バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

108 / 158
どうも混沌の魔法使いです。今回の話はお見合い後帰宅しようとした明久が美波達に捕まる予定です。そこでどんな話をしたのか?と言う話をしたいと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



第107問

 

第107問

 

みーちゃんとのお見合いを終えて姉さんの車に戻ろうとすると

 

「あ、あれ?如何してここに居るの?」

 

姉さんの車の前には、前髪で目を隠した美波達がいて。どこの幽霊ですかと思うほど恐ろしい。と言うか

 

(なんでここに居るの?)

 

一応ここは隣町だし、電車とかも通ってないし……ここに来るには車しか無い筈なんだけど。そんなことを考えていると視界の隅に

 

(あ、あれって?)

 

見覚えのあるマイクロバスが停まっていた。それは博士のマイクロバスで近くを見ると

 

(雄二ッ!ムッツリー二ッ!!!!)

 

雄二は霧島さんに捕獲されぴくぴくしている。見間違い出なければ、雄二は頭から血を流している、どこかで頭をぶつけたようだ。そしてムッツリー二は

 

「………」

 

「ほんと純情で可愛いねえ♪ムッツリー二君♪」

 

工藤さんに抱きかかえられ、鼻血も枯れ果てたのか蒼い顔で人形のようになっていた。そして

 

「龍也様♪アイスクリームを買ってくださいな」

 

「何が良い?」

 

「私はバニラを」

 

「じゃ、私は苺が良いな。兄貴」

 

「私は兄ちゃんのと同じで♪」

 

アイスクリーム屋の前ではやて様達とアイスを買っている龍也の姿もある。龍也が背が高いので従兄妹な何かにじゃれ付いている妹と言う感じで普通に街に溶け込んでいた

 

(皆居るう!?追いかけてきたの!?)

 

いつもの面子が全員居る。その事に気づいた瞬間僕の身体は宙を舞っていた

 

(なんでえ!?)

 

吹っ飛ばされながら見たのは、一瞬で間合いを詰めて拳を振り上げた耐性で居る美波。自分でも驚くくらい冷静な中……僕は背中からコンクリートに叩きつけられ次の瞬間には

 

「アキ!お見合いはどうしたの!答えなさい!アキに答えなさいいい!!!」

 

「明久、事としだいによっては最終手段に出るしかなくなる!早く答えて」

 

「明久君!嘘をつかないで正直に言ってください!お願いですから!!!」

 

必死な表情で僕の襟首を掴んでガクンガクン揺さぶる美波達。その勢いが余りに凄まじく喋る事が出来ずに居ると、だって完全に首極まってる上に背中を強打したことで息がしにくくなっていた。そんなこんなで喋る事が出来ない僕を見て、美波は襟首を掴むのをやめてくれる。良かったこれで話が

 

「美波?瑞希?優月?何で無言で僕の……い、いややめて!その骨はそっちにはまが……ああああああああッ!!!!!」

 

無言=話す気がないと解釈した魔王の攻撃を受け三途の川に叩き込まれたのだった。そしてそこでは

 

「あー死ぬかと思ったぜ」

 

「……本当」

 

「死に掛けてる!死に掛けてるよ!雄二!ムッツリー二!!!!」

 

「そう言うお前もな。まぁゆっくりしていけよ」

 

愛想の良い三途の川の番人。カロンさんとお茶をすることになりました、ここに来るの何回目かなぁ

 

「まぁまぁ明久君も座って」

 

「博士どうしてここに!?」

 

さも当然のように座っている博士に尋ねると博士は

 

「いやね?龍也に口についてアイスを拭いてもらっている、はやて君達にまるで親子のようだと言ったら。この有様さ♪」

 

なぜそんなことを言ったのだろう?そんなの地雷原をスキップしているようなものだと何故判らないのだろうか?

