バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです、今回はBクラス戦決着になります、それでは今回もどうか宜しくお願いします


第14問

第14問

 

僕と龍也が教室に戻ると、それに気付いた雄二は

 

「どうした?脱走…じゃ、無さそうだな。何があった?」

 

最初こそジョークを言った雄二だが直ぐに真顔になり尋ねてくる。なんと説明すれば良いだろう?僕が考えていると

 

「根本が姫路の弱みを握っている。私達はその弱みを取り返した上で最低野郎を殺したい、作戦を考えろ」

 

「…た、龍也!?」

 

あまりに直球に僕が驚いていると

 

「という事は手紙か何かか?服を引っぺがす必要があるな?」

 

あれ?雄二も怒ってる?僕が首を傾げていると

 

「大体予測は着くさ。鈍感なお前と違ってな」

 

にやりと笑う雄二はそのまま

 

「姫路を外すとなると…作戦の変更が必要だな」

 

「ああ、そうなるな。姫路がやる予定だったのを私がやろうか?」

 

僕が知らない作戦なのだろうか?龍也と雄二が会議を始める

 

「それは駄目だ、龍也が暴れると不味い。ここは明久にやってもらう」

 

僕?僕に出来る事なの?

 

「だが、これはかなりリスキーだ。援軍もない、お前1人での作戦だ。かなりきついが大丈夫か?」

 

龍也が言うくらいならかなり難しいのだろうでも…

 

「必ず成功させる!!内容は?」

 

「良い返事だ、では作戦を説明しよう、やることは単純だ。今のBクラスの出入り口のまま、根本に戦闘を仕掛けろ」

 

今のまま?どうやって?根本は教室の奥に居る。どうやって今のまま攻撃を仕掛けるんだ?僕が首を傾げていると

 

「痛みは伴う、勿論教師の評価も下がるが…仕方ない…Bクラスの壁を破壊してそのまま仕掛けるんだ」

 

なんという作戦、単純ゆえに強力な作戦だ

 

「僕、初めて観察処分者で良かったと思うよ」

 

龍也が言いたいのは僕の召喚獣で壁を破壊しろという事だろう。

 

「さて作戦は決まった。後は最低野郎の始末だが…どうする?」

 

「簡単だ殴って殺す」

 

「それは駄目だお前の内申が下がるし、また同じ様な事をするかもしれない、心にダメージを与えるんだ」

 

龍也と雄二が怖い話をしてるな…僕がそんな事を考えてると手に何かが当たる

 

「これって確か…」

 

龍也が居ない間に仕掛けた作戦で使用した女子の制服じゃないか!?

 

「雄二、これはどうだろう?」

 

その制服を見せながら尋ねると

 

「良いな。心に大ダメージを与えれるぞ」

 

「お前も悪い事を考えるな」

 

龍也と雄二ほどじゃないよと思っていると、2人が立ち上がり

 

「俺と龍也は別行動だ。後は任せるぞ」

 

「お前にならできるさ」

 

そう言って出て行く2人を見ながら、自分の拳を見る…かなり痛みそうだが仕方ない…姫路さんの為に痛みは覚悟しよう

 

「よっしゃ!!あの外道を叩き潰してやる」

 

自分の頬を叩き気合を入れる

 

「美波!武藤君と君島君も手伝ってくれ!!」

 

補給している3人に声を掛け、自分の傍に呼び

 

「補給テストは中断。その代わり僕に協力して欲しい。この戦争の鍵を握る作戦だ」

 

僕が真剣な表情で言うと美波が

 

「…随分とマジな話みたいね」

 

いつも冗談ばかりだが今回は違う

 

「ここからは冗談抜きで行きたいと思う」

 

「で、ウチは何をすれば良いの?」

 

片目を閉じながら尋ねてくる美波に

 

「僕と召喚獣で勝負をして欲しい」

 

覚悟は決まった…少しくらいの痛みは耐えてみせる。姫路さんを哀しませたあの野郎を叩き潰す為に…

 

 

 

 

「お前ら良い加減諦めろよな!昨日から出入り口に集まりやがって暑苦しいんだよ」

 

吐き捨てるように言う根本に

 

「ほう?軟弱なBクラス代表様はこの程度でギブアップだそうだぞ?どう思う龍也」

 

