バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回の話は大人の召喚獣の美波達サイドの話になります。大人になって更に病んでいるのか、それとも落ち着いたのか?そこを楽しみにしてください。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


応用問題問12

 

 

応用問題問12

 

Fクラスはちょっとした紛争地帯になっていた。飛び交う机とイス、それをしているのは美波とみーちゃんの召喚獣だ

 

『この!ちょこまかと!!』

 

『ふふふ、力だけで私を捉えれるとお思いですか?』

 

美波の召喚獣が力強い踏み込みと同時に蹴りを放つが、みーちゃんの召喚獣はカ来るそれをいなし、その衝撃の余波が机とイスを破壊している

 

「龍也!何とかならない!?」

 

「困ったら直ぐ私に何かを言うのを止めてくれないか?私にも出来る事、出来ない事はあるんだよ」

 

コートで飛んでくる破片から身を護っている龍也。確かに龍也だから何でもかんでも出来ると思うのは間違いなのだろう

 

「アウトって言うって貰うのが1番な筈なんだが」

 

雄二の視線の先では

 

「早くアウトって言いなさいよ!Fクラスが壊れるでしょ!」

 

「貴女が召喚獣を戻せばいいでしょう!」

 

美波とみーちゃんが喧嘩してるし、瑞希と優月そしてはやてさん達は

 

「危ない所でした。私の机の近くで喧嘩するなんて」

 

「危ない所だった。明久の写真が」

 

「ふー兄ちゃんの写真は大丈夫そうや」

 

「カメラも大丈夫そうです」

 

自分たちの机に被害が出る前に荷物を回収しているし、その間に僕の机は窓の外にシュートされたんだけどね

 

「ムッツリー二君。ここに陽向ちゃんを呼んだら面白い事になると思うんだけど」

 

「……止めてくれ。教室が無に帰る」

 

しかしこのままでは確実に教室が無に帰る。どうしたものかと思っていると、襟を掴まれて持ち上げられる

 

「龍也?」

 

「これが1番早いと思うんだ。召喚獣の所にお前をシュートする。人身御供ってやつだな!」

 

笑いながら言う龍也に恐怖を感じる。本気だこのやろう!?

 

「まって!無理無理!」

 

「大丈夫だ。私が信じる、お前になら出来る!」

 

名にその信頼!?そんなのいらないから投げるのを踏みとどまって!

 

「逝って来い!!」

 

「字がちがーう!!!」

 

僕はそう絶叫しながら投げ飛ばされ、美波とみーちゃんの召喚獣の背中に衝突しかけた所で

 

『『きたあ!!』』

 

さっきまでの喧嘩はどうしたのか、笑顔で振り返り受け止める姿勢に入る美波とみーちゃんの召喚獣。そして僕に待っていたのは口で説明するのは難しいほどの柔らかさと甘い香り。そして

 

「アーキーッ!!!」

 

「アキ君?」

 

背筋も凍るような凄まじい怒りのオーラ、若干気恥ずかしいと思っているかのような気配も混じっているような気もするけど、怒気の方が多いような気がする。本当なら土下座外交に挑戦する所だけど

 

『よしよし。アキは可愛いわねー♪』

 

『放しなさい、アキ君は私のです』

 

美波とみーちゃんの召喚獣にしっかり抱き抱えられているので謝る事もできず。鬼の形相で近寄ってくる美波に冷や汗を流す事しかできないのだった

 

 

 

 

 

 

 

アキを抱き抱えていたウチと雅の召喚獣から引き離し。恥ずかしいのとなにか納得できない物を感じたので、アキに拳骨を叩き混んでいるとウチの召喚獣はあははと笑いながら

 

『ちょーと頭に血が上ったみたい。まだウチも若いわね』

 

充分若いでしょうが!まだ20代前半なんだから!

