バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回の話は当然前回の続きになります、完全に壊れている龍也さんでお送りします。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


例題12

 

例題12

 

演劇部の小道具の置いてある部屋では予想を超える自体が俺達を待っていた。王様ゲームと言う名前の地獄遊戯……そして目の前では

 

「ダンッ!ダンダンダンッ!!!」

 

やたらリズミカルなステップで踊っている龍也。もう自暴自棄になっているのが良く判る何故なら

 

「ダンッ!ダンッ!ダンダンッ!!!」

 

馬のマスクを被り、腰にはターザンのような腰巻、しかもしっかりズボンをはいているので訳が判らない事態になっている。そして馬のマスクには存在感を放つ鼻眼鏡

 

(((もう訳が判らないよ)))

 

龍也もあのマスクの下でどんな顔をしているのだろうか?怒っているのだろうかそれとも絶望しているのだろうか?

 

「ばふ!?」

 

そしてついに明久が爆発した。エンドレスで踊っているのでいつまでも耐え切れる物ではないが……馬鹿な事をしたと思う

 

「はっ!?」

 

龍也が明久の後ろに素早く回りこんで首に手を回し

 

「へも!?」

 

「「「明久あああああ!?」」」

 

首をネジって明久を昏倒させた。あれ死んだんじゃ……龍也は明久を引きずり小道具置き場に消え数分後

 

「……」

 

十字架に明久を縛りその顔に猪の仮面をかぶせ

 

「ダンダンッ!!!」

 

その周りを回転しながら踊りだした。さっきよりも激しく、そしてよりリズミカルに

 

「ぶはあ!?あははははッ!!……はっ!?」

 

俺達ではなくヴィータが爆発した。それはそうだ耐えれる物ではない

 

「いひゃい!あにひ!いひゃいいいい!?」

 

無言でヴィータの頬を引っ張り伸ばしているヴィータ。暴れている手と足しか見えないが相当痛そうだ。そして再び無言で明久の前に戻り

 

「ダンッ!ダンダンダンッ!!!」

 

「ぷっ!はっ!?」

 

俺もついに笑ってしまった無言だから余計にその破壊力が増しているように思える。龍也はやはり無言で俺の首に手を回す、そしてその時に気付いた

 

(殺す・殺す・殺す)

 

小声でエンドレスで呟いている恨みの声に……

 

「怖えよ!?龍也殺意にへげぐあ!」

 

そして俺の意識は刈り取られ、明久と同じように暗がりに引きずられていくのだった……

 

 

 

私は目の前の光景を見て少しながら後悔した

 

「「「……」」」

 

動物のラバーマスクを被らされ十字架につるされている明久達とこっちを見ている馬のマスクを被った兄ちゃん

 

(籤運最低すぎるやろ)

 

いくらなんでもこんな姿になるなんて思ってなかったので、3回爆発したヴィータ。そして美波達は

 

「これ落ちない」

 

「ひ、酷い」

 

額に肉と書かれている美波達は鏡を見ながら何とか落とそうとしているし、ヴィータは頬を押さえて

 

「はやての馬鹿ぁ……」

 

しくしくと泣いているヴィータ。頬をつままれすぎて紅くなっている

 

「じゃあそろそろ次のクジ引きを」

 

「「「まだやるの!?」」」

 

美波達の悲鳴が重なるが、まだスカリエッティさんの性別逆転薬を使っていないし、それに

 

(そろそろ×ゲーム回避の箱も空っぽやし、過激なのは無しで普通に遊べばいいやん)

 

悪乗りしすぎたのが全ての敗因だ。なら普通に遊べば良いのだから

 

「ほい、兄ちゃん」

 

馬のマスクをかぶっている兄ちゃんに割り箸を差し出す。しかしまぁここまで良く揃ったもんやよなあ……兄ちゃんの籤運年々悪くなっているんじゃないかとおもう

 

「……」

 

馬のマスクのまま割り箸を引く兄ちゃん。ちらっと見えた数字は5番。それで私は王様っと

 

「5番は仮装を脱いでいいよ」

 

いくら私でもあんな兄ちゃんをずっと見ていたら爆発しかねないのでその前に仮装を外してもらう事にする。

 

「……」

 

無言でマスクを脱いだ兄ちゃんは能面のような顔をしている。感情を停止させているのだとわかる

 

「じゃあちょっと休憩してもう悪乗り禁止な」

 

特にセッテと付け加え、5分間の休憩をするのだった……しかしその間も兄ちゃんが笑う事はなかったのだった

 

「ほい。兄ちゃんから」

 

「……帰らないか?」

 

心底嫌そうな顔をして居る兄ちゃん。まぁそれは当然かもしれない、今までの惨劇を考えればそろそろ帰ろうというのは当然の事だ

 

「まぁまぁあと数回だから」

 

どの道あと30分のうちには家に帰らないといけないのだから

 

「判った」

 

嫌そうな顔をしてくじを引く兄ちゃん。弱点ではあるけどやりすぎたかもしれない……

 

「ん?ああ、王様だな」

 

ギュピーンっと兄ちゃんの目が光ったように見えた。そして私は自分の誤算を初めて理解した

 

(兄ちゃんって悪戯好きなよねえ)

 

真面目で堅物と言う印象が強い兄ちゃんだが、その実洒落っ気が強く、そして子供じみた悪戯を好む事がある。そして今の状況を考える限り

 

(地獄を見るのは私たちかも知れない)

 

口の端を僅かにあげて笑っている兄ちゃんに背中に冷たい物が流れるを感じるのだった……

 

 

 

龍也が1回王様になってからか、何故か王様はずっと龍也だった。これが普段の龍也なら安心なのだが、今の龍也はさっきの自暴自棄の謎の踊りのせいか……味方ではなく全員の敵になっていた……

