バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです今回でバカテスも第40問です、第3巻でここまでかかるとすると…10巻まで行くのに何話までかかるんでしょう?正直不安ですね、でも面白いといってくれる人が居るので、まだまだ頑張ろうと思います。それでは今回もどうかよろしくお願いします


第40問

第40問

 

さて…そんなこんなで出撃前のブリーフィングの時間になった

 

「結局、手を貸してくれたのはD・Eクラスだけなの?」

 

漸く再起動した明久に

 

「仕方ないな。Bクラスは代表が代表なだけにまとまりが無いし、Cクラスは代表が小山だからな、男子が尻込みするのは無理もない」

 

戦力は期待したより増えてないが…これは致し方ない、

 

「まぁ、D・Eが協力してくれるだけでもありがたいよね?」

 

「女子側とて入浴の為に最大でも半数しか出てこれんじゃろうし。教師を抑えることが出来れば何とかなるじゃろ?」

 

楽観的な明久と秀吉に

 

「いや、要注意は教師だけじゃない。敵に回ってる龍也も要注意だ。やつはエロには弱いが戦闘力はずば抜けてる。突破は難しいだろう」

 

「…また俺が止める」

 

ムッツリーニが自信ありげに言うが…俺は

 

「いや、昨日の様にはいかないだろう。あっちには「魔王」が最低でも4人…龍也の弱点をフォローする方法を考えてるだろうしな」

 

魔王軍団は非常に頭が良い。恐らく昨日と同じ様にはいかないだろう…

 

「まぁ。数で押せばなんとかなるよね?D・Eが協力してくれてるから。人数は100人近いし」

 

人海戦術で押せば攻めきれる筈だ。幾ら一騎当千の龍也やはやて達がいても突破できる筈

 

「うし、それじゃあ。出るか」

 

「…待ってるかもしれないしな」

 

そろそろ作戦時間だ。大食堂に向かって戦の準備をしよう…俺達が立ち上がると同時に

 

「吉井っ!大変だ!!!」

 

勢いよく扉が開かれ、須川が血相変えて飛び込んできた

 

「須川君、どうしたの?まだ作戦開始まで時間があるはずだけど?」

 

明久が尋ねると須川は

 

「やられた!!大食堂で敵が待ち伏せしてたんだ!今は戦力が分断されて、各階で散り散りになってる!!!」

 

「くそ!こっちの考えを読まれてたか!」

 

あちら側には「龍也」「はやて」そして「翔子」と人の考えを読むのに長けた人材が揃っている。この結果は予想できたことだった…

 

「戦力を増強し、正面突破を図るのを読まれていたか…となると、こっちの思考回路を熟知しておるな?」

 

秀吉の言葉にムッツリーニが

 

「…霧島翔子か…龍也、もしくははやて様だと思う」

 

確かにその面子しか思いつかない。その3人なら俺の作戦を先読みするくらいは平然とするだろう

 

「よっぽど。雄二の覗きが許せないんだね…これはまた死刑かな?」

 

「…何のんきに言ってやがる。てめえも同じ末路だぞ!」

 

魔王化している翔子に島田と姫路…捕獲されれば俺達の命はない…俺がそう言うと明久は…

 

「……僕。隠れてても良いかな?」

 

押入れに隠れようとする明久…そうは行かない

 

「だめだ!!てめぇも道ずれだ!!行くぞ!!」

 

「いやああああッ!!魔王様のところに連れて行かないでえええええ!?!?」

 

泣き叫ぶ明久の首根っこを掴み、俺達は廊下へと飛び出した。するとそこは既に戦場と化していた…

 

『このスケベども!!大人しくお縄に付きなさい!!』

 

『覗きなんてさせないからね』

 

『くそお!!どうしてこんなところに女子が!?』

 

『知るか!応戦し…ぐはっ!?』

 

『くふふふふ…良いストレス発散ですね…次は…お前です!!』

 

