バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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今回から2巻の内容になります。中身はかなりいじるつもりです…具体的には出し物が中華喫茶ではないです。それでは今回もどうか宜しくお願いします


第18問

 

 

第18問

 

新学年最初の行事「清涼祭」の準備が始まる中…私達Fクラスは

 

「龍也!勝負だ!!」

 

…野球をしていた。10数年ぶりの野球、悪いと思ったが野球の魅力には勝てなかった

 

「神よ、サインはどうします?」

 

キャッチャーの須川に

 

「サインは私が出す。球を逸らさないように頼む」

 

「お任せを」

 

にやりと笑う須川に

 

「ではまず私の球種はカーブ、スライダー、フォーク、チェンジアップの4種類だ。あとストレートとツーシームで6種類だ」

 

自分の持ち玉を説明する

 

「6種!?流石神。俺達とは格が違いますね」

 

「サインは右肩を動かせば、カーブ、左肩はスライダー、グローブを下に1回でフォーク、2回でチェンジアップだ。サイン無しでストレートかツーシームだ」

 

判り易さ重視でサインを決める

 

「判りました。それでは」

 

戻って行く須川が

 

「締めて行くぞォー!!!」

 

『『オオーッ!!!』』

 

力強く返事をするメンバーの声を聞きながら私はボールを握り締めた

 

 

 

あいては龍也…どんな投球で来るんだ?バットを構えながら龍也の事を考える…初めての対戦だ…ここは次に繋ぐ為に出来るだけ投げさせたいが…

 

スッ…

 

龍也が投球フォームに入る、ワインドアップではない…球速よりコントロール重視か?まずは様子見だ。アウトコース低め…ボールか際どい所へ投げ込まれる直球は

 

スパンッ!!!

 

「ストライク!!」

 

軽やかな音を立ててミットに納まり、ストライクの宣言がされた…

 

(球速は110とこか…そんなに早くないけど…あれが狙って投げられたらやっかいだな)

 

あのコースに狙ってなら厄介だ…かなりの制球力だな…バットを軽く振り再度構える。すぐに2球目が投じられるが

 

「ボール!」

 

今度は外に大きく逸れた…ではさっきのアウトローはまぐれか?

 

「ドンドン行くぞ」

 

ボールを受け取った龍也がすぐ投球フォームに入る

 

(1-1だからつぎは振るか)

 

3球目は緩やかな弧を描いて向かって来る…カーブか!これもアウトコースギリギリ…思わず振りかけるのを止める。これは打ってもボテゴロになる。当てるな。何とか踏み止まるが

 

「ストライク!!」

 

案の定ストライクで追い詰められる…

 

(大きい変化だったな…狙ってないと打てないぞ)

 

かなり大きく変化したさっきのカーブは狙いを定めないと打てない

 

(ふー打つならさっきのストレートだな)

 

カーブは捨ててストレートを打とう

 

「これで終わりだ!」

 

投じられた4球目…真っ直ぐ食い込んでくるストレート

 

「貰った!!」

 

踏み込んで打とうとした瞬間

 

ストンッ…

 

「なっ!?」

 

真下に沈むボール…フォークだ!!

 

スパーンッ!!!

 

大きく体勢を崩されスイングアウトとなった…次のバッターの近藤君に

 

「カーブとフォーク。かなり鋭いよ」

 

「OK、神とは言えここは打つ!」

 

気合を入れていく近藤君だったが

 

スパーンッ!!!

 

インコース一杯のストレートに体を起こされ

 

「くっ!」

 

キンッ!

 

アウトコースのカーブにバットを当ててしまい。ボテボテのピッチャーゴロ。2球でアウトになってしまった

 

「ナイスボール!!」

 

「ありがとう!」

 

須川に褒められ、素直にありがとうと言いながら龍也はマウンドを整える。長い銀髪が太陽の光を浴びて美しく光る。なんと言うかとても絵になる光景だった

 

「次はワシじゃな」

 

秀吉がバットを持ち言うと雄二が

 

「龍也はかなりのコントロール派だ、くさい球はカットして球数を投げさせろ」

 

「了解じゃ」

 

秀吉がバッターボックスに立つと龍也はすぐに投球フォームに入る…教科書に載ってるようなオーバースローだ

 

スパーンッ!!

 

軽やかな音を立ててミットに納まる白球。コースはインコース…多少甘かったが見送った。龍也は若干首を傾げながら次の投球に入る

 

クンッ!!!