「随分と軟弱な事だ、隠れて出て来ないのを私達のせいにしてる卑怯者らしいな」

 

挑発するために言うと根本は

 

「その手には乗らないぜ?お前には勝てないからな」

 

まぁ出て来るとは思ってない。というか出て来られたら作戦が総崩れになるからな。耳を澄ますとドンッ!ドンッ!!!と言う音が聞こえてくる、まだ破壊にまでは至ってないか…もう少し煽っておくか

 

「ほう、勝てないと認めたら隠れるか、卑怯だな」

 

「ああ、そうだな。負け組らしい行動だな」

 

「負け組?それはお前らの事だろうが!」

 

根本が怒鳴るなか衝撃音が強くなる…もう少しだな…

 

「さっきから、ドンドンとうるせぇな。何かやってるのか?」

 

「人望がなく卑怯なお前に対しての嫌がらせじゃないか?」

 

ちらりと時計を見る…もう貫通させれる頃だな…雄二に目配せをする

 

「…体勢を立て直す!一旦下がるぞ!!」

 

「させるかよ!ここで押し出せ!!」

 

Bクラスの面々が廊下に出てこようとする。今だ

 

「明久!やれぇッ!!!」

 

私がそう叫ぶと同時に

 

「だあぁーッしゃああーッ!!!」

 

ドゴンッ!!!

 

凄まじい音と明久の叫びと共に何かが崩れる音がする。作戦成功だ

 

「今だ!全員突撃だアアアッ!!!」

 

『『『ジーク・八神ッ!!!』』』

 

逃げている振りから一点、反転し一気に攻め込む中はやてが

 

「これが必勝の作戦?」

 

「ああ、そうだ、卑怯者を叩き潰すな」

 

私がそう言うとはやては

 

「ほー根本は兄ちゃんを怒らせるような事をしたんか。んじゃその卑怯者の末路でも見にいこか?」

 

「ああ、きっと面白いものが見れるぞ」

 

2人でBクラスの入り口まで戻ると

 

「…Fクラス 土屋康太」

 

「き。キサマは…」

 

根本と康太が相対している。どうやら決着のようだ

 

「Bクラス根本恭二に保険体育の勝負を申し込む」

 

「ムッツリィ二ィーッ!!!」

 

その叫びと共にBクラス戦は終結となった…

 

 

 

 

ふーふー自分の拳に息を吹きかけていると秀吉が

 

「後の事を何も考えず自分を追い詰めるとは…信じられん事をするな」

 

「遠まわしにバカって言ってるよね?」

 

これは覚悟の上の行動だ、外道を叩き潰す為の痛みだから仕方ない

 

「私が頼んだんだ。壁を破壊しろとな。手は大丈夫か?」

 

「あーうん、何とか大分痛むけど」

 

骨は折れてないと思うがかなり痛いのは確かだ。でもこの痛みで勝てるのだからトントンと言う所だろう

 

「さて、それじゃあ嬉し恥かし戦後対談でもしようか、負け組代表」

 

雄二が楽しそうに根本に話しかける

 

「本来なら設備を明け渡してもらう所だが。免除してやっても良い」

 

ざわざわとざわめくFとBクラスに龍也が

 

「私達の目的はもっと先だ。こんな所で立ち止まる必要はない、だが条件を呑んで貰えないなら。必要ではないが設備を明け渡して貰う事になる」

 

龍也がそう言うとFクラスの一部のバカが

 

「何!?神が許すと言っているだと!?」

 

「馬鹿な!折角の処刑の準備が!!!」

 

「俺の机を壊したあいつを殺させろおお!!!」

 

「落ち着け、神はあの程度の小物などどうでも良いのだ、その鎌を仕舞え」

 

準備していた処刑道具を片付けていた

 

「条件は何だ?」

 

「条件?それはお前次第だ。負け組代表さん?」

 

にやりと笑う雄二は根本を見下ろし

 

「お前には散々好き勝手やってもらったし、正直目障りなんだ」

 

冷酷に言う雄二に根本は黙り込む。自分がなにをしてきたか理解しているのか黙り込んでいる

 

「俺がお前達に望むのはAクラスに行って戦争の準備があると宣言してくる事だ。

それさえしてくれれば設備については見逃しても良い、でも宣戦布告はするな」

 

「それだけで良いのか?」

 