『う…うわあああああああッ!?!?』

 

セッテが縦横無尽に廊下を駆け抜け容赦なく、男子を昏倒させている…それを見たムッツリーニは

 

「…俺。死にたくない…」

 

「逃げるな!!!」

 

回れ右するムッツリーニの首を掴む。だがその反応は正しいとも言える…長い髪を翻し手刀、掌打でほぼ一撃で、意識を刈り取るセッテには恐怖しか感じないが…

 

「要注意はセッテ様だけだ!女子の相手をせずに突っ切れば良い!!!」

 

須川が女子の隣をすり抜けていこうとするが…

 

「須川君!駄目だ!気をつけないといけないのは鉄人だけじゃないんだ!!」

 

明久の静止も間に合わず、女子の影から現れた

 

「Fクラス、須川亮君ですね?特別指導室に連行させてもらいます」

 

布施先の召喚獣に取り押さえられていた…このままでは不味い

 

「全員聞け!とにかく一点集中でこの場を突っ切る!俺の後に続け!!」

 

布施先を睨みながら走り出す、俺が進む方向に気付いた明久が

 

「雄二!そっちは敵の層が一番厚いよ!?階段を下りたほうが突破し易いんじゃ!?」

 

それも考えたが…

 

「だからこそだ!!層の薄い方を突破すると、その先に罠が仕掛けられてる可能性がある!ここは苦しくても一番危険な方向を進むんだ!!」

 

層の薄い方に進ませて。罠を仕掛ける…これは戦の常套手段。ならばその裏をかくまでだ!

 

『坂本に続け!!先生を迂回してこの場を逃れるんだ!!!』

 

『一気に行くぞぉッ!!!』

 

俺の指示を聞いて、男子達が一気に層の厚い方向に走り出した…うん?…女子たちが道を譲るように左右に割れる?…こちらの勢いに押されたとしても…諦めが良すぎるような…だが今は余計な事を考えている余裕はない。階段の前の廊下を駆け抜け、補習室へと続く廊下を曲がったところで…

 

「…雄二。待ってた」

 

「き、霧島さん!?」

 

その先で待ち構えていた翔子達と出くわした…

 

「翔子。やってくれたな…!」

 

俺は歯軋りしながらそう呟いた…咄嗟の判断で行動したつもりだったが…それすらも読まれていたなんて…俺が悔しさに歯軋りしていると

 

「…浮気は許さない…それを徹底的に教えて上げる」

 

「撲殺君XとWだと!?俺を殺す気か!?」

 

2本の釘バットを構える翔子にそう怒鳴ると

 

「1度殺して…馬鹿を直してもらう…馬鹿は死なないと治らない」

 

ブンブン!!!素振りしながら言う翔子…完全に目が据わってる!?やばい本気だ!?

 

「貴方達には社会のルールについてたっぷり指導してあげましょう」

 

バーサーカーモードの翔子の隣に

 

「よりによって、引率は学年主任の高橋女史か…」

 

クールな印象を受ける眼鏡の教師…これは不味い…召喚獣でも物理戦闘でも勝ち目がない

 

「雄二、ここは撤退を…」

 

明久の言うとおりだ…ここは撤退を…

 

「おっと、そうはいかへんで?」

 

「ごめんね。そうは行かないんだよね」

 

来た道を振り返るとそちらにも人影があった

 

「工藤さんに…はやて様」

 

「やっ。頑張ってるね吉井君?」

 

「ふふー、あんた達の考えることなんてお見通しや」

 

手を振る工藤と自信満々という表情のはやて…その後ろには当然の様に、保健体育の大島先生の姿もある…ムッツリーニでも突破は難しいだろう…

 

「アキ…昨日あんなにお話したのに。まだ判ってないのね?」

 

「明久君?今日も沢山お話しましょうね?」

 

魔王モードの島田と姫路も居る…明久は

 