 

アウトコースギリギリから外に逃げるスライダーを秀吉は悠然と見送った

 

「打たないのか?」

 

「なに、手が出なかったんじゃよ」

 

龍也の問いかけに答える秀吉。龍也は首を再度傾げた物の

 

「まぁ、良いが」

 

3球目の投球フォームに入る龍也…ストレートかフォークかどっちだ

 

「くっ!!」

 

投じられた白球は手元で鋭く沈むフォークだ。秀吉は体勢を崩した物のギリギリで当ててカットする

 

「むっ…」

 

今ので決めるつもりだったのがカットされ、龍也は眉を顰める

 

「粘るつもりか?」

 

「まぁ、そんなとこじゃ」

 

秀吉が笑いながら言うと龍也は

 

「次は雄二だな…うん、判った。須川立て!」

 

「えっ!?秀吉で切るんじゃ?」

 

「雄二と勝負だ、そっちのほうが面白い」

 

にやりと笑う龍也はその後秀吉をフォアボールで歩かせた

 

「ふん、俺と勝負か泣きを見るぜ?」

 

「楽しみだ、泣かせて見せてくれ」

 

雄二の挑発を軽く流し龍也が投球フォームに入る

 

「え?ワインドアップ?」

 

ゆっくりと振りかぶる龍也。当然秀吉は二塁を目指し走る

 

「私は相手が強い方が楽しいんだ」

 

大きく踏み込んで投じられた白球は

 

ズドンッ!!!

 

凄まじい音を立ててミットに納まった

 

「く、ううう」」

 

須川君が呻く、無理も無いかなりの直球だった…軽く130は出てる

 

「ひゅう、こんな球があったのか?」

 

「私はスロースタートでね。投げないと直球が投げれないんだ。まぁ良い具合に肩も温まったからここからは本気だがね」

 

龍也は返されたボールを受け取り大きく振りかぶり

 

「行けえッ!!」

 

再び大きく踏み込み白球を投じる

 

「くっ!!」

 

キンッ!!!

 

雄二は何とか当ててファールにするが、かなり辛そうだ

 

「135位出てるんじゃないのか?」

 

「かもな」

 

龍也はニヤリと笑い投球フォームに入る…雄二と龍也どっちが勝つんだ…

 

「貴様ら!学園祭の準備をサボって何をしている!!」

 

「しまった、鉄人だ!」

 

凄く良い所だったのになんてKY何だ。だがそんな事を考えてる余裕は無い逃げないと

 

「た、龍也!?くそ!やはり馬鹿に悪影響を受けている!」

 

龍也が居た事に驚いた鉄人は

 

「貴様らのせいか!許さんぞ!!」

 

僕と雄二にロックオンして追いかけてくる

 

『雄二何とかしてよ!?』

 

『フォークを鉄人の股間に』

 

視線で言う雄二に

 

「違う!僕が望んでいるのはそう言う事じゃなくて!!」

 

誰が球種やコースを要求した!?そもそも変化球を使う必要は無いだろうに

 

「全員教室へ戻れ!!」

 

鉄人の凄まじい怒声に追い立てられ僕達はFクラスへと戻った…

 

 

教室に戻り出し物について話してる中

 

「はは、怒られてしまったよ」

 

「止めといたらいうたやん」

 

笑いながら言うとはやてが苦笑しながら言う

 

「そうだな、次からはやらんさ」

 

2人で話していると

 

「学園祭実行委員は島田という事で良いか?」

 

雄二がやる気無さそうに言うと美波は

 

「ウチは召喚大会に出るからちょっと困るかな」

 

「雄二、実行委員なら、龍也のほうが適任じゃない?」

 

私が良いと言い私を見る明久…

 

「まぁ、私がやって良いならやるが…皆はどうだ?」

 

召喚大会に出る気はないし、皆が良いというならやっても良いと思い皆を見ると

 

「神なら最高の出し物を考えてくれる筈だ」

 

「神に任せれば何の心配も無いな」

 

…神はもう固定だと思い一々指摘するのをやめる

 

「それでは私が実行委員をやろう。はやて手伝ってくれ」

 

「了解やー」

 

ニコニコとやってくるはやてに

 

「板書を頼む、私は議事進行をやるから」

 

板書を頼み話し合いを始める

 

「それでは出し物について意見のある者は挙手してくれ」

 

私が声を掛けると数人が手を上げる…とりあえず意見をきくか

 

「康太」

 

スッと立った康太は

 

「…写真館」

 

「はい却下」

 

「…残念」

 

はやてに即決で却下と言われ、凄く残念そうな顔で座り込む康太

 

「じゃあ、次セッテ」

 

ピンと手を伸ばしているセッテを当てると

 

