バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回の話は前回と前々回でキーワードだけでていた「性別逆転薬」を使おうと思います。ただし襲われる的な感じにはなりません。しかし明久が身の危険を感じる程度にはなります、それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


例題13

 

例題13

 

災難っていうのは忘れた頃にやってくる……僕はこれを初めて実感していた。あの恐怖の王様ゲームと言う名の下の×ゲーム。今でも目を閉じれば馬のマスクを被って踊っていた龍也の姿が脳裏に浮かぶ、爆笑不可避の呪いとして僕達の脳裏に刻み込まれた。そのせいか本当の意味で警戒しなければならないものを忘れていたのだ

 

「どうぞ、今日は美味しいジュースを貰ってきたんですよ」

 

今日は何故かお腹が減るのが早かったので購買のパンを買ってきて皆で食べていると、紙コップにジュースを注いで差し出してくれる瑞希。中身をのぞくとちょっとピンク色のジュースだった

 

(桃のジュースかな?)

 

一応念の為にコップを持ち上げて匂い嗅いで見ると特に問題があるような匂いはしない

 

「へー折角だから頂くぞ」

 

「……パンだからちょうどいい」

 

雄二とムッツリー二が飲むのを見てから僕も口にする、爽やかな中々に美味しい

 

「美味し……「瑞希、ジュースに混ぜ物をするな、しかもこれあれだろ?ジェイルの性別逆転薬」……えへ♪」

 

「「「ふぁあああああッ!!!!」」」

 

龍也の言葉に絶叫するがもう遅い。もう飲んでしまっている……どうせ言うならもっと早く言ってくれればいいのに……

 

「よっし!」

 

「ふっふーん♪」

 

教室の扉が開き姿を見せる美波と優月。その手には色々な服と化粧箱……そして更なる敵が僕達の前に現れた

 

「美春参上!お姉様!色々持ってきました」

 

清水さんが大量の衣服を持ってFクラスに突入してくる。逃げようにも身体が痺れて思うように動けない

 

「グッドラック♪骨は拾わないからな」

 

そして龍也は自ら窓を開き逃げ出していった……痺れて動けない所か喋る事もできない僕達は心の中で

 

(((裏切り者オオオオ!)))

 

今度絶対逆襲してやると心に誓うのだった……しかし良く考えればこれは龍也の逆襲ってことで結局自業自得?と言う考えが僕の頭を過ぎるのだった……

 

 

ぴくりとも動かないアキ達を観察しながら、目を輝かせている瑞希に

 

「これ本当に大丈夫なの?」

 

あまりに反応がないので不安になってきた、机の上の薬の瓶をみて更に不安になる。面白い事があると言って参加してみたけどこれ大丈夫かな?と不安になっていると

 

「あ、髪が伸びてきたよ」

 

観察していた優月がそう呟く、良く見るとアキの髪がゆっくりと伸びてきている……坂本と土屋も同じだ。身長が縮んでいるのを見て

 

(本当に教頭は凄いわね)

 

一体どういう頭の作りをしているのだろうか?と思ってみていると

 

「……雄二が可愛い事になると聞いて」

 

「ムッツリー二君を苛めに来たよ!」

 

翔子と愛子が姿を見せる。しかし相変わらず愛子は土屋を苛めるのが好きなんだと思うと思わずため息が出た

 

(愛情表現にしても酷い)

 

とは言えウチも昔はそんな感じの事をしてしまっていたので愛子を責める事もできない。とりあえず今はアキを観察しようと思い見ていると坂本が身体を起こしたのだが

 

「なんだこれはあ!?」

 

それはウチが言いたい。坂本の長身は縮み縮み……何故か小学校低学年程度へとなっていたのだ。声も非常に高くなんと言うか可愛い子供って言う感じだった。しかし気になる点が1つ

 

(((服も縮んでる)))

 

それはなんと言えば良いのだろうか?世界に対するロリに対する修正力?と言うわけの判らない単語が脳裏に浮かぶ

 

「……雄二」

 

そして誰よりも反応が早かったのが翔子。坂本を一瞬で攫いその豊満な胸に抱え込んで

 

「……可愛い♪」

 

