バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです、今回は混沌の加速の話になると思います。魔王×大魔王では破壊しか導き出されませんからね。それでは今回もどうか宜しくお願いします


第49問

 

 

第49問

 

なんて事だ……私は考えうる限り最悪の事態になった事に頭を抱えていた

 

「いや、はやてさんにヴィータさんは面白い考え方をしますね」

 

「はは、それを言うなら玲さんだって」

 

「いやいや、ゆっくりと洗脳していくって方法は私には思いつかなかったよ」

 

はははと笑いあうはやてとヴィータに玲さんだが。その内容は「監禁・洗脳・薬の配合」と犯罪的な内容でとても笑いながら話す内容ではない

 

「くう……まさかアキにはやてと同じ思考の姉が居るなんて」

 

「これは予想外です」

 

美波と瑞希は予想外の敵の登場に歯軋りしてる。ここにティアナとセッテが居なくて良かった。もしあの2人がいれば美波と瑞希は間違いなくあの2人に相談し魔王化を進めるだろうからだ

 

「くう。どうして魔王ばかり集まるの……私の力じゃ足りない……私も魔王化するしかないの?」

 

秀吉は重大な岐路に立たされているし。後魔王化するのは絶対にお勧めできないのでやめておけと言いたいが。今このシェルターから出るのは死に直結しかねないので動くに動けない

 

「怖い……怖い」

 

「ゆっくりこっちに来るんだ明久」

 

ずりずりと匍匐全身で近付いてくる明久、もう少しで私の手が届くと言うところで

 

「ふぎゃっ!」

 

「さて折角皆さんがいらっしゃったんですし。お夕食をご一緒に如何ですか?」

 

「ね、姉さん!!僕を踏みながら言わないで!!」

 

明久を踏みながらにこやかに言う玲さん……これはヤバい。本質的にははやてと同格だが、根本的にはやてと違う!はやては私を攻撃すると言う選択肢はないがこの人には明久を攻撃すると言う選択肢がある!!!

 

「良いですね!ご馳走になります!!」

 

「偶にはこういうのも良いよな。兄貴」

 

はやてとヴィータがもう返事をしてしまったので、私も参加しないわけには行かない

 

「それじゃあ、俺も好意に甘えさせてもらおうかな」

 

「……ご馳走になる」

 

「それじゃあウチも」

 

「私もお邪魔します」

 

美波と瑞希がそう言うと玲さんは

 

「そうですか、ではアキ君お願いしますね」

 

「作るのは良いんだけど!いい加減に足をどけて!!」

 

踏まれっぱなしの明久がそう叫ぶと

 

「はい、判りました」

 

さっと足をどけ買い物袋を受け取った明久

 

「明久。手伝うぞ」

 

「……協力する」

 

「私も手伝おう」

 

「ありがとう、3人とも」

 

人数が多いので私も手伝うと言って雄二達と共に簡易シェルターを後に、キッチンに向かった

 

 

 

 

恐ろしい事になった。姉さんとはやて様が異常なほど仲良くなったと言う事体に僕は背筋が凍るような寒気を感じた。はやて様は非常に凶暴な方だ、普段は大人しい美少女だがその本質は魔王であり。敵対者には一切の容赦をしない冷酷な審判者だ。そして姉さんもまた同じ様な思考の危険人物であり。家が既に魔窟になりつつある事に僕は心から恐怖した

 

「んで、材料からするとパエリアだな……パエジェーラはあるか?」

 

「あ、うん。そっちの戸棚」

 

龍也が棚からパエジェーラを取り出しながら

 

「パエリアを作るのは久しぶりだな」

 

「へー龍也もつくれるんだ」

 

材料を切り分けながら尋ねると

 

「まぁな。基本的に和・洋・中と何でも作れるしな」

 

龍也と話しながら材料を切っていると雄二が

 

「ふと気になったんだが」

 

「ん?何」

 

「お前。姉貴に普段の生活態度隠してるだろ?」

 

「……よく判ったね」

 

僕が少し間をおいてからそう言うと龍也は

 

「バレバレだ」

 

そんなに僕は隠し事が下手なのだろうか?でも龍也の洞察力は鋭いから無理もないとも思う

 

「……バレると説教?」

 

ムール貝を洗いながら尋ねて来るムッツリーニに

 

「まぁそれもあるんだけど、あんまり生活態度が悪かったり、期末テストの点が悪いと1人暮らしが終っちゃんだよね」

 

野菜を切りながらそう言うと雄二が

 

「さっきのあれか?240とかどうとか……」

 

「そうそれ。その点数分だけ振り分け試験の時より成績が上がってないと駄目なんだ」

 

「今何点ぐらいの減点なんだ?」

 

スープを作りながら尋ねてくる龍也に

 

「今の所270点。結構きついんだ。だから普段の生活態度とか。魔王様に襲われかけてる事とか言わないで欲しいんだ。減点されるから」

 

「……でも、あの人も魔王」

 

ムッツリーニの呟きに僕は

 

「うん……そうなんだ。油断してると……」

 

そこで思わず黙り込む、姉さんは油断してると僕を性的な意味で食べようとする危険人物だ。油断=世間的な死の最悪の図式を思い浮かべ絶句していると

 

「油断してると?」

 

「僕は食われる……」

 

キッチンがなんとも言えない空気に包まれる

 

「そっか、それは避けたい事体だよな。わかった協力する」

 

「ああ、私もその恐怖は理解できる。テストで良い点を取れるように協力は惜しまないぞ」

 

「ありがとう雄二、龍也」

 

そう返事を返しながら野菜と生米を鉄鍋に入れて火にかける

 

「明久。スープを入れたら鍋から目を離すなよ?炊きムラが出来るからな」

 

「判ってるって。んで龍也は何を作ってるの?」

 

「うん?プリンだけど?フリーザーもあるしすぐ出来る。康太生クリームを頼む」

 

コートから生クリームを取り出す龍也

 

「……そのコートどうなってる?」

 

「良くは知らん。ジェイルに聞け」

 

……よく判らないんだ……それなのに何時も着てるって怖くないのかな?そんな事を考えながら鉄鍋にスープを入れた所でリビングから

 

「良ければアルバムでも見ますか?アキ君の小さな頃の写真ですけど」

 

「え?良いんですか?」

 

「面白そう」

 

「アキの小さい頃ってどんな顔してたのかしら?」

 

「ふふふ、貴女達の知らない天使のようなアキ君を見せて上げましょう」

 

小さな頃の写真か……恥かしいな。出来れば姉さんを阻止したいが鍋から目を離すわけにも行かない……どうしようか悩んでいると

 

「お待たせしました」

 

僕が悩んでいるうちに姉さんがアルバムを持って戻ってきた。この際多少の恥は我慢しよう

 

「んじゃ、私は秘蔵の兄ちゃんの写真を……」

 

はやて様もアルバムを鞄から取り出す、何故そんな物を携帯しているのだろう?

 

「こちらがアキ君が2歳の頃のお風呂の写真です」

 

「これが兄ちゃんが剣道をやってる時の写真や」

 

「す、すッごく可愛いです!!!」

 

「ほーう、龍也は小さい頃から今みたいな感じだったんだ」

 

「武人と言う感じだね」

 

美波達の反応からして、龍也は基本的に小さい頃から変わって無いと言うことが判った

 

「そしてこれがアキ君が4歳の時のお風呂の写真です」

 

「これが兄ちゃんが空手を教わってる時の写真や」

 

龍也の写真はなんらかの武術を教わってる時のものしかないのだろうか?

 

「そしてこれがアキ君が10歳の時のお風呂の写真です」

 

「そしてこれが私が初めて兄ちゃんを押し倒そうとした時の写真や」

 

「待った!姉さん!!どうしてお風呂の写真ばっかりなの!?そのアルバムは何を集めてるの!?」

 

「待てはやて!お前は何時そんな写真を撮った!?」

 

龍也と同時に叫ぶ中リビングからは

 

「うわ!?凄いわね体当たりから流れるように押し倒してる」

 

「参考になります」

 

何が!?何が参考になるの!?そして龍也は何をされたの!?

