バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです、今回は少々長くなりそうですがその分面白くしたつもりです、それでは今回もどうかよろしくお願いします
PS 秀吉、女にしてしまいました…反省はしています。ですが後悔はしていません



第38問

第38問

 

朝食を終え、自習時間となり自習室へ来たが…

 

「…雄二。一緒に勉強できて嬉しい」

 

「待て翔子、当然の様に俺の膝に座るな…いや待て。さも当然という表情で俺の服の中に手を入れようとするな」

 

雄二と翔子の攻防を見ながら私は

 

「はは、相変わらずだな。雄二と翔子は」

 

「龍也も似たような状況だよ?あっちみなよ」

 

明久が指差す方向では

 

「私が行ったて良いでしょ!!はやてちゃん達はいつも一緒なんだから!!」

 

「駄目や!!兄ちゃんの所へは行かせんで!!!」

 

「くっ!ヴィータ邪魔」

 

「遠さねえって言ってんだろが!」

 

「どけオレンジ頭」

 

「黙れ病娘」

 

なのはVSはやて、フェイトVSヴィータ、セッテVSティアナの激しい舌戦が行われていた…近い内に殴り合いになるのは目に見えている…だが私としては、今のあの6人に話しかければ何らかの被害をこうむる…なので

 

「明久…あの状況は見なかったことにしてくれないかな?」

 

「うん…ごめん…忘れて」

 

気まずそうな顔で言う明久は話題を変えるためか

 

「そういえばさ?何で授業やらないの?」

 

そう尋ねてくる明久に私が答えようとする前に、雄二が

 

「明久、お前はAクラスと同じ授業を受けて理解できるのか?」

 

「僕にはFでもAでも大差ないよ…理解できないから」

 

私達の机の周りをなんとも言えない空気が漂う…

 

「あーうん、悪かった…俺の質問が悪かったな」

 

雄二が明久に謝っていると

 

「…この合宿の趣旨は、モチベーションの向上だから」

 

雄二の膝の上に座る事を諦めた翔子がそう言うと、雄二が

 

「それだけだと。明久には判らんだろう?つまりFクラスはAクラスを見て、ああなりたいと思う。AクラスはFクラスを見て、ああなるまいと思う。まぁこの合宿はメンタル面の強化だからな、授業はやらないのさ」

 

判り易く説明する雄二、私が言う事はないなと思っていると

 

「にーさま、にーさま、遊ぼ♪」

 

「リヒト、お兄ちゃんは勉強をここにしに来ているのです。我侭を言ってはいけません」

 

「ぶー!!やだやだ!!にーさまと遊ぶのっ!!」

 

バタバタとダダをこねるリヒト…このままでは他の生徒の迷惑になると思い

 

「やれやれ。少しばかり席を外すよ」

 

明久達にそう声を掛け、私は駄々を捏ねているリヒトのそばに行き

 

「おいでリヒト」

 

「遊んでくれるの♪」

 

嬉しそうな顔のリヒトを抱き抱え

 

「少しだけな、でもここじゃ駄目だ。皆の迷惑になるからな」

 

「うん♪うん♪にーさまが遊んでくれるならどこでも良いよ!」

 

嬉しそうな顔のリヒトを連れ自習室を出ようとすると

 

「おや?八神君どうしたんです?」

 

監視役の布施先生に

 

「リヒトが駄々を捏ねるもので。申し訳ないですが少しだけ外れます」

 

「仕方ないですね。リヒトさんはまだ子供ですから」

 

優しく微笑んだ布施先生はリヒトに

 

「リヒトさん達は八神君が好きですか?」

 

そう尋ねられたリヒト達は声を揃えて

 

「「「うん♪大好き!!!」」」

 

笑顔で返事をした、それを聞いた布施先生は

 

「そうですか。何時までもお兄さんと仲良くしてくださいね?」

 

そう言って私を送り出してくれた

 

「アルプス一番じゃーく♪」

 

与えられた部屋でユナ達と遊んでやっていると、

 

「龍也、少し良いか?」

 

「西村先生?…もう自習室に戻りますよ?」

 

入ってきた西村先生にそう言うと、西村先生は私に

 

「龍也、少し頼みたい事があるんだが良いか?」

 

「何です?」

 

「お前の学力はずば抜けて高い。それを見込んでの試みなんだが…」

 

西村先生の話を聞き

 

「面白そうですね。引き受けましょう」

 

