バカと魔王と召喚獣【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回で10巻の話は終わりの予定です、かなりのオリジナル展開が多くなる予定なので、原作の事は忘れていただけると嬉しいです。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



第103問

 

第103問

 

昼休み明久が高城や瑞希達に捕まっている間に回されてきたメモ。そこには今日の召喚戦争の作戦について書かれており。一番下には

 

【明久に教えないこと。明久には別の作戦を遂行してもらう】

 

と付け足されていた。その事を知らない明久は必死にテストの問題を解いている、私やはやては点数も380台後半で揃っているため補充はしないで現状維持をすることにしている

 

(私達の試験と皆の試験は違うからな)

 

私達が普通の高校生の問題を解いたら4桁だって楽に狙える。だからジェイル特性の問題でやっている、普通の問題よりも難しくしかも点数が全部2点。普通に考えてAクラスと戦うだけの点を取ろうと思えばきっちり試験の集中しないと難しい。だから現状を維持することを選んだ。後は雄二の策が上手く動けばこっちの勝ちだ

 

【小野、浅賀、御手洗。2階に行って総合科目での勝負を始めれるように準備してくれ。あそこは3回科目を切り替えている。総合の科目が低い連中が多いはずだ】

 

ノートを手に指示を出している雄二を見ながら時計を見ていると。はやてが私の背中にもたれ掛かるように座り

 

(なんかありそうやよね)

 

(そうだな)

 

さっき来ていた高城と言う生徒から感じた違和感と。リンネと言う留学生が落としていったプリント……何かまたありそうな気がする。そんなことを考えながら私はコートから櫛を取り出しはやてと反対側からもたれ掛かってきているセッテ。セッテがこうやって甘えてくるのは構って欲しいときだけだ、普段は言葉や行動で私の注意を引こうとしているから良く判る

 

「髪を梳いてほしいんだろ?こっちおいで」

 

ぱあっと花の咲く様な笑みで笑い私に背を向けるセッテの髪を梳いていると。くいくいっとコートが引かれる

 

「はいはい。判ってるわかってる」

 

「ん」

 

ヴィータが若干不貞腐れた表情でこっちを見ているのであいている右手で軽く頭を撫でててやってからセッテの髪を梳くのを再開する。ちなみにこの様子を見ていたFクラス生は

 

(((飼い主に構ってもらいたい猫みたいだ)))

 

普段は龍也を困らせているのに今はこうして構って構ってと無言でじゃれ付いている。それは猫のようにも見えたのだった……

 

「ふいーやっと終わった」

 

セッテ・ヴィータ・ティアナ・はやてと髪を梳き終えたところで明久が大きく伸びをしながら言う。それと殆ど同じタイミングで秀吉と康太が戻ってくる。最終攻撃の準備を終えたようだ……2人が戻ってきたという事はもうそんな時間か……結構な時間髪を梳いていたんだなって思っていると

 

「坂本!出たぞ!高町にハラオウン。それに木下にKUBOだ!!!」

 

どうも一気に動いてきたか……その報告を聞いた雄二は顔を歪め

 

「おかしい。KUBOは島田達にフルボッコにされたんだぞ?どう考えても復帰にはまだ時間が掛かるはずだ」

 

話によれば美波と秀吉が本体をフルボッコにし階段から突き落とし、瑞希が召喚獣をフルボッコにしたはずだ。復活にはもう少し時間が掛かるはずだが

 

「なんかラリッて人語を話してないKUBOが目撃されたんだ!」

 

「……凶戦士モードか……なるほどそれならば理解できるな」

 

今のKUBOの状態は怒りに我を忘れて暴れるはやて達と同じ状態だ、確かにその状態なら活動を再開するのも無理はないだろう

 

「それで高町達が居る回はどこだ!?」

 

「すまん。それが階段の所だったから誰が何処の階に行ったのかまでは判らない」

 

その言葉を聞いた雄二は私達と明久を見て

 

「明久、龍也、はやて、ヴィータ!緊急事態で各階に散ってくれ!「「呼び捨てすんな」」がふっ!?」

 

雄二の額にはやてとヴィータの投げた辞書がめり込むのを見ながら立ち上がる

 

