バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回からは予告通り第4巻の内容を飛ばして、5巻に入って行こうと思っています。
当然ながら玲さんの登場ですね。そして判っている人は判っていると思いますが。玲さんはブラコンで病んでます。妹・姉がボスなのは
混沌クオリティです!それでは今回もどうかよろしくお願いします



第46問

第46問

 

停学明け後。すぐに梅雨入りとなり。雨が続いていたが

 

「おー晴れてきたなあ」

 

折角日曜日が雨で残念だなあと思っていたが、午後には雨も上がり、晴れ渡っていた。何処かに出かけるのも良いかもしれない…そんな事を考えていると

 

ピピピピ!!

 

携帯がメールの着信を告げる。

 

「うん?誰からだろう?」

 

僕が携帯を取ろうと移動してる間に更に2度のメールの着信が会った

 

「…美波達かな?」

 

1回なら雄二とかムッツリーニだろうが。3回となると美波達の線が濃い。僕は若干びくびくした気持ちが携帯を手に取った

 

 

一件目 島田美波

 

アキ?どうせ家でゲームしてるんでしょ?今から一緒に買い物でも行かない?

それで…良かったら何だけど…一緒に服を選んでくれると嬉しいな…

返信待ってます、出来るだけ速めに返事をしてね?

 

二件目 木下秀吉(秀子)

 

明久。折角の日曜に家でゲームと言うのはどうかと思う

もし良かったら一緒に映画でも見に行かない?それにどうせまた、食事に困ってるんじゃないかと思って

映画の後に軽く食事をしない?

返信待ってます、速めに返信してね?

 

三件目 姫路瑞希

 

明久君。折角の日曜日ですし、もし良かったら一緒に遊びに行きませんか?

特に考えてる事はないんですけど、一緒にブラブラと遊びたいなと思ったのでメールしました

忙しかったら良いんですけど…良かったら一緒に遊びたいです

返信待ってます、速めにご返事くださいね

 

「どうして3人とも同じタイミングなんだろう?」

 

今が恐らく僕にとって人生最大のモテ期だろう。しかし問題は3人のうち2人は魔王で、しかも全員がクラスメートであり。誰と遊んでも次の日に誘われなかった2人にバレる、そして魔王襲来の事態に陥るであろう

 

「…どうしよ?」

 

そもそもなんで僕みたいな馬鹿をここまで気に掛けてくれるのだろう?そこがどうしても気になる

 

「うーん、どうしよう…」

 

仮に美波と遊んだとしよう。後日、良いエガオの秀吉と姫路さんに囲まれる=精神的死亡フラグ

 

次に秀吉と遊んだとしよう。後日、魔王化した美波と姫路さんにお話される=肉体的死亡フラグ

 

最後に姫路さんと遊んだとしよう。後日、魔王化した美波と良いエガオの秀吉とお話しすることになる=精神と肉体の死亡フラグ

 

「どれを選んでも死亡フラグじゃないか!?」

 

どう転んでも死亡フラグしかない…どうしてこんな選択肢しかないのだろうか?

 

「どどどど…どうしよう?」

 

かと言って下手に断っても死亡フラグ…僕が必死に頭を抱えて断りのメールを考えていると

 

ピンポーン

 

「ん?宅配便かな?」

 

玄関に向かい鍵を開けながら

 

「はーい、どちらさまですかー?」

 

扉を開ける、雨上がりの虹を背に佇む、旅行鞄を携えた女性の姿がそこにはあった

 

「え…あれ?」

 

思わず目を擦る…涼しげな表情を浮かべたショートカットの女性には凄く見覚えがあった

 

「…ね。姉さん?」

 

恐る恐るそう呟くと

 

「はい、お久しぶりですね。アキ君」

 

そう言って髪を揺らしながら微笑んだ…

 

何故かバスローブ姿で…

 

「何でバスローブ姿なのさーッ!!!!」

 

思わず絶叫突込みをしてしまうほどの衝撃だった。帰ってくるなら連絡をとかいう当たり前の疑問を一瞬で吹き飛ばしてくれるほどのショック…僕が外から来て、姉さんが迎えてくれたのなら判るが。逆と言うのは絶対にありえない

 

「外から来る人がバスローブって明らかにおかしいよね?」

 

僕の知る限り、バスローブが室外の着用に耐えれるようになったと言う事実はない

 

「日本は暑いですね。アキ君」

 

「何で僕の話を無視して、天候の話をするかな?1年ぶりにあう弟とのコミュニュケーションを取ろうよ!」

 

僕の話を完全に無視する姉さんにそう言うと

 

