バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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もう少しでBクラス戦も終わりです、上手く纏めきれず10話を越えてしまいました、もっと要点だけを纏めれば良いのですが…龍也さんを絡めるとどうしてもこうなっちゃうんですよね…出来るだけ面白くしようと思ってあれもこれもと詰め込んでしまうのは私の悪い癖です…でも変えようがないのでこのままで行きたいと思います。それでは今回もどうか宜しくお願いします


第12問

 

 

第12問

 

「Fクラス代表の坂本雄二だ。このクラスの代表は?」

 

Cクラスの教室にはまだかなりの数の生徒が残っていた。康太の言うとおり戦争の準備をしているのだろう

 

「私だけど何か用かしら?」

 

黒髪をベリーショートにした気の強そうな女子が姿を見せる。雄二が

 

「Fクラス代表としてクラス間交渉に来た。時間はあるか?」

 

「クラス間交渉?ふぅん…」

 

何だが嫌な予感がする…こういう時の勘はよく当たるからな…私がそんな事を考えていると

 

「不可侵条約を結びたい」

 

「不可侵条約ねえ?…どうしようかしら、根本クン?」

 

…ああ、やっぱり当たるんだな…私のこういう勘って…

 

「当然却下。だって必要ないだろう?」

 

にやにやと笑う男子生徒…彼が根本なのだろう。まぁ良い罠と判った以上これ以上ここにいる意味はない

 

「酷いなあ?Fクラスの皆さん。協定を破るなんて…」

 

瑞希と美波と明久と雄二に康太か…何とか行けるな、根本が何か言ってるが無視だ

 

「雄二、明久、康太逃げるぞ!!!」

 

「「きゃああああッ!?」」

 

瑞希と美波を肩に担ぎ、扉を蹴り破り逃走する、雄二と明久に康太も少し遅れて走ってくる…私は瑞希と美波を肩に担ぎながら

 

(やれやれ、こんな甘い罠に掛かるなんてまだまだ甘いなあ)

 

そんな事を考えながら走っていると

 

「行き成りだな」

 

「悪いな、こういうのは思い切りが大事なんだよ。お前を討ち取られるわけにはいかんし。女子の脚力じゃ追っ手を振り切れないからな」

 

追いついてきた雄二にそう言うと

 

「いい加減、降ろして」

 

「私も…そのお願いします」

 

肩に担いだ2人に言われ、ゆっくり減速しながら

 

「ああ、今降ろす」

 

2人を降ろすと明久が

 

「やばい、追いついてきた」

 

後ろを振り返るとBクラスの生徒が走ってくるのが見える。ここで追っ手を止めないと面倒だな…

 

「やれやれ、私が押さえよう…「いや、僕が押える。龍也は雄二と姫路さんを」…判った任せるぞ」

 

明久の目には強い意志の光が見えた…ならば任せよう。

 

「……ピタッ」

 

康太が立ち止まると明久が

 

「ムッツリー二も逃げて欲しい。多分明日はムッツリー二が戦争の鍵を握るから」

 

そう言われた康太はコクリと頷き

 

「先に行く」

 

そう言い残し走って行った…

 

「んじゃ、ウチは残ってもいいのかしら?隊長殿?」

 

「…頼めるかな?」

 

「はーいはい、お任せあれっと。龍也、坂本と瑞希をよろしく」

 

「任された」

 

私は明久と美波を残し、教室の方へと駆け出した…

 

 

 

「さて、どうするの?隊長殿?」

 

向かって来るBクラス生を見ながら言う島田さんに

 

「駄目元で協定違反の事を言ってみる。もし駄目なら…手がない」

 

「あんた、本当に馬鹿ね。何の策も無しに残るって言ったの?」

 

「うん、僕が戦死しても龍也がいればなんとでもなるし。時間くらいは稼げるだろうからね。だから逃げても良いよ?」

 

「冗談、ここまで来て逃げないわよ」

 

そう笑う島田さんと話してるとBクラスの生徒に追いつかれる

 

『いたぞ!Fクラスの吉井と島田だ!!』

 