 

『私も少し頭に血が上りました。なんせ彼女は私からアキ君を奪ったのですから』

 

『違うわよ。アキがウチを選んだのよ』

 

『そんな事実認めません』

 

口論をしている召喚獣。だけどいつまでもそんな事をされていては意味がない

 

「ねえ?ウチは今何をしているの?」

 

そう尋ねると召喚獣は口論をやめて、にこりと笑いながら

 

『モデルをしてるわ。美春が熱心に誘ってくれたし、それに……』

 

そこで口を閉じる召喚獣に首を傾げると、召喚獣は嬉しそうに笑いながら

 

『アキがモデルで活躍してるウチを綺麗って言ってくれたし』

 

幸せ一杯と言う感じの召喚獣を見ていると本当にそんな未来があるのだろうか?と思い。未来が楽しみになったが

 

『ですが私は認めません。アキ君は美波さんのマネージャーになるために勉強し、アルバイトと勉強の掛け持ちで体重が7キロも減っています。貴女といるのは間違いなのですよ!』

 

高城の召喚獣がすらすらと言う。それを聞くとなんとも言えなくなってしまう

 

『それは悪いと思ってる。それにウチは大丈夫って言うのに秋がマネージャーになるって言って聞かないんだもん!ウチにどうしろって言うのよ!』

 

『別れなさい』

 

『死ね!』

 

そして再び戦闘態勢にシフトするのを見て、慌てて

 

「「アウト!」」

 

召喚獣をリセットする。また戦闘になったら今度こそFクラスが崩壊しかねない。ハンカチで汗を拭いながら振り返ると

 

「なにしてるの?はやて」

 

ノートに何かを書き込んでいるはやて達にそう尋ねると、はやての代わりに龍也が答えてくれた

 

「明久の召喚獣とかの話と今の美波と雅の召喚獣の話を聞いて、未来の予想図を纏めているんだ」

 

なるほど分析してるわけね?今どんな感じなのか?と思いノートを覗き込むと

 

明久未来予想

 

美波と同棲しマネージャーの勉強中 主夫属性拡大

 

雅と婚約し、知能が大幅に上昇しているが、明久の良さは消滅している インテリ眼鏡

 

瑞希と大学に進学している。言いも悪いも今の明久に近いと思われる

 

優月の場合、マネージャーとして2人で活動している。もしかすると結婚が近いのかもしれない

 

美波&雅 やはりと言うか当然と言うか仲違いをしている。雅は美波と明久の同棲を止めさせたい模様。情報が少ないので判断に悩む

 

 

「結構細かく分析してるんだね」

 

優月の言葉にティアナとヴィータがメモ帳を手に

 

「まぁこういうのはそれなりに得意だしな。それに面白そうだし」

 

それは何について面白いといっているのか?それが気になったが若干怖いので尋ねる事が出来なかった

 

「次は瑞希と優月です。同時に召喚してください、美波と雅と同じように同じ未来を持つ召喚獣をシュミレートできると思うので」

 

セッテの言葉を聞いてウチの出番はこれで終わりなんだと判断し、辛うじて無事だった椅子に腰掛け

 

「どうしたの?なんか嬉しそうだけど?」

 

嬉しそうな顔をしているアキにそう尋ねる。もしかしてウチと同棲する未来があってうれしいとか?と思っているとアキは

 

「いや大人になっても皆一緒って言うのは楽しいなあって思ってさ」

 

ウチの想像している事とは違ったけど、アキらしいと思いウチは苦笑しながら

 

「そうね。結構楽しいわよね」

 

そう言って互いに笑い合ったのだった。この平和な時間が長く続くといいなあと思うのは間違ってはないはずなのだから

 

 

 

 

 

美波ちゃんと楽しそうに話をしている明久君を見て、少しだけ腹ただしい物を感じながら

 

「「試獣召喚」」

 

優月さんと一緒に召喚獣を呼び出す。さっきと同じなら共通した未来が

 

『優月さん。いい加減に手を引いてくれないですかね?』

 

