バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです、今回は前回に続き清涼祭の話です。「リリカル」のキャラが多数出る予定です。それでは今回もどうかよろしくお願いします


第26問

 

 

第26問

 

「助かったよ、はやて」

 

「んーん、良いんやで」

 

女子に囲まれ、身動きが取れずに困っていると。はやて達が来て助けてくれた、だから助かったと言っていると

 

「私達は龍也さんに群がる、害毒を払っただけですから」

 

「ええ、その通りです。邪魔者は排除するに限ります」

 

…ティアナとセッテの目が単色なのは、気にしないようにしよう。そんな事を考えながら2-Fに戻ると

 

「俺は!俺はアアアッ!!!」

 

頭を抱え錯乱してる雄二と

 

「落ち着くんだ!雄二!」

 

「…大丈夫!悪夢は終った」

 

それを必死で止めようとしてる、明久と康太が居た。しかし暴れ続ける雄二に

 

「くそっ!1度眠ってくれッ!ザキッ!!!」

 

ドスッ!

 

「ぐあッ…」

 

角度、スピードが絶妙な、明久の地獄突きが決まり。雄二はゆっくりと昏倒した

 

「何してるんだ?お前達は」

 

「ちょっと雄二が悪夢に魘されてたんだ。大丈夫、もう正気に戻ると思うよ」

 

明久が笑いながら言うと、倒れていた雄二が身を起こしながら

 

「お、俺は?…さっきのは?」

 

頭を押さえそう呟く、雄二に明久は

 

「雄二、さっきのはただの夢さ。気にしちゃいけない」

 

と優しく声を掛けていた。一体私が居ない間に何があったんだ?

 

「あ、ああ…そうだよな、鎖に繋がれるなんて夢だよな」

 

…どんな夢を見てたんだ?雄二は、私が首を傾げてると雄二が私に気付き

 

「ああ、龍也も戻ってきたのか、それなら大丈夫そうだな。それじゃあ、俺は明久と一緒に召喚大会の初戦を済ませてくる」

 

そう言って私の肩を叩く雄二に

 

「お前達も召喚大会に出るのか?」

 

そう尋ねると雄二の代わりに、明久が答えた

 

「うん、ちょっと色々あってね」

 

目を逸らしながら言う明久に、美波が

 

「もしかして、賞品が目的とか?」

 

確か賞品は遊園地のチケットと腕輪だったかな?明久がチケットを欲しがるとは思わないし、目的は腕輪かな?

 

「誰と行くつもりなんですか?」

 

あれ?周囲の気温が下がったような…瑞希の方を見て私は絶句した

 

(はやて達と同じ瘴気だとッ!?一体何が瑞希を変えたんだ!?)

 

見慣れた黒いオーラを撒き散らす瑞希に

 

「アキ、正直に言いなさい、誰と行くつもりなの?」

 

(美波までッ!?勉強会の間にはやて達にここまで毒されていたのかッ!?)

 

なんという事だ、私の責任だ…やはり泊めるべきではなかったのかもしれない。主に明久の為に

 

「明久は俺と行くつもりなんだ」

 

答えに詰まっている、明久に代わって雄二が答える。それと同時にはやて達が私を明久から遠ざけ

 

「変態か!?アンタに兄ちゃんはわたさへんで!」

 

「まさか、男色の気があるとは…そちらの世界に、龍也様は引きずり込ませないですよ」

 

「殺った方が良いわ。龍也さんに悪影響を及ぼす危険があるから」

 

明久に対して攻撃態勢に入る。そして美波と瑞希も

 

「よりによって、坂本を選ぶなんて…お話が必要ね」

 

「違いますよ、美波ちゃん。きっと坂本君が悪いんです。ですから坂本君を殺りましょう?」

 

雄二に対して攻撃態勢に入る

 

「ち、違うぞ!?俺は誘われてるんだ!明久に!」

 

「な、何を言ってるんだ!?雄二、僕はお前なんかより秀吉の方が良いに…」

 

「明久!?お前は何をっ!?はっ!?待て!待つんじゃ!島田、姫路、ワ、ワシは違う!ワシにそんな趣味は無いんじゃあアアアッ!!」

 

