バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

5 / 158
どうも混沌の魔法使いです、今回は試召戦争の話です!!上手く表現が出来ているか自信はないですが、今回もどうか宜しくお願いします



第5問

 

第5問

 

「さて、そろそろ私も行こうか」

 

試召戦争開始から1時間ほど経った所で私がそう呟くと、雄二が慌てて

 

「龍也!?駄目だまだ早い!」

 

まだ早いと止めに来る、だが…

 

「なぁ、あの声を聞け」

 

外から響く西村先生の怒声を聞く様に言う。内容としては…

 

『黙れ!捕虜は全員この戦闘が終るまで補習室で特別講義だ!!終戦まで何時間掛かるかわからんが、たっぷり指導してやるからな!』

 

『た、頼む!!見逃してくれ!!あんな拷問耐えれる訳がない!!!』

 

『拷問?何を言っているあれは立派な教育だ。補習が終る頃には、尊敬するのは二宮金次郎、趣味は勉強という模範生にしてやろう』

 

『だ・・誰か!!助け・・イヤアアアアアッ!!!!』

 

…どうやらかなり戦死者がいるようだ…その叫びを聞いた雄二は

 

「龍也、行っても良い。でも八神さん達は待機。切り札は最後まで置いときたいからな」

 

「まぁ、しょうがないか」

 

「…まぁ、良いでしょう」

 

代表からのGOサインが出たので私はゆっくりと戦場へと向かった…そこで見たのは…

 

「目がぁっ!!目がアアアッ!!!」

 

「目を覚ましなさい!!この馬鹿!あんたは部隊長でしょう!!!」

 

島田に怒鳴られながら目を押さえ転げ回ってる、明久の姿だった…

 

「何してるんだ?」

 

「ああ、龍也…この馬鹿が撤退しようとするから目を覚まさせてたのよ」

 

…それが目潰しか…最近の若者は怖い…私が呆れてると島田が諭すように

 

「木下達が消耗した点数を補給する間、ウチらが前線を維持する!その重要な役割を担っているウチが逃げるわけに行かないわ」

 

最もだな…馬鹿だと思っていたが島田は思ったより賢いらしい…

 

「島田、前線部隊が後退を始めたぞ!!」

 

「総員退避よ!」

 

えっ!?…言ってる事が違う!?明久も驚いた表情をしている

 

「吉井!八神!総員退避で問題ないわね?」

 

「よし、逃げよう!僕らには荷が重すぎたんだ!」

 

逃げようとしている馬鹿2人の頭に軽くチョップを叩き込む

 

「「ふぎゃっ!!」」

 

「逃げるな馬鹿ども、やれやれ…Fクラス全員に告げる!ここから先は私が明久に変わり指揮をとる!!全員突撃だ!!」

 

明久と島田を連れ私達は前線へと走り出した…

 

「明久、龍也!援護に来てくれたんじゃな!」

 

前線から走ってくる秀吉が嬉しそうに言う、明久がすぐに近寄り

 

「秀吉、大丈夫?」

 

「うむ、戦死は免れておる。じゃが、点数はかなり厳しいところまで削られてしまったわい」

 

「そうなの?召喚獣の様子は?」

 

島田がそう尋ねると秀吉は

 

「もうかなりへろへろじゃな。これ以上の戦闘は無理じゃ」

 

「そうか、では戻ってテストを受けなおして来い。その他に点数のやばい者も戻れ!ここは私達が押さえる」

 

私の言葉に頷き教室に戻って行く前線部隊を見ていると

 

「吉井、八神!ルールは覚えてる、その科目の教師がいないと召喚できないからね!」

 

「判ってる」

 

「雄二に説明を聞いた、何とかなるだろうよ」

 

私はそう返事を返しながら、前線部隊と入れ替わり戦場に向かった…

 

 

 

戦場に入るなりてきぱきと指示を出す龍也

 

「1人1人の点数では負ける!2~3人の小部隊を組み、数で戦え!人数が減った所は人数が多い所へ合流!良いか戦線を崩すな!」

 

『『『オオーッ!!!』』』

 

その指示は実に的確で判り易く、まるでゲームに出て来る軍師のようだった・・

 

「吉井、八神。五十嵐先生と布施先生よ!Dクラスのやつら科学教師を引っ張ってきたわね!」

 

「そのようだな、明久、島田。科学の点は?」

 

「全くなし、60点常連よ」

 

「…聞かないで」

 

龍也に自分の点を言えずそう返事を返していると

 

「あっ!そこにいるのはもしやFクラスの美波お姉様!五十嵐先生こっちに来てください!!」

 

「ぬかったわ!」

 

島田さんが見つかり科学担当の五十嵐教諭を伴ってこちらにやってくる…このままでは2人とも戦死だ…僕がどうしようと思ってると

 

「八神、何とかあの子押えれない?…ちょっと危ない子なの…」

 

「…大体判った…あの髪の毛ロールを押えれば良いんだな」

 

龍也!なんて男らしいんだ!!僕がその言葉に感動していると龍也が

 

「では、ここから先はお前が指揮を取れ、戦闘しながらの指揮は無理だからな」

 

「判った!」

 

僕はここで見ていよう、龍也と島田さんの戦いを…

 

「お姉さま!逃がしません!!行くのです!!豚どもッ!!」

 

「はいっ!!」

 

龍也と女子の戦闘が始まると思った直後、Fクラスの仲間を仕留めた男子3人が龍也の前に立つ。どうやら龍也VS男子3人。島田さんVS女子の図になりそうだ・・

 

「悪い、自分で何とかしてくれ」

 

「…決着付いたら助けて…」

 

「了解、では行くぞ」

 

