そろそろ私にやりたいイベントも近づいてきました。これがすっごくやりたかったんですよね。どんなイベントが待っているのかは楽しみにしていてください。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
第100問
「どうもお久しぶりですね。吉井さん」
「ええ。どうも高城さん」
私の会社に訪れてきた高城さんと応接間で会話する。こうして顔を見合わせるのは10年ぶりくらいだろう
「まず私の娘のご無礼お許しください」
深く頭を下げる高城さんに私は
「ああ、別に良いんですよ。恋する乙女って言うのは暴走気味って言うのは判ってますから」
とは言え正直言うとかなりびっくりしたけどと内心で呟きながら言うと
「そう言って貰えると何よりです。雅の言ったことは忘れてください、あの子は少々焦っているようでして」
焦るねえ……明久がそんなにもてるとは思えないけど(魔王増殖中の事実を知らない)
「それでなのですが……雅は明久君を随分と気に入っているようですが、明久君が雅をどう思っているのか判りません。そこでなのですが、1度お見合いと言う形を取らせていただきたいのですがよろしいでしょうか?」
明久と雅ちゃんがお見合いか……大企業の高城グループの令嬢と明久……
「あの……母親だから言えるんですが。あの子馬鹿ですよ?」
「いえいえ、学力が全てと言うことではないですから。それでお見合いの件はどうでしょうか?」
明久と雅ちゃんが結婚すれば。大層な逆玉の輿ね……それにあの子を好きって言うのは玲くらいでしょうし(明久母は美波・優月・瑞希の存在を知りません)
「そうですね。じゃあ愚息ですが……よろしくお願いします」
「それでは今度の休日に雅と明久君のお見合いと言うことでよろしくお願いします」
そして明久の知らないところで、明久のお見合いが決定してしまった。そしてこの出来事が後日とんでもない、悲劇の引き金となる事を明久の母も雅の父も知らないのであった……
「おはようございます。姫路瑞希さん」
「お、おはようございます」
昨日の学園長室で留学の話を一緒に聞いた。高城雅春先輩が穏やかな笑みを浮かべて挨拶してくるので返事を返すと
「昨日の召喚戦争の勝利おめでとうございます。良くあの劣勢を跳ね返せましたね」
「あ、あれは……その私だけの力では……」
「知っていますよ。クラスの皆様のお力ですよね」
くすくすと笑う高城先輩は私を見て
「留学の話。断るも受けるの貴女しだいです。しかし私としては一緒に留学したいと思いますがね」
海外の有名校への留学の話。確かに良い話だが、私は出来たら日本に残りたい。明久君と一緒にいたいし……
「あのどうして私と一緒に留学した言って言うんですか?」
あって間もないのに何故私を誘ってくれているのか判らずそう尋ねると
「そうですね。私の感なのですが、きっと私と貴女は話が合う……強いて言うのならそれが理由です」
くすりと笑った高城先輩は私の横を通りながら
「本日のAクラスのと試験召喚戦争。貴女方が勝つことを祈っていますよ。では頑張ってください」
そう笑って歩いていく高城先輩の背中を見ながら
(なにか妙な違和感が……一体なんなんでしょうか?)
自分でも理解できない妙な違和感を感じた。
「気のせいですかね……?」
木下さんが明久君に付き纏っている時に感じる不快感に似ていたような気がしたんだけど、高城先輩は男の人だし……KUBOに感じる不快感も無かったからたぶん気のせいだと思い。私は学校に向かって歩き出したのだが、この時の不快感が気のせいではなかったと知ったとき。それは全てが手遅れになった時だった……
「あ、母さんからのメールだ」
学校に行く前に母さんからのメールが来ていて。もしかしたら
(最近成績上がってるからお小遣いUP!とかだったら嬉しいなあ……)
と内心わくわくしながらメールを見て
『明久。今週末の土日。お見合いだからちゃんとした服用意してなさい』
「なんでさ!?」
思わず某ブラウニーの人の口癖が口から飛び出した。なんで急にお見合い!?しかも週末!?
