基本的には明久をパワーアップさせた人にするつもりです。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
それと現在バカテスのリクエストを募集しています
詳しくは本日の活動報告に記載してあるのでよろしくお願いします
応用問題問14
授業を終えて帰る準備をしていると突然
「な、なぁ!?」
突然アキが大きな声を出す。驚いて振りかえるとアキは携帯を手にしたまま、窓のほうに移動して
「本当にいるう!!!」
そう叫ぶと鞄を手にして廊下へと飛び出す、一体門の所に誰がいるんだろうと思い窓の外を見るとそこには
「明久にそっくりやな、もしかして父親?」
アキにそっくりな容姿だが、アキよりもぽわぽわした雰囲気の男性が旅行鞄を片手に手を振っていた。アキが駆け寄る当たり間違いなくアキの父親もしくは親族だろうと思っていると
「美波?優月と瑞希走って行ったけど……」
「え!?」
ヴィータの声に振りかえるとそこにいた筈の優月と瑞希の姿がない。ウチは慌てて鞄を掴みFクラスを後にしたのだった。残された雄二達に龍也達は
「龍也。今日匿ってくれないか?多分明久の所無理そうだから」
「私は構わないが、はやて達に聞いてくれないとな」
自分の命の為に魔王との交渉に臨む雄二の姿を見たFクラスの生徒は口々にこう言ったらしい
『『『勇者がいたと』』』
交渉は非常に難航したそうだが、応援のムッツリー二を加えた雄二は、献上品を差し出し交渉に成功したらしい。その献上品が何かは、言うまでもないだろう……主に龍也の精神衛生上の為に……
校門の所で待っていると明久が凄い勢いで走ってくるのが見える。腰掛けていた旅行鞄から立ち上がり
「明久。久しぶり「父さんこっち!!」おおう」
僕の手を引いて走り出そうとした明久だったんだけど……それよりも早く僕の目には3人の女生徒の姿が見えていた。明久はその三人に囲まれて青い顔をしている。ひそひそと聞こえてくる声は
「アキ……どうして逃げようとするの?」
「少し位紹介してくれても良いとおもうんだけどなあ?」
「今ならまだ許してあげますよ?」
「あははは……判ってた!判ってたさ!逃げられないなんてことは!!」
明久のその姿を見て思わず学生時代を思い出す。僕も昔はあんな感じだったなあ……ふーちゃんと似ているのはあのポニーテールの子かな?と思いながら
「初めまして吉井明久の父の吉井輝彦です」
とりあえず自己紹介。やっぱり社会で1番必要なのは挨拶だよねと思いながら言うと
「ウ、ウチは島田美波です!よろしくお願いします」
「木下優月です。お会いできて光栄です」
「ひ、姫路瑞希でしゅ!」
1人だけ噛んでしまった少女にくすりと笑いながら
「覚えてるかな?何回か会ってると思うんだけど」
「は、はい!覚えてます!明久君と一緒に帰ってましたよね!」
うんうん。やっぱり明久の同級生だった子か……大きくなったねえ……それにしっかりしている子だしね
「所で父さんは何しにきたの?」
明久の言葉に僕はうんっと頷きながら
「最近玲がね。なんか時折「もう襲おう」とか「熟してる」とか言い出したから危ないかなって思ってさ?1度ふーちゃんと話をさせようと思って」
「父さん!ありがとう!」
明久が物凄く嬉しそうに笑う。どうやら僕の判断は相当正しかったようだ。まぁ問題は
(どうやって玲を説得するかなんだけどね)
どこでどう教育を間違えたのか?それともふーちゃんさんの遺伝なのか?玲はとんでもないブラコンになってしまった事に対しては謎が残る。今頃は飛行機に乗ってふーちゃんに向かっているはずだ。だからたまには明久とゆっくり話をするのも良いかもしれないと思っていると
「……吉井さん?」
「ん?ああ、翔子ちゃんじゃないか。久しぶりだね」
会社の経営コンサルタントをしている僕は実は結構顔が広い。霧島グループの翔子ちゃんとも結構顔見知りだったりする
「そうそう、はいこれ」
明久と美波ちゃん達が何かひそひそ話をしている間に渡してしまおう。本当は明久に届けてもらうつもりだったんだけどここであったなら丁度いいやと思い。偶然見つけた本を手渡すと
「……これ!ありがとうございます」
嬉しそうに笑って走っていく翔子ちゃん。海外の本で探していると言っていた本だったから相当嬉しかったんだろうなあ。あいにく僕には何語なのか判らなかったけど、結構珍しい本だと店員さんも言っていたっけ。なお輝彦が買ってきた本のタイトルを日本語訳すると【実戦黒魔術 最上級編】。魔王に渡すにはSSSランクに危険な書物だったりする……
「さてと……明久家に帰るけど、君達も来るかい?」
キラキラとした目で頷いている美波ちゃん達。どうせなら夕食をご馳走しても良いよね。学校での明久の事も聞きたいし……
(可愛い子達だねえ……玲は何にも教えてくれなかったよ?)
