バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はKUBOの凶行をした久保弟がハートブレイクする話になります。ムッツリー二?彼は日向の玩具になりました。ここ重要です、雄二は多分生きていると思いますよ。多分ね。そんな感じでカオスな話にしようと思っています
それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


例題4

 

 

 

例題4

 

高校見学で危惧していたKUBOの弟がFクラスに見学に来たけど、思ってたよりも普通の子で安心した。と言うより

 

「本当僕の兄さんが迷惑をかけてすいません。父と母も困っているんです、きっと迷惑をかけているって」

 

どうもおかしいのはkUBOだけのようで、家族は普通だったようだ。久保君は本当に申し訳なさそうな顔をしている

 

「そんな事はないって言えないんだよねえ、正直KUBOにはかなり迷惑しているし」

 

脳裏に浮かぶのはどこぞのゾンビのゲームに出てくるやたら下の長い化け物みたいに、天井の引っ付いているときがあるし、窓から放り出してもピンピンしているし……なんと言うか一言で言うと

 

「もう半分くらい化け物?」

 

弟さんに言うのはかなり辛い現実かもしれないけど、僕からすればそうとしか言い様がない

 

「半分もいらないわ。あれはもう化け物よ」

 

「そうですね。4階から落としてもぴんぴんしてますしね」

 

「自分で関節を外して縄抜けとかするしね」

 

美波とかの評価は100%化け物。その言葉にショックを受けている久保君……なんてフォローをすれば良いのか判らない。こういう時は龍也に助けて貰うと良い、そう思い視線を向ける

 

「まぁなぁ……脳内のリミッターを外してるんだろう?自分もどこかで判っているんだと思うぞ。自分の思いが間違っているってだけどなぁ。人を好きになるとかはかなり複雑な問題だしな……そう言う人間もいるって事なんだろう?」

 

「どっちのフォローッ!?」

 

久保君をフォローしているのか、KUBOをフォローしているのかわからない

 

「冷静に私の結論を話しただけだが?」

 

この天然はどうすれば良いんだろうか?凄く頭が良いのに、如何してこうも天然なのか僕はそれを知りたい」

 

「まぁあれやな、思い余って性転換手術とかをするって言い出してもショックを受けないほうがいいんじゃないか?」

 

はやてさんの笑顔の言葉に久保君が涙を流した。それはそうだ、兄さんがおかまになれば間違いなくショックを受ける。そうでなくても多感のときなんだから

 

「ほらほら、ね?紅茶とクッキーでも食べて落ち着こうよ」

 

えぐえぐっと涙を流す久保君に僕は自分の分のクッキーを差し出して、何とか宥めようとするのだった……中学3年生だからかなりデリケートだと判っていたつもりだけど、予想よりもはるかにデリケートな久保君の扱いをどうすれば良いのか判らず、少し苦笑するのだった……

 

 

 

覚悟をしていたつもりだった、だけどこうして実際に兄の凶行を聞くと涙が出た

 

(もう僕はなんて謝罪をすればいいのか判らない)

 

聞けば聞くほど罪悪感を覚える。自分の兄がやっているのは間違いなく、性犯罪に分類される物で、吉井さんが警察に言えば訴えられるレベルのそれだ。だが最悪の事態になっていないのは

 

「本当ありがとうございます。島田先輩、姫路先輩、木下先輩」

 

この3人がいるから最悪の事態にはなっていないが、いつそう言う事態になってもおかしくないので

 

「今度兄さんが何かおかしなことをしたら全力で叩き潰してください。お願いします」

 

もう兄さんは超えてはいけないラインを超えてしまっている。きっともう僕の知っている兄さんには戻ってくれない、ならば犯罪者になる前に鎮圧するのが兄弟としての責務だと思う

 

「まぁ言われなくても潰すけどね、あれは存在が害悪だから」

 

自分の兄の存在が害悪と言われているのに悲しいとは思わなかった。何故なら自分でもそうだと思っているから

 

「貴方は普通のようだから良いですけどね」

 

普通は皆普通だと思います。兄さんがどこで狂ってしまったのか、それとも自分もそうなってしまうのか?自分はノーマルだと信じたいけど、僕と兄さんは良く似ている。だからそこだけが不安だ……

 

「お兄ちゃん。学校を案内してよ、ほら行こう?」

 

「……関節。関節が極まっている!?」

 

がっちりお兄さんの腕の関節を決めて歩いていく土屋さん。おかしいな彼女は朗らかで人気のある女子生徒なんだけど、好きな人がいるからと野球部の部長とかを振っていると聞くけど、お兄さんには物凄く甘えている……いや、あれは甘えているなんて物じゃ無い。明らかにライクではなく、ラブのほうに思える

