バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回と次くらいで第3巻の内容は終わりです。そしてこの後はオリジナルの話を少しいれてから。4巻の内容を飛ばして5巻に入りたいと思います。何故美春が更正したかと言うと4巻の内容は自分では無理だと判断したからです。と言うわけで作者の勝手ですが4巻の内容は飛ばします。ですのでご了承ください。それでは今回もどうかよろしくお願いします



第43問

 

第43問

 

「さてと…これが最後の攻防戦かねえ?」

 

ソファーに腰掛け呟く、やれやれ覗きなどと馬鹿な真似をしてくれるな、明久達は

 

「少し良いかしら?」

 

「ん?優子か構わんよ」

 

今回、女子の大半は自室で待機だ、どういう計画かはわからんがはやて立案の作戦なので、明久達はもう既に詰んでいると言っても良いだろう。はやては言動こそあれだが抜群に頭が切れる指揮官だし

 

「本当にあたし達は自室待機で良いのかしら?」

 

「私に言われても困る。私は作戦には関わってないしな」

 

一応女子側だが、そこまで完全に女子に信用されてるわけではない。だから私に作戦会議には参加していない、だから作戦の事を聞かれても困る

 

「やっぱりあたしも手伝おうか?龍也君だけじゃ、C・Dクラスの男子全員を押えれないでしょ?」

 

「問題ない。テストの点でも肉弾戦でも負ける要素はない」

 

そもそも外見こそ16だが、私は本来25歳、高校生に負ける要素は何もない

 

「そこまで言われたら、あたしの出る幕は無さそうね」

 

「まぁそういう事だ、ゆっくり休んでいたまえ」

 

「龍也君、出番ですよ」

 

布施先生に呼ばれる。私はソファーから立ち上がり

 

「ではな。作戦に支障が出てはいけない。早く戻るんだな」

 

ここに優子がいられては不味い筈だ、だからそう言って離れていくと

 

「気を付けてね!」

 

「…ああ、心配してくれてありがとう」

 

ひらひらと手を振り布施先生と共に防衛線にへと向かった

 

「龍也!?」

 

「くっ早過ぎる!」

 

私が廊下に出ると同時に明久達に遭遇する

 

「悪いがここから先は通行止めだ。通りたければ私を打倒して行け」

 

ゴキゴキと拳を鳴らしながら、明久達の前に立つ

 

(龍也君、貴方は囮と言うのを判ってますか?)

 

(当然です。時間稼ぎでしょう?)

 

具体的な案は聞いていないが、私と教師陣は適度に明久達を攻撃し、突破させろとの指示だ。

 

(判って居るなら良いです、それでは行きますか)

 

布施先生の言葉に頷き拳を構えたところで

 

「おっと!Fクラスの邪魔はさせないぜ」

 

「先生!八神!覚悟!!」

 

Cクラスの生徒達が私と布施先生の前に立つ

 

「Cクラス来てくれたんだ!」

 

「Cクラス・Dクラスの野郎ども!協力に感謝する!2階はお前たちに任せるぞ!!」

 

明久の嬉しそうな声と雄二の鼓舞するような叫びにCクラスは

 

「協力なんざ、ったりめぇだ!!」

 

「女子風呂覗かなくて何のための男でぇっ!!」

 

何故かべらんめえ口調のCクラスを見ながら

 

(布施先生、こいつらは馬鹿なんですか?)

 

(…なんとも言えません)

 

1人1人は大した事ないが、数が多い。20人近くにブロックされてる間に明久達に突破されてしまった

 

(突破させても良いと言っていたが、これは流石に不味いか)

 

「覚悟ッ!!」

 

「邪魔だッ!!」

 

向かって来たCクラスの生徒の顎を打ち抜き昏倒させるが

 

「数だ!数で押し切れ!!倒されたやつらは脚を掴め!八神の動きを制限しろ!!」

 

数で襲い掛かってくるCクラス生

 

「ちい!鬱陶しい!」

 

殆ど一撃で一度は昏倒させれるが

 

「うおおおーッ!!理想郷に行くんだアアアア!!!」

 

恐るべし高校生の下心、何度倒してもすぐ復活してくる。これは不味い、予定より戦力が削れてないしかたない!