これは坂本ならどうでも言いと思っている顔だ。幼女だろうが、少年だろうが関係ない。坂本ならOKと意思を感じる

 

「放せええ!!」

 

抱き締めて坂本の頭を撫でている翔子。坂本も暴れているけどただ出さえ子供、そして力も弱くなっている今の常態で逃げれるわけもなく

 

「……可愛くしてあげる」

 

どうしてあったのか?と尋ねてたくなる服を手に坂本に迫る翔子。その背中で坂本の姿は見えないが怯えているのは気配で判った

 

「や、止めろ!くるな!こっちに寄るなァーッ!!!!」

 

その断末魔を最後に坂本の声は全く聞こえなくなるのだった……その余りに悲壮な叫び声に思わずウチは目をそむけるのだった

 

 

雄二を着替えさせて頭を撫でる。死んだ魚のような目をしているけど、充分に可愛い

 

(雄二は女の子になってもかわいい)

 

私は知っている雄二が実はとても可愛いのだと、だから女の子になると更に可愛い。子供になっているの更に2割り増しで可愛い

 

「逃げれると思った?残念!逃がさないよ」

 

私の視界の隅では愛子と土屋が戦いを繰り広げていた。雄二と違い、殆ど今と同じ姿だが肩元まで伸びた髪とバランスのとれた容姿の少女となっている土屋。愛子も土屋なら性別は関係ないと言いたげに捕まえようとしている

 

「……この変態が……」

 

悪態をつきながらその手を回避している土屋を見ながら

 

(今の雄二は可愛い、だけど違う)

 

可愛い雄二は見ていて楽しい、だけどそれだけだ……私の好きな雄二は

 

(不器用で優しい雄二)

 

この雄二は愛でて可愛い者であり、私の好きな雄二ではないのでとりあえず愛でるだけにしておく

 

「いい加減放せよう」

 

弱々しく呟く雄二を放して自分の前に座らせて

 

「……話をしよう。いつでも話してくれる約束」

 

私がそう言うと雄二は溜息を吐きながら

 

「判った。判った、薬が切れるまで話をしてやる、だから変なことをするなよ」

 

警戒している雄二。これがもし少年だったら暴走したかもしれないけど

 

「……心配ない。私は女の子は好きじゃ無い」

 

「安心すれば良いのか?俺はどうすればいい?」

 

溜息を吐いている雄二に私は笑いながら

 

「……話をしてくれれば良い。私を見て話をしよう?」

 

ずっとこの薬の効果が続くわけではないのだから、その間はゆっくり話をしようと言うのだった。なお視界の隅では

 

「ふむふむ中々の絶壁!これはこれであり」

 

「……無いに決まってるだろううううう!この変態イイイイッ!!!」

 

愛子が土屋を捕まえて押し倒し、何か満足しきった顔でその身体を摩っていた。その恍惚とした表情を見て

 

(付き合い方を考えたほうが良いのかもしれない)

 

今まで友人として付き合ってきたけど、今の愛子は性犯罪者にしか思えず、本当に危険人物のように思えたのだ

 

「……どこを触ってるうう!」

 

「え?絶壁の山頂」

 

「……とんだ変態だ!離れろ!すりすりするな!この変態イイイイッ!!!」

 

土屋の絶叫を聞いて本当にこれからの愛子との付き合い方に悩むのだった……

 

 

 

Fクラスで起きている絶叫の宴、美春はそれを見ないようにしながら

 

「これが可愛いとおもうです!」

 

美春のコレクションであるフリフリのドレスをお姉様に差し出しました。吉井が女性になったとき、それはなんとも驚くべき姿でした。ウェーブの掛かった栗色の髪にこれでもかと主張する胸部に全身から溢れるぽわぽわオーラ……

 

(これは完璧です)

 

同性とか元男とか関係ない、見るもの全てを魅了する魔性の美しさと言うのを初めて美春は見たのです。お姉様と木下さんは自分よりも大きい胸のサイズに絶望していましたが、貧乳はステータスなので何の問題でもないです

 

「僕は悪くないのに何でぇ!?」

 

鬼の表情をしているお姉様を見て絶叫している吉井。まァこればかりは仕方ないですね、持つ者と持たざるものの戦いは早々終わる物ではないのですよ

 

「明久くーん♪今度はこれに着替えましょー♪」

 

「嫌ああ!これ以上僕にトラウマを増やさないでええ!!!」

 

「まぁまぁ。可愛くしてあげるから大人しくしてて?」

 

姫路さんが色々と着せ替えようとしています。それは確かに可愛いですが、中身が男性なのでもっとも拒否したい物。メイド服+ガーターと非常にマニアックな物でしたが、あの白い足ならば確かに生えるでしょう。しかし美春には1つ疑問がありました

 

(姫路さんは百合?)