 

「それでもなお、進まなければなら無い時がある」

 

なぜドヤ顔を出来るんだろう?僕は博士の鉄のような精神力に驚きながら、カロンさんに差し出されたお茶を啜ったのだった

 

 

 

 

 

「うん。周りに誰もいなくて良かったな」

 

私は思わずそう呟いた。明久はフルボッコの上にフルボッコで瀕死。雄二はコンクリートの角で頭を強打し出血。康太はどこの頚動

脈を切られた?と尋ねざるを得ない勢いで鼻血を出し轟沈。ジェイルは余計なことを良いはやて達に処刑された

 

「やれやれ。とりあえず」

 

へたり込んでぐずりそうな勢いの美波達を落ち着かせよう。じゃないと明久を殺して自分も死ぬとかいい兼ねない。特に優月は

 

「ほどほどにしておけよ?」

 

「「「OK」」」

 

完全に瀕死のジェイルを更にフルボッコにしているはやて達にそう声を掛け。私は美波達を落ち着かせようとしたのだが

 

「「「………もう殺すしか」」」

 

末期寸前だった、ここから立て直すのは相当苦労しそうだ。私は覚悟を決めて美波達に声を掛けるのだった

 

~30分後~

 

「落ち着いたかね?さっき明久が喋れなかったのは襟首を掴まれて揺さぶられたせいと背中を強打したせいだ。別に事情を説明したくなかったわけではない筈だ」

 

根気良く説明を繰り返すことでやっと美波達は落ち着いてくれた。そしてそれと殆ど同時タイミングで

 

「あ。あああ……痛かった」

 

「ひでえ目に合った気がするな」

 

「……俺もだ」

 

瀕死になっていた明久達が目を覚ます。ジェイルはまだ瀕死のようだが、これで話が出来るようだ

 

「ねえ。アキはお見合いを受けたの?」

 

美波が不安そうにそう尋ねる。するとはやてが

 

「まぁ落ち着きいよ美波。ほら玲さんも来た見たいやし、玲さんも交えて話をしたほうが良いんやないかな?」

 

はやての言うとおり玲さんが歩いてくるのが見える。確かに美波達だけで感情的になってしまうより、玲さんを交えた話をしたほうが良いだろう。

 

「姉さん。話し合いは終わったの?」

 

明久の問い掛けに玲さんは少し……と言うかかなり不機嫌そうな顔をして

 

「ええ。取りあえず今回のお見合いと言うか顔合わせは終わり。後日まただそうです」

 

「またやるの!?僕も嫌だよ!」

 

お見合いが嫌だという明久の言葉に美波達の目が輝く。お見合いに乗り気じゃないならって顔をしている

 

「雅とかいうのと「……他の人の名前を呼んだら駄目(ドスッ)」ビクンッ!ビクンッ!!」

 

翔子の流れるような目潰しが極まり雄二がのた打ち回っている

 

「いやみーちゃんとはちゃんと話は出来たよ。昔話とかは楽しかった……だけど」

 

表情を曇らせる明久はなんと答えたものかと考える素振りを見せながら

 

「みーちゃんは幼馴染で嫌いじゃないけど、いきなり婚約して欲しいとか、結婚を前提にとか言われても困る。龍也はこういうこと無いの?」

 

明久の問い掛け。ここは真剣に答えるとしよう。私が普段どんな思いをしているかで考えれば迷うこと無いはずだ

 

「私の場合は飲み物とかに混ぜ物されたり監禁だからな」

 

一週間のうち3日か4日くらいは起床。あれ?知らない部屋だってパターンがあるというと

 

「ごめん。聞いた僕が悪かったよ」

 

はやて達の選択肢はまず監禁次に投薬か混ぜ物。薬の耐性が無かったら多分そのうち責任を取らざるを得ない事態になっていたと常に思う。まぁ慣れてしまったので今更どうこういうつもりは無いがな

 

「「「投薬かぁ」」」

 

そしてその手があったかぁと言う顔をしている。美波達を見た明久は顔を青くして

 

「はやてさん。お願いだから薬を美波達に渡さないでね」

 

明久の言葉にはやて達はにやにや笑うだけ、いざと言うときの為に解読薬を渡しておこう。

 

「でもさ。吉井君はまんざらでもないんじゃないかぁ?だってあの大企業の一人娘でしょ?凄い玉の輿じゃない」

 

