バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

45 / 158
どうも混沌の魔法使いです。今回は停学解除後の話になります、今回は結構ドタバタな感じだと思います。それでは今回もどうかよろしくお願いします



第45問

第45問

 

 

「で…吉井君に女の子だといってしまったと…」

 

ぐったりとしている秀吉にそう尋ねる(帰宅後。胸が苦しいと言った罰として関節技フルコースの刑にしたのだ)

 

「………」

 

返事が無い…ただの屍のようだ…

 

「やりすぎたかしら?」

 

全く無反応の秀吉が流石に心配になり覗き込むと

 

「ワシはなんと言うことオオオオ!?」

 

「きゃうっ!!」

 

ゴンッ!!!

 

勢いよく跳ね起きた秀吉の頭とあたしの頭が激突する

 

「「ツウウッ!!!」」

 

2人で頭を押さえジタバタともだえる

 

「なにやってんのよこの馬鹿!!」

 

「ううう…ワシはワシはああああ!」

 

「きいてんのか!!!」

 

自責の念で全くあたしの話を聞いてない、秀吉の頭を殴ると

 

「はっ!わ、私は!?」

 

「素になったわね?…とりあえず落ち着きなさい」

 

女口調と雰囲気が変わった、秀吉に落ち着くように言うと

 

「あ…あああああ姉上~私はどうしたら!」

 

「はいはい。落ち着く」

 

おろおろしている秀吉、ここまで慌てるなら出掛けなければ良かったのに…まぁ、そこはあれだ。恋する乙女は暴走は付き物として流してあげよう

 

「私はもう女子として学校に行くしかないのかな?」

 

「それはもう決定でしょうね。吉井君は嘘下手だし」

 

メールとか電話で誤魔化して、と頼んでも恐らくは駄目。すぐにヘマをやらかすに違いない

 

「…覚悟を決めるということだね?」

 

覚悟…それは魔王と敵対する覚悟と言うことだろう

 

「まぁそうなるわね。あたしも魔王と敵対するって決めたし。そう言う面では応援するわ」

 

まぁあたしの場合、魔王と大魔王なのだが…そこはなんとなるだろう

 

「うん…頑張る」

 

座り込みこくりと頷く秀吉に

 

「それじゃあ、ご飯にしましょう、レトルトだけどね」

 

「うん」

 

2人で席につき。あたしたちはゆっくりと夕食を食べ始めた…

 

 

そして時間は流れ停学解除の日…

 

「なんで、男子の制服な訳?」

 

「それはその…まだ心の準備が…大丈夫!ちゃんと女子の制服も用意してる!」

 

鞄を開き制服を見せてくる秀吉に

 

「はぁ…まぁ好きにすれば良いわ。あたし今日、日直だから先行くわよ」

 

「うむ、いってらっしゃいなのじゃ」

 

ひらひらと手を振る秀吉に見送られ、あたしは学校へ向かった…

 

 

 

 

(まさか…秀吉が女の子だったとは…)

 

珍しく早起きし学校に向かいながら僕はそんな事を考えていた。確かに可愛いとは思っていたが。本当に女の子だったとは…

 

(あれ?これって隠しておいて方がいいんだよね?)

 

性別を偽って学校に居るんだ、これは当然黙っていたほうが良いに決まっている。

 

(うん。そうだ、絶対ばれないようにしないと!!)

 

僕がそんな事を考えながら歩いていると

 

「あっ明久君!」

 

タタッ!と走ってくる足音が聞こえる。振り返りながら

 

「おはよう、姫路さん。久しぶりだね」

 

「はい!お久しぶりです!」

 

楽しそうに笑う姫路さん…どうやら魔王化はしてないみたいだ…内心ほっとしていると

 

「美波ちゃんに聞いたんですけど。明久君達が覗きをしようとしたのは脅迫犯を捕まえる為だったんですね」

 

「ははは…途中から目的が変わっちゃったけどね」

 

途中から脅迫犯を掴まえるから→女子のお風呂を覗くだけになってしまったが…

 

「その…明久君はやっぱり、停学になってまで女子のお風呂を見たいんですか?」

 

「まぁね!」

 

じゃない!!なんてこった思わず欲望を口にしてしまった!!何とか訂正しないと!僕が慌てていると

 

「良かったです、ちゃんと女の子に興味があるみたいで」

 

「ぬあ!?」

 

なるほど…女子の間で噂になっている。僕の同性愛者説を姫路さんも聞いているわけか…ぐうう。何て根も葉もない噂を流すかな!

僕はちゃんと女の子が好きなのに!!くうこうなったら

 

「も、勿論興味津々だよ!!特に姫路さんには!!!」

 

「ええ!そ、そうなんですか…」

 

あ…あれ?何か嬉しそうにしてるんだけど…仕返しにならなかったのかな?

 

「えっと…別に良いですよ?」

 

「……はい?」

 

「だから…その、覗いても良いですよ?」

 

えええええ!?なななな何を言ってるのかな!!!

 

「なななな!!何を言ってるの姫路さん!?自分が何を言ってるのか判ってる!?」

 

僕が噛みながら言うと姫路さんは

 

「覗いてもいいです。でもその代わり。私を明久君のお嫁さんにしてください」

 

え。ええ?何この展開!い一体どうすれば!?いや、まず考えるべきなのは新婚旅行の行き先だ!どこが良いんだろうか!僕が頭を抱えていると

 

「ふふ…」

 

え…まさか今の冗談?僕がきょとんとしていると

 

「あはは!明久君顔が真っ赤ですよ?」

 

「そ、そういう姫路さんだってなれない冗談を言うから顔が真っ赤じゃないか!」

 

「いえ。お嫁さんの件は冗談じゃないですよ?」

 

……えっ?魔王化してる?目が単色になってる…じゃあさっきのは本当?僕が唖然としていると

 

「アキッ!!」

 

遠くの方から元気の良い声がした。振り返ると走ってくる美波が見える

 

「久しぶりだね。美波」

 

あのメールについては訂正できた。まぁ凄く怒っていたが…何とか許してもらえた。その代わり何か埋め合わせをしろといわれたが…まぁそれは僕のせいなのでちゃんと今度埋め合わせをしないと…そんな事を考えていると美波は

 

「前に埋め合わせをしてもらうって言ったわよね?」

 

「うん。ちゃんと覚えてるよ」

 

忘れると魔王と化した美波に殺されかねない。なのでちゃんと覚えてると言うと

 

「そっ。それならいいわ。早速埋め合わせしてもらうからね」

 

「え?…そ、それは…どういう意味?って!?がっちり手を握られている!?」

 

手首が軋むほど握り締められている。逃げないようにって事だろうか。僕が焦っていると

 

「瑞希。これは正当な権利だから」

 

「えっ?何を言ってるんですか?」

 

姫路さんと僕が困惑してるなか

 

グイッ!!

 

思いきっり美波に手を引かれ僕は前に出たそして

 

「んっ」

 

「!?!?」

 

僕の唇は美波の唇によって塞がれていた

 

え…ええ!?何で何事!?何でキスされてるの僕!?僕が混乱しているうちに美波は離れ

 

「はい、埋め合わせはちゃんと貰ったから。ほら行くわよアキ!」

 

「ちょっ!美波ちゃんずるいです!わ、わわ私も!!」

 

姫路さんが詰め寄ってくる、目が据わってる!?怖いんだけど

 

「これはちゃんとして報酬よ。ずるくなんてない…ほら瑞希も急ぐ!遅れるわよ!」

 

ぐいぐいと僕を引っ張っていく美波

 

「まって!なんで何で僕はキスされたの!?」

 

「ずるいですー」

 

僕と姫路さんの抗議の声を無視して美波は僕を引き摺りながら、学校へと歩いて行った…

 

「………」

 

そしてその現場を目撃していた、1人の生徒は

 

「…渡さない、渡すものか…」

 

ギリッ

 

音が出るほど歯を噛み締め、鞄から何かを取り出していた…

 

 

 

「何て顔をしてるんだ?明久」

 

机に座りボーとしている明久にそう尋ねると

 

「うん…なんか埋め合わせとか何とかで唇を奪われた」

 

「はい?何を言ってるんだ?って言うか誰にだよ?」

 

前に座りながら尋ねると明久はゆっくり離れたところを指差した。そこでは

 

「ずるいずるい!!納得できません!」

 

「ずるくない!!報酬だから!!」

 

姫路と島田が何かを言い合っていた

 

「あーなるほど…島田にか?」

 

こくんと頷く明久…

 

「なるほどなるほど…もう鎖に繋がれたわけか?」

 

からかうように言うと明久はおれの首元を指差し

 

「物理的に鎖に繋がれていたであろう雄二には言われたくない」

 

「…俺が悪かった。出来たら外してくれないか?」

 

俺の首には現在首輪が巻かれている、翔子にやられたのだ…何とか隠し持っていたやすりで鎖を破壊し逃亡したが。首輪はそのままだ

 

「ムッツリーニ。ピッキングできる?」

 

「…何事?」

 

とことこ歩いてくるムッツリーニを見ていると

 

「重い…」

 

「乙女に重いとか言うか?」

 

龍也が背中にはやてを背負って歩いてくる。疲れた様子なのは恐らく背中に当たる柔らかい感触と、周囲の視線によるものだろう…俺がそんな事を考えて居ると

 

「ジャンケンに負けるとは…」

 

「あそこでパーじゃなくてチョキだったら、私がおんぶしてもらえたのに」

 

なるほど龍也のおんぶを賭けてじゃんけんをしていたのか…全くあいつもあいつで大変だな、妹と幼馴染に言い寄られその大半が魔王・大魔王…どう転んでも命懸けにしかならない選択肢しかないのだから

 

カチャ

 

「外れた…」

 

「サンキュー、ムッツリーニ」

 

首が漸く自由に回るようになった事に感謝していると。鉄人が入ってくる

 

「なんだ、秀吉は今日遅刻か?」

 

まだ姿のないクラスメートの事を考えていると

 

「あー今日は皆に重要な連絡がある」

 

鉄人が咳払いしてから。

 

「非常に驚くと思うが。あまり驚かないでやってくれ、木下入って来い」

 

鉄人が呼びかけると扉が開き、秀吉が姿を見せる…何故か女子の制服で俺達が困惑していると。秀吉が

 

「今までは家庭の事情で男装をしていましたが、今日からはちゃんと女子の制服で来る事にしました。呼び方は今まで通り秀吉で良いのでどうかよろしくお願いします」

 

声のトーンと喋り方が完全に女子の物だ。声に至っては姉である優子と殆ど同じ…胸は…優子より大きそうだ…俺達が呆然としていると

 

「えっ…なんで今更?」

 

須川がそう尋ねると秀吉はくすりと微笑み

 

「それは勿論、恋をしたから♪」

 

秀吉の視線の先には

 

「何で?僕はキスされたんだろう?」

 

首を傾げ続けている明久の姿…えっ?明久?…いやそりゃあいつは馬鹿だが人として素晴らしいものを幾つも持ってる。それは判る、何セ俺が持ってないものだから。でも明久を秀吉が好き?マジで?俺達がアングリと口を開いていると

 

「と言うわけで。負けないので覚えておいてね?」

 

笑いながらも目が全く笑ってない秀吉が島田と姫路を見る…

 

「「…」」

 

無言ながら睨むと言う返答をした、島田と姫路…あああ…魔王増大か?いったい何が悪いと言うのだろう?やはり大魔王のはやてのせいなのだろうか…

 

「うーん…なんでだろう…」

 

明久はまだ頭を抱えて唸っていた…幸せなやつ…俺は心の底からそんな事を考えながら。これから起きるであろう魔王同士の争いに頭を抱えた…

 

第46問に続く

 

 




はい。今回はFクラス生、全員に秀吉が女である事が判明。そして魔王に敵対表明、明久の未来は、光(秀吉END)か闇(魔王END)かはたまたハーレムか!?それはまだまだ判りません。次回からは4巻の内容を飛ばして5巻の中に入って行こうと思っています。そして現れる大ボス(妹系及び姉系がラスボスが混沌クオリティ)に魔王と秀吉は立ち向かえるのか!?待て次回!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。