「アキ君、玄関先で大声を出すなんて…姉さんはアキ君をそんな子に育てた覚えはないですよ?」

 

姉さんが悲しそうに言う…くうう!!バスローブで外を歩いてきた人間にそんな事を言われるとは心外だ。絶対に僕の方が常識人の筈なのに…僕の考えてる事が判ったのか姉さんは

 

「それに人の話は最後まで聞きなさい。姉さんが何故バスローブ姿なのかはちゃんと理由があるんですから」

 

姉さんが自信に満ち溢れた表情で言うのでその言葉に耳を傾けた…要約すると

 

『1年ぶりにあう弟に汗ダクの姿で会うのが嫌だったので。全身の汗を何とかするためにバスローブに着替えた』

 

とのこと、僕はその話をちゃんと聞いてから

 

「なんでタオルで汗を拭くって選択肢はなかったのかな?」

 

僕が溜め息を吐きながら言うと

 

「その発想はなかったですね」

 

目を見開く姉さんに

 

「バスローブって選択肢の前にタオルの事を思い出そうよ!!」

 

どうして姉さんは頭は良いのに、こうも天然なんだろうか…

 

「まぁ暑かったでしょう。とりあえず部屋で話をしようよ」

 

ゲームもしてないし、部屋も綺麗にしてあるし、早く家の中に入ってもらおう。そもそも何時までもバスローブ姿の姉さんを外に居て貰う訳には行かないし

 

「あら?意外と綺麗にしてますね。それにゲームをやっていた気配もないですし…少し残念ですね」

 

リビングを見て残念だと言う姉さんに

 

「えっと何が残念なの?」

 

部屋が綺麗で何処が悪いの?と思いながら尋ねると

 

「もし部屋が汚ければそれを口実にアキ君を食べるつもりでしたので」

 

さらっと問題発言をする姉さんに

 

「食べる?…僕を…?」

 

思わずそのばで2歩後退すると姉さんはニヤリと笑い

 

「ああ…その反応良いですね。思わず食べてしまいたくなります」

 

姉さんの目が妖しく光る

 

「あ、あのね?姉さんと僕は姉弟でね?判る?」

 

「勿論判ってますよ」

 

にこりと笑う姉さんだけど目が妖しく光ったままだ…背中に流れる冷たい汗を感じていると姉さんはさらりとこう告げた

 

「弟は姉の者なんです。つまりアキ君は私をお嫁に貰わなければいけないんですよ?」

 

「違うから!!それ法律違反だから!!」

 

そうだった姉さんはこういう人だった!!思わずそう叫び後退すると

 

「私はこう思うのです、愛さえあれば姉弟でも関係ないと。私はアキ君を愛してますので無問題ですよね?」

 

「問題しかないよ!!!!」

 

ああああ!!!誰か誰か助けて!!この人と2人きりなんて何時捕食されてもおかしくないじゃいか!!僕が心の中で助けを求めていると

 

「まぁ、今は止めておきましょうか。アキ君はまだ常識という悲しい鎖に繋がれてるようですし?」

 

常識を護るべきであり、軽く無視するものではないと思うのだけど

 

「しかし、その嫌がりようが少しばかり悲しかったので、減点させていただきますね?」

 

姉さんがポケットから手帳を取り出し何かを書き込んでいる

 

「減点?何それ?」

 

「アキ君の1人暮らし続行の可否を決定する。評価の為の点数です。アキ君の生活態度や、テストの点数から、減点や加点をして。最終的に規定値にみなかった場合。アキ君の1人暮らしは無理だと報告します」

 

さらっととんでもない事をいう姉さんに

 

「ええええ!!!何それ!?」

 

「ちなみにさっきのは減点30に値します」

 

減点30…多いのか少ないのか良く判らないので

 

「姉さん。その減点って何点になるとアウトなの?」

 

「期末テストの点数の結果が出たときに。点数の総計が0点以下だった場合がアウトです」

 

期末テストの点数次第で僕の命運が決まる…もし姉さんとこのまま一緒だったら何時捕食されてもおかしくない…これは気合を入れないと…

 

「それと母さんからなのですが、アキ君が勉強が苦手なのは良く知っています、なので救済案もあります。振り分け試験の結果も考慮に入れますので」

 

にっこりと微笑む姉さん…振り分けテストの点は確か800点くらい。まだまだ何とかなる可能性があるんだ!!これは龍也にも手伝って貰って猛勉強すれば何とかなる!!