「違います…違います。僕は雄二に無理やり連れてこられただけで…」

 

「言い訳無用。今日もお話し決定ね」

 

「今日はどんなお話しが良いですか?」

 

ごきごきと骨を鳴らす島田と、魔王の笑みを浮かべる姫路…やつももう終わりだな

 

「では、八神君。取り押さえる準備を」

 

更に龍也まで!?くそ!!勝ち目なんてないじゃ…女子の群れの先では

 

「むふふ~にーさま、遊ぼ♪」

 

龍也の膝の上で猫の様に寝転がるリヒトと

 

「ぺタ…」

 

背中にしがみ付き肩の所から龍也の顔を覗き込んでいるアザレアと

 

「ペラ…ペラ…」

 

龍也にもたれかかりながら本を読んでいるユナと

 

「んー平和だな~」

 

見慣れた黒い着物の龍也がのんびりとお茶を飲んでいた…

 

「「「………」」」

 

昨日と同じ沈黙が廊下を支配する…

 

「八神君?」

 

「ん?ああ…すいませんちょっと、ぼーっとしてまして。明久達を取り押さえるんですよね?ちょっと待ってくれます?ちょっと用事が出来たから少し待っててくれるかな?」

 

「やだ」

 

即答でやだと言うリヒトに

 

「だ…駄目ですよ?…に、兄さんに迷惑を掛けちゃいけません」

 

背中から降りながら言うアザレア

 

「ええ、アザレアの言うとおりです。わがままを言ってはいけません」

 

本を閉じながら言うユナ…2人に注意されたリヒトは

 

「ぶー…判った、待ってる」

 

しぶしぶといった素振りで龍也の膝の上から降りたリヒトの頭を撫でながら龍也は

 

「すぐ終るから。良い子で待ってなさい」

 

「「「はーい」」」

 

返事をする3人の頭を撫でている龍也に

 

「もう部屋に帰れよ!?部屋で妹達を見てろよ!?」

 

どこまでもお兄さんをしている龍也にそう怒鳴るが

 

「まぁ、出来るならそうしたいが、馬鹿な事をするお前たちを止めると約束したのでな…では少しばかり痛い目を見てもらおうか?雄二」

 

拳を構える龍也に

 

「無理だ!さっきまでの流れからはどう考えてもシリアスな雰囲気はならない!!!」

 

もうこんな所にいないで部屋で遊んでやってろよ!それが一番良い筈だ!

 

「まぁ、そう思うのだが…お前たちを叩きのめすと西村先生に約束しているのでな。我慢してくれ」

 

そんな約束するなよ!?俺がそんな事を考えているとムッツリーニが

 

「…また弱点を着いて俺の勝ち」

 

聖典を出そうとするムッツリーニに龍也は

 

「いや、昨日の様にはいかんな…」

 

龍也が手ぬぐいで目隠しをする…はっ!?対処法ってそれ!?俺が困惑してるなか

 

「…馬鹿じゃないか?目を隠せば何も見えなく…「そこだな?」ぐはっ!?」

 

間合いを詰めた龍也の一撃がムッツリーニの意識を刈り取る

 

「みっ!?見えてるの…?」

 

明久がそう尋ねると龍也は

 

「いいや、何も見えてないよ。ただ…お前たちの気配で何処に居るか?…「隙…」シッ!!!」

 

スパンッ!!!