「そう言ってもらえると助かる。1階の自習室で待っててくれ。それと勿論妹達も一緒で良い」

 

私はその言葉に頷き。ユナ達を連れ1階の自習室へ向かった

 

 

 

 

自習をしていると

 

「放送連絡です。ただいまより1階自習室で特別授業を行います。希望者は1階実習室まで来てください」

 

その放送を聞きアタシは

 

(うーん…特別授業か…どんな授業なんだろ…気になるな…)

 

態々放送をするまでの授業…どんなものか気になる

 

(行ってみようかな)

 

アタシはその授業に興味が沸き。アタシは荷物をまとめて1階へ向かった…

 

「あれ?横田さんも来たの?」

 

「ええ、特別授業ってのが気になってね」

 

同じクラスの面々が何人も居るのが見える…Aクラスともなるとやはり、学力向上に余念がないのだろう…他にはB・Cクラスの女子が何人か居るのが確認できる。その反面男子の姿は1人もない…アタシがそんな事を考えていると

 

ガラガラ

 

戸が開きとてとてとユナちゃんが歩いてくる

 

「どうも、八神ユナです」

 

ぺこりと頭を下げるユナちゃんに完全に混乱した…

 

(えっ?どういうこと!?ユナちゃんが教師役?)

 

アタシが完全に混乱していると

 

「ユナ、1人で行くな」

 

龍也君が入ってくる。これで納得した彼が教師役なのだと

 

「えーと、西村先生の提案で私が授業をやる事になった。同学年の男子になんてと思う者は出て行ってくれて構わない」

 

教壇で言う龍也君だが、出て行く女子は1人もいない…何故ならここにはやてさん達は居ない。こんなチャンスは滅多にない、出て行こうと考える女子は1人もいないだろう

 

「居ないようだな。それでは授業を始めよう」

 

龍也君が授業を始めようとすると、ユナちゃんが

 

「お兄ちゃんこれを忘れてます」

 

白衣と何かを手渡す

 

「おお、忘れていたな」

 

龍也君は何時もの黒コートを脱ぎ、代わりに白衣を身につけ眼鏡をかける

 

「さて、改めて授業を始めよう…」

 

龍也君がアタシ達を見るが…

 

「サッ…」

 

アタシを含め何人かの女子が目を逸らす。眼鏡が異常に似合っている…

 

「ふむ…私はどうやら嫌われてるようだな。ユナ」

 

「違うと思います」

 

目を逸らされた=嫌われてる…なんと言う発想だろうか…龍也君の考えてる事はよく判らない

 

「まぁ、嫌われてようがなんだろうが、授業をするがね」

 

嫌われてるという考えは捨てないようだ…本当に龍也君は何を考えてるか良く判らない

 

「それでは教科書8Pを開いてくれ」

 

龍也君に言われ教科書を開く

 

「さて…この式の解き方だが…」

 

ホワイトボードに書きながら、解説してくれる龍也君…その解説を聞きながら

 

(わ…判り易い)

 

数学の先生よりはるかに判り易い…頭の中にドンドン吸収されていくような感じだ…しかも

 

「確か…Eクラス代表の中林さんだったな。頭を抱えているが…何処が判らないんだ?」

 

「えっと…この式を出す方法がわからないんだけど…」

 

「ふむ。そこはこうして、こうすると式が出る。判ったかな?」

 

「あ、はい!大丈夫です!」

 

「それならば良いが…さて今の所で判らない人はいるか?理解出来てない人は教えてくれ、もう1度解説するぞ」

 

1人1人の反応を見て、判らない人には傍に来て解説してくれる…

 

(こ、これはなんていいの…)

 

判らないところを丁寧に教えて貰えて尚且つ、龍也君が傍に来てくれる…素晴らしいまでの一石二鳥だ

 

ジリリリリ

 

「うん?1時間経ったか…それでは10分の休憩を挟み。次は世界史をやる、希望者だけ残ってくれれば構わない。それでは休憩に入る」

 

龍也君はそう言うと椅子に座り、ユナちゃん達と遊び始めた。アタシ達は即座に携帯を取り出し、女子仲間たちに

 

【1階実習室で八神君の判りやすい特別授業開催中!!今から10分後「世界史」をやる予定希望者は来たれ※魔王たちに見つからぬように細心の注意を払う事!!!】

 

と一斉にメールを送信した…それから数分後

 

ドタドタ!!!

 

ガラッ!!!

