バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです

今回からバカテスに天災科学者を登場させようと思います。これでギャグが強くなると思うのでどうかよろしくお願いします

PS 近い内に後2人ほど、レギュラーでリリカルなのは、のキャラを入れるつもりです、誰が出るかどうかお楽しみに!


第20問

 

第20問

 

僕と雄二は教室の改修をしてもらおうと学園長室に向かったが…

 

「…賞品の…として隠し…」

 

「…こそ…勝手に…如月ハイランドに…」

 

どうやら学園長室には客人が居るらしく、話し声が聞こえてくる…取り込み中なのだろうか?

 

「どうした明久?」

 

ノックしない僕を不審に思ったのか雄二がそう訪ねてくる

 

「いや、中で何か話をしてるみたいなんだ」

 

扉を指差しながら言うと雄二は

 

「そうか、つまり中には学園長が居ると…無駄足にならなくて良かった。行くぞ」

 

雄二はそう言うとノックをし

 

「失礼しまーす!」

 

返事を待たず扉を開ける…良いのかな~と思いながら着いて行くと

 

 

「失礼なガキどもだね。普通は返事を待ってから開けるだろうに…」

 

呆れたように言う白髪の老女…藤堂カヲル学園長だ。と言っても教師ではなく、あくまで研究者なので少し言動があれだが…僕達に非があるので仕方ない…

 

「やれやれ…取り込み中だというのに…とんだご来客ですね…まさか貴女の差し金ですか?」

 

眼鏡を弄りながら嫌味っぽく言うのは教頭の竹原先生だ。クールな態度で一部の女子からは人気だが…僕は正直嫌いだ…あの人を品定めするような眼はとても好きにはなれない

 

「バカを言わないでおくれ。何の負い目も無い私が、そんなセコイ真似するわけがないだろう?」

 

「それはどうだか、あなたは隠し事が得意ですから」

 

僕では判らないやり取りをしている学園長と教頭を見ていると

 

「まぁ、来客が居るようですし…この場は失礼させていただきます」

 

教頭は部屋の隅を一瞬見て、学園室を出て行った…

 

「んで、ガキども。あんたらは何のようだい?」

 

学園長は教頭との会話を中断させられたのを気にする様子も無く話しかけてきた僕は

 

「えっと…まずは確認せずに入った事を謝ります。すいません」

 

先ほどの僕と雄二の対応について謝罪すると

 

「ほう…謝るだけ対したもんだ。で?お前さんらは何の用があってきたんだい?」

 

少し感心と言う様子の学園長に

 

「僕は2-Fの吉井明久です、それでこっちが」

 

僕が挨拶するように促すと雄二は

 

「2-F代表の坂本雄二です。今日は学園長にお願いがあってきました」

 

雄二が珍しく頭を上げながら言うと学園長は

 

「今、私は忙しいんだが…あんたらの対応で少し気が変わった。話を聞いてやろうじゃないか」

 

にやりと笑う学園長に

 

「ありがとうございます」

 

忙しいと言いつつ話を聞いてくれると言う学園長に頭を下げると

 

「礼を言う暇があったら、とっとと話をしな。このウスノロ」

 

…どうして礼節を重要視したのに罵られなければならないのだろうか?

 

「Fクラスの設備について改善を要求しにきました」

 

雄二が落ち着いた様子で言う…僕でも怒りそうなのに。まだ冷静な対応をする雄二に学園長は

 

「そうかい、それは暇そうな事で良いねえ。私はこんなに忙しいのに」

 

書類を見ながら言う学園長…怒鳴っても良いよね?僕は悪くないよね?

 

「今のFクラスは学園長の脳みそみたいに穴だらけで、隙間風が吹き込むような状態です。学園長のように戦国時代から生きている、化け物ならともかく。今の若々しい高校生にこの環境は危険です。ですのでとっとと教室を直せと言いたいのですクソババア」

 

冷静な中に棘を交えながら言う雄二…うん、僕も同意見だよ。ただここまで慇懃無礼だと学園長も怒るんじゃ…ちらりと横目で学園長を見ると。

 

「………」

 

顎の下に手をおいてなにやら考え込んでるようだった…

 

「よしよし、お前の達の言いたい事は判った」

 

にやりと笑いながら言う学園長に

 

「それじゃあ、直してくれるんですか?」

 

「いいや。駄目だ」

 

即座に駄目と言う学園長…僕は思わず雄二に

 

「このババアをドラム缶に詰めて捨てよう」

 

「明久…本音が出てるぞ?」

 

しまった余りの理不尽さに本音が出てしまった。これは不味い僕が慌ててると雄二は

 

「まったく、このバカが失礼しました。どうか理由をお聞かせ願えますか?クソババア」

 

うん!雄二も本音が出てるこれが正しいんだ

 

「お前達、本当に聞かせて貰いたいと思ってるのかい?」

 