 

「それと1つ聞きたいのですが、私との約束は覚えてますか?」

 

「姉さんとの約束?…ああ、1人暮らしのときのやつ?ちゃんと覚えてるよ。①ゲームは1日30分②不純異性交遊の禁止でしょ?」

 

僕が即答すると姉さんは頷きながら

 

「はいその通りです。貴方の様に情けない上に生活力も無く、頭も悪くブサイクな男の子を構ってくれるのは、姉さんや母さんくらいでしょう…しかし念のために確認しておきます、不純異性交遊はしてないですね?」

 

じろりと鋭い視線が向けられる…不純異性交遊…それって美波とか秀吉とのことだよね?…何回か遊びに行ったりしてるし…美波には強引に唇を奪われたけど…これって何点くらいの減点だろうか?

 

「不純異性交遊って、何をするとどれくらいの減点なの?」

 

「異性と手を繋いだら120点、一緒に出かけたら2000点、キスは4000点です」

 

どうしよう…全て該当してる…しかも減点点数がいように多い…

 

「どうしましたアキ君?顔色が悪いですよ?」

 

「あははは…何でもないよ?」

 

僕がそう笑うと姉さんは

 

「そうですか、何かあったんですね?詳しく話なさい」

 

「だから何もないってば!!」

 

必死に否定すると姉さんは拳に息を吹きかけながら

 

「アキ君?きちんと答えてくれないと、酷い事をしますよ?」

 

「酷い事ってどんな事?」

 

さっきみたいな脅しとかなら怖いけど、ただの物理攻撃ならそこまで恐れる事はない。僕がそう尋ねると姉さんは少し困った素振りを見せながら

 

「そうですね…例えばこんな事です」

 

姉さんはそう言うと同時に立ち上がり

 

ガッ!!(脚払いの音)

 

ドスッ!!!(姉さんが僕のマウントを取る音)

 

ドゴッドゴッ!!ドゴッ!!!!(某人型決戦兵器並みの勢いで拳を振り下ろす音)

 

「やってみましたがどうですか?」

 

「酷いッ!!本当に酷いよッ!!!」

 

その凄まじいまでの打撲の痛みに涙しながら言うと

 

「まぁとりあえずはアキ君のいう事を信じますか」

 

「これだけ殴っておいてとりあえずなんだ…」

 

ダメージがあまり大きく倒れたまま返事をすると

 

「何時まで寝ているのですか?話をする時は人の目を見なさいといってるでしょう?」

 

「痛くて起きれないんだ…ほっておいて欲しい」

 

ダメージが酷すぎるので視線だけ姉さんの方を見て言うと

 

「さて、アキ君が必死で姉さんのパンツを見ようとしてるの判ります。そこまでみたいのなら見せてあげましょう」

 

ゆっくりと近付いてくる姉さん

 

「ってい!!」

 

気合一発、掛け声と共に跳ね起きる。

 

「起きれるじゃないですか」

 

「そりゃ起きるよ!!あんた何するつもりだった!!」

 

あのままゆっくり近付いて何をする気だった!と尋ねると

 

「そうですね…それは…もちろんここでは口に出来ないような事を…」

 

頬を赤らめる姉さんに

 

「あんたは弟に何する気だッ!!!」

 

「もうそんな事を言わせたいなんて。アキ君は変態ですね…でもアキ君が望むのならば…」

 

「望んでない!!望んでないからね!!!」

 

もう何で折角の日曜にここまで疲れないと行けないんだ…僕はがっくりと疲れ果てながら何度目かになる突込みをした…

 

 

 

 

うーん…懐かしい感覚です。このアキ君とのやりとりも1年ぶりだとそれだけで楽しいものですね。

 

「はぁ…もう良いや。テストも近いし勉強してくる」

 

疲れた足取りで部屋に戻ろうとするアキ君に

 

「まぁまぁ。1年ぶりの再会なんです、もう少し話をしませんか?」

 

「もう疲れてそんな気分じゃないよ」

 

溜め息と共にそう言うアキ君…ああ…そう言う疲れた表情もまた…良いですね。私がアキ君を異性として認識したのは7年ほどまえでしょうか?アキ君は確かに馬鹿ですが、誰よりも優しく、誰かのために一生懸命になれる…それがアキ君の良い所です。しかしそれは他の女性にとっても同じ、故に私はアキ君にこういい続けました「貴方の様に情けない上に生活力も無く、頭も悪くブサイクな男の子」と…そのせいでしょうか?アキ君は自分に対する評価がかなり低いです。計算通りですが少し言い過ぎたかもと思ってましたが…

 

(少しばかりアキ君から私以外の女の匂いがします…それも3人程…私の懸念したとおりの結果ですね)