 

(深く考えるのはやめよう。うん、それが良い)

 

八神先輩に甘えているはやて先輩とヴィータ先輩も気にしないほうが良い、本能的に判っているのだ。あの人達は危険だと……

 

「……雄二」

 

「待て翔子。話し合おう?な?ここにクッキがあああああ!!!!」

 

霧島先輩に片手で吊り上げられ、流れるようなボディを叩き込まれ悶絶している坂本先輩

 

「……じゃあ。連れて行く」

 

「はいはい。昼休憩には帰って来いよ」

 

ひらひらと手を振る八神先輩。助けてあげたりしないのかな?と見ていると

 

「友人だから助けたいとおもうのだがね。誰だって命は惜しい、なぁ?そうだろ皆」

 

【【【YES!神ッ!!!】】】

 

【【【ジーク!八神ッ!!!】】】

 

物凄く嫌そうな顔をする八神先輩。そして奇妙な敬礼をしているFクラスの生徒。このクラスはおかしいと確信した。まともな人間は少ないと

 

「なぁ?嫌な事ってけっこうあると思わないか?」

 

「そうですね。僕もそう思います」

 

大柄な坂本先輩を片手で引きずって行った霧島先輩に、お兄さんを無理やり連れ去った土屋さん。

 

(今日1日で色々知った気がする)

 

特に知りたくないことに分類されることが……まぁもう直ぐ学校見学も終わりだから、家でゆっくりして忘れよう。しかし僕はこの時忘れていた、自分が何をしに来たのか?そして家では比較的真面目な兄さんが学校でどうなるかを

 

《WRYYYYYYYYYYーッ》

 

どこぞの吸血鬼のような叫び声と同時に天井から紐が伸びてきて

 

「ぎゃああああああ!でたあああああああ!!!」

 

出た?まさか!天井を見上げると兄さんがにやりと笑い逆さに張り付いていた。まるでトカゲか何かのように

 

「にいさーん!?」

 

見たくなかった。尊敬している兄のあんな姿は……だけど兄さんは吉井さんしか見てないのか邪まな笑みを浮かべ

 

《クラエ》

 

懐から何かを投げてくる。それを見た八神先輩達は素早く目を閉じてしゃがむ。何!?これは何が起きているの!?

カッと強烈な閃光が走り、まともに見てしまった僕は

 

「目が!目があああああ!!!」

 

思わず目を閉じて転がりまわる。とんでもない激痛だ……

 

「うわああん!!!美波~瑞希~優月助けエエエええ!!!」

 

《キヒャヒャハ!!!》

 

泣いている吉井先輩の声と化け物のような兄さんの声を聞いて、僕は改めて理解した

 

(兄さんは遠くに行ってしまったんだ)

 

まだ信じたかった。優しい僕の知っている兄さんだと、だけど僕の知っている兄さんはもういないのだと理解した

 

 

 

KUBOに拉致されて気がつけば旧校舎の屋上近く、ご丁寧にロッカーで階段を塞がれているので逃げ道がない

 

「いやあああああ!」

 

自分でもこんな声が出たんだと驚きながらも悲鳴を上げて逃げ続ける

 

《コハアア!!》

 

ここは自分の領域だと言わんばかりに、とんでもない移動方法で追いかけてくるKUBO。ポケットに手を突っ込む……良かったあった

 

《シアアアア》

 

「くらえ!」

 

キャップを外して全力で噴射ボタンを押し込む。

 

ブシュー

 

《ギギャアア》

 

目を押さえてのた打ち回るKUBO。僕は手の中の缶を見て笑みを零した

 

「さすが痴漢撃退スプレー」

 

念の為に買っておいたが、思いのほか役に立った事に笑みを零し隠れることが出来る場所を探して走り出す

 

「あー雄二は死んだかなあ」

 

教材室に技などを仕掛け廊下を走っている途中で霧島さんに捕まっている雄二を見てそう呟き。空き教室から箒や机を引きずり出して障害物を作っていると

 

ガタン

 

「!?」

 

馬鹿な、先回りされていたのか!?冷や汗を流しながら痴漢撃退スプレーを手に音のしたほうにいくと

 

「な、何があったの」

 

上着を破かれたムッツリー二が震えていた、蒼い顔をしながらムッツリー二は

 

「……ひひ、日向に襲われた」

 

日向ちゃんは相変わらずエンジン全開だね。はやて様とそっくりだよ、だけど僕も逃げないと命が危ないので

 

「KUBOが来るから逃げるよ。ムッツリー二も頑張って」

 

日向ちゃんの気配は無いし、きっとムッツリー二も逃げられるよと励まして逃げようとする

 

《キシャアアアア!》

 

「「でたあああああ!!!」」

 

僕とムッツリー二の悲鳴が重なる。四つん這いで突進してきたKUBOは既にクリーチャーだ。しかも姿勢が低いので痴漢撃退スプレーの射程外だ

 

(捕まったらヤラれる!?)