「雄二。判っていると思うが明久は現国の採点待ちだが?」

 

「んなもん待ってられるか!各階に散った主席クラスが4人だぞ!そいつらの進行を止めるのが最優先だ!」

 

セッテとてィアナは後半の勝負に出る前の陽動として出撃するのが決まっている。となれば動けるのは私たちだけだ

 

「森と平田は明久のフォロー!龍也達にフォローはいらん!早く誰が何処の階にいるのか把握して報告してくれ……明久いけるか?」

 

雄二にそう尋ねられた明久は肩を竦めて

 

「KUBOじゃなければ大丈夫。KUBOと当たったら援軍を送ってくれるかな?」

 

確かに明久はKUBOが苦手だ。だけどそんな事をいっている状況ではないと理解したのか冗談を交えて言うと

 

「そのための森と平田だ。KUBOとエンカウントしたら直ぐに報告に戻らせる」

 

「OK。それなら行くよ……じゃあ途中まで一緒に行こうか?」

 

そう笑う明久に頷き教室から出ようとしていると雄二が明久に

 

「折角受けた試験を無駄にさせちまって悪いな」

 

「大丈夫だよ。それにここを抑えないと負けちゃうんだ。大丈夫心配ないよ」

 

雄二にそう返事を返し教室を出てきた明久は真剣な顔で私達を見て

 

「もしKUBOが僕のところに居たら叫ぶから。助けにきてね」

 

助けてやりたいとは思ったがそう簡単に片付くとも思えず私達は出来たらと返事を返し階段のところで別れた

 

「龍也君がきちゃったかぁ」

 

「よう。優子久しぶりだな」

 

「あ……うん。久しぶり」

 

優子とそんな話をしていると上の階から

 

「みっぎゃああああああああッ!!!」

 

「■■■■ーッ!!!!!」

 

4階のほうから明久の悲鳴と謎の奇声。私は4階を指差して

 

「KUBO?」

 

「うん。KUBO」

 

【だあれかアアアアア!!!変態に襲われるうううううううッ!!!!!】

 

【■■■■ーッ!!!!!■■■■ーッ!!!!!】

 

明久の絶叫と狂戦士の雄叫び

 

「一応聞くけど助けに行って良いか?」

 

「あーそれは少し困るのよね」

 

優子の言葉でAクラスの生徒7人に囲まれる。もちろん召喚獣も一緒だ

 

「少しだけここで足止めさせてもらうから。KUBOが打ち取られたら帰……「「「くたばれ!この変態ッ!!!!」」」

 

パリーンと窓の割れる音。痛いほどの沈黙が辺りに満ちる

 

「えーと逆に聞いていい?見逃してくれるかしら?」

 

「向かって来ないなら戦う理由はないな」

 

そう返事を返すと優子達はさっさと新校舎に戻って行った。どうも優子達の目的は各階に主席クラスを出して私達の注意をひきつけ明久を仕留めることだったようだが完全に失敗だったようだ

 

「なんだろう……この感覚は」

 

なんとも言えない奇妙な感覚に首を傾げながらFクラスに戻っていると

 

「くっ……相打ちやった」

 

「くそっフェイトの野郎。折角兄貴が整えてくれたのに」

 

召喚獣ではなくガチの殴り合いをしていたであろうはやてとヴィータを見かけた。さっき整えたはずの髪はぼさぼさになっていて

私は思わず溜息を吐くのだった

 

 

 

 

 

 

KUBOに追い掛け回されもう駄目だと思っていたときに助けに来てくれたのは美波達だった。何処かの拳法家かと思うような鮮やかな動きでKUBOをKOをして窓の外の投げていた【※4階です】死んだかなって思ったけど窓の外の木にしがみついていた。いっそ死んだらよかったのにと一瞬思ったが口にはしなかった。そのあと美波達は最後の作戦があるからって階段を下りて行った美波達と別れFクラスに戻ると

 

「無事でよかったな。明久」

 

「雄二……他の皆は?」

 

さっきまで補充試験を受けていた面子が誰一人居ない事が気になりそう尋ねると

 

「もう皆移動してる。龍也達やお前がAクラスを引き付けてくれたからな。楽に移動が出来た、あとは最終攻撃だけだ」

 

「そっか……じゃあ僕はCクラスで待ってるね」

 

もう1度教室を出ようとすると雄二が感慨深そうに

 

「漸くここまで来たな……」

 

いろんな物が含まれた雄二の呟きに僕は

 

「そうだね」

 

一言だけそう返事を返しFクラスを後にCクラスに向かった

 

「あれ?高城先輩?」

 

「どうも吉井君。さきほどは大丈夫でしたか?」

 

Cクラスにはムッツリー二とFクラスの生徒5人となぜか高城先輩が居た

 

「あれ?なんでここに高城先輩が?」

 

僕がそう呟くとムッツリー二が

 

「……丁度今同じ事を聞いていた」

 

おかしいな?3年生はこの時間進路ガイダンスを聞いているはずじゃあ?

 

「ああ。進路ガイダンスの内容は知っているもので。お暇を頂き姫路瑞希さんが居る。Fクラスの様子を見に来たんですよ」

 

穏やかな口調で語る高城先輩に思わず

 

「高城先輩は随分と瑞希にご執着なんですね?」

 

「あ、ああ。いえいえ失礼そう言うわけではないですよ。恐らくですが、私と彼女は気が合う……と言った理由ですよ。別に執着しているわけではありませんよ」

 

穏やかに笑う高城先輩。なんだろうこの人本当に何を考えているのかまるで判らない、悪い人ではないと思うんだけど

 

「それにですね。Fクラスには大変お美しい方々が居ますが、恐らく私の考えが判るの姫路瑞希さんだけだと思うのです。八神姉妹にセッテ嬢にティアナ嬢。そして……」

 

へんなところで言葉を切った高城先輩はムッツリー二を見て

 

「木下優月さんは確かに美しいでしょう。しかし彼女は演技に長け、内面を隠す事のできる人間です。そう言う人間は嘘や隠し事が総じて得意です。そのような方は人間としての魅力は」

 

饒舌で優月を批判する高城先輩の言葉を遮るように

 

「高城先輩は勘違いをしている。確かに優月はポーカーフェイスが上手で内面を見抜くのは難しいかもしれない。でもそれは自分のやりたいことに真摯に打ち込んでいるからです。けっして騙したり嘘をつく為に身に着けたものじゃない。そうやって自分の好きなことを一生懸命やっている優月はとても魅力的で一緒にいて誇らしい仲間なんです」

 

僕がそう言うとなぜか周りのクラスメイトがにやにやしてる。何故だ、僕は凄くまじめなことを言ったはずなのに

 

「ふふふふ。ああ、やはり君はあのときのままだ……ふふふ」

 

なんか酷く楽しそうに笑い始める高城先輩は

 

「失礼。少々貴方を試しただけですよ吉井君。さっきの言葉は忘れてください……それでは私はこれで失礼します」

 

あの人は何がしたかったんだ?僕を試す事に何か意味があるのか?思わず考え込む僕に

 

「……そろそろ時間。行こう」

 

ムッツリー二に袖を引かれ雄二に説明されていた通り2-Cの教室の前で待機する。雄二の作戦ではC教室の壁を破壊しAクラスへの道を作る。これは前にやった作戦だ。心配ない必ず上手く行く

 

「……作戦開始時間」

 

「よし、行くよ皆」

 

小声で最後の確認をしC教室に入るとそこにいた遠藤先生が驚いた顔をして

 

「よ。吉井君?貴方達は何処から」

 

「すいません遠藤先生。説明している時間はないんです。召喚許可をください」

 

先生の言葉を遮り言うと遠藤先生は「え?あ。はい」驚きながらも召喚許可を出してくれた

 

「「「試獣召喚」」」

 

召喚獣を召喚し、そして直ぐに点数が表示され

 

「え?」

 

点数がおかしかったわけではない、科目が違っていたわけでもない。僕が驚いたのは

 

『Fクラス 吉井明久 英語101点』

 

VS

 

『Aクラス 木下優子 英語382点』

 

「木下……さん?」

 

想定していない対戦相手の名前が表示されたことだ

 

「こんにちわ吉井君?」

 

「どうしてここに」

 

教室の隅にいる木下さんにそう尋ねると

 

「説明するまでもないでしょう?」

 

木下さんの言葉を合図にAクラスの生徒が教室に入ってくる。この布陣を見る限り

 

「僕らの作戦はばれていたのか」

 

「そう言うこと。龍也君とかを陽動に使ってその裏で突撃。うん定番よね」

 

そう笑って僕の前に立つ木下さん。その位置は僕が狙おうとしていたカレンダーの前。この時点で作戦は失敗したようなものだが

 

「ええい!ここが正念場だやってやる!」

 

「良いわ。諦めないのならここで退場させてあげるわ」

 

僕の後ろで勝負を始めるFクラスの皆の声を聞きながら木下さんに向かっていく。何も倒す必要は無い……

 

真っ向から木下さんの召喚獣の一撃を受け止め。少し後ろに下がって体勢を崩す

 

「っとと」

 

ほんの僅か力加減が狂ってバランスを崩す木下さんの召喚獣に肩からぶつかりそのまま壁に向かって突進させながら

 

「二重召喚ッ!!!」

 

2体目の召喚獣を呼び出し2体の召喚獣で体当たりをする。どんっ!という鈍い音が教室に響く。これで壁は壊れた……

 

「え?なん……で?」」

 

呆然としている僕に木下さんが距離を取りながら

 

「幾ら召喚獣の力でも。それくらいの力じゃ壁は壊せないと思うわよ?」

 

おかしい雄二が細工をしていてくれたんじゃないのか……だけど

 

「この程度で諦めるもんか!1回で駄目なら何回でもだ!!!」

 

諦めるのは可能性がなくなってからでいい。召喚獣を再度突進させようとすると

 

「こんな状況になったら普通は諦めるのに……でも吉井君の思い通りにはさせないわ。みんな壁際によって!これ以上吉井君を近づけたら駄目よ」

 

木下さんの指示でAクラスの生徒が壁による。これで僕の召喚獣はどうやっても壁に触れないなら!

 

「ムッツリー二!大島先生と合流してAクラス走るんだ!」

 

「残念だけどそうはさせないわ!愛子、なのはお願い!」

 

木下さんがそう声を掛けると扉をくぐって2人の女性とが姿を見せる

 

「はろはろ♪ムッツリー二君♪」

 

「良く頑張ったみたいだけどここまでかな?」

 

なんて絶望的な状況なんだ……それでも僕に出来る事は何かないかと必死に考えていると

 

「諦めなさい。吉井君、良い線まで行ってたけど……この勝負あたしたちの勝ちよ」

 

ムッツリー二が愛子さんの前から離れて僕の腕を掴んで

 

「……残念」

 

とても小さな呟きだったが木下さんはそれをしっかりと聞き取ったようで

 

「まぁ残念でしょうけど諦めて……「本当に残念だったね♪姉さん、この勝負私の勝ちだよ」

 

「「……え?」」

 

物凄く聞き覚えのある声に驚き振り返るとウィッグを外した優月が僕の腕を抱え込んでウィンクしながら

 

「私達の作戦勝ちだね。明久」

 

「え?ええ?いつから?」

 

いつから優月はムッツリー二に返送していたのか尋ねると山川君が

 

「昼休みからだ。知らなかったのはお前だけだ」

 

嘘ーっ!!!!こんなの酷すぎるというか……

 

「さっきの高城との話で私のこと魅力的って言ってくれてありがとう。凄く嬉しかった」

 

「NOッ!!!!!!」

 

僕は思わず頭を抱えてC教室を飛び出した。もう駄目だった。なんか色々思うことはあったけど、とりあえず僕を騙した雄二を叩きのめす。それだけを考えてAクラスに向かって走り出したのだった

 

 

 

 

 

 

「そろそろ終わったころだな」

 

「だろうな」

 

陽動を終えた龍也と合流する。龍也・はやて達をAクラスのほうに向かわせ、女装したムッツリー二を単独でAクラスに乗り込ませる。Aクラスは明久を警戒しているから引っかかると思っていた

 

「明久が怒るだろうがな」

 

「仕方ないだろ?あいつ馬鹿だから顔に出るからな」

 

そんな話をしながらAクラスに向かっていると

 

「むぎゅー!!あひゅらめろおおお」

 

「うりゅひゃいいい!ひゃらしはああああ!」

 

フェイトとセッテが互いの頬を引っ張りながら戦闘を繰り広げていた

 

「止めなくて良いのか?」

 

「良いだろう。いつもの事だ」

 

あっさりと言う龍也に感心しながらふと背中を見ると

 

「い、いつの間に」

 

龍也の背中にいつの間にかしがみついているはやてとヴィータ。全然気配がしなかったんだけどな

 

『『『ふざけんなあッ!!!』』』

 

Aクラスの方から怒声が聞こえてくる。何かあったのかと思いAクラスに走ると、学園長と高城って言う3年生と肝試しのときに俺と明久を嵌め様としていた3年生の姿があった

 

「ババア。こいつはどういう状況だ?」

 

どう見てもFクラスがAクラスに勝ったようには見えずそう尋ねると

 

「ふん。教えて欲しけりゃ口の利き方を改めるんだね」

 

不機嫌そうなババアに龍也が

 

「申し訳ありません学園長。どういう状況か教えていただけませんか?」

 

龍也が頭を下げながら尋ねると学園町が気を良くしたようで

 

「学年対抗の試小戦争をやることになったのさ……これまでにない大規模戦になるからね。1度システムを落とす必要があったのさ」

 

上機嫌に説明する学園長だが、俺達にとってはとんでもない話だ。学園が上と言うことはそれだけで有利。学年同士の召喚戦争なんて相当準備をしないと不可能な話だ

 

「ボクのいるガッコウだとね!システムがどうにゅうされたら。ソウシタいってハナシなんだよ」

 

留学生のリンネが楽しそうに跳ねながら言うが俺達に最悪の知らせに他ならない。俺達と同じように呆然としている翔子達を見ながら

 

(冗談じゃねえ!俺は半年も待ったんだぞ!?)

 

提携している学校へのアピール。それだけのために完全に王手を賭けていた勝負が無効にされた。半年考えて漸く出せた答えを言える機会をそんなくだらないことで邪魔されたのか?それを理解した瞬間ふつふつと怒りがわいてきた。俺はアイコンタクトで明久に

 

『至急釘ばっとを4ダース用意しろ』

 

俺の殺意に気付いていないババアはのほほんと笑っている。いつまでもその笑顔が続くと思うなよ!

 

「すまないね。正直、あたしはアンタを手のつけられない馬鹿だと思っていたよ」

 

「ははは。人間と言うのは成長するものだからな」

 

怒りの余り逆に冷静になってるだけだクソババア!内心でそう罵りながら釘バットが来るのを待っている間もどんどん怒りが増していくのを感じる。だがその怒りは信じられない光景を前に消し飛ぶのだった

 

「ではそろそろ私の目的を遂行するとしましょうか」

 

小暮がにこにこと笑い、釘ばっとを持って来ようとしていたFクラスの生徒の説得をしていた明久と

 

「小暮大丈夫なのですか?私がここに来れば幸せになれるといっていたじゃないですか?」

 

困惑している高城の手を取り自身のほうに引き寄せる

 

「あの~小暮先輩?何をする気なんですか?」

 

明久が不安そうに尋ねると小暮はにっこりと笑ったまま

 

「あ、手と足が滑りましたわ」

 

鋭い足払いと体崩して明久と高城の体勢を崩す。そして高城の背中を軽く押す

 

「「「あああ、明久『アキ』『明久くーんッ』『アキヒサー』ッ!?!?」」」

 

島田達の絶叫が重なる。かという俺も悲鳴を上げそうだった

 

「「……」」

 

倒れた明久の上に覆いかぶさるようにして高城が転び。その唇が完全に合わさっていたのだから……

 

男同士のキスと言う精神崩壊しかねない光景にAクラスとFクラスの生徒の悲鳴が重なったのだった

 

第104問に続く

 

 

 




はい。今回はここまでなのです。高城とアキヒサのキスのイベントはそのままですが。通常進行をするかどうかは判りませんよ?
どんな展開になるのか楽しみにしていてもらえると嬉しいです、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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