バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです、ここから少しオリジナルの話を入れたいと思いますので、どうか宜しくお願いします


第21問

 

 

第21問

 

僕は教室の真ん中に陣取り、指示を出す龍也をぼんやりと見ていた。机や椅子は龍也が先生方に頼み、特別に応接間とかから借りて来た。こういう時の龍也の交渉能力の高さには驚かされる

 

「神よ。このテーブルは何処へ?」

 

「大人数用のテーブルだ、真ん中の方へ頼む」

 

「この壁紙は、どうすれば良いんですか?神よ」

 

「それはそこのひび割れを隠す為の物だ。上手く張ってそのひびを隠せよ」

 

てきぱきと指示を出す龍也、なんか凄く慣れた様子だ…僕が感心してると

 

「アキ、龍也見てないでメニューを考えなさいよ」

 

美波に頭を小突かれる、いけないいけない、僕は僕で龍也に与えられた役割を果たさないと

 

「うん、判ってるよ。それじゃあ、ムッツリーニ。出したほうが良いと思うメニューは?」

 

ムッツリーニに尋ねるとムッツリーニは

 

「…執事長と記念写真、執事と記念写真。メイドと記念写真…」

 

「うん、それはムッツリーニの欲望だよね?」

 

メニューを考えてると思ったら…何を考えてるんだか…僕が呆れてると

 

「いや、良いかも知れへんで?兄ちゃんは超がつく美形やから女生徒を集めれるかもよ?」

 

「良いの?龍也を好きになる人が出るかもよ?」

 

僕がそう尋ねると、はやてさんはイイエガオで

 

「うん、おるかもね…でも…そんなバカは…ワタシがコロシテヤルカラ。無問題ヤデ?」

 

うん、きっと自分の命を天秤にかける勇者はいないだろう

 

「エエ、ソノトオリデス。コロセバイインデス」

 

黒いオーラを撒き散らすセッテさん、恐らく心臓の弱い人は近付くだけで卒倒するだろう

 

「でもまぁ、写真くらいは容認してもいいし。兄ちゃんを好きになる奴は許さへんけど…ファンは許すから」

 

なんと寛大な心遣いだ。魔王様にも優しさ…

 

「あが!?痛い!痛いです!!!はやて様あアアア!?」

 

「今、失礼な事考えたやろ?頭蓋粉砕してやろか?」

 

アイアンクローを決めてくるはやて様…頭蓋骨がミシミシと嫌な音を立てている

 

「すいませんでしたー!!!お許しください!?はやて様あああああッ!?」

 

頭蓋骨を砕かれる前にと必死で命乞いをすると

 

「まぁ良いやろ。今回は多めにみたるわ」

 

おお、どうやら僕の命はまだ続くようだ。良かった

 

「なんていう技術…ウチにも教えて」

 

「ええで」

 

美波がはやてさんにあのアイアンクローについて教わっている…僕は密かに命の危機を感じていた

 

「どうだ?メニューは決まったか?」

 

内装がある程度決まったのか、龍也がやってきて尋ねる、僕は

 

「いや全然。何作れば良いか判らないし。召喚大会の事も考えてるから意見が纏まらないよ」

 

「そうか…それじゃあ、いいアイデアを出そう。清涼祭前の土日、私の家で喫茶店のメニューを考えつつ勉強会をやるというのはどうかな?」

 

笑顔で言う龍也…確かにこの提案は魅力的だ…龍也に教われば点数は上がるし。龍也が作ってくれる美味しい食事…良い事しかない…だが…龍也の家にはその気になれば僕達の命を楽に刈り取れるハンターが4人いる…

 

(生か死か…迷うな…)

 

「泊りがけでも良いぞ。部屋はこれでもかって空いてるから」

 

龍也の家に泊まり…つまりは6食もあの美味しい食事が食べれる!これは命を賭ける価値がある!