 

明後日の方向を見ながら言う龍也の隙をついて、福村が拳を繰り出そうとしたが。目にも止まらぬ速さで放たれた裏拳で福村は

 

「ぐおっ!?いてぇッ!!!」

 

鼻を押え蹲る福村の前で龍也は

 

「何をしようとしているか?位は感じ取れる」

 

「それは位じゃない!?お前はどこの世界の人間だ!!!」

 

気配で判るって…何処の世界の戦闘民族だ!俺が思わずそう突っ込むと

 

「でも目が見えないから反応が鈍い!これなら行ける!試獣召喚【サモン】」

 

明久が召喚獣を呼び出し一気に突っ込む、反応が鈍い龍也の横を駆け抜け、高橋女史の方に向かった瞬間

 

「吉井君、貴方には失望しました。少しは見所がある子だと思っていたのですが…」

 

冷たい口調で高橋女史がそう言った瞬間

 

ドサリ…

 

明久の召喚獣が突然倒れ、次の瞬間

 

「いったあああああッ!?これは凄く痛い!?流石は拷問用の道具だよ!!!!」

 

明久が体を押えて絶叫する。高橋女史の武器は鞭だった、まさかあそこまでリーチがあるとは…俺が驚いていると、高橋女史の点が表示された

 

『学年主任 高橋洋子 総合科目 7791点』

 

VS

 

『Fクラス 吉井明久 総合科目 1215点』

 

それはもう比較するのも馬鹿らしくなる様な点差だった…もう駄目だな

 

「仕方がない。こうなったら各自の判断で行動しろ!!!」

 

自分の事だけで手一杯だ、ここは各自の判断に任せよう。さて…やつらはどうやってこの危機を乗り越えるつもりだ?じっくりと見せてもらおう

 

 

「「「すんませんしたーッ!!!」」」

 

 

土下座

 

「「馬鹿ばっかりだーッ!!!!!」」

 

よりによって土下座!?降伏するだと!?予想外にも程がある

 

「吉井君と坂本君は彼等のような真似はしないのですね。指揮官としての矜持というやつですか?」

 

召喚獣をこちらに向けながら言う高橋女史…土下座?…全く相手を見て言って貰いたいものだ

 

「違うな、高橋女史。俺達には判っているのさ」

 

俺が笑いながら言うと明久も

 

「ええ、雄二の言うとおりです。僕らには判っているんです。そんな事をする必要がないと」

 

にやりと笑いながら言う。そうかお前も判っているのか…

 

「まさか、助けが来るとでも?」

 

俺達を見て眉を顰める高橋女史…

 

「助け?違うな。あんたは何も判っちゃいない」

 

「そうですね、僕らが言ってるのはそう言うことじゃない」

 

これがテストだったら、高橋女史の回答は残念ながら0点だ。俺達が土下座しないのは。プライドの為なんかじゃない…

 

「坂本君。明久君。覗きは立派な犯罪なんですよ?」

 

「今日はちゃんと調教してあげるからね?」

 

「雄二…浮気は許さない…」

 

正解は土下座なんてしても、許してもらえないからだ…何をしても逃れられない死の宿命の前に、態々土下座をする必要なんてない

 

「さっ?沢山お話しましょうねアキ?」

 

「明久君の頭でも判るようにお話してあげますからね?」

 

魔王の笑みの2人が明久に近付く…さらば明久、もし生きていたらまた会おう。2人が明久に手を伸ばした瞬間

 

「明久をこれ以上いじめる事は許さんぞ!」

 

「木下!?」

 

「木下君!?」

 

「秀吉!?」

 

秀吉が明久を抱え逃亡を始める

 

「待ちなさい!アキを離しなさい!!」

 

「そうです!男の子同士なんて間違ってます!!!」

 

「明久を洗脳しようとするお主らには、明久は渡さん!!!」

 

ダダダッ!!!

 

明久を抱え走り去る秀吉、それを追って駆け出す島田と姫路…良いな明久は助けてくれるやつがいて…俺なんか…

 

「雄二?沢山お話しようね?」

 

誰も助けてくれないんだから…

 

「手加減してくれると嬉しいんだが?」

 

「駄目♪それじゃあ…逝ってみよう」

 

「待て字がちが…ぎゃああああああッ!!!!」

 

「折って♪殴って♪監禁する♪」

 

ドゴッ!!メシャッ!!!ボキャッ!!!