呆れ顔で尋ねてくる学園長は当然という表情で

 

「設備に差をつけるのは、この学園の教育方針だからね、文句を言うんじゃないよ…と本来は言うところだが。可愛い生徒の頼みだ。こちらの頼みを聞くなら、相談に乗ってやらないことも無いよ?」

 

ニヤリと笑いながら言う学園長…まぁ見も蓋も無く出て行けと言われるよりかはましか…

 

「その条件って何ですか?」

 

雄二が何も言わないので僕がそう尋ねると学園長は

 

「清涼祭で行われる召喚大会は知ってるかい?」

 

「ええ、それは知ってますけど。それが何か?」

 

この学園のPRの為に行われる大会だ。知らないわけが無い、僕が即答すると学園長は

 

「それじゃあ、優勝商品があることは?」

 

「それは初耳です」

 

出場する気が無かったので賞品があることさえ、知らなかった。僕がそう言うと学園長は

 

「まぁ無理も無いね。お前のようなバカが出場するわけないからね。知らないのは無理も無いか…学園から送られる正賞には賞状とトロフィーと「白金の腕輪」、副賞には「如月ハイランド プレオープンプレミアムペアチケット」が用意されてる」

 

ペアチケットと聞いて雄二が一瞬反応する、何か気になる事でもあるのかな?僕がそんな事を考えてると学園長が

 

「このペアチケットなんだけどね、良からぬ噂を聞いてね。回収したいのさ」

 

「回収するくらいなら、賞品にしなければ良いじゃないですか」

 

態々回収するくらいなら最初から賞品にしなければ良い。だからそう言うと学園長は

 

「そうもいかないんだよ。この話は教頭が進めたものとはいえ正式な契約なんだ。今更覆せないよ」

 

溜め息を吐きながら言う学園長は

 

「はぁ、白金の腕輪に掛かりきりだったとはいえ。もう少し気をつけるべきだったね」

 

口は悪いが責任感のある人のようだ。少し感心した

 

「それで悪い噂って何なんですか?」

 

態々回収したいと思わせるような噂…それが気になり尋ねると学園長は

 

「如月グループは如月ハイランドにジンクスを作ろうとしてるんだ。ここを訪れたカップルは必ず幸せになれるというジンクスをね」

 

「それの何処が悪い噂なんです?良い話じゃないですか」

 

必ず幸せになれる。別に悪い事なんて無いと思うけど…僕がそう尋ねると学園長は

 

「それがそうでもないんだよ。そのジンクスを成立させる為に。プレミアムチケットを使ったカップルを結婚まで、コーディネイトするつもりなんだ。企業として強引な手段を使ってもね」

 

「な、何だと!?」

 

雄二が突然大声を出す…しかもかなり動揺してる

 

「どうしたの雄二、そんなに慌てて?」

 

僕が尋ねると雄二は

 

「慌てるに決まってるだろう!!ババアが言いたいのはプレミアムチケットを使った、カップルを結婚させると言う事なんだぞ!?」

 

「うん、判ってるよ。それがどうしたの?」

 

もの凄く狼狽してる雄二、結構長い付き合いだがここまで慌ててるのを見るのは初めてだ

 

「それでそのカップルを出す候補が、我が学園って訳さ」

 

学園長がそう言うと雄二は汗を流しながら

 

「くそ!うちの学園は美人ぞろいだし、試験召喚システムで話題性も充分…如月グループが目を付けるのも当然か」

 

唇を噛みながら言う雄二

 

「流石は神童と呼ばれていただけあるね。頭の回転は悪く無い様じゃないか」

 

雄二の事随分詳しいな…もしかしてなんだかんだ言って生徒の事はちゃんと見てるんじゃないだろうか

 

「まぁ、とりあえず落ち着きなよ雄二。僕達はその話を知ってるんだ。行かなければ良いだけの話でしょ?」

 

雄二にそう言うと雄二は頭を抱え

 

「アイツは必ず参加する…アイツなら間違いなく優勝だ…くそ…このままじゃ、俺の将来は…き、霧島雄二なんて嫌だぞ…」

 

目が虚ろの雄二がぶつぶつと呟く、なんでそんなに霧島さんを嫌うかな?あんなに美人なのに…僕なら喜んで一緒に行くけどなあ…

 

「ま、そんな訳で、本人の意思を無視して、内の生徒の将来を決めるやり方が気に食わなくてね。だから、あんた達が優勝して賞品をこちらに渡してくれるなら、教室の改修くらいしてやるさ」

 

…くそ、優勝者から強奪しようと考えていたが僕たちに優勝しろと言うとは…

 

「…僕達が優勝したら、教室の改修と設備の向上を約束してくれるんですね?」

 

「何言ってるんだい?私がやるのは教室の改修だけさね。設備についてはウチの方針だから変える気は無いよ…けど…清涼祭で得た利益で

何とかすると言うなら、勝手に設備を変えるのを黙認しても良い」

 