「話は向こうで聞くから」

 

「ええ、ゆっくりと話しあいましょう?」

 

「嫌じゃあアアアッ!!」

 

美波と瑞希にずりずりと引き摺られていく、秀吉を見ながら

 

「どういうことなんだ?」

 

何でそこまで揉めてるのか、判らずはやてに尋ねると

 

「この世界には、兄ちゃんが知らなくても良い事が、山ほどあるんや。ただ明久と2人きりにならんように気をつけてな?」

 

「ちがう!違うから!僕はノーマルなんだ!そう言う趣味は無いんだ!僕は普通に女の子が好きなんだッ!!」

 

明久が涙目で叫ぶが…

 

「はいはい、そう言う事にしておいてあげますから。龍也様に近づかないで下さい」

 

「だから違うって言ってるでしょ!!そんな汚物を見るような目で僕を見ないでッ!!」

 

「おっ、明久。そろそろ時間だ。行くぞ」

 

笑いながら言う雄二に明久が

 

「雄二!貴様!自分は関係ないって思ってるな!お前だって、美波と姫路さんにお話される運命が待ってるんだぞッ!!!」

 

「ま、まさか。そんな筈は!」

 

「違うと言い切れるのかッ!あの悲鳴を聞いてもそう言えるのかッ!!」

 

明久が指差す方向からは

 

「ッギャアアアアッ!?違う!違う!!ワシは、ワシは明久をそんな目で、見ておらんのじゃあアアッ!!!」

 

「信じられないわ」

 

「もう少し、聞いてみましょう。美波ちゃん」

 

「ギャアアアアッ!!誰か!誰かッ!!助けてくれえええッ!!!」

 

ボキャッ!!!

 

鈍い音ともに秀吉の悲鳴は途切れた、そして暗がりから

 

「次は坂本かな?]

 

「そうですね、霧島さんも呼んでお話しましょう」

 

瑞希と美波の呟きが聞こえてくる、雄二はダラダラと汗をかいて

 

「は、話せば判ってくれる。そうに違いない」

 

「そうは思わないねッ!!貴様も僕と一緒に死ぬんだッ!!!ひィッ!?」

 

明久が引き攣った悲鳴を上げる、明久の見てる方を見ると

 

「「ゴゴゴゴッ!!」」

 

頬に赤い何かの付いた、単色の瞳の美波と瑞希が手招きしてた…

 

「俺、今から召喚大会だからッ!!」

 

「終ってからちゃんと話をするから!!だから肉体言語だけは止めてねッ!!!」

 

2人はそう言うと青い顔のまま、走り去った。2人の姿が消えてから数分後…

 

「行っちゃったか…大丈夫、ちゃんと正常に戻してあげるから」

 

「坂本君と離れれば、きっと正常に戻れますよ。吉井君」

 

頬の赤い何かを拭いながら、そんな事を言う美波と瑞希が死ぬほど恐ろしいと思った…

 

 

 

 

「お帰りなさいませ、お嬢様」

 

ホール班の接客を見ながら時計を見る

 

「んーもう始まったところかな?」

 

明久と雄二の召喚大会は丁度始まった頃だろう。勝つかどうかは判らないが、今1つ判ってるのは…

 

「もし、2人で行くとか言い出したら…」

 

「判ってます。坂本君をやりましょう」

 

私達の考え方に共感して、性格が変わりつつある。美波と瑞希を説得しないと、明久と雄二の命が無いと言う事だけである

 

「あ、あの!スペシャルの執事長と記念撮影がしたいんですけどッ!!」

 

食事のメニューのしたにある。スペシャルメニュー。執事と記念撮影(1000円)メイドと記念撮影(1200円)執事長と記念撮影(2400円)を指差す女生徒に

 

「それでは、これにサインしてや」

 

誓約書を差し出す、まぁ色々書いてあるが、もっとも重要なのは「私は執事長に恋愛感情を抱かない事を誓います」の一文だ

 

「…えっと、ファンとかはOKですか?」

 

恐々と尋ねてくる女生徒に

 

「ファンはOKや、それ以上を望めば…判ってるよな?」

 

「は、はいっ!見てるだけ!見てるだけでいいんですッ!!