 

「「「授業を希望します!!」」」

 

A・B・C・D・Eの八神君ファンクラブの会員が一斉に入室してきた

 

「おや?思ったより高評だったみたいだね。嫌われてると思ったよ。さてと10分経ったし授業を始めようか?」

 

龍也君はそう言うと世界史の授業を始めた…所々面白い歴史の話を交えながら進められる授業はとても楽しかった

 

「さて、ここはこの時代に何が起こったのか?という事をつなげて覚えると良いぞ」

 

さっきの数学に引き続き、世界史も非常に判り易かった…本当に頭の良い人と言うのは人にものを教えるのも上手なんだなと、アタシ達は感心していた…

 

ピロリン♪

 

八神龍也に対する女子の評価が上昇した…

 

A・B・C・D・Fの女子の学力が上昇した(数学・世界史)

 

「さて。とりあえず今日の特別授業はここまで。明日も8時30分より特別授業を行う、科目は英語と現国だ。勿論強制ではない…希望者のみだけ参加してくれれば構わない。それと…このアンケートに参加して欲しい」

 

龍也君がプリントを回してくる

 

「これは私の授業に対するアンケートだ、無記名でどう思ったか書いて、教壇の箱の中に入れてくれ。それでは失礼する」

 

龍也君は投票箱を置いて自習室を出て行った…アタシ達もアンケートに記入してから自習室を後にした…

 

 

 

「…むうう…」

 

自習の合間の休憩時間…ワシは頭を抱えていた…

 

「おかしい…ワシはどうしてしまったんじゃ…」

 

電車で移動中、魔王により死線を彷徨ったワシは、何とか現世に踏み止まったが…

 

「明久が気になってしょうがない…」

 

今まで以上に明久が気になって、気になってしょうがない…

 

「まさか…恋ッ!?」

 

ありえない…どうしよう…どうしよう…ワシが頭を抱えておると

 

「なにやってんのよ。秀吉」

 

「む…姉上か」

 

勉強道具を持った姉上に話しかけられる。ワシが頭を上げると姉上は

 

「何?どうしたのよ?そんなに悩んで?話くらい聞くわよ?」

 

そう言うと姉上はワシの隣に座り

 

「昨日聞いたんだけどさ、吉井君を取り合って。姫路さんと島田さんと喧嘩したんだって?」

 

「…コクリ」

 

「何?惚れちゃったの?」

 

「…コクリ」

 

先ほどと同じく頷くと姉上はあははと笑いながら

 

「まぁ良いんじゃない?あんた男として育てられたけど…実際女…むぐぅ!?」

 

「こ、こんな所で何を言っておるのじゃ!!誰かに聞かされたどうするつもりじゃ!!!」

 

慌てて姉上の口を塞ぎ、辺りを見る…誰もいないように安心していると

 

「ぷはっ!?アンタはアタシを殺す気か!!」

 

ガシィッ!!!

 

「痛たたた!!!関節が極まっておるぞ!姉上!!!」

 

慌ててタップすると姉上は

 

「慌てすぎよ秀吉、ちゃんと誰もいないのは確認してから話してるんだから」

 

むっ…正論じゃな…ワシが痛む腕をさすっていると

 

「大体さぁ、アタシ達双子なんだし何時までも誤魔化せないでしょ?胸痛いんじゃないの?」

 

「さらしにもなれた物じゃ。痛みはない」

 

ワシがそう言うと姉上は

 

「まぁお父さんもお母さんも無理に男の振りしなくてもいい。って言ってるんだし…普通にしたら?」

 

「…しかしじゃな…」

 

ワシは幼い頃から男として育てられたが…実際は女…恋もする普通の女子高生だ。じゃが今更女である事を打ち明けるつもりはないし…

 

「大体無茶よね…跡取りが居ないから。女を男として育てるなんてねぇ?」

 

「ワシもそう思うぞい」

 

どうせ無理なら最初から女としていたかった…そうすれば普通に恋もできる…好きな人と共に居ることが出来る…じゃがそれも今となっては難しい話…

 

「でも吉井君。好きなんでしょ?」

 

「うむ」

 

ワシが即答すると姉上は

 

「そこまで即答できるなら、覚悟決めたら?そっちの方がすっきりするんじゃないの?」

 

「…決断はまだ出来ん…気持ちの整理をしたい」

 

男として育った16年は決して短いものではない…しかしまた明久に恋する気持ちも捨てられん…

 