からかうように言う愛子に明久は少し怒ったような表情で

 

「僕はそう言うはどうでもいいの!ただ一緒に居て楽しいなら貧乏でも何でもいいの!」

 

明久にとってはお金よりも幸せが大事なのだろう。だからこそそのからかいの言葉に怒りを見せた

 

「……今のは愛子が悪い」

 

「うう。ムッツリー二君までにも怒られちゃったよ」

 

しょぼーんとしている愛子。まぁ今のは愛子が悪いので誰もフォローしない

 

「じゃあアキ君はお見合いをお断りするのですか?」

 

玲さんの言葉に明久は顔を曇らせながら立ち上がり

 

「良く判らないけど……今はまだ、雄二とか美波達と一緒に居るほうが良い」

 

何か思い悩んでいるような顔の明久ははっとした表情で

 

「それより姉さん。早く帰ってご飯にしようよ」

 

「……それもそうですね。八神さん達はどうなさるのですか?」

 

「ジェイルを起こして帰りますよ。ご心配なさらず」

 

明久の顔色の変化に気づいているようだが本人が答える気がないようなので誰も問いなおそうとしなかったが、全員がその表情を覚えていた。何かとても大きな悩みを抱えているかのようなその表情はとても哀しそうで全員の瞼に張り付いたのだった……それでもなお明るく振舞おうとする明久を見て、いずれは時間が解決すると思ったのだが、考える時間は短く、そして唐突に決断の時は訪れるのだった

 

 

 

 

 

龍也達とは途中で分かれ、時間も時間だからと僕と姉さんは外で夕食を食べて家へと戻った。僕は濡れた髪にタオルをかぶせて自分のベッドの上に座り込んだ

 

「あーもう何でこんな事になるかな」

 

みーちゃんとお見合いと言うのは死ぬほど緊張した。みーちゃんは信じられないくらい綺麗になっていてそして思いやりが会った。まるでお姫様のように僕は扱われた。何かが違うと思ったけどみーちゃんの好きにさせてみた。久しぶりに会ったのだからみーちゃんももしかすると緊張してそんなことをしてるのではと思ったからだ。しかも最後の最後でとんでもない爆弾を残していった。下手をすれば僕のこれからの人生が全て変わってしまうかのような爆弾を

 

「ああーもうこういう事を考えるのは苦手なのに!」

 

考え事なんて僕の性分じゃない。行動してこそ僕だと思うのに如何してこうも頭を使うことばかり続いてしまうんだろう。そんなの僕の性じゃないのに。しかも問題はみーちゃんは僕だけじゃないと言っていた。他にも僕が聞かされた話を聞いた生徒が居ると言っていた

 

「と、とりあえず召喚戦争に勝ってから考えよう」

 

みーちゃんから渡されたパンフレットは貰った封筒にしまいなおし机の中にしまい鍵を掛ける。この話は召喚戦争が終わった後にまた話し合いましょうと言っていた。だからまずは召喚戦争に勝つことを考えよう、僕のことは後回しにしてもいいはずだから

 

「はああ……もういや」

 

今まで僕が誰が1番すきなのかとかを考えなかった罰が一気に押し寄せてきたような疲労を感じながら。僕はベッとに寝転がり天井を見つめながら眠りに落ちた。全ては学年対抗の召喚戦争が終わったときに考えよう。問題の先送りだけど今僕に出来るのはこれしかない。僕はそんなことを考えながら眠りに落ちた、その時見た夢は懐かしいみーちゃんが近所に暮らしていたときの夢だったのに、なぜか途中で僕達と同じ年くらいの美波達も一緒に居るという奇妙な、だけどとても幸せな夢だった……

 

 

第108問に続く

 

 

 




今回のは間の話なので短めです。そろそろラストスパートに入っていきますね。召喚戦争は最後の最後と言うことでオリジナル路線で行きたいと思っています。勿論原作イベントも入れるつもりですけどね。TSしている高城がどう動くのか?友達系ヤンデレにした小暮がどんな悪巧みをするのかを楽しみにしていてください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。