バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回の話は「王様ゲーム」と言うことで全編ギャグテイストでお送りします、色々なハプニングを混ぜていこうと思っているので楽しみにしていてください。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



例題11

 

例題11

 

この日Fクラスは異様な雰囲気に満たされていた……須川君達は既に逃亡しているが、出来ることなら僕も逃げたい。だけどそれを許される立場に今の僕はいないし、雄二やムッツリー二も同じ状況だ。恐る恐る顔を上げる

 

「どうした?笑えよ明久、雄二、康太」

 

いつもと同じ口調なのが逆に恐ろしい、そして顔を上げてもなお目の前にいる龍也を見ることが出来ない

 

「「「……」」」

 

手で口を押さえている魔王様、あれは正直言ってずるいとおもう。龍也は魔王様たちには困らせているけど、基本的には魔王様達には非常に甘い、この時点で僕達と魔王様達の条件は同じではなく、僕達の方が不利になっているのだから……だがいつまでも逃げることは出来ない、覚悟を決めて正面を見る

 

鼻眼鏡・モヒカンのカツラと言う異様な格好をした龍也が腕を組んで僕達を見ている

 

(((笑っちゃ駄目だ。笑っちゃ駄目だ、笑っちゃ駄目だ)))

 

きっとこの時僕達の心は完全に一致していただろう。今笑えば間違いなく龍也は僕達の命を刈り取りに来る……それほどの緊張感がFクラスに満ちていた……

 

(((如何してこんな事に……)))

 

それはそう本の些細な悪戯心が全ての元凶だった……

 

「え?龍也って籤運悪いの?」

 

放課後龍也が教室にいない間に本の出来心ではやてさんに尋ねてみたのだ

 

『龍也が苦手な物ってなに?』

 

と尋ねたのだ、龍也の弱点として僕達が知っているのはエロに体性のないこと。それだけだけどはやてさん達なら何か知っていると思い聞いたのだ、今思えばこれが全ての間違いだったのかもしれない

 

「兄ちゃんの弱点かあ……ええで、ちょうど今日は時間もあるし準備しよか?」

 

魔王の笑みで笑うはやてさん達にこれは絶対何か選択肢を間違えた。逃げなければと思ったのだが

 

「面白いことをするから美波達は明久達を逃がさないでな?」

 

「「「判ってる」」」

 

「「「しまった!?回り込まれている!?」」」

 

僕には美波と瑞希、ムッツリー二には工藤さん、雄二には霧島さんが傍にいて完全に僕達の動きを封じていた。この時からうすうす感じていたのだ、僕達は聞いてはいけない質問をしてしまったのだと……

 

「所でよ。龍也の弱点って何なんだ?」

 

逃げる事ができないを悟った雄二がはやてさんに頼まれた紙を切りながら尋ねる。

 

(結構枚数を切ってるけど、これ何するんだろ?)

 

面白い事になるというだけで詳しく説明してくれないはやてさん。僕とムッツリー二も言われるがまま紙を名刺大の大きさに切り続けている。それに美波達に面白い事があるといったのだからなにかあるはずだ

 

「ふっふー♪これなんや~♪」

 

はやてさんが上機嫌で差し出したのは数字の書かれた割り箸……

 

「「「王様ゲーム?」」」

 

僕だけではなく美波や霧島さんの途惑ったような声が重なる。これが龍也の弱点とはどういうことなのだろうか?

 

「兄ちゃんって籤運むちゃくちゃ悪いんよ。もう100回福引矢ってもテイッシュとかしかでないくらい」

 

それは運が悪いというよりかは呪われているのでは?と僕は思った

 

「だから王様ゲームで無理難題を言って、それを回避するためのアイテムとしてその紙に何々をするって書くって訳や。面白そうやないか?」

 

にこにこと笑うはやてさん。でもそれって僕達とかも被害がでる可能性があるわけだけど……

 

「面白いかも……」

 

ぼそりと思わず僕は呟いてしまった。例えばだけど鼻眼鏡とか書いて龍也が鼻眼鏡になったら、どれくらい面白いのだろうか

 

「そうだな、たまにはいいかもしれないよな」

 

雄二も乗ってくる。いくら龍也が運が悪いとは言えそこまでではないだろう、僕達はそんな事を考えながら色々書き始めたのだ。だけど僕達は余りにも甘く見ていたのだ、龍也の運の悪さは呪いのレベルにまで昇華されているという事実を……