「まぁ、どっちでも良いんじゃない?一度きりの人生…後悔しない方が良いわ」

 

「…ふっ。魔王に喧嘩を売る覚悟をした、姉上が言うと説得力があるのう?」

 

八神はやてに喧嘩を売ると言った、姉上が言うと説得力があるというと

 

「当然、アタシはいつだって後悔しない選択をするわ。アンタもそうしたら…秀子?」

 

「考えておくのじゃ…ワシ…いや私はまだ覚悟が出来ないから…」

 

爺言葉をやめ、私本来の口調で言うと

 

「まぁ良いけど…後悔だけはしないようにね?それじゃ」

 

そう言うと姉上は手をヒラヒラ振りながら歩いて行った…ワシは休憩時間が終るまで色々と考え込んでいた…

 

 

 

天国のような夕食タイムと勉強時間を終えた僕達は

 

「良いか!俺達の目的は1つ!!理想郷への到達だ!!途中に何があろうとも己が神気を四肢に込め。目的地まで突き進め!!神魔必滅!見敵必殺!!ここが我らの行く末の分水嶺と思え!!!」

 

昨日失敗した覗きを今度こそ成功させるために、Fクラス全員を味方にし、再度出撃した…しかしそこには鉄人・教師を上回る強敵が居る事を、今の僕達は知らなかった…布施先生を秀吉の指揮する一団に任せ。廊下を曲がるとそこには…

 

「そこまでです!!薄汚い豚ども!!この先は男子禁制の場所!大人しく引き返しなさい!!」

 

「し、清水さん!?あと、そのほか女子多数!?」

 

広い廊下に展開していたのは、清水さん率いる女子の召喚獣部隊だった

 

「吉井…数も質もこちらが不利だ…」

 

須川君の言うとおりだ…せめて龍也がこちらにいれば話は変わるが、今の僕たちでは不利すぎる

 

「くっ!!清水さんお願いだ!!そこをどいて欲しい!!!」

 

「駄目です!!そうやってお姉さまのぺッタンコを堪能しようなんて、神が許しても私が許しません!!!」

 

「くっ!君はおかしい!!女の子同士なんて間違ってるとは思わないのか!!そもそも美波は嫌がってるだろう!!自分の価値観を押し付けるな!!!」

 

美波はノーマルの筈…だからそう言うと

 

「そんな価値観、私がぶち壊してやるんです!!男なんてくだらないとお姉さまに教えるのが、私の使命なんです!!!」

 

くっ!!筋金入りの変態か!どうしたら論破出来るんだ。

 

「そうです…男なんてくだらないんです…お父さんもそのほかの男も全部…」

 

ぶつぶつ言ってる清水さん…一体何がそこまで彼女を男嫌いにさせてしまったのか。気になるところだが…

 

「とにかくそこをどくんだ!!今の僕には大事な事が沢山あるんだ!!」

 

まず、僕を脅してる犯人を見つける。そしてお風呂を覗く…大事な事が沢山あるんだ!と言うと

 

「そう…アキは…よほど死にたいのね…?」

 

「…どうしてここにいらっしゃるのですか?美波様?」

 

背筋も凍るような呟き…僕がブルブル震えながら声のした方を見ると…そこには案の定魔王モードの美波が居た…

 

「ウチと瑞希はFクラスだから後半組みなの…もっとも…前半組みからも参加してる人もいるけどね…」

 

絶対零度の眼差しの間々言う、美波の視線の先を見ると

 

「やっほー♪吉井君。何を見に来たのかな?僕を覗きに来てくれたのなら嬉しいんだけど♪」

 

ひらひらと手を振る工藤さんが見える。くっ計画が…狂った、僕が動揺していると

 

「…浮気は許さない」

 

「翔子待て!!その鈍器を下ろすん…ッギャアアアアアッ!?!?」

 

ドゴ!!メシャッ!!メキョッ!!!

