バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです!!今回で1巻終了です。ただ1巻だけで17話かなり長くなってしまいましたね…この調子だとかなりの長編になりそうです、その分面白くしようと努力しますけどね!それでは今回もどうか宜しくお願いします



第17問

第17問

 

ざわざわ…騒がしいなぁ?僕は辺りのざわめきのせいで目を覚ました…

 

「あれ?吉井君起きたんですか?」

 

姫路さんにそう尋ねられ僕は身を起こしながら

 

「うん、なんか騒がしくて。今どういう状況?」

 

僕が気絶してからどうなったのか尋ねると

 

「今、高町さんと八神さんが対決してるんですけど…凄いんですよ」

 

姫路さんの話を聞きながら、点が表記されるディスプレイを見ると

 

『Fクラス 八神はやて 現代国語 715点』

 

    VS

 

『Aクラス 高町なのは 現代国語 698点』

 

600点越えの高得点同士だ、凄い戦いだな…僕が感心してると

 

「これは戦闘で点を削りあっての点です。始まった当初は2人とも800点を越えてたんですよ?」

 

800点越え!?2人ともどういう頭の構造をしてるんだ!?

 

「私はいつも言うてるやろ!!兄ちゃんに近付くなって!」

 

「私も言ってるしょ!!いい加減兄離れしたらって!!」

 

高町さんとはやてさんの言いあいが聞こえてくる

 

「ずっとあんな言いあいをしてるんですよ。2人とも…そのせいで八神君が…」

 

姫路さんの視線の先を見るとそこには

 

「もう嫌だ…いっそ私を殺してくれ」

 

がっくりと項垂れる龍也を

 

「元気を出すんだ!龍也!妹と幼馴染に負けるな!!」

 

「…そう、負けるな」

 

ムッツリー二と雄二が励ましていた…何があったんだ!?

 

「大体兄と妹じゃ結婚できないでしょ!」

 

「愛さえあればその程度乗り越える!」

 

あれか!あれが原因か!あれのせいで龍也は指を指されひそひそ話をされてるのか!?

 

「そうなんです、高町さんと八神さんの言いあいの方向性が徐々におかしくなって…今ではあんな話題に」

 

「あれはきついわ、幾ら龍也でも精神的に不味いわ」

 

美波と姫路さんの呟きの中、対決を見る…言いあいをしながらも2人の召喚獣は激しく戦いを続けている…互角の様だがはやてさんが優勢のようだ…

 

「くっ作戦ミスだ。このままじゃ」

 

どうやら高町さんの作戦では、言いあいで言い包め押し切るつもりだったようだが…

 

「そう…愛さえ…愛さえあれば…法なんて…」

 

ぶつぶつ言い始めてしまったはやてさんにもう言葉が届かないだろう

 

「こうなったら卑怯だけど…これしか!」

 

高町さんが懐に手をいれ、何かを取り出しはやてさんに見せる、はやてさんはそれを見た瞬間

 

「それは!?」

 

正気に戻ったはやてさんにその何かを見せつけながら

 

「これが欲しかったんだよね?はやてちゃん」

 

高町さんが取り出したのは写真だった…それを見た龍也は

 

「何でそんなのを持ってるんだ!?」

 

「7000円で買いました」

 

動揺する龍也にそう言い返す高町さん…写真には私服姿で木に背中を預け眠っている龍也の姿が映されていた。それは完全なる美と言っても良いだろう…同性でも惹き付ける魅力があった

 

「これを上げても良い。だから降参を」

 

「降参や、だからそれを」

 

即座に降参し手を伸ばすはやてさんに

 

「はい」

 

それを手渡し自分の陣営に戻る高町さんにハラオウンさんが詰め寄り

 

「酷い!あれは私が欲しかったのに!」

 

「ごめん、ごめん。今度何か奢るから許して」

 

凄い優等生…何だよねあの2人…どうしてだろう、ちょっと危険な感じがするよ…

 

「やった、これ欲しかったんや」

 

ニコニコで戻ってくるはやてさんは嬉しそうにそれをポケットにしまっていた

 

「…中々の構図、あの写真を撮った人は良い腕をしてる」

 

ムッツリー二がそう呟いていると

 

「次の方どうぞ」

 

高橋先生に言われムッツリー二が立ち上がり

 

「…まだ3-1、次とその次ぎ勝てば大将戦に持ち込める」

 

そう言って出て行ったムッツリー二に対してAクラスからは

 

「1年の終わりに転入してきた工藤愛子です。よろしくね」

 

見たことのないボーイッシュな女生徒が出て来た

 

「教科は何にしますか?」

 

「保険体育」

 

即答するムッツリー二、そうそれだけが彼の最強の武器だからだ

 

「土屋君だっけ?随分保健体育が得意みたいだね?」

 

楽しそうに笑う工藤さんは

 

「でもね、僕だってかなり得意なんだ…実技でね」

 

問題発言をする工藤さんは僕を見て

 

「吉井君だっけ?保健体育で良ければ僕が教えてあげようか?勿論実技で」

 

にやにや笑う工藤さん、ここは冷静に

 

