バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです!もう30話近いですね。2巻までここまで掛かっていたら、7巻に入る頃には恐らく100話を超えてますね。もう少し上手く纏めないと、いけないと思う混沌の魔法使いです。それでは今回もどうかよろしくお願いします



第29問

 

第29問

 

「ふー、すっきりした」

 

嫌な汗をかいた為、手洗い場で顔を洗ってから。教室に戻ろうとしていると

 

「お兄ちゃんを探してるんです、馬鹿なお兄ちゃんを知りませんか?」

 

「にーさまに会いたいの、おにーちゃん。にーさまを知らない?」

 

「あ、ああああ。あの!!に、ににに、兄さんを知りませんか?」

 

ツインテールの女の子と紫色の髪の女の子に黒いフードを目深に被った少女が、そう尋ねてきた

 

「あー誰を探してるんだ?名前は判るのか?」

 

邪険にも扱えず2人に尋ねると

 

「馬鹿なお兄ちゃんとしか判らないです」

 

「龍也にーさまだよ」

 

「に、兄さんは、た、龍也ってな、名前ですぅ」

 

ツインテールの方は名前が判らなかったが、馬鹿と言えばFクラス。俺達のクラスの誰かだろう、そして紫の髪の子とフードの子の探し相手は龍也か。結局Fクラスだ。折角だし連れてってやるか

 

「あー龍也か知ってるぞ。それにチビッ子の探してるのも心当たりがある。おいで」

 

「ありがとう。お兄さん」

 

「見た目と違って良い人だね、おにーちゃんは?」

 

「あ、あ…あの…」

 

黒いフードの子が喋ろうとしているが、上手く言葉に出来ずおろおろしていた。かなり人見知りが激しいようだ

 

「無理して喋らなくていーよ。アザレア」

 

「あ、ありがとう、リヒト…」

 

仲良さげな2人に笑みを零しつつ

 

「行くか、こっちだ」

 

「「「はーい」」」

 

女の子3人を連れ、2-F向かって歩き出した…

 

 

 

「ただいま~、ってあれ?休憩中?」

 

皆椅子に座ってお茶を飲んでいたので、そう尋ねると秀吉が

 

「なに、余りに盛況すぎて。疲れ果ててしまってのう、少しばかり休憩せんともたんのじゃ」

 

確かに僕は度々、召喚大会に出てるから知らないが、ずっと教室に居る秀吉が言うなら間違いないだろう

 

「うーす、俺も戻ったぞ。さてチビッコ3人衆、探してるのは居るか?」

 

雄二の影から、3人の将来が楽しみな女の子が姿を見せる。休憩中だったので、あっと言う間にクラスの野郎どもに囲まれ。見えなくなってしまった。話し声が聞こえてくる

 

「お、坂本。妹か?」

 

「可愛いね~、大きくなったらお兄さんと付き合わない?」

 

「寝言は寝ていってね?馬鹿そうなおにーちゃん?」

 

「ぐはっ!?」

 

どうやら3人の子の内、ひとりは毒舌な用だ。かなりきつい事を言ってる

 

「あ、あの、葉月はお兄ちゃんを探してるんです!」

 

「私はね、にーさまを探してるんだよ?」

 

「わ、私もです!に、兄さんを知りませんか?」

 

3人組の子は皆人を探していて、雄二に声を掛けたようだ。面倒くさいとか言いつつ、雄二は面倒見が良いのでほっておけなかったのだろう

 

「お兄ちゃん?名前は?」

 

そう尋ねられた3人組みは

 

「あう、判らないです」

 

「にーさまは八神龍也って言うんだよ?」

 

「龍也、兄さんです」

 

どうやら3人組の内1人は龍也の関係者ではないようだ。

 

「龍也は…居ないな。ちょっと待っててくれ、多分すぐ戻ってくるから。それで?君が探してる人の特徴は?」

 

名前が判らないのに探してあげようとするとは、案外子供好きなのかもしれない。僕も特徴を聞いて探してあげようと思い。耳を傾けると

 

「えっと、馬鹿なお兄ちゃんでした」

 

なんとも凄い特徴だ。しかしその特徴では

 

「そうか」

 

雄二が今クラスに居る面子を見ながら

 

「…沢山居て特定できない」

 

そう特定できないのだ、このクラスは馬鹿ばかりだから

 

「あの、ものすっごく馬鹿なお兄ちゃんなんですけど」

 