『ぶち殺せッ!!!』

 

凄い剣幕だ…戦争だから当然だが…

 

「長谷川先生、少し良いですか?」

 

「何ですか吉井君?」

 

少々息が弾んでいる長谷川先生に

 

「Bクラスが協定違反をしているのはご存知ですか?」

 

駄目元で尋ねてみると

 

「話を聞く限り、休戦協定を破ったのはFクラスのようですね。そこで反撃を受けて文句を言うのは筋違いだと思いますよ?」

 

やはり駄目か…仕方ない

 

「ごめん、道ずれにしちゃうかも」

 

「何とかなるかもしれないでしょ?諦めないで行くわよ」

 

そう言う島田さんに頷き、もう1度走り出す

 

「「「「試獣召喚ッ(サモン)ッ!!」」」」

 

追っ手が召喚獣を呼ぶのが判る。走って逃げてるけど、この先は行き止り。僕らが戦闘区域に入るのは時間の問題だ

 

「吉井、どうするのよ」

 

「どうするって言われも、どうしよう!」

 

「いいから何か考えなさいよ!!」

 

一応考えはあるんだけど…これはタイミングが重要だから島田さんには言えない。そんな事を考えていると

 

「ちょろちょろ逃げ回りやがって疲れるんだろうが!」

 

「というか別にこいつらを追いかける必要はなかったんじゃないか?」

 

「仕方ないだろう?あっちには八神がいるんだ。俺達じゃ勝ち目はない、少しでも戦力を削ごうぜ」

 

「さっさと片付けて帰らない?」

 

やる気無さそうに言うBクラスに島田さんが

 

「好き勝手言ってくれるじゃないの」

 

島田さんが食ってかかる、相変わらず気が強い

 

「だってなぁ?」

 

「だって、何よ」

 

「お前ら、最低クラスじゃん」

 

なんていう事を言うんだ。ここは言い返さないと

 

「クラスは最低じゃないぞ!メンバーが最低なだけだ!!」

 

「吉井は黙ってなさい」

 

フォローしたのに怒られたよ…

 

「Fクラスだからって甘く見ないことね」

 

「そうか、でもしょせんFクラスだろ?俺らの敵じゃねえよ」

 

「なら自分で確かめることね!試獣召喚(サモン)ッ!!」

 

島田さんが召喚獣を呼び出しそのまま攻撃を仕掛ける

 

『Fクラス 島田美波 数学171点』

 

    VS

 

『Bクラス 工藤信二 数学159点』

 

「お前、本当にFクラスか…?」

 

驚いているBクラス生に島田さんが

 

「数学を選んだのが間違いね。これなら漢字が読めなくても解けるのよ!!」

 

そうか!島田さんは帰国女子だから漢字が読めないから、古典や現代国語は点が低いんだ。でも漢字がない数学ならBクラス並みなんだ

 

「工藤君フォローしようか?」

 

「くっ頼む!」

 

Bクラスの生徒が助けに回る、こっちもフォローした方が良さそうだ

 

「島田さん、フォローしようか?」

 

「足手纏いよ」

 

「酷いっ!!」

 

扱いが酷いです…でも仕方ない僕も戦わない訳には行かない

 

「試獣召喚(サモン)ッ!!」

 

自分の召喚獣を呼び出す

 

精悍な顔立ち

 

しなやかな形態

 

軽やかな動き

 

喚び出すたびに感じる絶対的な強さが顕現する

 

「吉井は構うな!見るからに雑魚だ!」

 

「返せっ!!僕の格好良い描写を返せ!!!」

 

「どきなさい!雑魚でヘナチョコ!!」

 

「島田さん!君は僕の味方じゃないの!」

 

確かに島田さんと比べると武器は木刀だから弱そうに見えるけど…結構強いんだよ!!