 

俺の悲鳴は生々しい音に掻き消されていった…

 

 

 

「まさか、高橋女史まで参戦してくるとは…」

 

生きてるのも不思議なくらいボロボロの雄二に疑問を感じながらも

 

「あの人に勝てるの龍也くらいじゃないかな?」

 

秀吉のおかげで辛うじて魔王からの逃亡に成功した、僕が雄二の頭に包帯を巻きながら言うと

 

「じゃがどうする?…このままでは…おぬし等は脅迫犯の影に怯え、かつ覗き犯という…不名誉な称号を掲げられてしまうぞい?…明久、なにか飲み物を…くれんかの…?」

 

息も絶え絶えの秀吉に、備え付けの冷蔵庫から水を取り出し渡す。今僕が魔王に襲われていないのは秀吉のおかげだ、これくらいのことはやらないとバチが当たるに違いない

 

「勿論諦める気は無い。残るチャンスは明日だけだが、逆に言えばまだ明日があるんだからな「はい、終ったよ。雄二」…サンキュー、明久」

 

形だけ礼を言う雄二の頭に巻いていた包帯を切りながら

 

「それでどうするの?圧倒的な戦力差なんて何時もの事だし、むしろこういう逆境を覆す力こそが僕らの真骨頂だよね!」

 

チャンスは後1回、敵の戦力は僕達の数十倍、比較するのも馬鹿らしくなるほどの戦力差だが…

 

「…このままでは引き下がれない」

 

「そうじゃな。明久を脅迫してるやつだけはなんとしても見つけんとな…「秀吉?、明久だけなのか?」…訂正する、明久と雄二じゃ」

 

雄二の指摘に被りを振ってから訂正した秀吉、なんか最近秀吉が僕に優しいような…ふとそんな事を考えていると

 

「まぁ、良いが。お前たちが諦めていないのなら。まだ勝機はある」

 

「流石は雄二だ!何か考えがあるんだね?」

 

流石は元・神童。ダメージで顔が土気色に見えるけど…ここまで自信満々な表情をしてるんだ、きっと良い作戦が…

 

「正面突破するんだ」

 

「…雄二、少し横になるべきだ。ムッツリーニ、氷と濡れタオルを…」

 

「…了解」

 

ダメージがひどすぎるようだ、ここは休ませておこう。僕とムッリーニが介抱の準備をしていると

 

「いやいや、大丈夫だ。ちゃんと考えてあるんだ。良いか?向こうの戦力はあれで頭打ちだ、あれ以上は戦力を増強できない。だから俺達は戦力を増強し、人数で押し切る」

 

雄二の作戦を聞いたムッツリーニが

 

「…魔王様6人+龍也…数だけで勝てるのか?」

 

ムッツリーニの指摘は正しい、魔王様と、龍也だけでも防衛線は充分だろう。せめて龍也を封殺する方法があれば…

 

「まぁ、話しは最後まで聞け。向こうの布陣は教師を中心にした防御主体の布陣だ。色々と欠点はある。それがなんだか判るか?明久?」

 

…弱点?そんなのは…

 

「微塵も判らないね!」

 

「チョキの正しい使い方を教えてやろう!」

 

「ふぎゃあああ!?目がッ!?目がアアアッ!?」

 

雄二の瞬撃の目潰しが炸裂し、その痛みに悶えていると

 

「全く、少しは考えろ。召喚フィールドには干渉というものがある。近い範囲で別の教師がフィールドを展開すれば、干渉しあってフィールドが消える。つまりは…」

 

「要するに1部隊に基本的には1人の教師という事じゃ」

 

秀吉が雄二の言葉を引き継いで説明してくれる、目潰しなんかしないで最初から説明してくれれば良いのに…

 

「そして、その干渉の範囲とムッツリーニの目撃情報を組み合わせると、教師の陣営はこうなる」

 

雄二がテーブルに紙を広げ、配置予想図を書いていった

 