 

「そしてこれが昨晩のアキ君のお風呂の写真です」

 

「そしてこれが兄ちゃんを監禁しようとした時の写真や」

 

「この馬鹿姉がぁーッ!!何時の間にそんな写真を!?さては着替えか!着替えを持って来たときか!?」

 

「この大馬鹿者がぁーッ!!何時誰がそんな写真を撮った!?」

 

「あっ。私私」

 

「お前も共犯かヴィータアアアアッ!!!」

 

龍也と僕の絶叫が重なった。一体あの2人は何の写真を集めてるんだ!?僕と龍也がキッチンを飛び出そうとすると

 

「明久。鍋から目を離すな吹き零れるぞ」

 

「龍也。プリンが凍りすぎるちゃんと見ててくれ」

 

「もうそんな事はどうでも良いんだ!!あの馬鹿の頭をフライパンでかち割る事が一番の最優先課題なんだ!!」

 

「はやてのアルバムを取り上げる事が最優先課題だ!邪魔をするな康太!!」

 

龍也と僕は雄二とムッツリーニに邪魔されキッチンから飛び出す事は出来なかった

 

「離せーッ!!雄二のバカーッ!!!」

 

「康太後で覚えてろよ!!!」

 

いや、きっと大丈夫だ!皆良識のある女の子だ。そんな写真きっと見ないで済ませてくれるに決まってる!!!

 

そんなこんなで時間が過ぎて……

 

「皆。待たせたな。夕飯が出来たぞ」

 

机の上に料理を並べ終えた雄二がそう言うと

 

「あ、ありがとうございます……(ポッ)」

 

「お、美味しそうね……(ポッ)」

 

「う、うん。本当に美味しそう……(ポッ)」

 

「姫路さん、美波、秀吉?……なんで僕の顔を見て頬を赤らめるのかな?」

 

見てないよね?姉さんが言ってた写真なんか見てないよね?でも怖くて聞けない自分が情けない

 

「はやて、さっきの写真を出すんだ」

 

「イヤ」

 

「お前の持ってる写真はどうにも犯罪の匂いがする。没収する」

 

「絶対にイヤ」

 

「鞄にしまってるのか?」

 

「ううん。制服の胸の中どうする?手突っ込む?」

 

「卑怯者めッ!!!」

 

龍也は龍也ではやて様に完全に手玉に取られている……やはりはやて様は相当な危険人物だ

 

「まぁそんなくだらない話はおいといて。ご飯にしよう」

 

「くだらなくないぞ!?かなり重要な事だ!!お前は何をさっきのアルバムに集めている!?」

 

「秘密♪R-18の写真はないで安心して、R-15くらいしかこのアルバムには集めてないから」

 

「このアルバム?……他にはあると言うのか?」

 

「♪♪」

 

「口笛で誤魔化すな!!お前は一体何がしたいんだ!?」

 

「まぁまぁ。龍也君もそんなに怒らないで。彼女はただ心から貴女を愛してるだけです。そう私と同じ様に」

 

「待って!!さり気無く問題発言をしないで!!!」

 

「さぁ頂きましょう」

 

「スルーッ!?僕の突っ込みはスルーなの!?」

 

「手を合わせてください、頂きます」

 

「「「「頂きます」」」」

 

「私と明久の話を聞けえええええッ!!!」

 

「僕と龍也の話を聞けえええええッ!!!」

 

僕と龍也の絶叫は華麗にスルーされ、皆は食事を始めた……

 

「くう……不幸だ」

 

「どうしてこんな事に……」

 

僕と龍也はがっくりと項垂れながら自らの不幸を嘆いていた……

 

 

