バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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今回はすこし短めですがどうか宜しくお願いします



第15問

 

第15問

 

点補給のテストを終えた2日後の朝

 

「まずは皆に礼を言いたい。不可能だといわれていたのにも関わらずここまで来れたのは他ならない皆と、我らが神のおかげだ」

 

『『『『神!神!!神!!!』』』

 

朝から大音響の神コールに眉を顰めていると

 

「ここまで来た以上Aクラスには勝ちたい!勝って生きるのに必要なのは勉強だけじゃないって教師どもに突きつけるんだ!!」

 

『ウォオオッ!!そうだーッ!!!』

 

『勉強だけじゃないんだーッ!!!』

 

『神を王座に戻せー!!!』

 

『神に勝利を!!!』

 

別にAクラスが私の王座って訳じゃないんだけどな…

 

「残るAクラス戦はこれは一騎討ちで行きたい」

 

『神が居れば勝てるな』

 

『しかし神だけでは勝てんぞ?』

 

ざわざわと言う皆に雄二が

 

「落ち着いてくれ。それを今から説明する」

 

パンパンと手を叩いた雄二は

 

「やるのは当然、俺と翔子だ」

 

代表同士と言えば当然だが…戦力差がありすぎるのでは…

 

「バカの雄二が勝てるわけなああっ!?」

 

明久がそう言うと雄二が投降したカッターが畳に刺さる

 

「まぁ明久の言うとおり翔子は強い。だが勝ち目はある。一騎討ちではフィールドを限定する」

 

自分の得意科目で勝負するつもりか?だがそれでも勝ち目はないのでは?

 

「フィールド?何の教科でやるつもりじゃ?」

 

秀吉も同じ考えなのかそう尋ねると雄二は

 

「日本史だ、正しレベルは小学生程度、方式は百点満点の上限有りで、召喚獣勝負ではなく純粋な点数勝負にする」

 

その条件なら満点が前提となってミスした方が負ける。様は集中力勝負にするつもりか

 

「でも同点なら延長戦だよ?そうなったら問題のレベルも上がるし、ブランクのある雄二には厳しくない?」

 

明久の言葉も最もだ、集中力を乱す方法でもあるのか?私が首を傾げていると雄二は

 

「俺がこのやり方を採った理由は1つ。ある問題がでれば必ず勝てるからだ…それは大化の改新」

 

「大化の改新?誰が何をしたとかの?」

 

明久がそう尋ねると雄二は

 

「そんな掘り下げた問題じゃない。何年に起きたか?という単純な問いだ」

 

大化の改新は645年…こんな簡単な問題をAクラス代表が間違えるのか?…いや…待てよ。雄二はそんなことさえ判らない馬鹿ではない…何らかの勝機が…そうか!

 

「そうか…雄二、お前と霧島翔子は幼馴染だな?」

 

そんな弱点を知ってる。つまりは幼い頃から親交があるに違いない、だからそう尋ねると

 

「驚いた、その通り俺と翔子は幼馴染なんだ」

 

雄二が認めると明久が立ち上がり

 

「総員、狙えぇ!!」

 

それを合図に全員が上履きを構える中、姫路が明久に

 

「吉井君は霧島さんが好みなんですか?」

 

「そりゃ。まぁ。美人だし」

 

明久が即答すると姫路と美波が戦闘態勢に入る…そろそろ止めないと戦争前に負傷者が出るな

 

「落ち着け!今はそんな事をするときではない!」

 

私がそう怒鳴ると皆が座布団に座り込む、やれやれ高校生のノリには付いて行けん…やはり年かなぁ?私がそんな事を考えてると雄二が

 

「とにかく、俺と翔子は幼馴染で、小さい頃に間違えて嘘を教えた。あいつは1度教えた事は忘れない。だから今学年トップの座に居る」

 

瞬間記憶と言う奴か…私と同類だな…

 

「俺はそれを利用してあいつに勝つ!!そうしたら俺達の机は…」

 

『システムデスクだ!!!』

 

その後私達はAクラスに宣戦布告に向かった

 

 

「一騎討ち?」

 

首を傾げるお姉さんに

 

「ああ、Fクラスとして宣戦布告を申し込む」

 

雄二が告げる。今回は代表戦だから雄二を筆頭に僕、姫路さん、秀吉、ムッツリーニ、龍也、セッテさん、はやてさんと言う面子だ。

 

「何が狙いなの?」

 

「私達の目的はAクラスを倒す事だよ」

 

にこやかに龍也が言うと高町さんとハラオウンさんが

 

「面白そうだからですか?」

 