「「「吉井だな」」」

 

泣いてない!泣いてないよ!!目から塩水が出てるだけだよ

 

「なに泣いてるんだ?明久」

 

「ゴメンナサイ。ゴメンナサイ、覇王様…御許しください、御許しください、御許しください、俺はまだ死にたくありません…」

 

ボロボロのムッツリーニを引き摺って戻ってきた、龍也に

 

「にーさまっ!!」

 

「に、兄さんっ!!」

 

男子の間を抜いて紫色の髪とフードの子が駆け寄る。それに気付いた龍也はムッツリーニをゴミの様に投げ捨て

 

「アザレアにリヒトじゃないか!どうやってきたんだ?」

 

それを抱き上げながら尋ねていた。それを見て微笑んでいると

 

「あっ!馬鹿なお兄ちゃんです!」

 

もう1人の子が駆けて来て、抱きついてくる。近くに来たその子の顔をよく見る、ツインテールに吊り目何処かであったような…記憶を掘り返し始める。圧倒的にゴミデータが多くて、サルベージに時間が掛かった物の

 

「ああ!葉月ちゃん!葉月ちゃんだったよね!元気だった?」

 

去年ファンシーショップであった、女の子である事を思い出した。お姉ちゃんにぬいぐるみを買ってあげたいと言っていた、あの子に間違いない

 

「アキ?何してるの」

 

「吉井君、どうしてしゃがみ込んでるんですか?」

 

2回戦を終えた美波と姫路さんに話しかけられ

 

「うん、ちょっと懐かしい子に会ってね」

 

葉月ちゃんを2人に見せながら言うと、美波が

 

「あれ?アキ葉月と知り合いだったの?」

 

「ふえ?美波。葉月ちゃんの知り合いなの?」

 

お互いに尋ねあうと、葉月ちゃんが

 

「あのね!お姉ちゃんが欲しいって言ってた。ぬいぐるみを葉月に買ってくれたのが、このお兄ちゃんなんだよ!」

 

「えっ?あのぬいぐるみって…ノイちゃんの?。あれアキが買ってくれたの?」

 

頬を赤く染めながら尋ねてくる美波に

 

「えっと、葉月ちゃんのお姉ちゃんにって、買って上げたぬいぐるみはあるけど…葉月ちゃんのお姉ちゃんって。もしかして美波?」

 

コクリ、首筋まで赤い美波が頷く、なに!?この甘酸っぱい雰囲気!耐えれないよ!?

 

「にーさま、にーさま。お腹空いた」

 

「わ、私も…お腹空いた」

 

「そうか、そうか、何か作ってあげよう」

 

お兄ちゃんと化してる龍也は助けにならない!この際FFF団でもいい、助けて…須川君達のほうを見ると

 

「駄目ですよ?吉井君をいじめたら?」

 

「「「イエス!マムッ!!!」」」

 

姫路さんに敬礼してた、駄目だ!あいつらも助けにならない!?誰でもいい!この雰囲気を打ち消してくれ!

 

「お代わりッ!」

 

「ははは、リヒトはよく食べるな~これで7回目のお代わりじゃないか」

 

「お腹すいたの、もっと食べたい♪」

 

「良いよ、また持ってくるから、待ってなさい」

 

「はーい!にーさま大好きっ!」

 

7回目のお代わり!?あんな小柄の体の何処に収まってるんだ?気になるが見れない!どうする!どうすれば、この雰囲気を脱せる?

 

「所で龍也を追い詰めた3人組は何処だ?」

 

「それなら、なんか取りに行く物があるって。入れ違いで出て行ったわよ?」

 

ナイスだ!雄二!今のやり取りであの雰囲気は消えた!これで助かった…あのままの雰囲気だと、100%ありえないが告白されると勘違いしてしまいそうになるから。本当に助かった

 

「お兄ちゃん、葉月と遊びに行こ♪」

 

葉月ちゃんに手を握られる、うーん、折角きてくれたんだから遊んであげたいけど。喫茶店のランチの準備をしないと…盛況すぎて出す物がなくなった為それらの準備も手伝わないと、どうしよう?