 

「えいっ!!」

 

島田さんに攻撃を仕掛けていた女子の召喚獣の足を払い。よろめかせる…更に

 

「てえいッ!!!」

 

木刀を叩き込み完全に態勢を崩させ

 

「よいしょおおおおッ!!」

 

倒れこむ敵の召喚獣の頭を掴み、勢いよく地面に叩き付ける

 

『…えっ!?」

 

驚いている皆の前に僕の点が表記される

 

『Fクラス 吉井明久 数学51点』

 

 

    VS

 

『Bクラス 真田由香 数学166点』

 

「何でだよ!真田の点数のほうが高いはずだろう!?なんであんな弱そうな召喚獣にやられてるんだよ!」

 

詰め寄られた長谷川先生は冷静に

 

「それは吉井君が召喚獣の扱いに慣れてるからですよ。君達は高い点数で後から押しですけど。彼は観察処分で召喚獣をよく使ってます。ですから君達より細かくて精密な動作が出来るから、ああいう芸当が出来るんですよ」

 

その通り、僕の点数じゃ力勝負は出来ない。でも精密動作なら負けない!!

 

「はあああッ!!」

 

振り下ろされた剣を受け流し、駆け抜け様に胴を薙ぎ。1回転して追撃の面を叩き込む

 

『Fクラス 吉井明久 数学51点』

 

    VS

 

『Bクラス 真田由香 数学126点』

 

漸く点が普通に減った…でもあれだけ攻撃を当てても倒せないなんて。僕の召喚獣は弱いなあ

 

「本気でやったほうが良いな」

 

「Fクラス相手に4人がかりなんて恥だけど…仕方ないわね」

 

4人が一斉に襲い掛かってくる、これで何とか逃げの一手を打てる!!4方向から迫る攻撃を避けながら

 

「島田さん!アレを!」

 

壁に掛かってる消火器を指差す

 

「なるほど、これが狙いだったのね」

 

納得という表情の島田さん、僕が逃げたのは消火器の場所に来る為だと理解してくれたようだ。これで安全に逃げれる

 

「…」

 

筈なのに島田さんは消火器を抱えたまま、全く動かない。何で?

 

「は、早く使って!」

 

敵の攻撃を避けながら必死に叫ぶと

 

「うーん。どうしようかな~」

 

凄く楽しそうな島田さんに

 

「し、島田さん!何が望みなの!?」

 

こんな危機的状況に島田さんの本性が出てきた!何時までも4対1なんてきついのに!!

 

「望み?うーんとそうね~」

 

「今なら大概の事は聞きます!!」

 

「死ねええ!!!」

 

「この!!!」

 

「ちょこまかと、一撃はいれば倒せるのに!!!」

 

「メタルスライムみたいだ!!」

 

DQのメタルスライムもこんな気分なのか!!こんな危機的状況を脱せるなら何でもします!!

 

「それじゃあ、まずは呼び方を変えて。今後ウチはアンタをアキって呼ぶから、あんたはウチの事を美波様って呼んで」

 

「み、美波様!こ、これで良い?」

 

「今度の休み、駅前の「ラ・ペディス」でクレープ食べたいなー」

 

「くっ!!奢ります!!!奢らせていただきます!!だから早く助けて!!!」

 

泣きそうな顔で助けを求めると美波は

 

「それじゃあ、最後に」

 

「まだあるんの!?もう良いでしょう!?」

 

楽しそうな島田さんは少し顔を赤くしながら

 

「ウチの事、愛してるって言って?」

 

「美波様の事愛してる!!!」

 

必死に叫ぶと美波は嬉しそうに

 

「よろしい、ウチも愛してる」

 

ぼそりと美波が何か言ったが、僕には聞こえなかった…でも美波は満足したようで

 

ブシャアアア

 

噴出される消化剤があたり一面を白に染め上げる、粉まみれになりながらなんとか脱出成功した…

 

Fクラスに戻って走りながら隣の美波をみると、その顔は紅く恥かしい、でも嬉しい…という感じで…でも…凄く綺麗な顔をしていて…

 

(美波って…こんなに可愛かったけ?)

 

僕は思わず胸が高鳴るのを感じ、美波から視線をそらした…

 

第13問に続く

 




えーと、少しだけいじりました、私はバカテスのCPでは美波×明久か明久×優子派なので…まぁ関係ないですけどね?それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします

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