 

 

 

「王様ゲーム?何を馬鹿な事を言っている?さっさと帰るぞ」

 

提出物を纏めて教室に戻ると既に王様ゲーム準備をして待っていたはやて達にそう言う。

 

「まぁまぁ。家にはスバルおるし、リインフォースがおるから心配ないって、たまには良いやん」

 

「そうですよ。たまには悪くないと思いますよ」

 

必死に説得しに掛かるはやて……少し考えてから

 

「まぁ偶にはいいかもな」

 

私はその熱意に負けてOKを出してしまった。今思えばそれが全ての悲劇の始まりだったのだと思う

 

「じゃあ1人ずつ割り箸引いてなぁ」

 

参加者は「私」「はやて」「ヴィータ」「なのは」「フェイト」「テイアナ」「セッテ」「明久」「雄二」「康太」「美波」「瑞希」「優月」「愛子」「翔子」の15人。

 

(これだけいればまぁ大丈夫だろう)

 

ピンポイントで狙われる危険性もないだろうし、まぁ純粋に遊びだろうと思っているとはやてが更にルールの追加を説明する

 

「どうしても王様の命令を聞きたくないときはそこの箱からくじを引いて、それを回避することも出来るからなあ?皆忘れんといてな」

 

嫌な命令を聞かない方法もあるのか、それなら更に安心だなと思いながら割り箸を引く

 

(7番。ラッキーセブンか?)

 

籤運の悪い私にしては悪くないかもしれないと思った。普段なら4とかばっかりなのになあと苦笑していると

 

「王様だーれだ」

 

「私だ」

 

イエーイっとヴィータが割り箸を差し出す。意外とヴィータは籤運がいいよなあと思っていると

 

「じゃあ7番が2番の髪を梳く、7番は?」

 

「私だ」

 

まさかのいきなりかあ、まぁ髪を梳くくらいならいいか?と思っていると

 

「2番は私♪よろしゅう」

 

にこにこと笑って私の前に来るはやて、どうしてヴィータはあそこまではやての番号が判ったんだろうなと思う

 

「いつも通りではないのか?」

 

2番ははやて、これはもう普段通り過ぎて呆れるなと思いながら櫛ではやての髪を梳いて元の位置に戻る

 

「はい。じゃあ2回目をどうぞ」

 

なのはから差し出された箱から割り箸を抜き取る

 

(今度は8か、末広がりか?)

 

末広がりの8.まぁ悪くないか?と思っていると

 

「王様は私です」

 

セッテがにこりと笑う。その目は私をじっと見つめている

 

(いくらなんでも当たる訳が……)

 

確立は14分の1。しかもデバイスもなしいくらなんでも当てれるわけが……

 

「8番が王様のイスになる」

 

「……8番……」

 

失礼しますと言って私の膝に座るセッテ。これは間違いない、間違いないぞ……

 

(嵌められた!?)

 

14分の1でも私を狙い撃ちしている。これは間違いない、判っているんだ……

 

(不味いな、どうしたものか)

 

セッテを膝の上に乗せたまま、差し出された割り箸を抜き取る

 

(4……死か)

 

そして今度の王様はフェイトで抱っことか言い出したので、命令拒否カードを引いた、中身は

 

「モヒカンヅラ」

 

と掛かれた紙。私は深く溜息を吐きながら小道具置き場からモヒカンのカツラを身につけたのだった……

 

 

俺はどうすればいい、俺は目の前の光景を前に戦慄していた、モヒカンヅラ・鼻眼鏡・肩パッド。どこぞの世紀末の住人のようになっている龍也を直視すれば間違いなく俺は死ぬ

 

(博士の二の舞はごめんだ)

 

視界の隅で痙攣し泡を吹いている博士の姿がある。さっき何か用事があってきたようだが、龍也の姿を見て爆笑そして次の瞬間

 

「神に祈る間をやろう」

 

「え?へもきゃ!?」

 

ドズンッ!!!と信じられないほど重い音を立てて命中した龍也の蹴りを喰らい泡を吹いて気絶した

 

(((タイキックとかのレベルじゃ無い)))

 

そのあまりの威力に俺達は心の底から怖いと思っている。そしてそんな俺達を見ている笑っている翔子達

 

(怒っていても冷静なんだよなあ)

 

女に手を上げることのない龍也だ。笑ったとしても怒りはしないだろう、その分俺達がヤヴァイ、そして魔王も龍也が面白くなるのが楽しいのかどんどんエスカレートしてくる

 

(龍也の弱点が知りたかっただけなのに)

 

ほんの小さな逆襲のつもりだったのに如何してこんな事になってしまったのだろうか?