 

サインしながら言う女生徒に

 

「ん、サイン確認したで。んじゃ料金払ってや」

 

「は、はい!」

 

差し出されたお札と小銭を数え

 

「ん、確かに。兄ちゃーん、記念撮影やって。7番テーブルね」

 

奥に居る兄ちゃんに声を掛けると

 

「了解」

 

7番テーブルに向かう兄ちゃんを見てると

 

「…やっぱり面白くない?」

 

「うっさい、別に割り切ってる事やから、一々聞かんで良いわ」

 

カメラを構える康太を睨みながら言うと

 

「…ごめん。お話はしないで」

 

ガタガタ震える康太に

 

「これ以上怒らせるなら、覚悟しいや」

 

「は、はい。判ってます。はやて様」

 

ガクガクと震える康太を見ながら、今までの写真の割合を思い出す

 

(兄ちゃんが6割、執事が3割、んで私達が1割…判ってたけど兄ちゃん、モテるよな…)

 

少しばかり気落ちし溜め息を吐いてると

 

「ここかな?龍也さんの居る教室は」

 

「その筈だが、思ってたより酷いな。これは」

 

聞き覚えのある声がする、間違いないあの声は

 

「チンク姉様の声です」

 

「それとスバルね」

 

同じくウェイトレスをしていた。セッテとティアナも気付いたようだ。

 

「お帰りなさいませ、お嬢様」

 

須川が接客を始めようとするが

 

「悪いがお前じゃない、八神はいるか?」

 

「龍也さんは?」

 

スバルにガン無視された、須川は天井を見上げ

 

「泣いてねぇ、泣いてねぇからな。これは汗だ、汗に違いない」

 

「落ち込むな、須川。神の知り合いなら仕方ないだろう?俺達と神じゃ次元が違うのは理解してるだろ?」

 

横溝に励まされ、下がっていく須川だったが…

 

「あの執事と記念撮影で、須川君を頼みたいんですけど」

 

「私は横溝君を…」

 

女生徒に指名された2人は、一転し凄まじいまでの笑顔で

 

「はい!今行きます!」

 

と返事をし、その女生徒の元に向かった。執事姿のせいで真面目に見えるのか、Fクラスの馬鹿もそこそこ人気が出始めている

 

「よう、よく来たな2人とも」

 

記念撮影を終えた、兄ちゃんがスバルとチンクさんに声を掛ける

 

「ふふ、お前が執事で接客してると聞いて。見にこない訳が無いだろう?」

 

「ティアがメールで教えてくれたんですよ。龍也さんが執事してるって、これはもう見に来るに決まってるじゃないですか」

 

「はは、そんなに珍しいか?」

 

そう尋ねられたチンクさんは

 

「ああ、珍しいな。お前はどちらかと言えば人を使う側だろう?」

 

「そうでもないと思うが?」

 

兄ちゃんとチンクさんが談笑してるのを見てると。美波が

 

「ねっね、良いの?はやて。無茶苦茶親しげに話してるけど」

 

「ん?あの人はセッテの姉ちゃんやし。スバルも兄ちゃんが世話になってる人の娘やし、そんな目くじら立てへんよ」

 

美波と話してるとスバルが

 

「そろそろ、席に案内して欲しいんですけど?」

 

「っと、すまない。それではご案内致します。お嬢様」

 

恭しく頭を下げる兄ちゃんを見た、2人は

 

「お、お嬢様か…わ、悪い気はしないな」

 

「えへへ、なんか嬉しいです」

 

ぽわぽわとした表情で笑っているのは許容できたが、

 

(やっぱ、面白くない…)

 

兄ちゃんが頭を下げる光景を見て、私は心の中でそう呟いた…

 

第27問に続く

 

 




えー、今回のコンセプトは、龍也が頭を下げる光景を見たくない。と思うはやて様の心情の話でした、やっぱり好きな人が頭を下げるのはあまり見たい光景ではないですよね。もう少し上手く表現したかったんですけど、ここが限界でした。もう少し精進しないといけないと。と思いました、次回は召喚大会の話にしたいと思います。それでは次回もどうかよろしくお願いします

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