 

「うん!迷惑じゃなかったら、お願いしてもいい?」

 

「ああ、勿論だ。お前と雄二と康太に秀吉。それと…美波達はどうする?来るなら部屋を用意するが?」

 

美波と姫路さんに龍也が尋ねると

 

「うーん…男の子だけの所に行くのは、ちょっと気が引けるわね…」

 

「わ、私も少し…気になりますね…」

 

どうして僕を見ながら言うのかな?僕が襲い掛かるとでも思ってるのかい?残念だけど、まだ僕は命は惜しいからそんなことはしないよ

 

「ちゃうちゃう、私とセッテになのはちゃんとフェイトちゃんもおるで?」

 

はやてさんが笑いながら言うと美波が

 

「え!?はやてさんはともかく、セッテ達も龍也の家に泊まるの?」

 

美波が驚きながら尋ねるとセッテさんが

 

「いえ、私となのはとフェイトは龍也様の家で暮らしてます。龍也様はとても初心で純真な方なので襲われる心配もなく。龍也様が作ってくれる美味しい食事に龍也様が勉強を教えてくれるのでとても良い環境ですよ…それに邪な事を考える輩がいましたら私が排除しますし。良かったら美波と瑞希もどうですか?召喚大会で良い結果が残せると思いますよ」

 

そう言われた美波と姫路さんは

 

「う、うーん…そこまで言われるなら行って見ようかな?」

 

「わ、私もお呼ばれしても良いですか」

 

うん、2人とも参加するみたいだ、皆でワイワイ勉強して喫茶店のメニューを考える…とても楽しそうだ

 

「何の話をしてるんだ?」

 

「うむ、随分盛り上がってるようじゃが。何の話じゃ?」

 

ホール班の雄二と秀吉に

 

「うん、清涼祭の前の土日に龍也の家に泊まって勉強と喫茶店のメニューを考えないか?って話してたんだ。勿論雄二と秀吉も誘うつもり何だけど…どう?」

 

僕が内容を説明すると2人は

 

「お、そりゃいい。龍也の作る美味い飯と勉強。良い事だらけじゃ無いか」

 

「うむ、ワシもそう思うぞい」

 

うんうんと頷く2人の背後から

 

「…私も行ってもいい?」

 

物静かでクールな声…間違いない

 

「うおお!?翔子!?何時来たんだ!?」

 

「…夫の傍に妻がいるのは当然…それで私も良い?八神?」

 

驚いてる雄二をスルーして龍也に尋ねる霧島さん、龍也は

 

「うん、全然良いぞ」

 

「ありがとう、八神はとてもいい人」

 

にこりと微笑む霧島さんは、そのまま教室を出て行った…

 

「放せえええッ!!!」

 

…雄二を引き摺りながら…

 

「それじゃあ、今度の週末家で待ってるぞ。美波と瑞希は明久達に案内して貰えばいいからな」

 

龍也の言葉に頷き、僕達は清涼祭の準備を再開した…

 

そして週末…学校の前

 

「皆早いね」

 

集合時間は10時だったので、10分前に来たのだがもう全員揃っていた

 

「うーし、明久も来たから行くぞ」

 

雄二はそう言うと同時に龍也の家に向かって歩き出した…

 

「そう言えばアキ、龍也の家ってこんな大人数で泊まっても大丈夫なの?」

 

私服の美波がそう尋ねてくる。確かに心配になる人数だろう、僕に雄二、ムッツリーニに秀吉。更には美波に姫路さんと霧島さん…7人となればかなりの大所帯、心配になるのも無理はないが…

 

「全然大丈夫だよ。龍也の家は凄く大きいから」

 

前に見たが、かなりの豪邸だった。だからこれくらいの人数でも問題はないだろう…

 

「そう、どれくらいの家か気になるわね」

 

「見たら驚くと思うよ」

 

話しながら歩いていると内に龍也の家の前に着いた

 

「…これはかなり大きいわね」

 

「ええ、本当ですね」

 

「…私の家より大きいかも…」

 

初めて来る3人が驚いている中

 

ピンポーン

 

雄二がインターホンを押すと

 

「龍也ー来たぞ」

 

「門は開いてる勝手に入って来てくれ」

 

雄二が門に触れるとゆっくりと門は開いた…僕達は雄二の後を着いて龍也の家へと向かった

 

 

 

「悪いが今手が離せない。明久達が来たそうなので案内してやってくれ」

 

龍也さんに案内してやってくれと頼まれたので、私がホールで待っていると

 

「「「おじゃましまーす」」」

 

「いらっしゃい」

 

頭を下げながら入ってきた皆に笑いながら言うと

 

「龍也は?」

 

吉井君が辺りを見て龍也さんの姿がないの気付き尋ねてくる

 

「龍也さんは今喫茶店のメニューの試作品を作ってるんです」

 

「そうなのか。龍也1人に迷惑を掛けてしまうのう」

 

木下君がそう呟くので

 

「昼食を兼ねて、作ってるんでそんなに気にしなくて良いですよ。それじゃあ部屋に案内しますね」

 

龍也さんに言われていた通り来た皆を部屋に案内する

 