(姉さんらしい……)
明久は玲のせいで自己評価がとても低いけど、実際は料理・裁縫・家事とスキルはとても充実している、そうまるで昔の僕を見ているかのようだ
(今日は僕がご飯を作ってあげようかなー)
そんな事を考えながら家へと歩き出す。すると直ぐに明久が
「父さん!鞄忘れてるよ!」
「あちゃー……」
ここまで持ってきたはずの旅行鞄の存在を忘れていて、明久にそう注意されるのだった……
明久のお父さんを見て私は理解した。多分美波と瑞希も同じだろう
(((なんてそっくりな親子なんだろう?)))
笑い方とかちょっとした素振りなんかが凄く似ている。明久が完全に父親に似ているだけなのかもしれないけど、ここまでそっくりと言うのは凄いとおもう
「そう言えば何回か家に来ているのかな?普通についてきてるけど」
その問い掛けになんと答えたものかと少し考える。付き合ってるわけでもないのに家に来る女子と言うのはあんまり印象が良くないのでは?ここは明久が上手く……
「結構着てるよ?朝迎えにも着てくれるよ?」
明久にはそこまで期待してなかったけど、まさかここまでストレートに言うなんて……どんな顔をしているのかな?と思い顔を見ると
「そうなんだ。ふーちゃんとそっくりだねえ。やっぱり好みは似るのかな?」
ぽわぽわとした顔で笑っていた。あれ?思ったよりも高評価?私が驚いていると美波が小声で
(ふーちゃんってもしかして?)
(うん。母さんだよ。吉井楓子って言うんだけど、父さんは高校の時の渾名のふーちゃんってずっと呼んでるんだ)
それはずいぶんと仲の良い夫婦といえば良いんだろうか?明久のお父さんはにこにこと笑ったまま
「小学・中学・高校・大学と全部同じだったんだよ?しかもずっと同じクラス、凄い偶然だよね?」
何か裏工作をしている気がしなくも無いが、ここは話をあわせたほうがいいだろう
「凄い偶然ですね」
「うん。本当だよね~、あー学生時代が懐かしいなあ。僕ももうおじさんだしねえ」
そのおじさんとうのは否定する。凄く若々しいし、兄弟と言っても通るほどに若い。若作りしている様子も無いし、何と言うか歳相応に見られない人なのかも知れない
「僕が1人だと良くね女の人に声を掛けられるんだよ。逆ナンってやつなのかな?」
「と、父さん!?僕それ初耳なんだけど!?」
「うん。初めて言ったからねえ」
明久と輝彦おじさんの話を聞きながら私たちは小声で
(もしかしてアキも逆ナンとかされるようになるのかしら?)
美波の言うことは最もだ、良く似ているだけにその可能性は充分に考えられる
(明久君のお母さんの気持ちが判るような気がします)
今の明久は馬鹿と言われてるけど、それを除けば優しいし、思いやりもある。何かの間違いで人気が爆発する可能性も充分に考えられる
(明久のお母さんも学生時代こんなことを思っていたのかな?)