本当なら設備の向上は勝手にやってはいけないが…今回は見逃してくれると…少し考える…龍也は料理は凄く上手だし、龍也自信かなりの美形…頑張りようによってはかなり利益が出るはず

 

「判りました、その条件で引き受けます」

 

僕が考えてる間に雄二が返事をした、すると学園長はニヤリと笑いながら

 

「交渉成立だね」

 

なんだか学園長の手の中で踊ってる気もするが、仕方ない…

 

「正しこちらからも提案がある」

 

「なんだい?言ってみな」

 

学園長が面白そうだと言う顔をしながら言うと、雄二は

 

「召喚大会は2対2のタッグ。形式はトーナメントで、1回戦は数学、2回戦は科学。と言った具合で進めて行くと聞いている。対戦表が決まったら。その科目の指定を俺にやらせてもらいたい」

 

雄二が学園長の反応を探るように言うと、学園長はにやりと笑い

 

「ふむ、良いだろう。もし点数の水増しをしてくれ、とか言うようだったら一蹴していたが。それくらいだったら協力しようじゃないか」

 

「…ありがとうございます」

 

雄二の目付きが更に鋭さを増す。一体何を考えているんだろう?

 

「さて、そこまで協力するんだ。当然召喚大会で優勝できるんだろうね?」

 

学園長が念を押してくる。だが本当にそこまで如月グループの計画を阻止したいんだろうか?何か裏があるような気がしてしょうがない…

 

「無論だ。俺達を誰だと思っている?」

 

試召戦争の時の自信とやる気に満ちた表情だ、僕も胸を張りながら

 

「勿論です。必ず優勝します、だから約束は守ってくださいよ」

 

「判ってるさ。それじゃあ、ボウズども。任せたよ」

 

「「おうよッ!!」」

 

こうして文月学園最低コンビが誕生した…

 

 

 

雄二と明久が出て行った頃、龍也の自宅では

 

「ジェイル…どうしてお前がここにいる?」

 

「いや、暇で暇でしょうがなくてね…様子を見に来たんだよ」

 

私が頭をかきながら言うと

 

「はぁ…お前一応デバイス開発局の局長だろうが」

 

呆れた様子の龍也に

 

「いやー皆がね…働きすぎたと言うのでね。休暇を取ったんだよ。たかだが10日徹夜しただけなんだがね」

 

いい具合に新デバイスの考案の設計図が出来た所だったのに…惜しい事をした…

 

「良し、ゆっくり休め。過労死するぞ?」

 

そこまで異常だろうかね?研究者としては10日くらい子供の遊びなんだが…

 

「で、お前は今何してるんだ?」

 

「ん?いやね…お前が居る。文月学園でどうやら悪巧みをしてる奴がいるみたいなんだよ」

 

私は操作していたPCのボタンを押した。すると

 

『竹原教頭。本当に学園長を失脚させれるのですか?』

 

『勿論です。もし上手く行きましたら即刻、文月学園は貴方の物ですよ』

 

『それは楽しみです。これはお約束の300万です、どうぞお納めを』

 

『ありがとうございます。それでは朗報をお待ちください』

 

録音されていた言葉を聞いた龍也は

 

「成る程ね。あの教頭。裏があると思っていたが、まさかこんな事をしてるとはな」

 

「何処の世界にもあくどい奴は居るものさ。ま!そんな奴が居るから、私もこの世界での就職先を見つけれたんだがね」

 

机においていた書類を見せながら言うと

 

「文月学園の面接を受けたのか?」

 

「YES!私の頭脳を持ってすれば職歴の偽造など3時のおやつ前さッ!」

 

「やれやれ…平和な学園生活は終わりか」

 

溜め息を吐く龍也に

 

「まぁ、まだ決定ではないんだがね。これを利用して上手く就職して見せるさ。所で龍也、夕食はカレーを希望したいんだが?」

 

笑いながら言うと龍也は

 

「はいはい、判ったよ。作ってやるさ…だが…」

 

龍也の目が鋭くなる、学生としての龍也ではなく法と正義を護る、管理局の人間の目に…

 

「その男…必ず潰せ」

 

「了解。神王陛下様」

 

私がふざけて返事を返すと龍也は…

 

「任せたぞ。ジェイル・スカリエッティ」

 

珍しく私をフルネームで呼んだ龍也に

 

「ああ、任せておきたまえ。天才の名は伊達ではないんだよ」

 

「天災の間違いでは?」

 

「あはは!そうかもな」

 

私は笑いながら返事を返した…この世界に天災が舞い降りた瞬間だった…

 

第21問に続く

 

 




えーとアンケートで人気のあったジェイルさんをバカテスに入れてみました。これでギャグは大幅に強化できますね!それではこの後はオリジナルの話を少し入れてから、清涼祭本番を始めたいと思うのでどうか宜しくお願いします

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