「101から104が男子の部屋です」

 

1階の客間から案内すると坂本君が

 

「1人で使って良いのか?」

 

部屋の中を見ながら尋ねてくる坂本君に

 

「はい、好きに使っていいそうです。それじゃあ、荷物を置いたら居間で待っててくださいね」

 

坂本君達を1階に残し、今度は女子の部屋のある2階へ移動していると

 

「もう来てたんだ。いらっしゃい、翔子と秀吉…後は美波と瑞希だったよね?」

 

フェイトちゃんが部屋から出てきてそう言うと

 

「うん、合ってるよ…えーとハラオウンさんだよね?」

 

「フェイトで良いよ。あんまりハラオウンさんって呼ばれ慣れてないから」

 

笑いながらフェイトちゃんが言うと姫路さんが

 

「宜しくお願いしますね。フェイトちゃん」

 

「うん、宜しくね瑞希。なのは案内してるの?私も手伝おうか?」

 

部屋に案内するのを手伝おうか?と尋ねてくるフェイトちゃんに

 

「ううん、私は大丈夫だよ。それより龍也さんの手伝いしてあげてよ」

 

「ん、判った。じゃあ後でね」

 

1階に降りて行くフェイトちゃんを見送っていると

 

「…なのは。どうして八神をさん付けで呼ぶの?」

 

不思議そうな顔で尋ねてくる霧島さんに

 

「う、うん…その龍也さんって…お兄さんみたいだからかな?」

 

本当は私達より年上なのだが、今は同い歳になっているので誤魔化す為にそう言うと

 

「あ、判る判る。なんか龍也ってお兄さんて感じするよね」

 

「そうですね、私もそう思います」

 

「…同い歳なのに不思議」

 

霧島さん達が同意してくれたのに安心しながら

 

「龍也さんは優しくて強くて、頭も良くて…凄く頼りになるお兄さんみたいなんですよ」

 

私が笑いながら言うと霧島さん達はにやにやという表情で私を見ていた…

 

「な、何?…私変なこと言った?」

 

その雰囲気に耐えれずにそう尋ねると

 

「龍也の事を本当に好きなんだね。なのは」

 

「良いですね…そこまで想えるの素敵です」

 

「…私と同じ。好きで好きで仕方ないんだよね?」

 

「にゃあああ!?からかわないで!!!」

 

私が真っ赤になりながら怒鳴ると下から

 

「どうしたー?何か問題か~?」

 

龍也さんが尋ねてくる。このままでは龍也さんが来てしまう、今のこの真っ赤な顔は龍也さんには見られたくない

 

「なななな!!何でも無いです!!!」

 

慌ててそう返事を返し、3人に

 

「もう!この話は終り!!早く荷物置きに行くよ!!」

 

私はそう怒鳴り歩き出した。龍也さんが好きだと公言するのは平気だが、こうやってからかわれるのは面白くない。私が無言で歩き出すと

 

「ご、ごめんね。なのは」

 

「ご、ごめんなさい。調子に乗っちゃって」

 

「…気をつける」

 

謝ってくる3人…別に怒ってたわけじゃないんだけど…

 

「別に怒ってるわけじゃないよ…ほら、早く荷物置いて居間に行こう。きっと吉井君達も待ってるよ」

 

私は笑いながらそう返事を返し、3人を部屋へと案内した…

 

 

 

昼食を兼ねたメニューの試作品の準備を追え居間に向かうと

 

「龍也か。それにしても島田達は遅いな、なにかあったのか?」

 

「…少し気になる」

 

「そうじゃのう。迷ったのかのう?」

 

「僕、見てこようか?」

 

心配だという明久達に

 

「なに、もう来るだろう。昼まで少しだけだが勉強するぞ」

 

昼まで後1時間程だ、少しだけでも勉強しようと言うと

 

「そうだな。少しでもやっとくか」

 

「…そうだな。教えて貰っても良いか?」

 

勉強道具を出した雄二達を見ていると

 

「龍也~!!」

 

後からフェイトの声が聞こえると同時に後から抱きしめられる

 

「…離れろ」

 

「いや」

 

即答で嫌だと言うフェイトに眉を顰めていると

 

「モテモテで羨ましい限りだ」

 

「…本当だ」

 

「どうしたらそんなにモテるのか教えて欲しい」

 

口々に羨ましいと言う明久達だが、実際はそんなに良い物ではない…まずフェイトはかなり胸が大きい、後から抱きつかれる色々と不味い…主に理性とかがガリガリと削られるのを感じる。