「フッ。望む…「アキには永遠にそんな機会はないから必要ないわ!」「そうです!永遠に必要ありません」

 

美波と姫路さんに力強く断言され、思わず天井を見る…泣いてない、泣いてないからね!これは目から塩水が出てるだけなんだ

 

「明久が死ぬほど哀しそうな顔をしてるんだが?」

 

雄二がそう呟くのが聞こえる…でもそんなこと無いさ…いずれそういう機会があるはずだもの

 

「そろそろ召喚を開始してください」

 

高橋先生の召喚を促す声が聞こえる…でも今は正面を見れないや…塩水が零れ落ちちゃうから…暫くそうしてると

 

「…勝った」

 

ムッツリー二の静かな勝利宣言が聞こえてくる。天井を見てるせいか、全然見えなかったけど…勝ったみたいで安心したよ…

 

「これで3-2ですね、次の方は?」

 

淡々と勧める高橋先生の声…もう少ししたら前が見れるんだけど…もうちょっと時間が欲しい

 

「は、はい!私です」

 

次は姫路さんのようだ…対戦相手は

 

「それなら僕が相手をしよう」

 

どうやら声からして久保君のようだ…

 

「不味いかもな」

 

彼はかなりの実力者だ。龍也達と比べれば見劣りするが充分すぎるほどの強い…姫路さんと互角の実力を持っている2年でもトップクラスの生徒だ

 

「科目は総合科目で良いよね。姫路さん」

 

「ええ、それで良いです」

 

静かに返答する姫路さん…彼女の雄姿はぜひ見たい。涙も止まってきたし…前を見るか…僕が前を見た瞬間

 

「勝者姫路瑞希」

 

高橋先生の静かな勝利者名乗りが聞こえる…

 

「見逃した…点はどうなったんだ?」

 

何も見れなかったことに絶望しながら点を表記してる、ディスプレイを見ると

 

『Fクラス 姫路瑞希 総合科目 4409点』

 

    VS

 

『Aクラス 久保利光 総合科目 3997点』

 

400点差の圧倒的な点だった…

 

「姫路さん…どうやってそんなに強くなったんだ?」

 

負けた久保君がそう尋ねると

 

「私はこのクラスが好きなんです。人の為に一生懸命な皆がいる、Fクラスが」

 

人の為に一生懸命かどうかはよく判らないけど…皆は一生懸命だ。主にモテ野郎を潰す為にだが…

 

「Fクラスが好き?」

 

「はい、だから頑張れるんです」

 

にっこりと微笑み姫路さんは戻ってきた…これで3-3のイーブン…全ては雄二に託された

 

「最後の1人どうぞ」

 

「…はい」

 

高橋先生が若干動揺した表情で最後の一人を呼ぶ…もちろん出てきたのは霧島さんだ…うちのクラスは勿論

 

「俺の出番だ」

 

坂本雄二、こいつしかいない

 

「教科はどうします?」

 

高橋先生の問いかけに雄二は

 

「教科は日本史、内容は小学生レベルで100点満点の上限有りだ!」

 

雄二の宣言にAクラスがざわめく、当然だこれで僕達にも勝利の可能性が出るのだから

 

「わかりました。そうなると問題を用意しなくてはいけません。少し待っててください」

 

そう言って出て行く高橋先生を見送り雄二に近付き

 

「雄二、後は任せるよ」

 

手を握りながらいうと雄二は

 

「ああ、任された」

 

僕の手を力強く握り返し笑った

 

「…ピッ!!」

 

ムッツリー二がピースサインを雄二に向けると

 

「お前には随分助けられた、感謝している」

 

「…フッ」

 

小さく微笑みムッツリー二が戻ってくる

 

「坂本君、あの事、教えてくれてありがとうございました」

 

「ああ。明久の事か気にするな。後は頑張れよ」

 

「はい!」

 

元気よく返事を返す姫路さんに変わって龍也が

 

「まぁ楽に行け。緊張すると力がでないからな。それに最悪でも設備は今のままだしな」

 

「何故だ?」

 

負けたら設備ダウンの筈なのに…どうしてそんな事が言えるんだ?

 

「あれは私の自費で用意した卓袱台や畳だ。それを取り上げる権利は先生といえど無いだろう?」

 

そうだったのか…知らなかった

 

「そうか、少し気が楽になった」

 

雄二が微笑むと同時に高橋先生が戻ってきて

 

「では、最後の勝負を始めます。霧島さんと坂本君はこちらへ」

 

高橋先生がクラスの代表2人に声を掛ける

 

「…はい」

 

「じゃ、行って来るわ」

 

そう言って雄二達は出ていた…これで最後…泣いても笑ってもこれで決着。雄二勝ってくれ…僕がそう祈っていると点が表記された

 

『日本史限定テスト 100点満点』

 

『Fクラス 坂本雄二 53点』

 

    VS

 

『Aクラス 霧島翔子 97点』

 

この瞬間、僕達の敗北が決定した…

 

 

 

「4-3でAクラスの勝ちです」

 

私達が視聴覚室に行くと高橋先生が冷静に告げた。仕方ないか…

 

「雄二、私の勝ち」

 