「本当は設備なんてどうでも良いでしょ?龍也?」

 

「正解、2人は良く私の事を判ってるな」

 

にやりと笑う龍也に高町さんとハラオウンさんは

 

「まぁ長い付き合いですし、龍也さんの考えは判りますよ」

 

「そうそう何年一緒だったと思うの?」

 

にこやかに会話をする龍也達…まぁ幼馴染らしいので当然といえば当然だが

 

「そこまで、あれは敵やから。そんなに話したらいかん」

 

不機嫌そうなはやてさんに言われ龍也は若干肩をすくめながら

 

「そうらしい。悪いな」

 

ヒラヒラと手を振り僕達の列に戻る龍也

 

「面倒な試召戦争を手短に終らせれるのはありがたいけど、八神君達と戦うリスクを犯す必要ないかな」

 

当然の反応だ、こちらは基本バカだが、3000点越えが2人と、霧島さんレベルが1人に更にそれ以上が1人…一騎討ちはリスクが高すぎる

 

「賢明だな」

 

予想通りの流れだ、ここから先が交渉の本番だ

 

「所でCクラスとの試召戦争はどうだった?」

 

「時間は取られたけど問題なし。高町さんとハラオウンさんも居たしね」

 

どうやらあの2人もかなり賢いらしい、僕がそんな事を考えてると

 

「実はね、他のクラスとは和平交渉をしたんだ…賢い優子の事だ、私の言いたい事は判るだろう?」

 

「…BとDクラスに攻め込ませるって事かしら?龍也君?」

 

流石Aクラス、こちらの意図を読んで警戒した素振りを見せながら言うお姉さんに

 

「正解、ただ出来ればそんな事はしたくない。どうだろう?私の案に乗ってくれないかね?」

 

にこやかだがこれは脅迫に等しい。龍也と雄二両名での交渉…悪くどい雄二と温厚だが逃げ道を断つ龍也の交渉…この2通りの交渉にお姉さんは

 

「判った。その提案受けるよ。あんな格好した代表と戦争なんてしたくないからね」

 

そこで一旦言葉を切ったお姉さんは

 

「でも、その代わりこちらからも提案。代表同士の一騎討ちじゃなくて、7人での勝負で多く勝った方の勝ち。正し!」

 

ビシッと龍也を指差し

 

「八神君は出さない事。これを呑んでくれるなら受けるわ」

 

不味い、主戦力の龍也の出場停止はこちらに不利だ…雄二どうするんだ?

 

「判った、その条件を呑もう。だが勝負する内容はこちらで決めさせてもらう、龍也抜きなんだそれくらい良いだろう?」

 

「う、うーん…」

 

考え込むお姉さんの背後から

 

「…受けても良い」

 

「うわ!だ、代表?」

 

声を掛けたのはAクラス代表の霧島さんだった。

 

「雄二の提案を受けても良い。でも条件がある」

 

雄二を見ながら霧島さんは

 

「…負けたほうは何でも1つ言う事を聞く」

 

このままでは自分達に不利になると気付いたお姉さんが

 

「じゃ、こうしよう?勝負内容の7つの内4つはそっちに決めさせて上げる。それでどう?」

 

お姉さんと霧島さんの提案…どうするんだ雄二?僕が雄二を見ると

 

「交渉成立だ」

 

言葉短めに言う雄二に

 

「あーちょっと待ってくれないか?」

 

龍也が割り込み、

 

「条件についてはそれで良い。ただ勝負は明後日の10時にして欲しい」

 

龍也?何を考えてるんだ?

 

「どうして?明日で良いじゃない?」

 

お姉さんが言うと龍也は僕の頭を掴んで

 

「1日で私がこのバカを賢くする。そしてその上で勝負だ」

 

「へぇ~面白そうじゃない。良いわ勝負は明後日ね」

 

笑いながら言うお姉さんに

 

「交渉成立だな。一旦教室に戻ろうか」

 

交渉を終えた僕達はAクラスを後にした…

 

そして帰る時間になると龍也が

 

「私がみっちり勉強を教えてやろう。1日あればお前をAクラス並みにして見せる」

 

にやりと笑う龍也に

 

「そ。そんな事が出来るの?」

 

「勿論だ。1日あれば充分だ。では行くぞ」

 

「う、うん!」

 

僕は軽はずみな気持ちで龍也の後を付いて行ったがそれは間違いだと知った…だがそれに気付いた時はもう遅かった…

 

 

第16問に続く

 

 




今回は短めです、次回は明久が魔改造されます…心的外傷と引き換えにですが…それでは次回をお楽しみに!!

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