夕食後、龍也達はリヒトちゃん達が心配だからと言って帰って行った。まだ小さい妹が心配だと言う龍也の言い分は判るので、龍也達には帰ってもらった

 

「さてと、それじゃあ勉強を頑張ろうか!」

 

そう言って勉強道具を広げたところで姉さんが

 

 

「皆さんでお勉強ですか、それなら良い物がありますよ?」

 

「良い物?」

 

良い物って何だろう?僕が首を傾げながら尋ねると

 

「参考書です、すぐに持ってきますね」

 

姉さんの参考書か、それならきっと勉強に役立つだろう……僕がそんな事を考えていると姉さんが戻ってきて机の上にその参考書を置く

 

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「アキ君の部屋で見つけた参考書です」

 

「僕のトップシークレットがぁーッ!!!!」

 

なにやってくれるのこの人!そんなに僕を苦しめて楽しいの!?

 

「保健体育の参考書としてどうぞ」

 

「こんなんが参考書になるかぁーッ!!!」

 

僕がそう絶叫する中美波達は

 

「そ、それじゃあ。あくまでお勉強の参考書として」

 

「そ、そうね!ウチもちょっと勉強しておこうかな?」

 

「建前はそれくらいにしたら?」

 

秀吉の冷静な突っ込みが冴え渡る中。姉さんが

 

「アキ君の参考書はバストサイズが大きくヘヤスタイルがポニーテールの女子を中心に学習してるようですね」

 

「冷静に考案を述べないで!!!僕の趣味がバレちゃうじゃないか!!」

 

「姉さんの胸はアキ君の参考書の人より大きいですよ?触ってみますか?」

 

「誰もそんな事は聞いていないし!!!触る気もない!!!」

 

もうやだ!!この人と一緒に生活するなんて耐えれない!!なんとしても期末テストで良い成績を出さないと!!

 

「まぁ明久のエロの趣味傾向の考察はそれくらいにしておいて勉強をしようぜ」

 

雄二!ナイスタイミングだ!!良い具合に方向性を変えてくれた

 

「お勉強なら、私が見て差し上げましょうか?特にアキ君を重点的に」

 

「その肉食獣のような目で僕を見るのは止めてくれないかな?姉さん」

 

獲物を狙う獣の目その物の目が異様に怖い、下手をするとそのまま食われかねないので助けてくれそうな秀吉の背後に隠れる

 

「うん、良い人選だよ明久、私は明久の味方だからね」

 

「ありがとう」

 

秀吉は優しいな。魔王とは違うよ……

 

「そのまま秀子さんの後ろに居る気なら100点ほど減点しますよ?」

 

「すぐ離れます」

 

姉さんの脅しに屈して秀吉の背後から離れる

 

「さて無駄話はこれくらいにして勉強にしましょう。これでも私はアメリカのボストンの大学を卒業していますので、きっと力になれると思いますよ」

 

「ぼ、ボストンだと!?まさかあのハーバード……」

 

雄二が驚きながら尋ねると姉さんが

 

「良くご存知ですね、雄二君。その通りですよ」

 

綺麗な笑みを浮かべながらそう告げた

 

「「「「ええええええッ!?」」」」

 

皆の絶叫が重なる。そうこの姉の思考回路は一般人と大きくかけ離れているが、勉強だけは異様に出来るのだ

 

「それでは英語から始めましょうか?」

 

笑顔で言う姉さんに皆は声を揃えて

 

「「「宜しくお願いします!!」」」

 

流石に言動はあれだが、ハーバードを卒業した姉さんの勉強の教え方は非常に上手かった。この日は10時くらいまで姉さんの講義を聞いて解散となったが……このまま姉さんと生活していると心労で胃に穴が開きそうだと僕は思った……

 

第50問に続く

 

 

 




今回は少し短めでした。次回はその分少し長めにしようと思っています。龍也には融合騎軍団と言う癒しがありますが。明久にはそう言う癒しが居ません……やはりあの子を明久の癒し成分とする必要がありそうですね。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします

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