 

「布施先生!ここは任せます!」

 

「龍也君!お願いします!」

 

布施先生の言葉を聞きながら階段を駆け下りる。そこで私の耳に信じられない、明久の言葉が飛び込んでくる

 

「例え許されない行為であっても、自分の気持ちは偽れない!!僕は今純粋に欲望の為に女子風呂を覗きたい!!」

 

その言葉を聞いた私は

 

「お前は何処まで馬鹿なんだ!?」

 

「お主は何処まで馬鹿なんじゃ!?」

 

どうやら秀吉も同じ感想を抱いた様で私とほぼ同じタイミングでそう叫んだ

 

「明久君…そこまで私じゃなくて美波ちゃんのお風呂を覗きたいんですね…許しません…許しません…なんで私じゃ駄目なんですか!もう絶対にお話です!!そして私だけを見るようにしてあげます!!!」

 

駄目だ!瑞希もはやて達の思考に染まってる!?あのどんよりとした目、はやてと同じ目だ!?

 

「行きますよ!!はやてちゃんの言うとおり監禁すべきだと判りました!ここで完全に掴まえます!!!」

 

その答えは絶対に間違いだ!どうしてこうなってしまったんだ!!

 

「た…例え監禁されも!洗脳されても!僕は僕の気持ちに正直に生きる!!」

 

震えながら召喚獣を呼び出す明久、駄目だ!戦うという選択肢は間違いだ!逃げるんだ明久!!いや助けに入るべきか!?私が召喚獣を呼び出そうとした瞬間

 

「よく言った!吉井明久君!!」

 

私の来た方向の逆の方向から誰かの声がする

 

「だ、誰ですか!?」

 

瑞希が振り返った方向には…Aクラスの一団の姿があった。先頭の男子…えっと確か彼は…

 

「待たせたね!吉井君、君の正直な気持ち確かにこの僕が聞き届けた!!」

 

「久保君!来てくれたんだね!!!」

 

そうだ!久保利光だ!接点がないから忘れてた!

 

「到着が遅れてすまない、踏ん切りがつかなくてね…でももう決心がついたよ!!今この時よりAクラス男子総勢24名が吉井明久の覗きに協力する!!全員召喚を開始して、吉井明久を援護するんだ!!」

 

「「「おおおおーッ!!!!」」」

 

Aクラス全員が拳を振り上げ、召喚獣を呼び出す

 

「お主らは何を言っておるんじゃ!?全員正気を保つんじゃ!!!」

 

「お前ら正気か!?除きは犯罪なんだぞ!?」

 

私と秀吉が叫ぶがオールスルー。なんでこんな常識的なことすら判らないんだ!

 

「ありがとう!久保君!君達の勇気に心から感謝するよ!!」

 

「感謝するのは僕のほうさ!君の言うとおりだよ。自分の気持ちに嘘はつけないんだ!」

 

なんだ?久保の目が妙に熱っぽいのだが…深く考えるのは止めよう嫌な予感がする、それに今は

 

「龍也君!援護に回ってください!」

 

「判ってる!」

 

瑞希と翔子の援軍に回るのが最優先だ。瑞希の隣に立ち拳を構えるが

 

「そうは行かないよ、姫路さんに八神君。西村先生を打倒する唯一の力をここで失う訳には行かない!」

 

久保とAクラス全員が私と姫路の前に立つ、くっこれでは明久達の進路を防ぐ事が出来ない

 

「雄二!」

 

「判っている!!」

 

雄二達が私達の横を抜いて高橋先生の元へ向かう

 

「くっさせん!」

 

「悪いがここは通さないぜ!八神良く考えろ。男なら覗くべきだ!其れすら判らないのか!」

 

「それ以前に犯罪行為だと気づけ!!」

 

Aクラスの男子4人に囲まれ、身動きが取れない。その間に明久と康太が階段を駆け下りていくのが見える

 

「ええい!邪魔だ!!」

「「「「ぐわっ!!!」」」」

 

手加減無しの回し蹴りで4人を弾き飛ばし階段に向かおうとすると

 

(ほい、ご苦労さん兄ちゃん、もうええで?)

 

(はやて…?どういうことだ?)

 

はやてからの念話で呼び止められる、思わず尋ね返すと

 

(だから作戦終了、後は先生達に任せても良いやろ?)

 

(意味が判らない、覗きを阻止するんじゃないのか?)