 

目の色が危険だ。あれは捕食そのものだ、逃げ出そうとした瞬間

 

「アキ君に何をするつもりですか!!!」

 

窓を蹴り破りみーちゃんがKUBOに飛び蹴りを叩き込む、その手には縄が握られており、上の階から反動をつけて蹴り込んで来たのだと判る

 

「みーちゃん!?女の子なんだからそんな事をしたら駄目だよ」

 

スパッツをはいていたので下着は見えてないけど、女の子なんだからそんな危ない事をしたら駄目だと言うと

 

「……明久。それ違う」

 

いいや違ってない。女の子なんだから窓を蹴り破るなんてして怪我でもしたら如何するの!とみーちゃんに怒っている

 

《吉井くーん!》

 

また来たアア!?なんでこんなに回復が早いの!?飛び上がり急降下で襲ってきたKUBOだったが

 

「いい加減に消えろ!この変態がぁッ!!!」

 

《えぶう!?》

 

窓ガラスをぶち破って飛んできた消火器を暗い吹っ飛び、柱にぶつかって動かなくなるKUBO

 

「大丈夫アキ?」

 

教室には言ってくるなり笑顔で言う美波。そして

 

「もう大丈夫ですよ。アキ君」

 

みーちゃんがよしよしと頭を撫でてくれた事で漸く助かったのだと実感できて

 

「うわあああん!怖かったーッ!!!」

 

みーちゃんと美波の背中に手を回して僕は泣いてしまった。本当にKUBOは怖い、みーちゃんと美波がいてくれて良かったと心のそこから思ったのだった

 

「本当に兄さんが迷惑をかけました」

 

瑞希達の持っていた手錠で手足を完全に拘束され、目隠しをされた上で台車の上に乗せられている

 

「あーうん。本当何とかしてくれると嬉しいよ」

 

もう少しまともになって欲しいと思いながら言うと久保君は

 

「大丈夫です。対処法は教わりました。今後兄さんが変なことをしていたら……これで殴ります」

 

釘バットを構える久保君。うん、きっとあれなら大丈夫だねと変なところで安心し

 

「では失礼します」

 

《むー!むー!!》

 

台車の上で暴れるKUBOを連れて帰っていく久保君。色々あったけど助かったので

 

「今日家に来る?助けてもらったお礼に有ご飯をご馳走するよ」

 

姿のなかった瑞希と優月もちゃんと先生とかに話をしてくれていたので、スムーズにKUBOを家に帰らせることが出来たのだし

 

「「「いく!」」」

 

即答する美波達。僕はスーパーのチラシの内容を思い出しながら

 

(材料を買い足さないとな)

 

美波達が喜んでくれそうな料理を考えないと、まだ帰る時間まであるし龍也にも相談しよう。それが良いとおもいFクラスに帰ると

 

「……」

 

「……雄二」

 

ぐったりしている雄二を抱き締めて満足げな霧島さん、それに対して死人のような顔をしている雄二

 

「……なんで帰らない?」

 

「いーじゃんお兄ちゃん♪」

 

もう高校見学の時間は終わっているのに帰る気配のない日向ちゃん。そして迷惑そうな顔をしているムッツリー二

 

(あー今日はなんか疲れたなあ)

 

残り1時間の自習。勉強する気にならず、帰り支度をしてから

 

「今日美波達を家に招待するんだけど何を造れば良いかなあ?」

 

「ふむ。難しい所だな」

 

龍也に何を造れば良いのか?相談するのだった……なお久保良光はこの学校見学で譲り受けた釘バットで兄の性格矯正をする為に尽力する事になる。そして明久に迷惑をかけさせないためにも

 

(僕も文月を受験しよう)

 

もう既に戻る事のできれないレベルになっている兄を矯正出来るのは自分だけだ。と言うなぞの使命感に燃え来年文月学園を受験する事になる……KUBOが矯正されたかどうかは誰も知らない……

 

 

例題5へ続く

 

 




KUBOの扱いがかなり酷いですが、扱いが難しいキャラなのでこんな感じで我慢してください。毎回こんな感じでわいわいした感じでKUBOは扱います、フルボッコもされます。それが真理……次回は少し代わったりクエストをやってみようと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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