「「試獣召喚ッ(サモン)ッ!!」」

 

龍也と島田さんの足元に幾何学的な魔法陣が現れ。召喚獣が姿を見せる…

 

軍服姿でサーベルを持っているという点以外は、ポニーテールも気の強そうな目も島田さんにそっくりだ…ただ身長は80センチ程度だったが…それに続いて現れた龍也の召喚獣を見て驚いた…

 

「浮いてる?」

 

龍也の召喚獣は他の召喚獣と大分違っていた…蒼い鎧に黄金色の髪…それに左右色の違う瞳を持ち、身の丈ほどの大剣を背中に背負ったそれは、背中の8枚の翼で浮遊しており…なんというか神々しいとまで思えた…僕がそんな事を考えてる内に島田さんと女子の激しい言い争いが聞こえてくる…

 

「お姉さまに捨てられて以来、美春はこの日を1日千秋の想いで待ってました…」

 

「ちょっと!いい加減ウチ事は諦めてよ!!!」

 

戦争中の激しい音の中、言い争いをしている、美春と言うらしい女子と島田さんに

 

「島田さん…お姉さまって…?」

 

危ない感じのする美春という子を見ながら尋ねようとすると、美春さんが

 

「イヤです!!お姉さまは何時までも美春のお姉さまなんです!!」

 

「来ないで!!私は普通に男が好きなの!!!」

 

「嘘です!!お姉さまは美春の事を愛してるはずです!!!」

 

「このわからずやっ!!!」

 

…なんだろう…島田さんが遠くに感じる…

 

「行きます!お姉さま!!」

 

2人の召喚獣の距離が詰まる。いよいよ戦闘だ…

 

「はああああッ!!!」

 

「やああああッ!!!」

 

2人の気合が廊下に響く、その隣では

 

「島田が助けてと言ってるのでね。早めに決着をつけさせて貰おうか」

 

「ふざけるな!!Fクラスの馬鹿が何を言ってやがる!!」

 

「弱い犬ほどよく吼える…とっとと掛かって来い」

 

龍也が冷静に挑発してる中

 

「ここまでです!!」

 

「くうっ!!!」

 

島田さんの召喚獣が力負けして、召喚獣が押し倒され点数が浮かび上がっていた

 

『Fクラス 島田美波 科学53点』

 

    VS

 

『Dクラス 清水美春 科学94点』

 

島田さん!サバ読んでたな。本当に60点にすら届いていないじゃないか!その隣ではDクラスの男子の悲鳴が聞こえてくる

 

『馬鹿な…やつは本当にFクラスなのか!?』

 

『イヤだ!補習室はアアアッ!!!!』

 

龍也とDクラスの男子の点が浮かび上がる

 

『Fクラス 八神龍也 科学880点』

 

    VS

 

『Dクラス 木村&田村&太田 合計 285点』

 

はぁ!?800点越え!?僕の総合点より高いじゃないか!?龍也ってそんなに頭良いの!?僕だけではなく他の面々も驚いてる中、島田さんの悲鳴が響いてくる

 

「よ、吉井!!早くフォローを!!なんだか今のウチは補習室行きより危険な気がするの!!」

 

「うふふ…ジュル…早く保健室に行きましょう…お姉さま…」

 

…そうだね、僕もそんな気がするよ…でも…

 

「殺します…美春とお姉さまの邪魔をする人は、全員殺します…」

 

ごめん…僕はまだ命が惜しいんだ…

 

「島田さん、君の事は忘れない!」

 

「ああッ!!吉井!何で戦う前から別れの台詞を!?」

 

「邪魔者は殺します!」

 

島田さんの召喚獣の手足を攻撃して動けなくしてから、今度は僕に向かって来た…やばいっ!?

 

「明久、しゃがめ!!!試獣召喚ッ(サモン)ッ!!」

 

脇から龍也が割り込んできた…その横顔が僕には輝いて見えるよ!!

 

『Fクラス 八神龍也 科学875点』

 

    VS

 

『Dクラス 清水美春 科学41点』

 

龍也の召喚獣が振り下ろされた剣を受け止め、そのままデコピンをする…すると

 

ボキュッ!!!

 

美春の召喚獣の首が消し飛んだ…かなりスプラッタな光景だ…

 

「島田、大丈夫か?」

 

「ええ、助かったわ八神…本当にありがとう」

 

龍也に感謝している島田さんに龍也は

 

「龍也で良い、八神と言われるのは慣れてなくてね」

 

「え…あ…うん…判った龍也…」

 

何か1人だけ蚊帳の外だな…僕がそんな事を考えてると島田さんが見回りをしている鉄人に

 

「補習の鉄じ…西村先生、早くこの危険人物を補習室へお願いします!!!」

 

「おお、清水に木村と田村に太田か。たっぷり勉強漬けにしてやるぞ!!こっちに来い」

 

鉄人に襟をつかまれ引き摺られていく清水さんに木村と田村に太田は

 

「お、お姉さま!美春は諦めませんから!このまま無事に卒業できるなんて思わないで下さいねええええッ!!!!」

 

「ち、ちくしょおおおおお!!!」

 

「あんな、チート野郎認めて良いのかよオオオオッ!!」

 

「あんな奴がいるFクラスに勝てるかアアアアアッ!!!」

 

とても危険な捨て台詞を残した清水さんと…木村と田村に太田はそう悲鳴を上げながら、補習室へと引き摺られて行った…

 

第6問に続く

 

 

 




えー龍也さん無双です。Dクラスごときでは勝てないです。頭の出来が違いますから…尚龍也さんの召喚獣の姿は神王形態の物にしてみました!こういうのもありですよね、それでは次回の更新も宜しくお願いします

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。