 

「じゃあ王様を5番が抱き締める」

 

「パスだ」

 

またピンポイントで龍也、なんて籤運が悪いんだ……龍也がパスをするときの箱から紙を取り出す。どうか普通のものを……

 

「胸に7つの傷の男Tシャツを着る」

 

神はいねえ……モヒカンヅラ・鼻眼鏡・肩パッドと来てなんで胸に傷のある男Tシャツなんだよ。世紀末の住人と救世主がミックスされているじゃねえか!?

 

(雄二。僕はあの視覚兵器に耐える自身がない)

 

そんなの俺だってそうだ、出来るだけ見ないことで対処しようとしていると

 

「こっち見ろよ」

 

着替え終わった龍也がそう声をかけてくる。これは罠だ、顔を上げるな

 

「ぼぶっ!?」

 

「「ムッツリー二いいいいい!?」」

 

ムッツリー二が噴出し机を叩いている。そんなレベルの視覚兵器なのか!?気になるが見ることは出来ない

 

「……ふんっ!」

 

「あが!?」

 

とさっと軽い音を立ててムッツリー二が気絶する。そしてそのムッツリー二を引きずり

 

「やる」

 

まるでお菓子でも差し出すかのようにムッツリー二を工藤の前に差し出した

 

「ほんと!?ありがとー♪」

 

躊躇う事無く工藤に差し出しやがった。今の龍也は救世主所か破壊者だ。顔を見るな、そして耐えろ。時間的にあと1時間……それを耐える事が出来れば俺達は無事に家に帰ることが出来る。そして今日の事は忘れるに限る、そうに違いないと思っていると

 

「そういやあ、スカリエッテイさんに性別逆転薬を作ってもらっただっけ」

 

思い出したようにはやてさんが博士の白衣に手を突っ込みハートマークの瓶を取り出す。ッテ言うか博士はなんて物を作っているんだよ。絶対この人普通じゃねえ、こんな研究者がなんで学校の教師なんてやっているのだろうか?なにか間違っているとしか思えない

 

「じゃあ1度リセットしてこれを×ゲームにしよか?」

 

なんて物を提案してくれるんだ!?もし翔子達と俺達の性別が交換されたら大変な事になるぞ!?

 

「「「キラーン」」」

 

そしてその薬を物凄い目で見ている翔子達。しかも逃げれないように俺の服をしっかりと掴んでやがる……

 

「んーんじゃあ演劇部の衣装とか借りてこようか?そのほうが面白そう」

 

秀吉がそう呟く、面白いって言うのは俺達が玩具になるって事だよな。かなり黒いんだよなあ……っつうか

 

(もう王様ゲームの気配も残ってねえ)

 

王様ゲームの定義が良く判らなくなってきた。今俺達に判っているのは……たった1つだけ

 

((どう足掻いても絶望ってことだな))

 

なにをしても絶望的な状況になる。当然逃げる事もできない、極限状態……

 

(人を呪わば穴2つってよく言ったものだよなあ)

 

ちょっと龍也の弱点を知りたかっただけなのにこの有様だ。どうして俺はそんな事を考えてしまったのだろうか?

 

(本当馬鹿な事をしたよな)

 

機器とした表情で場所移動開始ーと笑う魔王達に連行されながら、俺達は演劇部の部室に足を向けたのだった

 

「こっちみろよ」

 

「「死んでもみねえ!」」

 

モヒカンヅラとTシャツと肩パッドは外したが、鼻眼鏡を装備したまま俺達の後ろを歩いている龍也に振り返る事無く、俺と明久は同時に叫ぶのだった……そして2度と魔王の提案を受け入れる物かと心に誓うのだった……

 

例題12へ続く

 

 




次回はコスプレとかを混ぜていこうと思います。ジェイルの怪しい薬も出していくので楽しみにしていてください、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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