてる、少し待てスバル」

 

基本的にヴィヴィオは六課メンバーで面倒を見ており、特にヴィヴィオに懐かれているチンクが必死にヴィヴィオを宥める方法を考えていた

 

「どうしたの?何の騒ぎ?」

 

「あっ、お母さん。ヴィヴィオがちょっといじけてて」

 

良い考えが浮かばず唸っているところにクイントさんが遊びに来て、事情を聞く。事情を聞いてクイントさんはヴィヴィオの所に行き

 

「ねえ?ヴィヴィオちゃんも龍也に会いたい?」

 

コクン

 

兎のぬいぐるみを抱えたまま頷くヴィヴィオを見てクイントさんは

 

「じゃあ、ヴィヴィオちゃんも龍也の所に行くといいわ」

 

「良いの!?」

 

ばっと顔を上げて尋ねてくるヴィヴィオにクイントさんは

 

「勿論♪ヴィヴィオちゃんも行って良いに決まってるじゃない。その代わりちゃんと夏休みの勉強の用意をするのよ?」

 

「はーい!わーい!!パパに会えるーッ!!!」

 

ピューと走り去っていくヴィヴィオを見ながらクイントさんはスバルとチンクを見て

 

「バトルロイヤルのルール変更ね、優勝者と準優勝者が龍也の所にいく。更にアギトちゃん達が着いて来て欲しい人が引率として付き添うと言うルールに変更。開催日は一週間後に変更。ちゃんと皆に伝えておいてね?」

 

言うだけ行って歩き去ろうとするクイントさんにスバルが

 

「良いの?勝手にルールと変えても?」

 

「良いの良いの。子供は親のところに行きたいに決まってるもの、ヴィヴィオちゃんを忘れてた私達のミスだからね。レジアスも2つ返事でOKだったわ。だから何の問題もなし、それじゃあバトルロイヤル頑張ってねー」

 

言うだけ行って帰っていくクイントさんを見ながらスバルとチンクは

 

「結局バトルロイヤルは変更されないんだ。私集中砲火受けると思うんだけど……」

 

「耐えろスバル、お前になら出来るさ」

 

「なんかその信頼嫌だなあ……まぁベストは尽くすけどね」

 

スバルとチンクはそんな話をしながら、ヴィヴィオの後を追いかけて歩き出した

 

第53問に続く

 

 




アンケートを見ていてヴィヴィオを忘れてる事に気付いたので、急遽この話を追加しました。リィンとアギトが行くのにヴィヴィオガ行かないのはおかしいですよね
と言うわけでアンケートを変更します

ヴィヴィオ・アギト・リィンがバカテス世界に行きます。それの引率の人とバトルロイヤルの優勝者と準優勝者の計3人が付き添いとして。バカテス世界に行きます
その3名が誰が良いかを教えてください。期間は7月17日から7月30日までです。ただ感想欄での返答は困るので活動報告の欄かメッセージにてお願いします
それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします

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