「…このドクロマークは?それに高橋先生の場所も今日と違うの?」

 

その紙を見ながら尋ねると雄二は

 

「ドクロは魔王もしくは龍也だ、恐らくは部隊の前衛に回っているだろうしな」

 

龍也は召喚獣もテストの点も高い。小隊長くらいの権限であちらに回っているのだろう。

 

「そして高橋女史は恐らく地下へ続く階段の前だ、絶対通らないといけない場所に主力を置くのは定石だからな」

 

でもそれだと…

 

「じゃあ、何で今日はそうしなかったのかな?」

 

「圧倒的な力を見せて、こちらの戦意を挫きたかったんだろうな。普通なら龍也にはやて、更には高橋女史に翔子…点で言えば4000越えの化け物ぞろいだしな」

 

まぁ、確かに龍也達の戦闘力の高さは異常と言っても良いだろう。本当に同じ歳なのだろうか?と思うときがたまにある

 

「ふむ、確かにあの点数と龍也の戦闘力は圧巻じゃッたのう」

 

龍也はFクラス所属という事もあるせいか、多少はFクラスには手加減してくれていた、D・Eに至ってはカポエラや容赦のない地獄突きで一撃で昏倒させられていた。僕はあの光景を見て正直少しばかりFクラスでよかったと思うほどだ

 

「それにしても随分苦しい勝負だよね、鉄人と大島先と高橋先生のいる場所は絶対に通らないといけないし。魔王様が7人と大魔王様が2人さらには天然が1人居るしね」

 

この強化合宿で判ったが龍也は予想以上に天然だ。いや、子煩悩なお父さんと言うほうが違和感がないかもしれない

 

「そして俺達の勝利の為にはどうしてもあるやつを極力無傷で鉄人の前に辿り着かせる必要がある」

 

「あるやつ?」

 

僕が首を傾げると雄二は

 

「お前だ、明久。お前が鉄人と戦って勝利する。これはどうしても外せない条件だ。良いか?鉄人を生身で倒すのは不可能だ、そしてやつは女子風呂の前に陣取っている。つまりやつを打倒しなければ「理想卿」には辿り着けない」

 

確かに、鉄人を生身で倒せるのは、僕たちの中にはいない。可能性がある龍也はあちら側だし

 

「猛獣と人間は武器を持って初めて対等の敵たり得る。その武器を持っているのは明久お前だ、お前しかいない」

 

普通の召喚獣は人や物に触れない、この役目は必然的に僕の役目だろう。僕が勝てるかどうか判らないが、僕になら倒せる可能性があるのだから

 

「じゃが、そうなると高橋女史の前を無傷で通過する必要があるじゃろ?」

 

「ああ、大島はムッツリーニにやってもらうとしても。高橋女史と戦うためには戦力が足りなすぎる。というか今のままでは高橋女史の前まで辿り着けない」

 

教師一人に10人くらい必要になる。3階だけでも80人くらいの戦力が必要になる。こちらの戦力が圧倒的に不足している

 

「作戦を成功させるためにはどうしてもA・B・Cクラスの協力が必要になる。B・Cクラスは高橋女史の場所に辿り着く為、Aクラスは高橋女史を打倒するためにな」

 

雄二がそういってから

 

「さて、そういった理由から他のクラスからの協力は必要だ。そこで明日は作戦時刻まで根回しに全力を注ごう」

 

雄二はそう言ってから

 

「大分時間が経ったな。1度シャワーでも浴びてからこの先の作戦を決行する」

 

デジタルカメラと浴衣を掲げ

 

「これをうまく使ってな」

 

にっと笑う雄二に頷き、僕達は覗き騒動でかいた汗を流すために1度、部屋を後にした…

 

第41問に続く

 

 




長くなりそうだったので、1度切ります。「魔王」化している「美波」に原作通りのメッセージを送る…これは正しくカオスな展開です
ですのでここで1度きり、ネタを考えたいと思います、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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