 

「頼む、離れて欲しい」

 

「絶対に嫌、暫くこのままがいい」

 

更に腕に力を込めるフェイト…言葉の通り離れる気配はまるで無い…

 

「んー龍也の匂い…」

 

嬉しそうに言うフェイトに溜め息を吐き

 

「勉強を教えるつもりだったが無理のようだ。悪いが、フェイトを引き離すのを手伝ってくれないか?」

 

雄二達を見ながらいうと4人は口を揃えて

 

「「「「命が惜しいので勘弁してください」」」」

 

…私からは見えないがフェイトは恐らく明久達を睨んで威嚇しているのだろう…こうなればフェイトを離せる存在は1人しかいない…それは

 

「離れろ…殺すで」

 

「やってみなよ。龍也を巻き込むだろうけどね?」

 

黒い目でフェイトを睨むはやてだけだ…

 

「言うたね。力づくで引き離したるわ!」

 

はやてがフェイトを掴み引っ張るが

 

「くっ!なんて力でしがみついてるんや!全然はなれへんで!」

 

はやてが全力で引っ張るがフェイトは離れない。

 

「く…こうなったら…」

 

幾ら引っ張っても離れないフェイトに業を煮やしたはやては

 

「もう、私も抱きつく」

 

「それはなんの解決にもなってないからなッ!?」

 

ギュム

 

正面から抱きついてくるはやてを引き離そうとするが

 

「は、離れない!?どんな力してるんだ!?」

 

私の力でも引き離せないその力に驚いている中、明久たちは

 

「龍也は良いよね、両手に花で」

 

「…本当に羨ましい」

 

羨ましいと言う明久と康太に雄二は

 

「それは見てるからだ、本人は必死で引き離そうともがいてるんだ」

 

諭すように語っていた…お前だけだ私の苦労を判ってくれるのは

 

「ただ両方に猛毒があるのが難点じゃ…シュッ!!!ゴハッ!?!?」

 

猛毒と秀吉が言った瞬間。フェイトとはやてがシャーペンを投擲する。それは秀吉のデコに突き刺さった…秀吉は白目を向きながらゆっくりとひっくり返る

 

「「「「秀吉ぃぃぃッ!?!?」」」」

 

勉強も何も始まってないのに1人死者が出てしまった…どうすればこの状態を打破できるんだ!?私が2人を振り解こうともがいていると

 

「秀吉!?どうしたの!?」

 

「木下君!?大丈夫ですか!?」

 

居間に入ってきた、瑞希達が慌てて秀吉に駆け寄る。これで何とか秀吉は一命を取り留めるだろう、残された問題は1つ

 

「誰でもいいからフェイトとはやてを引き離してくれな…「あっ!?ずるい私も」頼むから離れてくれッ!?」

 

はやてとフェイトを引き離してくれと言いかけたら、瑞希達を先導していたなのはまで抱きついてくる。もうどうすれば良いんだ!?誰でもいいから助けてくれ。助けてくれそうな雄二を見るが

 

「…はやて達はラブラブ…私達もそうすべき」

 

「ぐああッ!!!万力のような力で締め上げないでくれぇぇッ!!!」

 

サバ折りにされそうな勢いで、霧島に抱きしめられている雄二は助けてくれないだろう。秀吉は問題外だし。明久と康太は

 

「ごめん、僕は命が惜しいんだ」

 

「…俺も同意」

 

2人は居間に置いてあるソファーの陰に隠れて出てこない。勿論助けてくれる気配は無い、美波と瑞希は

 

「えっと…引き抜いても大丈夫だと思う?」

 

「…ど、どうでしょう?血が吹き出るんじゃ?」

 

秀吉の延命作業に必死でこちらを見ていない。あの2人も助けにはならない…

 

「騒がしいですね…一体なに…」

 

ジェイルの部屋でデバイスのメンテを受けていた、セッテが居間に来る…セッテはそのまま無言で近付いてきて

 

「私もです」

 

ギュウウ…

 

そのまま抱きついてくる。私は4人分の甘い匂いとか柔らかい感触を感じながら

 

「頼むから離れてくれぇぇッ!!!」

 

「嫌」

 

「嫌です」

 

「嫌や」

 

「絶対に嫌です」

 

4人とも嫌と言われ、結局私は昼食の時間までこのままの体勢で過ごす事となった…

 

第22問に続く

 

 

 




今回はギャグ色を強くしてみましたが…どうでしたか?面白かったですか?もしそうなら良いのですが…それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします

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