「私はメイド&執事喫茶を提案します、今回の売り上げは設備向上に使えるので売り上げを重視するならこれかと」

 

まぁ無難な所だな

 

「はやてはどう思う?」

 

「私も良いと思うで」

 

はやても賛成したのでとりあえず板書しておいて貰う

 

「ほかに意見は?、須川」

 

「俺は中華を提案…「却下、チャイナ服は嫌やでな」…最後まで言わせてくれ」

 

最後まで言い切る事無く却下された須川が可哀想なので

 

「まぁ、とりあえず書いておいてくれ」

 

「んー了解」

 

渋々といった様子で中華喫茶をはやてが書き加えた所で西村先生が入ってくる

 

「ほう、八神兄妹を実行委員にするとは、少しはやる気があるようだな」

 

西村先生はそう笑うと黒板を見て

 

「中華喫茶とメイド&執事喫茶か…出し物もちゃんと考えてるじゃないか」

 

感心感心という感じの西村先生は自分の椅子に座り話会いを見始める

 

「これより決を採りたいと思いますが、その前に意見者の考えているプランを聞きたいと思います。須川、セッテ前へ」

 

具体的な意見を聞きたくて2人を呼び、具体的な意見を話してもらう

 

「俺が考える中華喫茶は、ウーロン茶とヤムチャを出す物で、俗物的なことはやらない。チャイナ服とかも無しだ。そもそも食というのは生きる上で必要不可欠な物だ、その原点に立ち返って貰うための店にしたいと思う」

 

中々真面目な事を言う須川に対してセッテは

 

「私が考えるメイド&執事喫茶はシンプルに行きたいと思います。フリフリの媚を売るようなメイド服ではなく。英国式の本格的なメイドです。その分執事のほうに力をいれ、女性客を中心に集客したいと思います。これに対して期待できるのは売り上げだけではなく」

 

ここで言葉を切ったセッテは男子を見ながら

 

「貴方達の他のクラスに対する評価向上に繋がると思います」

 

セッテが言いたいのはつまりここで格好良い所を見せれば、女子の関心が来ると言う事だった。

 

「さて、提案者の意見を聞いた所で決を採ります。メイド&執事喫茶が良いと思う人」

 

そう尋ねると男子生徒達が一気に手を上げた。中華喫茶側の意見を聞くまでも無く、メイド&執事喫茶に決定となった

 

「それでは調理班とホール班を決めたいと思う。ホール班の希望者は?」

 

私がそう尋ねると

 

『俺だ!ブ男は下がれ』

 

『いいや、俺がホールだ!』

 

男子同士の小競り合いが始まってしまう…私は溜め息を吐きながら

 

「雄二を引っ張り出せないかな?」

 

私にはこの雰囲気を治める事が出来無いと判断し、雄二を出せないかとはやてに尋ねるが

 

「無理ちゃうかな?興味無さそうやし」

 

そうだよなぁ、興味無さそうに寝てる雄二に協力を頼むのは無理そうだ

 

「落ち着いてください、ではホール班は後回しにして先に調理班を決めたいと思います。この中で料理に自身のある人は挙手を」

 

姫路、須川、康太、はやてが手を上げる。よし決めた

 

「それでは須川と康太を中心にして調理班を決めてくれ、ホール班は姫路とはやてで話し合って決めてくれ」

 

「え?私は調理班が良いんですけど?」

 

姫路が不服そうに言うが、彼女は料理組みに回せない確実に死者が出るからだ…理由を説明するのは簡単だが、それでは姫路を傷つけてしまう。何とか傷つけずに納得させる方法は…私が悩んでいると明久が

 

「ほら、姫路さんは可愛いからホールの方が良いよ」

 

「か、可愛いだなんて…吉井君がそう言うならホールで頑張ります!」

 

明久が上手く姫路を納得させてくれた、これで何とかなるだろう、私が一安心してると

 

「アキ。ウチは厨房にしようかな?」

 

「うん。適任だと思う」

 

ああ、何故地雷をセットするんだ明久…美波が明らかに面白く無さそうな顔をしてるのに何故気付かない

 

「それならワシも厨房にしようかの」

 

「秀吉!何をバカな事を言ってるのさ!そんなに可愛いんだから…ぎゃあああ!!み、美波様!!腕の関節はそちらには曲がりません!!!折れます!!ぽっきりと折れてしまいます!!!」

 

明久の悲鳴が響く中でFクラスの出し物は決定した…

 

第19問に続く

 

 




中華喫茶ではなくメイド&執事喫茶です、龍也さんに執事はよく似合うと思うんですよ。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします

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