 

「…折って♪殴って♪監禁する♪」

 

鈍い音と共に聞こえてくる、昨日と同じ歌…雄二はもう駄目だ…この戦では役に立たない…

 

「あっ!もしかしてこれを取り返そうとしてるのかな?」

 

工藤さんがそう言うと録音機のボタンを押す

 

【『美波』と『姫路さん』は『僕のだッ!!!』】

 

「ノオオオオッ!!!変なの合成して流さないで!!!!」

 

Fクラスの皆と清水さんの目が異常なほど怖くなるから…

 

「そう?これくらい男らしければ落せるんじゃない?2人とも」

 

「あはは…ないない!僕馬鹿だし…」

 

僕みたいな馬鹿を美波と姫路さんが好きな分けないと思いながら言うと

 

「はぁ…吉井君ってそこまで馬鹿なんだ?」

 

「えっ?何でそこで溜め息吐かれた上に、罵倒されてるの?」

 

僕が首を傾げると工藤さんは、僕に一歩近付いて

 

「まぁ、1つ良い事教えてあげるよ…脱衣所にはまだ見つかってないカメラが一台残ってるよ?」

 

小声で言う工藤さんに

 

「…工藤さん!君は!?」

 

「僕が仕掛けたんじゃないよ?ただ偶然見つけちゃってね?さっ…おしゃべりはここまで。そろそろ始めようか?」

 

工藤さんがそう言うと廊下の奥を見て

 

「龍也君!出番だよ!!!」

 

「何ッ!龍也はやはり女子側なのか!?」

 

僕達が驚いている中、女子の一団が道を開ける…その先には…

 

「眠い…」

 

「ふみゅう…」

 

「ふむ…参ったな…明久達を部屋に押し戻さないといけないのに…」

 

着ぐるみパジャマを着た、リヒトちゃん達を抱っこしてる龍也が居た…

 

「えーと…リアクションに困るんだけど…?」

 

「…これは僕も予想外だよ…」

 

待ち構えてるならまだしも、眠くてぐずってる3人を抱っこしてる龍也を見ても反応に困る

 

「あっ、愛子悪い、少し待ってくれるか?」

 

「う、うん…別に良いけど…」

 

何だろう…酷く脱力してしまう…僕達が困惑してるなか

 

「ヴィータ、はやて。リヒトたち頼む」

 

「あーうん、判った」

 

「ほいほい、おいでユナ」

 

龍也からリヒトちゃん達を受け取る、はやてさん達…そして龍也はそのまま歩いて来て

 

「ここから先は通さん」

 

構えを取る龍也…僕は即座に

 

「無理だ!!あの流れから急にシリアスに持っていくのは不可能だ!!!」

 

「…しかたないだろう?リヒト達はもう寝てる時間なんだ。ぐずるのは当然だろう?」

 

「そう言う事を言ってるんじゃない!!!」

 

龍也は頭良い筈なのに!何で変な所で抜けてるんだ!?理解できない。

 

「まぁそれはそれ、これはこれだ…覗きなんて真似を容認などできん…引き返せ。今ならまだ見逃せる」

 

最後通告だと言いたげに言う龍也に

 

「気にするな!神とはいえ人間だ!俺達を止める事なんて出来ない!!!」

 

須川君が突っ込んでいく…違うんだ、敵は龍也だけじゃないんだ!僕が止めようとするよりも早く

 

「教育的指導!!」

 

「甘く見られたものだよ」

 

「ぐはっ!?」

 

龍也と鉄人の拳が須川君を殴り飛ばす…須川君はサッカーボールの様に吹っ飛び、壁に叩き付けられ沈黙していた…

 

「て、鉄人だと!?」

 

「やつを生身で突破しろというのか!?」

 

「神と鉄人なんて不可能だ!」

 

動揺するFクラスの面々に

 

「さて、覚悟は出来てるんだな?」

 

「少々痛い思いは我慢してくれ」

 

ゴキゴキと拳を鳴らす、龍也・鉄人コンビ…これは不味い…鉄人だけでも大変なのに。そこに龍也まで加わったら僕達の勝ち目は無い…僕が絶望していると

 

「龍也は俺が止める…」

 

「ムッツリーニ!?」

 

ムッツリーニが前に出る。馬鹿なムッツリーニにが龍也を倒せる訳が…

 

「無茶だ!ムッツリーニ!!龍也を倒せる訳が無い!!」

 

僕が止めるとムッツリーニは自信ありげに笑い

 

「俺は龍也の弱点を知っている」

 

そう言うとムッツリーニは龍也の方に歩いて行った

 

「康太…どうだ?投降するなら酷い目に合わせないが?」

 

投降する様に勧める龍也にムッツリーニは

 

「俺はお前の弱点を知っている」

 

そう言うと龍也の方に駆け出した

 

「弱点?そんな物は…「龍也これを見ろ!」…!?!?ブシューッ!!!パタン…」

 