『……諦めるわけがない』

 

現れたのは何かの構えを取っている私の召喚獣とナイフを手にしている優月さんの召喚獣

 

「なにがあっただ!?」

 

「愁嘆場やろ?まぁ未来の可能性やからそう心配する事もないって」

 

あはははっと笑いはやてさんとか。だけど私と優月さんはと言うと

 

『このっ!』

 

『だから刃物を振り回すのを止めてください!』

 

『お前がいなくなれば!!』

 

もう狂気しかその目に写してない優月さんの召喚獣。だけど今までの彼女の行動を見るとありえるかもしれない思い距離を取ると

 

「なんで距離を取るのかな!私はそんなことしないからね!」

 

そう叫んでいるが実際怪しい。だけどこのままここに居ては危険なので距離を取ると

 

「……私は瑞希が刺すと思っていた」

 

「翔子ちゃん!?私のことをそんな目で見ていたのですか!?」

 

友達と思っていた翔子ちゃんからのまさかの言葉に絶句しながら尋ねると、翔子ちゃんはにこりと笑いながら

 

「……逆の立場なら私はそうする。雄二を刺し殺して私も死ぬ」

 

「お前が言うと冗談に聞こえねえよ!」

 

坂本君がそう叫ぶと翔子ちゃんは

 

「……そう。じゃあ雄二は冗談だと思って居ればいい」

 

「まて、本当に冗談だよな?」

 

「……さぁ?」

 

翔子ちゃんは坂本君を見ずにそう告げる。見る見る間に顔色が悪くなっていく坂本君を見ていると

 

「ほい、使うと良いで?」

 

はやてさんに渡された拡声器。私は1番小さい声に設定して

 

「喧嘩しないでください、私と優月さんの話を聞かせてください」

 

私が隠れながら声を掛けると私達の召喚獣は

 

『私が明久君と付き合っているのを認めないと言って、こうして偶に襲ってくるんです。もう狂人ですよ』

 

『私には明久がお前に騙されているような気がしてならない」

 

『何を証拠に』

 

『人の心に関する薬物で3つの博士号』

 

『……ナンノコトカワカリマセンネ』

 

露骨に目をそらす私の召喚獣を見て、私達の心は多分合致しただろう

 

(((こいつやりやがった!?)))

 

私でも思う。私が薬と盛ったとそして

 

『たとえそうだとしても!暗がりからナイフを手に突撃してくるのはどうかと思います!』

 

『瑞希が死ねば。明久は私の物だ。美波はドイツ。雅はイギリス、ここでお前をしとめる』

 

「「アウトーッ!!!!」」

 

同時に叫んで召喚獣を消す。何でこんなに未来に不安にならないといけないのだろうか?私と優月さんが溜息を吐くと

 

「どうだった?大人の召喚獣は?」

 

にこにこと笑いながら入ってくる教頭を見て、次に龍也君を見るとにっこりと笑い

 

『ヤッチマイナ☆』

 

実にイイエガオで親指を下に向けた。それを見た瞬間

 

「てやー!!!」

 

「ふぎゃああああああ!?」

 

明久君がスタンガンを持って突撃し教頭を倒す。そして

 

「博士。少しお話したい事が」

 

「なーに直ぐ済むさ。直ぐに」

 

「逝きましょうか?先生」

 

この召喚獣のせいでますます将来が不安に成ってしまった私達は、教頭先生を連れてFクラスを後にしたのだった……

なお残された龍也達は帰り支度をしながら

 

「ッギャアアアアア」

 

聞こえてくるスカリエッティの悲鳴を聞いて

 

「「「自業自得」」」

 

そう呟き、校庭の隅で処刑が行われている光景を無視して、帰路に着くのだった……

 

応用問題問13に続く

 

 




次回は「明久の日記」を書いていこうと思います。面白おかしい話を沢山書けるといいですね。その次からはリクエストの番外編を書いていきたいです。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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