 

私がそう尋ねると

 

(んふふー兄ちゃんは知らんけど、これで私の作戦は終り。番人が強ければ強いほど、その先にある物の期待は増す。けど…あの先に待つのは地獄や)

 

くすくすと笑うはやて…何か酷い罠でも仕掛けたと言うことか…まぁ自業自得だから止める必要はないか…

 

(了解、部屋に戻る)

 

これ以上、ここに居る必要が無いからはやてから連絡があった。なら素直に戻るとしよう。部屋に居るリヒト達の心配だしな

 

「おっと、俺達の邪魔はさせないぞ、龍也」

 

振り返ると雄二が拳をこちらに向けていた、私は肩を竦め

 

「ここまで来られたら私の負けさ。後は好きにすれば良い」

 

「随分潔く引くんだな?お前も高橋女史も」

 

首を傾げる雄二…良く見ると高橋先生達も撤退を始めていた…どうやら向こうもはやてからの指示があったと言うわけか…

 

「気にするな、引き際を知ってるだけだ。ではな…」

 

さて…部屋に戻ってリヒト達の面倒でも見るか…そんな事を考えながら自室に戻っていると、温泉のほうから

 

「「「「割りにあわねぇーッ!!!!!」」」」

 

明久達の絶叫が聞こえてきた…

 

(一体何を見たんだ?)

 

絶望一色のそんな悲鳴が聞こえてくる。思わず立ち止まると

 

「んふふー知りたい?」

 

後ろから抱きつかれる、振り向かなくても誰かは判っている、私は溜め息を吐きながら

 

「はやてか。離れてから話せ」

 

「い・や、話し終わったら離れるで。学園長がな視察に来てるんよ。それで判るやろ?」

 

「…明久達は学園長の風呂を覗いたのか?」

 

「正解♪女子の半分を隠したのはお風呂に入ってると勘違いさせる為。上手い計画やろ?」

 

…なんとまあ。苦労して見たのが学園長の艶姿では叫びたくもなるな…

 

「学園長は知ってるのか?」

 

「ううん、知らへんで?」

 

…学園長も不運だが、明久達も不運すぎる

 

「まっ!そう言うわけ覗き騒動は明久達の処分を持って終了♪さっ!部屋に戻って寝よ?」

 

はやてが私の手を引きながら言う

 

「自分の部屋で寝ろよ?先生達に怒られるぞ」

 

「学園長を見たせいで、廃人状態の明久達を部屋に戻すので先生達は大忙し、部屋を見回ることはしないやろ?」

 

にこっと笑うはやて

 

「なるほどね…それが目的か」

 

はやてが覗きを阻止するのにするわけだ、自分に利益があるから協力したわけか…

 

「駄目?」

 

上目目線で顔を覗き込むのは卑怯だ。そんな風に言われたら

 

「好きにしろ」

 

断れないじゃないか…

 

「んふふ…じゃあ好きにする♪ヴィータも呼んで良いかな?」

 

「駄目と言っても連れて来るんだろ?もう好きにしろ」

 

結局のところ…甘やかしてしまう私もはやて達の同類か…私は大きく溜め息を吐き、はやてに手を引かれながら部屋へと戻った…

 

 

 

「おー、瑞希に美波か、おはよう」

 

「おはようございます、龍也君、相変わらずはやてちゃんと仲が良いですね」

 

「おはよう、龍也、今日もはやてと一緒なのね」

 

通学路でバッタリあった2人にそう言われ

 

「兄離れして欲しいんだがな」

 

両腕でしっかり私の腕を抱え込んでいるはやてを見ながら言うと

 

「良いじゃないですか、見ていて和む光景ですよ?」

 

「人事だと思って気楽に言ってくれる」

 

左腕をはやてに、右腕をヴィータに抱え込まれているこの状況を見て、普通はその結論は出ないだろう

 

「龍也様、HRに遅れますよ。そして龍也様の手を放しなさい狸」

 

「黙れ病み娘、兄ちゃんは私の物や」

 

うううううッ!!!

 

何時も通りの唸りあいをするはやてとセッテ…ああ、何時になればこの心労から解放されるんだろうか

 

「まぁ良い、遅くれるのは不味い。早く教室に行くとしよう」

 

「そうですね。行きましょうか」

 

「それじゃあ、これから1週間、7人だけで寂しいけど仲良くやりましょう」

 

「私は男1人でとても肩身が狭いんだがね?」

 

肩を竦めながら言うと

 

「まぁ女子側に回ったご褒美とでも思えば?」

 

「嫌なご褒美だ」

 

私達はそんな話をしながらFクラスの教室に向かった…

 

処分通知

 

2-Fの八神龍也を除く、文月学園第2学年の全男子生徒総勢149名を一週間の停学処分とする…

 

~とある男子生徒の反省文から抜粋

 

ついムラッときてやった。今は心の底から反省している

 

第44問に続く

 

 




龍也さんは停学処分回避。まぁ女子側に回っていたので当然の結果ですよね?次からは少しオリジナルの話をしたいと思います
主に優子さんや、秀吉の話になると思いますそれでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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