 

「じゃああれだな。1番は4番の言うことを聞くこと」

 

しかも判っている。判っているのだ、誰がどの番号を持っているのか?そして僕はさっきからの4回連続命令で

 

「じゃ、じゃあこれを!」

 

興奮した様子で差し出されたのはもふもふの耳が付いたヘアバンド。俗に言う猫耳ヘアバンドってやつだ

 

「ちくしょう!黒歴史ばかりが増えていく!!!」

 

龍也は自分で考えるのではなく魔王を利用して僕達を追い詰めている、周囲に常に魔王がいるので魔王の扱いは慣れすぎている。唯一安心しているのは

 

「ジェイルの薬は危険だから没収だ」

 

博士特性の性別逆転薬という怪しげな薬を取り上げてくれた事だろう。

 

「「「そんな!?」」」

 

美波とかがショックを受けているのがわかる。そんなに僕に飲ませたかったのだろうか?そう思うととてつもなく怖いので考えないようにしよう。主に僕の精神衛生上の為に

 

(もう大分やばい感じだけどね)

 

心の中で滂沱の涙を流す。演劇部の衣装のエプロンドレスに猫の手ハンドに猫耳に猫耳尻尾。見事なまでの女装装備だ

 

「うんうん。明久はやっぱり女装すると可愛いね」

 

そして優月が嬉々とした顔で僕の顔に化粧を施すから更に酷い事になっている。今日だけでかなりの数の黒歴史が増えたとおもう

 

「どうしてお前はいつも女装路線なんだろうな?明久」

 

口調こそはいつもの雄二だがその目は完全に死んでいる、その理由は明らかだ

 

「……♪」

 

雄二の膝の上に頭を乗せてご機嫌そうに雄二の顔を覗きこんでいる霧島さんが原因だろう。しかし霧島さんがなんでこんなに甘えている所は初めて見たかもしれない。もしかすると雄二は日常的にこんな姿を見ているのかもしれない……しかしそれよりも今大事なのは

 

「工藤さん?ムッツリー二死ぬよ?」

 

「……ダクダクダクダク」

 

留まる事を知らない鼻血。それに伴いムッツリー二の顔色が土気色になりつつある、これはかなり危険な領域かもしれない

 

「大丈夫大丈夫。輸血パックあるでしょ?」

 

ムッツリー二は確かに念の為に輸血パックを持っている。ムッツリー二を抱えたままムッツリー二の鞄から輸血パックを取り出して準備している工藤さん。その手際は実に慣れている

 

(もしかして日向ちゃんも使えるのかな?)

 

工藤さんがここまでなれているのだからもしかすると日向ちゃんも出来るのかもしれない。家では間違いなく毎日のようにムッツリー二は死にかけているのだから

 

「じゃあ最後なぁ」

 

はやてさんに差し出された箱から割り箸を抜き取る。今度も多分龍也……

 

「あ、私です」

 

割り箸を手にもって嬉しそうに笑う瑞希。今までは大体はやてさん達と龍也と美波とかだったりしたのでこれは予想外だ

 

「「「まさかの瑞希!?」」」

 

僕達の声が重なる。ある意味魔王様たちの中でピカイチで危険な瑞希が手にしてしまった。一体どんな命令が……

 

「6番はジャンプしてください」

 

あまりに普通な命令に驚く中6番がジャンプする。それは龍也だったのだが……

 

「おっと」

 

ポケットからビンが落ちる。それは博士特性の性別逆転薬の瓶でころころと転がっていく

 

「「「っておい!?」」」

 

それは特S級の危険物体でそれを手にした瑞希は

 

「さよならー!!!!」

 

凄まじい勢いで演劇部から出て行った。そのあまりの速さに対応できない間に龍也がのほほんと

 

「うっかりしたな」

 

もう気も晴れたのかいつもの口調で呟く龍也に僕と雄二は

 

「「うっかりしたなで済むかぁー!!!この馬鹿ぁ!?」」

 

なんとしてもあれを奪い返さないと僕も雄二もヤバイ。不機嫌そうな霧島さんと僕は猫耳メイドの姿のまま瑞希を探す為に学校から飛び出したのだった

 

「ちょっと!アキー!その格好で外でたら駄目ー!!!」

 

「瑞希!それ私にも!!!」

 

「……雄二、なんで私を置いていくの?」

 

慌てたようすで鞄を掴んで出て行く美波達。部室に残ったのは龍也達だけで……

 

「兄ちゃん。わざとやろ?」

 

残されたはやてが龍也にそう尋ねる。すると龍也はニッコリと黒い笑顔で笑う、これは危険だと判断したはやて達が逃げようとしたがそれよりも早く龍也は出入り口の前に立った。これでははやて達は逃げる事ができない

 

「どこへ行くのかな?たまにはゆっくり話をしようじゃ無いか?」

 

「「「あはははは……」」」

 

逃げるが出来ないと知ったはやて達の乾いた笑い声が演劇部の部室に木霊するのだった……

 

 

はやて達が龍也の説教を受けている頃瑞希はと言うと

 

「やったやりました」

 

普段の運動の苦手な素振りはどこへやら、本気で捕まえようと追いかけてくる明久と雄二を完全に巻いて自分の家へと無事に帰っていた

 

「これで……明久君を可愛くできます♪」

 

しかし瑞希の考えている事は明久と雄二の考えている最悪の展開。お互いに性別が交換されて襲われるではなく、以下に明久を可愛く出来るか?それだけを考えているのだった……

 

例題13へ続く

 

 




じかいはこの性別逆転薬を使って明久を玩具にしてみようと思っています。魔王達の逆襲ですね、それでは次回の更新も楽しみにしていてください

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