霧島がそう言うと雄二は

 

「殺せ」

 

雄二がそう呟くと明久が

 

「良い覚悟だ!殺してやる!!」

 

拳を握り締める近付いていく、私が止めようとする前に

 

「吉井君!落ち着いてください!」

 

姫路が止めると明久は

 

「だいたい、53点ってなんだよ!0点ならまだしもその点なら」

 

「如何にも俺の今の全力だ」

 

潔く認める雄二。こういう潔さは素晴らしい私が感心してると明久はヒートアップしながら

 

「なぜ止めるんだ姫路さんに美波!このバカには喉笛を引き裂くと体罰が必要なのに!!」

 

それは体罰じゃない、処刑だ。私がそんな事を考えてると霧島が

 

「危なかった、雄二が小学生の問題だと油断してなければ負けていた」

 

「言い訳はしない」

 

まぁそうだろう、真剣に勉強してれば100点で雄二の勝ちだったのだから

 

「…所で約束」

 

ああ、なんでも言う事を聞くって約束だったな…まぁ予想は付くが…

 

「お前の言いたい事は判ってる」

 

「そう、それじゃあ、私と付き合って」

 

やっぱりな、そんなことだと思ってたよ…

 

「馬鹿な!?それが要求なのか!?」

 

「…信じられない」

 

カメラを準備していた康太と明久の方が信じられないのだが…

 

「やっぱりか…お前、まだ諦めてなかったのか」

 

「…私は雄二が好き。これを変えるつもりは無い」

 

…はやてとかと同じ様な言い回しだ…

 

「その話は何度も断っただろう?他の男と付き合う気は無いのか?」

 

「…私には雄二しかいない。他の人に興味は無い」

 

…はやてだ!はやてと同じ人種だ!?

 

「おお、私と似とる。仲良く出来そうや」

 

「ええ、仲良くできそうですね」

 

はやてとセッテが霧島の有り方に共感してる!?

 

「…拒否権は?」

 

「…ない。約束だから。今からデートに行く」

 

「ぐあっ!放せ!…神!た、助けて!!頼むから!」

 

私に助けを求める雄二だが

 

「無理だ…」

 

はやてと同じタイプの霧島を止める手立ては私には無い。残念だがお別れだ…

 

「…遊園地に買い物…楽しみ」

 

「…放せええええッ!!!」

 

ズルズルと引き摺られる雄二を見送っていると

 

「さて、Fクラスの皆。お遊びの時間は終わりだ」

 

西村先生の声が聞こえ振り返ると。西村先生は笑いながら

 

「今日から俺がFクラスの担任だ。今から補習の説明をするぞ」

 

おお、福原先生から変わるのか、それはそれで面白そうだ

 

「今回は設備ダウンは無しだ。あれは龍也の自費で用意された物だからな。だがそれでは他のクラスに示しがつかん。だから俺がお前達の担任になることになった。どうだ?嬉しいだろう?」

 

にやりと笑う西村先生に対してのFクラスの返事は

 

「「「何ィ!?」」」

 

動揺だった…そんなに嫌か?

 

「お前達は良くやった。学力が全てではないというお前達の言い分もわかる。しかし人生を渡っていく上で学力も必要な物で、蔑ろにして良い物ではない」

 

名言だ、流石西村先生良い事を言う。これぞ教師の鏡だ

 

「吉井。特にお前と坂本は念入りに監視してやるからな」

 

まぁ今回の戦争の功労者と観察処分者だからな。無理も無いか…

 

「そうはいきませんよ!なんとしても監視の目をかいくぐって、今まで通りの学園生活を過ごして見せます」

 

「…悔い改めるという選択は無いのか?まぁ良いそんなことはさせんからな。さてとりあえず明日から授業とは別に補習の時間を2時間設けてやろう」

 

2時間か…まぁ仕方ないか、そうなると夕食のグレードは少し下がるが仕方ない

 

「龍也と八神、スカリエッティ。それに姫路は1時間だ。お前らは優秀な生徒だからな」

 

優秀か…そう言って貰えると嬉しいな。

 

「さてと、それじゃあ約束通りクレープを奢ってもらおうかしら?」

 

「ええ!?それは週末って約束じゃ!?」

 

「だ、駄目です!吉井君は私と映画を見に行くんです!!」

 

明久が美波と姫路に掴まってる…何かあったのだろうか?私がそんな事を考えているとはやてとセッテが私の腕を掴み

 

「帰ろか。そうや帰りにクレープでも食べていこうや」

 

「はやてに賛同するは遺憾ですが、賛成です」

 

引き摺りながら言う2人に

 

「そうだな、とりあえず私を引き摺るのを止めてくれないか?」

 

「却下です」

 

「却下や」

 

私を引き摺って帰るのはもうお決まりのようだ…私は引き摺れながら

 

「それでは西村先生。明日から宜しくお願いします」

 

「気をつけて帰れよ」

 

優しく返事を返してくれた西村先生に見送られ、私は学園を後にした

 

第18問に続く

 

 




えーと漸く1巻終了です。2巻はかなり内容をいじるつもりです、それで面白くなれば良いのですが。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします

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