今の私とかが感じる明久を護らないと自分の傍からいなくなってしまう、そんな危機感をずっと感じていたんだろうか?それで行くときっと私達と明久のお母さんは話しが合う筈だ。だからまずは私達がするのは
(((玲さんと雅の排除)))
この最大の障害を排除しないといけない。そしてその後は……互いに互いの顔を見つめて
「「「ふふふふふ」」」
考えている事は同じ。今は手を組んでも直ぐに手を切ることになるだろう、利用できる間は利用して、それが終わればさようなら。恋に手段を選んで入られないのだから……
何か黒い空気を撒き散らしている美波達。話しかけても目の前で手を振っても反応が無い
(なにか悪い事を考えてるね)
しかもふふふとか消せばとか言ってる当たりを考えると僕が対象ではないのはわかる。それに悪巧みをしていても歩いてくれているので大丈夫だと判断し、父さんの隣を歩きながら
「僕母さんと父さんが幼馴染なんて知らなかったよ?」
「言ってないからねえ」
ふふふと笑っている父さんは実に楽しそうだ。幼馴染で結婚と言うのは中々凄いのではないだろうか?初恋は実らないというらしいので
「でもねー明久も僕と似ていて凄く安心したよ」
はい?僕と父さんが似てるのは誰が見ても判る事だと思うけど……僕がそんなことを考えていると父さんはとんでもない爆弾を笑顔で投下してくれた
「僕もね、明久と同じ感じで3人いたんだよね。好きって言ってくれる人がさ」
「へっ!?」
僕が立ち止まり振り返ると父さんが笑顔のまま。昔を懐かしむような表情をして
「物凄く嫉妬深くて、周りの話を聞いてくれないところなんかも凄くそっくりだよ」
「……え?」
もしかして僕が魔王に好かれるのは父さんの遺伝なの?そんな恐ろしい予想が頭を過ぎる。そして姉さんの魔王は母さんの遺伝なのかもしれないと思っていると
「ゆーちゃんにすーちゃんそれにりーちゃん元気かなあ」
誰!?誰なの!?もしかして父さんの魔王だった人なの!?そしてそんな人を押しのけて父さんとの結婚に持ち込んだ母さんに僅かに尊敬してしまった。普段魔王が周囲にいるからその争いがどれだけ熾烈なのかは理解しているつもりだからだ……
「まぁ僕はふーちゃんが1番好きだったよ。厳しいけど護ってくれるし」
そこ!?そこなの!?父さんはえへへと笑いながら。歳なのに妙に仕草が子供っぽいのはもしかすると母さんが過保護だから?
「武装ゲリラに襲われかけたときにジープを乗っ取って突撃してくれたんだよ」
「母さん!?何してるのさ!?」
武装ゲリラからジープを奪取。僕は自分の母さんが何者なのか判らなくなった
「あとは鎮圧用のゴム弾でゲリラを鎮圧しててね。すごく格好良かったよ」
……今度母さんが帰国したら何をしてたのか?そして母さんが何を出来るのかを時間を掛けて話し合おう。僕は母さんがただの経営コンサルタントだと思ってたけど、正体は違うらしい
(重火器の扱いも出来るとか言わないよね)
と言うかそうであって欲しい。今まで何年も僕の期待を裏切り続けている母さんだけど、この最後の期待だけは裏切らないでください。僕は遠い異国にいる母さんにそう願うのだった。父さんはその事を思い出して嬉しそうに話しているし、後ろで瘴気を出している美波達……僕は澄んだ青い空を見て
(如何して僕の回りの人間ってこんなに濃い人が多いんだろう?)
考えても答えの出ない疑問を家につくまでの間延々と考えるのだった。まぁそれも家の前で美波達と別れるまでだと思っていると
「あ。そうだ夕食食べていくかい?」
父さんに別に他意はないんだ。ただ食事は大勢で食べたほうが美味しいよね?って言う感じの認識だけのはずなんだ
「「「是非お願いします」」」
だけどそれに対して美波達は言うまでもなく何か企んでいる、それが判る黒い笑みを浮かべている……僕は早くも痛み始めた胃を摩りながら
(今度龍也に胃薬を分けてもらおう。それがいい)
龍也は常に深刻な胃のダメージを受けている。だから龍也の持っている胃薬なら、魔王のストレスでも効くだろう。僕はそんな事を考えながら、重い足取りで家へと歩き出したのだった……
なお明久は知る由も無いが、吉井楓子は確かに経営コンサルタントであり母でもあるが
「あら?これ良いわね。戦車砲。あの人を守るにはこれくらいの武器が必要ね。あのゲリラの女共め。今度来たら目に物見せてやる」
ふふふと笑いながら戦車砲を注文していた。楓子は妻であり、そしてそれと同時に結婚により、魔王化が最大値まで進化した大魔王でもあったのだった……そしてその近くでは玲が嬉々としたアルバム整理をしていたりするのだった
この母親にして娘あり……知らぬは息子と父親である
応用問題問15へ続く
次回は企む美波と明久と輝彦の話がメインになります。この次の応用問題は更に面白い事にして行こうと思います
次回のはとりあえず、明久の両親の話をメインにします。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします