バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回の話は「B・Cクラス」の臨時代表きめとか、明久と魔王達の談義とかをやりたいと思います
繋ぎ系の話になるので少し短いかもしれませんがどうかよろしくお願いします


第105問

 

 

第105問

 

うーん。どうやって説明したものか。昨日のみーちゃんとの衝撃的過ぎる再開、そして魔王化したままの美波達。なんとか逃亡には成功した物の、不安が残る。一晩経ってるから魔王化解除されてると良いなあと思いながら

 

「うーん。それにしても考えることが多いなあ」

 

鞄を小脇に抱えながらそう呟く、美波達のことにみーちゃんの事。考えることが多すぎる。そんな事を考えながら歩いていると学校の手前の十字路で

 

「アーキヒサーッ!!!」

 

「ごぶうっ!!」

 

突然横から、飛び掛ってきた何かに軽く吹き飛ばされたが、このくらい魔王の攻撃と比べれば可愛いものだ、体制を直ぐに立て直し

 

「リンネ君……?」

 

あの片言の発音はリンネ君だと思っていた。勿論の目の前に居るのもリンネ君なのだが、ズボンではなくスカートをはいていて

 

「リンネ君じゃなくてちゃんだったの?」

 

僕がそう尋ねるとリンネちゃんはうんって笑いながら

 

「そうだよ!キョウはイッショニいこうっておもって、マッテタンダヨ」

 

にこにこと笑うリンネちゃんは行こうよ!と笑って僕の手を引く。振り払うのも悪いのでリンネちゃんと歩いていると

 

「あのね。アキヒサがホンヤクシテクレッテいってたホンだけど。あれは誰かの日記だったからほんやくしてないよ」

 

一瞬何を言われたか、判らず困惑したが。すぐに何を言われたか理解し慌ててて

 

「日記だったの!?中見ちゃったの?」

 

日記の翻訳を頼んでしまうなんて、リンネちゃんに悪いことをしたと思いながら言うと

 

「すぐにニッキってワカッタカラぜんぜんミテないよ!ちゃんと持ち主にカエシテおいたよ!」

 

良かった……見てたら日記の持ち主に恨まれちゃうよねと思っていると

 

「アキヒサはみやびスキなの?」

 

「ばぶう!?」

 

まさかリンネちゃんにそんなことを言われるなんて思っておらず、思わず咳き込む。

 

(落ち着け。吉井明久こういう時こそクールになれ)

 

深呼吸を数回してから、嘘偽りの無い自分の気持ちを口にした

 

「良く判らない」

 

情けないと思うのなら笑うが良いさ!だけどね普通の高校生が考えるには重過ぎる問題なんだよ!心の中でそう叫びながら言うとリンネちゃんは

 

「そっかーソレナラよかった♪」

 

ふふふっと嬉しそうに笑ったリンネちゃんは

 

「ボクねーアキヒサのことすっごくだいスキ!みやびよりもずっとアキヒサの事スキだよ!だからカノジョ候補に考えてね?じゃあねアキヒサ、I love you♪」

 

ウィンクして走り去って行った。リンネちゃんを見て思わずしゃがみこんで

 

「人生初のモテ期?なんか嬉しいような悲しいような複雑な気分」

 

リンネちゃんのはただの純粋な好意かもしれない。最初の出会いが出会いだったし……異国で優しくされると恋に落ちやすいって言うしね

 

「あああ……また悩み事が増えたよ」

 

みーちゃんに加えリンネちゃんまでにまで告白されるなんて……とりあえずこのことは黙って……

 

「アキは朝から随分とモテルのね?」

 

「明久……」

 

底冷えするような美波と優月の声。僕は恐ろしくて振り返ることも出来ないまま

 

「命だけは、命だけは何とか!」

 

後ろを振り返らず命乞いすると2人は声を揃えて

 

「「だめ♪」」

 

ですよね!!!ゆるしてくれるわけありませんよね!昨日の今日でこれだもん、もし逆の立場だったら絶対怒ってる

 

「優月は足ね、ウチは腕をへし折るから」

 

「了解」

 

「待って!了解しないでええええええ!!!!ぎゃああああああああっ!!!!」

 

そしてボクは朝から臨死体験する羽目になったのだった……

 

 

 

 

 

ぎゃあああああああ……

 

窓を開けていると通学路のほうから明久の悲鳴が聞こえてきた

 

「龍也。ムッツリー二、明久の奴捕まったみたいだな」

 

「……冥福を祈る」

 

「遅刻しないで澄むと良いんだがな」

 

龍也が目を伏せるのを見ながらムッツリー二に

 

「しかしお前も随分早いじゃないか?どうしたんだ?」

 

いつも遅刻ギリギリなのにと思いながら尋ねると

 

「……工藤愛子に奇襲された。そして陽向が憤怒し命からがら逃げてきた」

 

疲労困憊と言う感じで呟くムッツリー二。どうもムッツリー二も朝から魔王に襲われていたようだ、俺ははぁっと溜息を吐きながら

 

「お前もか」

 

俺も翔子に奇襲され窓の外に置いておいた靴を履いてそのまま屋根の上を走り逃亡してきた。はあっと2人で深い溜息を吐きながら龍也に

 

「お前は?なにかあったか?」

 

きっと龍也も何かがあったはずだと思い尋ねると、龍也はふむと頷きながら

 

「いつもと同じだ。はやてとヴィータに奇襲され、なのはとフェイトに突撃され、スバルと走ってたらティアナが鬼の形相で追いかけてきて、シャワーで汗を流してたらセッテが覗こうとして来たくらいだ」

 

軽く笑いながらそう言う龍也に俺とムッツリー二は同時に

 

「「それは位で済ませることじゃないよな!?」」

 

龍也は既に魔王に慣れすぎている。俺達と悩みを共有できるレベルではなかったか

 

「……おは……ようううう」

 

パタン

 

「「「明久ああああッ!!!!」」」

 

入ってくると同時に倒れて動かなくなる明久。見間違い出なければ右腕と左足が曲がってはいけない方向に曲がっている

 

「兄ちゃん。矯正よろしく」

 

はやてが龍也にそう言うと龍也は読んでいた本を閉じて倒れてる明久に近づき

 

「ああ、判っている。まったく美波達も嫉妬深くて困るな」

 

はははっと笑いながら龍也が明久の曲がっている骨とかを矯正し始める。それはもう完全に手馴れた感じだった

 

「で最後はっと。ふんっ!!!」

 

背中に乗った龍也が明久の顎を掴んで身体を反り上げる

 

ゴキャアアアアアアア!!!!

 

「ひヴぉろああああああ!?」

 

思わず耳を塞ぎたくなる音と明久の奇声。それから暫くして明久は何事もなかったかのように立ち上がり

 

「い、痛くないよ!治った!」

 

腕をぶんぶんと回し喜ぶ明久。その姿にさっきまで手足が別方向に曲がっていた人間の面影は無い。相変わらず凄いと俺は思った、俺とかムッツリー二の腕が明後日の方向を向いたときにいつも直してくれるのは龍也だからだ

 

「さてと、では雄二。そろそろB・Cクラスの臨時代表決めに向かおうか?」

 

「ん?ああ、もうそんな時間か?」

 

俺と龍也。翔子と木下姉、あと平賀と清水。中林は1人でいいそうなので1人だ。鉄人と高橋教諭の監視の下で厳正な話し合いをし臨時代表を決めるのだ。B・Cからは一応立候補と推薦で選ばれた生徒が居るからその中から選ぶ予定だ

 

「……雄二。あれ」

 

ムッツリー二の声掛けに振り返りははっと笑う

 

「いいざまだな。根本に小山は」

 

朝からジャージ姿でグランドの草むしりをしている根本と小山。前の召喚戦争の悪質な行為にババアと博士が下した処分は

 

『クラス代表の座の剥奪と3年生まで教師の手伝いをすること、ただし召喚獣無し。それと宿題の量が2倍』

 

ざまあとしか言いようの無い、人を落としいれようとする奴の末路なんてあれが相応しいだろう

 

「じゃあ。俺と龍也は行くから。お前も頑張れよ明久」

 

何をと言う顔をする明久の後ろを俺が指差し龍也が

 

「美波達がはやて達を仲間にして魔王審判の準備をしているぞ?」

 

セッテとヴィータは念入りにアップし、嘘を言えば即座に攻撃が待っているだろう

 

姫路と秀吉それにティアナは凄くイイエガオで明久を手招きしている

 

そしてはやてと美波は

 

「シュッ!!!シュ!!!」

 

俺でさえ見えない高速のシャドーで断罪の準備をしていた

 

「ダバー……」

 

滝のような涙を流す明久の肩を叩き俺と龍也は話し合いの場になっている。生徒指導室へと足を向けたのだった

 

 

 

 

 

男子の制服ではなく女子の制服に袖を通し。しっかりとネクタイを締め髪を整えてからリビングに向かう

 

「おはようございます。お母様」

 

「おはよう。雅、良く似合ってるわよ」

 

そう褒めてくれるお母様にお礼を言いながら椅子に座りトーストにバターを塗っていると

 

「週末のお見合いのときは着物が良い?それともお嬢様って感じのブラウスが良い?」

 

「そうですね。ブラウスが良いですね。着物だと動きにくいので」

 

そう返事を返すとお母様は嬉しそうに笑いながら

 

「明久君に会うのは久しぶりね。どんな子になってた?」

 

「昔のままですよ。優しくて思いやりのあるアキ君のままです」

 

凛々しくというよりかは可愛い方向に成長しているが私の覚えてるままのアキ君のままだというと

 

「そう。今度のお見合いが楽しみね、雅」

 

「はい。今からとても楽しみです」

 

会えなかった時間を埋めて私の話を聞いて欲しいし、アキ君の話を聞きたい。そんなはなしをしながら朝食を終えて

 

「では行ってきます」

 

「はい。気をつけてね」

 

お母様に見送られ家を出て歩き出して数分

 

「おはようございます。雅」

 

「おはようございます。小暮」

 

いつも近くまで迎えに来てくれている小暮と合流し学校に向かう

 

「サラシもやめたのですね?」

 

「当然です。いつまでも男装している必要はありませんからね」

 

さらしで胸を押えるのを止め下着に替えている。久しぶりと言う感じの肩の重みが何処か懐かしい気もする

 

「そうですか。それもまた良いでしょうね、ところで気になっていたのですが」

 

小暮の言葉に立ち止まりなんですかと聞き返すと小暮は

 

「吉井君は結構モテているようです。もし振られたらどうするのですか?」

 

「愚問ですね」

 

そんなは決まっている。私は胸を張りながら

 

「諦めません。今の私が駄目ならばアキ君に好かれる私になるだけです」

 

それに島田・姫路・木下さんに私が劣っているとは思えない。料理だって裁縫だってなんだってずっと勉強してきた。それにアキ君を護れるように格闘技も修めた。私が彼女たちに劣っている点があるとすればそれは一緒にいなかった時間だけだ、それは幾らでも埋め直しが利く

 

「流石ですね。私も応援します、頑張ってくださいね。雅」

 

「勿論です。アキ君を諦めることなんてできるわけがないのですから」

 

馬鹿と言うわけではない。アキ君は要領が悪いだけで頭の回転は速いし人を思いやれる性格をしている。だからこそ私は彼に惹かれたのだ、そして10年以上たって再開できてその思いはますます強くなった。早く明日にならないかと思いながら歩いていると小暮が

 

「もし貴女の容姿に引かれて付き合ってくださいと言う3年生が来たらどうしますか?」

 

「……そう言う軽薄な人間は嫌いですね。人の外見しか見ない人間など興味はありません」

 

口調こそ穏やかだがその時の雅の顔は女帝としての貫禄を出していて、なれている小暮だからこそ笑うことが出来たが。他の人間なら威圧され動くことなど出来なかっただろう

 

「それでこそですよ。雅負けないでくださいね」

 

「当然ですよ。小暮」

 

私はアキ君を迎えに来たのだ。諦めるつもりなんて無い。むしろ諦めるのは向こうだ。私は小暮と何気ない話をしながら、頭の中では八神龍也達を交えた2年生全体の戦力図とその弱点。対応策をいくつもいくつもシュミレートして勝てるだけの策略を考えていたのだった……

 

 

 

 

小暮と雅が登校した頃明久は

 

「嘘を言うとへし折ります。OK?」

 

「YES。はやて様」

 

畳の上に正座。拳をぽきぽき鳴らしているヴィータ様達が近くに居るのに嘘なんてつけるわけが無い

 

「ではまず。雅って言うのは本当に幼馴染?」

 

「はい。僕が6歳くらいのときに引っ越したけど仲の良かった友達でした」

 

じろじろと観察してくるはやて様に視線にビクビクしていると

 

「嘘はついてへんな。心拍数とかもそのままや」

 

心拍数!?見てるだけで判るのそれ!?

 

「じゃあ次。お見合いに乗り気ですか?」

 

「良く判りません」

 

みーちゃんに会えたのは嬉しいけど、いきなりお見合いとかって言われても何がなんだか判らない

 

「嫌なら断れば良いじゃないアキ」

 

美波の言葉の言葉に僕ははあって溜息を吐きながら

 

「断ったら母さんに殺されるんだよ。なんか母さんの会社の瀬戸際らしくて嫌でもお見合いはしてくれって」

 

「それってもしかして断ったら明久君のお母さんの会社が潰されるってことですか?」

 

「かもしれない……」

 

そう思うと無下に断ることも出来ないし。それに久しぶりに再開した幼馴染と話したいという気持ちもあると言うと

 

「明久。それはちゃんと言った方が良いよ?それは脅されてるんじゃない?」

 

魔王モードを解除してくれてる面々の中で1番早く優月がそう声を掛けてくれる

 

「そうですよね。好きと言うのは判るけどそう言うので脅すのはどうかって思うわね」

 

「うん。ちょっと酷いよな」

 

ティアナさんとヴィータさんの言葉を聞いて僕は

 

「いや。みーちゃんがそう言うこと考えているとは思えないし、だからその……お見合いのときにちゃんと話をしてみようって思うんだ」

 

僕がそう言うと美波は面白くなさそうな顔をして

 

「それで……そのアキは高城先輩と婚約したいって思ってるの?」

 

僕の顔を窺いながら尋ねてくる美波。

 

「うーん判んない。でも僕は今は雄二とか美波とかと一緒に居るほうが楽しいから、多分断るかも?」

 

今のままが良いという気持ちがある。だからみーちゃんとはお見合いはするけど直ぐは返事は出来ないと思うと返事を返すと

 

「そうですか。それなら少しは安心です。じゃあ明久君、来週の召喚戦争に向けて勉強をしましょうか?」

 

まずは召喚戦争のことに集中しないと。個人的なことは先送りにしよう僕は魔王審判が無事に終わったことに安心し鞄から教科書を取り出した。その間にはやてさん達は自分達の勉強に集中するといって自分の席に戻って行った。

 

「じゃあ瑞希悪いけど勉強を……「良いですよ。明久君ちゃんと教えてあげますから」

 

そう笑う瑞希や美波。やっぱり僕は今のままが良いと思う。もっと大きくなってから自分が何をしたいのか?何が出来るのか?それが判ればきっと……誰が一番好きなのかって言うのが判ると思う。だからそれまでは今のままこの居心地の良い場所にいたいと思うのはずるいことなのだろうか……僕はそんなことを考えながら教科書を開いたのだった

 

 

 

 

 

 

 

臨時代表を決める会議は結構難航していた。その理由は立候補者が多かったのだ、元々根本・小山に抑制されていた生徒が多く。2人が代表をはずされたことでもっと自分のクラスを良くしたいという志を持って立候補している生徒が多かったのだ。特にBクラスが多かった

 

「うーん。Bクラスは難しいわね」

 

「そうだね。と言うか下位クラスの僕がここにいて良いのかい?」

 

「何を馬鹿なことを言ってるんです?代表として責任ある行動しなさいブタ野郎」

 

「泣いてない!俺は泣いてないんだ!」

 

天井を見つめている平賀を見ながら溜息を吐く。面子には問題は無いがこうして話し合いで決めるというのはかなり難しいものだ

。臨時代表がどれくらいクラスに発言力を持つか?式能力に問題はないか?などなど考えることは山ほどある

 

「……総合点で考えるのならBクラスは岩下律子が良いと思う。元々根元の考え方には会わなくて前線に出されてたけど、点数はバランスが良いし、クラスの発言力も良い」

 

翔子の提案を聞きながら配られた紙から岩下律子の点の配分を見る。バランスよく点数を持っているが

 

「だけど突き抜けた何かを持つわけじゃないのよね」

 

全てを平均点より上でまとめているが、それだけだ。

 

「だがバランスが良いということは組み合わせる生徒によっては防衛線も出来ると言うことになる。俺は岩下律子を推す。そして翔子これは浮気とかじゃない。それに持っているスタンガンを「……浮気は死刑」ふぎゃあああああああああ」

 

バリバリ!!!!

 

雄二の骨が一瞬浮き出るほどの電激。黒焦げになってぴくぴくしてる雄二。平賀と中林は複雑そうな顔をしているがとりあえず放置

 

「じゃあ。Bクラスの臨時代表は岩下さんで行きましょう。で次はCクラスね」

 

「Cクラスならば美春は新野すみれを推します」

 

美春の言葉を聞いてページを捲り新野すみれの名前を探す。1番最初に見つけた中林が

 

「新野すみれ。放送部所属。数学と現国が得意……成績はCクラス中堅。それで清水さん、どうして彼女を推すの?」

 

中林の言葉に美春は自信満々と言う表情で

 

「新野はCクラスでは人気がある生徒です。テストの成績はあんまり高くないですけど戦死しかける仲間を助けたり、援護したり。そう言う実績があるからCクラスでは一目置かれているのです」

 

なるほど戦力ではなくCクラスに深い影響力のある生徒と言うことか

 

「そう言うことなら新野は良いかも知れんな。点数だけで決まらないものもある」

 

団体戦ならば点数特化ではなくフォローや和の乱れを治せる生徒がリーダーに居るの心強いと言うと

 

「……判った。じゃあCクラスの臨時代表は新野すみれで、じゃあ岩下と新野を交えて会議を始めよう」

 

校内放送で岩下と新野を呼び出し、これで全クラスの代表が揃った。ここからが正式な作戦会議だ

 

「やっぱりだけど団体戦なら参謀役が必要よね」

 

優子の提案に死んでいた雄二がおう……と呟いた。こういう光景を見慣れていない新野と岩下はドン引きしているが問題ない

 

「参謀か……普通なら点数も高くて応用力にたけた人が良いな」

 

「そ、それならば。八神君はどうですか?点数も高くて良いと思うけど」

 

新野の提案に雄二が駄目だと言った

 

「龍也はいっつも前線に突っ込んで帰ってこないぞ」

 

なんともいえない沈黙が満ちる。だってなあ?突っ込んで敵の数を減らしたほうが楽じゃないか

 

「そ、そうなのか。八神君は結構冷静だと思ってたんだけどな」

 

「冷静だぞ?敵の頭数を減らすための突撃だ」

 

むやみに突進しているわけじゃないというと翔子が

 

「……龍也はどう考えても前線指揮、だから参謀は向かない」

 

「となると……」

 

全員の視線が雄二に集中する。雄二は溜息を吐き

 

「俺に参謀をやれと?」

 

「そうだな。適任だろう?Fクラスの指揮を執って上位クラスを倒してるし」

 

「そうよね。効率的なチーム編成とか考えてくれそうだし」

 

「実績があるし、それになにより」

 

雄二を凝視している翔子を見つめて全員で

 

「「「多分坂本君の言う事しか聞いてくれないんじゃないかなあ?」」」

 

翔子は多分雄二の言う事しか聞かない。それがここに居る全員の共通の考えだった

 

「……私は雄二と一緒だと嬉しい」

 

キラキラとした目で雄二を見ている翔子。その視線に耐えかねたのか

 

「ああ!判った!引き受ければ良いんだろ!?そんな子犬みたいな目で俺を見るな!」

 

顔を真っ赤にしている雄二に全員がニヤニヤとした顔で見ていると、余計雄二は顔を赤くして

 

「そんな微笑ましいものを見る目でおれを見るなあ!おらさっさと作戦をまとめるぞ!」

 

もうこの話は終わりだと言いたげな雄二を見ながら3年生との召喚戦争に向けての作戦会議が始まったのだった

 

第106話に続く

 

 




最後の召喚戦争は出来る限りオリジナル展開で行きたいと思います。まぁ高城先輩がTSしてる時点で原作通り進むわけがないんですけどね!次回はお見合いの話を予定しています。雅さんがどんな動きをするのかを楽しみにしていてください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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