 

「兄ちゃーん!そろそろお昼やでちょっと休もっ!」

 

何かの機材を運んできたはやてさんが、龍也に話しかける。確かにそろそろ昼食の時間だ…だが僕達だけ休憩で抜けて良い物か

 

「ふむ、それなら召喚大会組みと、龍也達は1度休憩すればよかろう。喫茶店の準備はワシらだけで大丈夫じゃろうし」

 

秀吉が嬉しい事を言ってくれる。流石は友達だ、僕の葛藤を感じ取ってくれたんだね?

 

「葉月ちゃん、あんまり一杯遊んであげれないけど。お昼一緒に食べに行くかい?」

 

しゃがみ込んで尋ねると葉月ちゃんは、華が咲くような笑みを浮かべ

 

「うんっ!」

 

元気よく返事を返す葉月ちゃん、天真爛漫って言うのかな?見てるだけで安らかな気分になるよ。僕はそんな事を考えながら

 

「それじゃあ、雄二、姫路さん、美波に龍也。秀吉達の好意に甘えて休憩に行こうよ」

 

「ああ、そうさせて貰おう」

 

「木下君、ありがとうございます」

 

「悪いな、秀吉。リヒト、アザレアおいで」

 

「「はーい」」

 

「私も行くで~」

 

皆でそう声を掛けてからFクラスを後にした。Fクラスを出るとき

 

「あら、休憩?」

 

「はい、少しばかり出て来ます」

 

「そう、ゆっくり休んできてね?…忙しくなるだろうから」

 

龍也を追い詰めた、お母さん連合と

 

「ふう、結構重いですね」

 

「ええ、何が入ってるのかしら?」

 

中々、重量のありそうな物を運び込んでいる。ティアナさんとセッテさんに会う。龍也は2人に

 

「ティアナ、セッテ。私達は今から休憩に入る。2-Aに居るから後で来いよ」

 

「「はい」」

 

と声を掛けていた、僕達は邪魔にならないように先に2人を通してから。2-Aへと向かったのだが…

 

「アキ、2-Aはミニスカメイドらしいけど…見惚れたりしたら。捻るわよ?」

 

「もしも、どうしても見たいって言うなら、私達に言うんですよ?」

 

後から聞こえる絶対零度の呟きに背筋を冷やす事となった…

 

 

 

「暇だね。なのは」

 

「そうだね、フェイトちゃん」

 

椅子に座りながら呟く、2-Fの執事喫茶が好評すぎて、私達のクラスの出し物のメイド喫茶はあんまり客がいなかった。2人で溜め息を吐いてると

 

「嫌だッ!!俺はここには入りたくないッ!!!」

 

「駄々を捏ねるなよ。雄二、他に空いてる飲食店がないんだ、我慢しろ」

 

聞きなれた声がする、間違いなく龍也さんと坂本君だ

 

「待てば良いだろう!俺はとにかくここは嫌なんだ!!」

 

「まぁまぁ、敵情視察ってことで見てみようよ。雄二」

 

「ちくしょうッ!!他人事だと思いやがってッ!!こうなったら姫路と島田にある事ない事吹き込んでやるッ!!」

 

「止めろぉっ!!魔王様が降臨してしまうだろうがッ!!!」

 

「魔王様って誰?」

 

騒がしいやり取りだ、何処となく六課を思い出す、常に六課はあんな感じだ。特に龍也さんを取り合うために、そんな事を考えていると、島田さん達が入ってくるのが見える。

 

「おかえりなさいませ。お嬢様」

 

霧島さんが出迎える中、龍也さんとはやてちゃんも入ってくるのだが…

 

「お腹すいたよ~にーさま!ごはん~」

 

「あんまり、暴れたら駄目だよ、リヒト」

 

「よしよし、良い子だから。もうちょっと待っててね?」

 

「リヒトは本当食いしん坊やね」

 

何故か背中にリヒトとアザレアがしがみ付いていた。誰が連れて来たんだろう?最後に坂本君が入ってくる。それを見た霧島さんは

 

「おかえりなさいませ、ダーリン。私だけのご主人様」

 

そう言ってパチンと指を鳴らすと

 

「アア、ソウダナ、ショウコ。オマエハオレダケノメイドダ…って!また俺の遺志に反して言葉が!?翔子!お前は本当に俺に何をしたんだッ!?」

 

「ひ・み・つ♪マイダーリン♪」

 

どうやらはやてちゃん仕込みの催眠術は、坂本君にしっかり掛かってるようだった

 

「ふりふりメイドですか、恥かしくないんですか?なのはさん」

 

この声って!?驚きながら振り返ると

 

「ティアナッ!?どうしてここに!?」

 