 

アキ君の優しさを知ればアキ君に惚れ込む人が現れるのは判りきってました。だから不純異性交遊を禁止したのですが…

 

(あんまり効果はなかったみたいですね)

 

しかし、確固たる確証がないので減点は出来ません…でも、減点出来ないなら出来ないなりの罰を受けていた出来ましょう

 

「さてアキ君。ここにアキ君へのお土産に買って来たコーヒーがあります」

 

下の自販機で買った缶コーヒーを取り出しながら言うと、アキ君が明らかに怪訝そうな表情をします。まぁこの反応は正しいです。だってこれは何処ででも買える缶コーヒーですし。勿論別にちゃんとしたお土産もありますが、それは後にしましょう

 

「はい、どうぞ」

 

プルトップを開けアキ君に手渡す振りをして。中身をかけようとしますが

 

「ほいっと」

 

私の行動を予測していたのかあっさりと回避します、これでは計画が破綻するので

 

ガッ!!(脚払いの音)

 

ドスッ!!!(私がアキ君のマウントを取る音)

 

ダパダパダパ(コーヒーをアキ君の全身にかける音)

 

「すいません、手が滑ってしまいました」

 

「ここまでしてそれはない!!!」

 

そう叫ぶアキ君に

 

「とりあえずシャワーを浴びてくると良いでしょう」

 

お風呂場を指差して言うと

 

「他人事の様に行ってるけど姉さんのせいだからね!!…まあ気持悪いからお風呂に入ってくる。1つだけ言っておくけど!僕の部屋には絶対に入らないでよ!!!」

 

そう怒鳴るアキ君に

 

「勿論ですよ、さぁ早くお風呂に行って来たらどうですか?」

 

「あ…うん」

 

納得できないという表情ですがお風呂場に向かって行くアキ君を見送る

 

「さて、これで計画の大半は成功ですね」

 

旅行鞄からアキ君に1度は着せたい服を取り出す

 

①メイド服

 

②猫耳メイド服

 

②ナース服

 

「ふっふー可愛いアキ君を見るのが楽しみです。断られても良い方法がありますしね」

 

にい…と思わず浮かべ笑みを消し、私は暫く時間が経ってから脱衣所に向かい

 

「アキ君。着替えはここに置いておきますからね」

 

脱衣所の籠に服を入れながら言うと

 

「ありがとう!姉さん」

 

ドア越しからアキ君の声がします。このまま入って行っても良いですが…ここは我慢しておきましょう。後は時が経つのを待つだけです

 

「あの…姉さん?まともな服がないんだけど?」

 

困惑した様子のアキ君に

 

「可愛いですから着てみてください、姉さんからのお土産です。可愛いでしょう?」

 

「いや…これ明らかに女物なんだけど…もう良いや。タオル巻いて出るよ」

 

嫌がるのも計算通り、そしてタオルを巻いて出てくるというのもまた計算通り

 

「もし、タオルを巻いて出てきたら…食べますよ?」

 

このまま出てこられても良いし、私の言葉を聞いて考え直すものまたよし…さあアキ君はどちらを選びますか?

 

「…はしたないよね?タオルを巻いて出るのは止めるから。僕の部屋から着替えを取ってきてよ」

 

ふふ…言質取りました

 

「そうは行きません。勝手に入らないと約束しましたから。約束を破るわけには行きません」

 

「まさかこれが狙いだったの!この変態!!」

 

「姉さんはアキ君が何を言いたいのか判りません」

 

私がそう即答すると

 

「ええい!!もう約束なんてどうでも良いから僕の部屋から着替えを持ってきてよ!!!」

 

うふふ…その言葉が聞きたかったんですよ…まぁあの服を着てもらっても良かったんですけど…

 

「判りました。そこまで言うのなら仕方ありません。アキ君の部屋に入らせてもらいますね」

 

「うん!Tシャッツとハーフパンツで良いから!」

 

ふふ…全部私の計算通りです…アキ君…貴方はまだまだ私の考えを読みきれてないですね…私は軽い足取りでアキ君の部屋へと向かった…入室許可は貰ったので堂々と部屋に入らせていただきましょう…これで今の所の私の目的は達成です。後はアキ君に言い寄る女を排除するだけです…うふふ…私はそう笑いながら着替えを取りアキ君の部屋を後にした

 

第47話に続く

 

 




玲さんのヤンデレ化に大成功です!!良い感じの出来ですね。極ヤンデレ玲さんと、ヤンデレの美波と姫路、そして天使の秀吉…
面白い展開に出来そうですね!!それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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