ムッツリーニが龍也に何かを見せると、龍也は顔を真っ赤にし。湯気でも出してそうな表情でそのままぱったりと倒れこんだ…

 

「ムッツリーニ?何を見せたんだ?」

 

僕がそう尋ねるとムッツリーニは

 

「聖典【エロ本】」

 

えっ!?男子高校生の必需品の聖典!?それで龍也を戦闘不能にしたの!?僕が驚いているとなのはさんが

 

「しまった!!龍也さんは超純情だから、そう言うのには耐性がない!」

 

「龍也…初心だもんね…全部はやてのせいだけど」

 

「私が悪い言うんか?全て計画通りに進んだ結果や…「逆光源氏作戦」の成功例があれや」

 

どんな計画!?って言うか何を考えたらそうなったの!?僕が動揺していると

 

「いや…耐性低すぎでしょ?」

 

「ありとあらゆる物に完璧に対応…私の理想の兄ちゃんやん…初心なのも可愛いやん?」

 

「色々と間違ってると思うんだけど?」

 

「そうかな?小1から実行した結果があれなんやけど…」

 

小1!?そんな時からはやてさんは病んでたの!?って言うか小1でその思考は危険すぎるよ!!突っ込み所が多すぎて対処できない

 

「だがこれで勝機は見えた!!突っ込め!!」

 

龍也が倒れたところで再度進軍するが…

 

「ここは通さないと言っている!!!」

 

「ふぐう!!」

 

僅かに生き残っていた男子が鉄人に殴り飛ばされる

 

「龍也がここまで純情なのは予想外だったが…俺1人でも充分だ」

 

鉄人が歩を進めてくる、その途中で昏倒してる龍也を抱え上げ

 

「高町、ランスター。龍也を回収しろ」

 

「「はーい」」

 

倒れている龍也をはなのはさんとティアナさんが回収する。これで龍也を人質にするのは不可能になった…このままでは全滅だ…僕が全滅を覚悟していると

 

「吉井!悔しくてもここは退くんだ!!今は駄目でも明日にはチャンスがあるはずだ!!」

 

横溝君が鉄人の足にしがみ付き、動きを封じる

 

「吉井!!鉄人を倒せるのは、神を除けば「観察処分者」のお前だけだ!だから逃げるんだ!!!」

 

逃げるように促す横溝君に

 

「横溝。指導の邪魔をするな!!!」

 

鉄人の拳が横溝君に叩き込まれる。それでも横溝君は鉄人の足を放すことは無かった

 

「こ、この手は離さねえ!!…吉井は俺達の希望なんだ!!掛替えの無いエースなんだ!!皆…吉井の撤退を援護するんだ!!!」

 

「「「おうっ!!!」」」

 

僅かに生き残った男子が僕の撤退を援護してくれた。僕は覚悟を決め

 

「サモン!!」

 

召喚獣を呼び出し女子の群れの中に突っ込んでいった…誰も居なくなった部屋で、膝を抱えて座っていると

 

「放送連絡です、Fクラス吉井明久 至急臨時指導室に来るように…島田と姫路がイイエガオで待っている」

 

…その放送を聞いた僕は

 

「明日…僕は生きていられるかな?」

 

魔王化した2人の目を思い出し、身震いしていると

 

「アキ…遅いからウチから来たわよ?」

 

「明久君?たっぷりお話しましょうね?」

 

ガシッ!!と両肩を掴まれる。僕はブルブル震えながら

 

「…命だけはとらないで下さい…」

 

僕がそう言うと美波と姫路さんは

 

「大丈夫よ。殺しはしないわ…でもたっぷり調教して上げる…ウチと瑞希だけの事を考えるようにね?」

 

「調教!?何をするつもりなの!?」

 

慌てて美波から距離を取ろうとするが

 

「うふふ♪逃がしませんよ…明久君?」

 

姫路さんに逃走経路を塞がれる…そして魔王様特有のオーラを発しながら。黒い目の2人が近付いてくる、本能的な恐怖を覚えた僕は

 

「いや!やめて!!近付かないで…これは覗きじゃな…いや!!話を…アーッ!!!!」

 

この後のことは…もう2度と思い出しくないです…ただ…言えることは…魔王様は優しく・そして恐ろしいという事だけです

 

第39問に続く

 

 

 




龍也の弱点発覚。エロに弱い24歳成人男性です、しかし次はそれなりの対処法は用意されています。それがどんなものか楽しみにしてください!それでは失礼致します

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