 

どうして何かにつけて吉井を可愛くしようとしているのか?それは実は自分の性癖なのでは?それに噂では体育倉庫で吉井を襲おうとしていたなんて話も聞きます、優等生だけど若干引かれているのが今の姫路さんの状況なのですが、全然気にしていません。その鉄の心は正直賞賛に値するとおもうのです

 

(これが肉食系女子)

 

ここまでぐいぐい押しているとむしろ引かれそうなものですが、吉井はその聖母のような優しさで受け入れています。これは美春には真似できない事でしょう

 

「確かに可愛い……可愛いけど、何か違うのよね」

 

首を傾げているお姉様。お姉様はこっちの道には来てはいけないです、お姉様と吉井の事を考えて美春は手を引いたというのに、お姉様がその道に行ってしまったら美春もまたその道に戻ってしまいそうだからです

 

(でもお父さんも大好きです)

 

この複雑な気持ちは何か?それは1つしかない、恋ですね。ですが美春はお姉様の恋愛を応援すると決めたので邪魔なんていたしません。お姉様と吉井がそう遂げるように頑張ります

 

(これもその1つなのですから)

 

嬉々として吉井に化粧を施している木下さんと着せ替え人形にしている姫路さん。こんな2人を見れば以下に聖母といわれている吉井とはいえ幻滅するでしょう

 

(ここでお姉様が止めに入ってくれれば)

 

何故かスクール水着とニーソックスと猫耳を構えている姫路さん。その目は紅くなり鼻息も悪い、それは既に変態と言わざるを得ない領域だが

 

(ここでお姉様が止めれば株は急上昇!)

 

くっくっく……全て美春の計算通りなのですよ。私はつねにお姉様の味方なのですから、この最高のタイミングでお姉様にアドバイスをと思った瞬間

 

「アキ君になにをしているのですか!」

 

「!」

 

「みーちゃん!!助けてぇッ!」

 

しかし美春の計画は無残にも破壊された。3年の高城雅の乱入により……もっとも吉井の評価を上げるタイミングを失った

 

(誰が!?)

 

美春のほかにタイミングを見ていたやつがいる!私の勘がそう言っている!即座に窓の外を見たそこには

 

(なるほどお前が美春の敵)

 

小暮葵……時折感じていた自分と同じ気配。しかし今ここで確信した、あれもまた自らを賭けて親友の恋を叶えようとしている存在だと……美春と葵の視線がぶつかり、美春と葵は同時にその親指を下に向け殺すという意思表明をするのだった。

 

「大体ですね!貴方は変人なのですよ!アキ君は男の子のままで充分可愛いです!」

 

「雅に同調するのは嫌だけど、ウチも瑞希の考えは理解できない」

 

美春と葵が互いを敵だと認めてあっている背後で常識派魔王と異常派魔王の口論が起きていたりする。その中で確実に明久の高感度は上がっていたりするのだった。問題は美春と葵の計画通りではなかった、その1点だけだろう

 

 

しかし美波達は気付くことはなかった。この争いの中Fクラスに忍び込む悪魔の姿を……気配を殺し、存在を零にし目的の物を手にしたその悪魔の名はKUBO。既にAクラス所か学園でも家でも自分の居場所を持たぬ者は性別逆転薬を手に歪んだ笑みを浮かべ、現れた時と同じように消えていくのだった……

 

 

例題14へ続く

 

 




次回はこの女体化騒動の本番に入って行きます。これはまだ序章。まで始まってもいないのですから、全力全壊で壊しに行こうと思っています。KUBOはまだでませんのでご了承ください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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