疑うような根本…勘が良い奴だ。勿論これで終わりじゃない

 

「ああ、これを着て言ってくれれば設備は見逃そう」

 

女子の制服を見せると根本は慌てて

 

「馬鹿な事を言うな!この俺がそんなふざけた事をするわけが…」

 

根本が言い切る前にBクラスの男子が根本を押さえ

 

「Bクラス全員で必ず実行させよう」

 

「任せて必ずやらせるから!」

 

このやり取りだけで根本が何をしてきたか判る

 

「くっ!よ、寄るな!!変態ぐふう!!!」

 

根本の腹に拳を叩き込んだBクラス生が敬礼し

 

「とりあえず黙らせました!」

 

素晴らしい反応速度だ、それだけ恨みを買っていたのだろう

 

「明久着替えさせれるか?」

 

「ちょっと無理かも」

 

僕達がそんな話をしているとBクラスの女生徒が

 

「私がやってあげるよ」

 

おお、助かる!正直男子の服を脱がせるなんて苦痛そのものだから正直助かる

 

「ありがとう。そうだ!どうせなら可愛くしてあげてよ」

 

「それは無理、土台が腐ってるから」

 

あははと笑う女子、結構な言われ方だ。根本の服を脱がしてるBクラス男子に

 

「その服預かるよ」

 

「どうするんだ?」

 

首を傾げる男子生徒に

 

「燃やしちゃうんだ。どうせなら帰るまで女子の制服で居て貰おうよ」

 

「それはいい!」

 

ノリノリの男子生徒から根元の制服を受け取り、そのポケットから手紙を取り出し用の無くなった制服はゴミ箱に詰め込み。そのままFクラスへと戻った

 

「あ、吉井君」

 

しまった…居ないうちに戻そうと思ったのに…居ないと思っていたのだが僕の予想に反して姫路さんは教室に居た…僕は溜め息を吐きながら

 

「これ、根本の制服から出てきたんだけど…姫路さんのだよね?」

 

手紙を見せながら言うと姫路さんは何も言わず正面から抱きついてきた

 

「ほわああああっ!?」

 

何事?何が起こってるの?僕が激しく混乱してると

 

「わ、私どうしたら良いか判らなくて…」

 

抱きついている姫路さんを引き離しながら

 

「とりあえず、落ち着いて、泣かれると僕も困るから」

 

「は、はい。行き成りすいません」

 

涙目をこする姫路さん…すこし惜しい気もするが。これで良いんだ

 

「はい、手紙今度は落さないようにね」

 

手紙を確りと手渡すと

 

「ありがとうございます。やっぱり吉井君は優しいですね」

 

微笑む姫路さんの顔が綺麗で目を逸らすと

 

「うふふ。変わらないですね吉井君は…何時までも優しいままで…」

 

なんか妙な雰囲気だ。この雰囲気は僕には耐えれない!!

 

「その手紙上手く行くと良いね」

 

話題を変えないと変になりそうだ。僕が慌てて話題を変えると

 

「あ…もう…折角良い感じだったのになぁ…」

 

ぼそりと呟く姫路さんに

 

「どうかした?」

 

「いえ、何でもないですよ吉井君」

 

にっこりと微笑む姫路さん…誰に渡すかは知らないがその相手が羨ましい

 

「で、何時告白するの?」

 

「ええと…全部終ったらです」

 

「そっか、けどそれなら直接言った方が良いかもね」

 

何となくそう言うと姫路さんは

 

「そうですか、吉井君はその方が良いですか?」

 

「うん、少なくとも僕は直接言われた方が嬉しいかな」

 

自分の意見を言うと姫路さんは嬉しそうに笑い

 

「本当ですね。今言った事忘れないで下さいね」

 

「え?あ。うん」

 

僕の意見だからそんなに気にしなくて良いのにな…僕がそんな事を考えてると廊下から

 

「こ、この服、やけにスカートが短いぞ!!」

 

「良いからキリキリ歩け!!」

 

「くそ、よくも俺をこんな目に!」

 

「無駄口を叩くな!これから撮影会もあるから時間がないんだ」

 

根本と言い合う声が聞こえる、これで彼には素敵な思い出が出来る事だろう…まぁ因果応報って言うし…自業自得だろうな…色々とあったBクラス戦も終った。後はAクラス戦だ!

 

第15問に続く


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