居ないはずのティアナの姿に驚きながら尋ねると

 

「勿論、龍也さんを追いかけてに決まってるじゃないですか。そんな事も判らないんですか?」

 

「…言うね?少し頭冷やす?」

 

「すぐ暴力ですか?酷いですね」

 

最近毒を吐くようになった、部下と睨みあいをしてると

 

「なのは、注文良いか?」

 

「あっ、はーい。今行きます」

 

龍也さんに呼ばれる、オーダー表を持って注文をきく

 

「私はサンドイッチ、アザレアはオムライス…」

 

しっかりメモするんだ、リヒトの胃袋は底無しだから、しっかりペンを握り注文に備えたが…

 

「でリヒトは…メニューの一番上から一番したまで頼む」

 

「わーい!ご飯ッ!ご飯ッ!!」

 

…メモする必要は無くなったが、準備に時間が掛かるのは間違いなかった

 

「それじゃあ、私はナポリタンを」

 

「龍也様と同じ物を」

 

ティアナとセッテのメニューをメモし、厨房班に渡し再びホールに戻ってくると。島田さん達の注文が聞こえてくる

 

「ウチはふわふわシフォンケーキで」

 

「あ、私もそれが良いです」

 

「葉月も!」

 

「僕は水で、付け合せに塩があると嬉しい」

 

吉井君はそこまで貧困なのだろうか?水しか注文しないって…私が呆れてると

 

「アキ、良いわよ。ウチが奢ってあげるわ、好きなの頼みなさいよ」

 

「い、良いの!?美波様!?そ、それじゃあハムサンド頼んでも良いッ!?」

 

「ええ、良いわよアキ」

 

…どうやら餌付けから始めるらしい。恐らく島田さんは、餌付けを繰り返し、吉井君を捕まえる気なのだろう。

 

「島田は優しいな。んじゃ、俺は…」

 

「ご注文を繰り返します」

 

「俺注文してないぞ!翔子ッ!」

 

怒鳴る坂本君を無視し霧島さんは

 

「ふわふわシフォンケーキを3つ、ハムサンドを1つ、メイドとの婚姻届が1ダース。以上で宜しいですか?」

 

「全然よろしく、パチンッ!…ヨロコンデサインシマス。…おおおお!?俺は何を言ってるんだああッ!?」

 

頭を抱えて絶叫している坂本君が可哀想だった。

 

「はやての催眠術って強力だよね。本人の意思完全無視だもん」

 

「うん、私もそう思うよ。でもあんなに強力なのに龍也さんに効かないって何でだろう?」

 

何度かはやてちゃんが、龍也さんに催眠術を掛けたのは知ってるが。全く効果がなかったと聞いている

 

「あんなに坂本には効いてるのに不思議だね」

 

「そうだね、何でだろうね?」

 

私とフェイトちゃんはしきりに首を傾げながら、出来たメニューを龍也さんの待つ机へと運んで行った…

 

 

 

「お腹一杯!大満足♪」

 

「リヒトは本当に一杯食べるね」

 

昼食を終え、大満足と言うリヒトに笑いかけるアザレア。闇という基本属性同士だから意気投合するものがあるんだろう

 

「な、なんとか、サインはしなかったが。俺はどうしてしまったんだ?」

 

頭を抱える雄二に、はやて仕込みの催眠術のせいとは言えなかった。私は催眠や洗脳、薬物には耐性があるので効果が無いが、普通の人間である雄二には耐えれない代物だろう。今度解除してやろう、もう手遅れかもしれないが…

 

「はー、お腹一杯幸せ。美波ありがとう、奢ってくれて」

 

「良いのよ、アキ。気にしないで」

 

餌付けされてると気付いてない、明久…知らぬが仏だ。言わないでおこう

 

「んじゃ、龍也。俺達これから3回戦だから、後よろしくな」

 

「ああ、頑張って来いよ」

 

会場のほうへ向かって行く、雄二と明久を見送り2-Fに戻ったのだが…そこには私の想像を絶する恥辱が待っている事を私はまだ知らなかった…

 

第30問に続く

 

 




常夏コンビが改心してるので、ここでの女装イベントは無しです。しかし勘違いしないで下さい、「ここでは」です。つまり明久の女装イベントはちゃんとあります、それを思わす文は書いてあったので気付いていると思いますけどね。それでは次回の更新どうかよろしくお願いします

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