ピロリン♪
『父さんのクローゼットにスーツが入ってるからそれを着る事。あと丈は自分で調整しなさい。あとこのお見合いは私の会社が潰れるかどうかだから真剣にやること』
「重すぎるよ母さん!」
母さん。貴方は僕に何を期待しているのですか?自分の会社が潰れるかもしれないお見合いってなんなのさ?だけど今はそんなことを考えている場合じゃない。学校に遅れる前に余裕を持って行きたいのでとりあえずお見合いの真意は後回しにして、携帯をポケットに突っ込んで家を後にした……だがこの時僕は判断を間違えた、携帯は置いていくか、遅れてもいいのでお見合いの真意を聞くべきだったのだ……だがそれに気付いたとき、全ては遅かったのだ……
「あ、おはよう。龍也」
「……おう。おはよう」
どよーんとしたオーラを身にまとう龍也の隣にはぽわぽわと幸せオーラ全開のはやてさん達の姿がある。龍也がこんなに元気がないなって珍しいと思い
「どうかしたの?」
「ああ。問題ない。欝で死にたいって思っているだけだ」
「何があったの!?」
龍也がこんなこと言うなんて滅多に無い。一体どうしたのかと思い尋ねると龍也は教えてくれた
リンディさんは龍也をアイドルにしたいらしく。なんか色々と送ってきたらしい、しかも逃げたら向いて女装させると脅しの手紙のおまけ付き
「それはその大変だね」
「ああ……本当にな」
ふうっと溜息を吐く僕と龍也の後ろではやてさん達は、ついに兄ちゃんがアイドルデビューするのか~♪とか龍也様はあんまり歌を歌ってくれないので楽しみです♪とかきゃいきゃい騒いでた……龍也が溜息を吐くのも無理はないか……僕はそんなことを考えながら学校にと足を向けたのだった
『論功行賞』と言うものがある。古来より存在するその言葉は「功績の程度に論じ、それに応じた賞を与える」と言うもので俺たちはそれを
「新田祐。聖典一冊と肖像2点を与える」
「はは。ありがたき幸せ」
保健体育の資料で行っていた。須川達には下手なものを与えるよりこれを渡しておいたほうが良い。そんなことを考えながら全員に褒賞を与え
「吉井明久。単身でCクラスの包囲網を突破し。姫路瑞希を助けて功績に応じ「文月アイランドの年間フリーパス」と「映画のチケット3枚」を与える」
「待って!それ雄二が霧島さんに貰った奴じゃないの!?」
そうこの2つは翔子から送られてきたものだが……それを見た瞬間俺はどうするか決めていた
「魔王と2人で出かけるなんて恐ろしくて出来るか!お前にやる!!!」
魔王と2人で出かける?そんな死亡遊戯したくねぇ!俺がそう言ってフリーパスと映画のチケットを差し出すと
「もうそんな事言って。本当はまんざらでもないクセに……まぁくれるって言うなら貰っておくけど……霧島さんには一応ありがとうとだけ言っておくからね」
すんなりと制服のポケットにチケットとパスをしまう明久。魔王を愛し始めているからな、ただで行けると知れば喜んでもらうと思っていた。最初の余計なお世話はガン無視することにする
(これで暫くの身の安全は確保できたか)
さて次だな……
「八神姉妹とセッテ・スカリエッテイ。ティアナ・ランスター。全ての戦争においての活躍を論じ。肖像画(龍也が寝てるとか捨て犬の頭をなでている)を与える」
わふーッ♪普段龍也にしか向けないであろう笑みを浮かべて俺の手から写真をひったくるはやて達に軽い頭痛を覚えていると
「アキヒサー♪何をモッテイルノ?」
聞き覚えのある片言の日本語に振り返るとそこには、
「リンネ君。おはよう」
「うん。オハヨー♪アキヒサ」
金髪で小柄な男子生徒がアキヒサの背中におぶさって楽しそうに笑っていた
「あーめんどくさかったな」
「おう。おかえり龍也」
龍也が頭をかきながら帰ってくる。なんでもBクラスとCクラスの召喚戦争のルール違反についての今後の処置とかで博士に呼ばれて教等室に行っていたらしい。龍也はやれやれといいながら椅子に座り。明久の背中を見て
「明久。背中のはなんだ?」
俺が聞きたかったことを変わりに尋ねて龍也は、はやてが水筒から入れた紅茶を飲みながら明久の返事を待っている
「あ。うん。リンネ君って言ってね、Cクラス戦の時に知り合ったんだ」
単身突破する前のことか?それか遅刻してきてから直ぐの事か?と考えているとリンネとやらは明久の背中の上で
「キョウからイチネンセイになったリンネ・クラインだよ!ヨロシクね♪トコロデアキヒサはナニを持ってるの?」
「これ?映画のチケットと遊園地のフリーパス」
「イイナア!イイナア!ボク、アキヒサと行きたいなあ!」
楽しそうに明久の背中からチケットを見ているリンネを見ながら俺は
(また変なのを引っ掛けたな)
明久はどうも天然属性のフラグ建築士だったのかもしれない、まぁこのクラスには特級フラグ建築士もいるからな。その影響だろう
「アキヒサはマエノシショウセンソウでもかっこヨカッタし。アキヒサはスゴイヨ!」
「そんなこと無いよ。それに瑞希を助けれたのはリンネ君がCクラスとBクラスのことを教えてくれたからだよ」
背中の上のリンネとのほほんと会話する明久。もしここに島田とかがいたら修羅場だなと思っていると。リンネは器用に明久の肩にてを置いてそれを基点にしくりんと1回転して明久の前に着地する。身軽な奴だな、それに見た目より腕力があるのかもしれない
「ねーアキヒサー今度ボクをユウエンチニつれてってよー」
ねーねーっと知り合いのお兄さんにじゃれ付くような感じで明久の手を引くリンネ。その姿は龍也の家で良く見るちびっこーズに通じるものがある。そんなくだらない事を考えていると
「明久?何をしているの?」
「ひいいいッ!?」
狙っていたタイミングとしか思えないタイミングで秀吉登場。明久はリンネとやらに抱きつかれている
「ふむ。確立変動は明久にとって最悪のカードだったみたいだな」
「そう見たいだな」
ふーんっとそっぽを向いてしまった秀吉に完全に狼狽している明久。
「ねぇねえ!良いでしょ!イッショニゆうえんち行こうよ」
「……明久のショタコン」
「ちがうんだよー!!!」
明久が半分くらい泣いてる。無邪気な子供って言うのは恐ろしいな、全く……明久ははああっと深い溜息を吐いて下を向いたとき何かのノートを拾い。リンネに手渡しながら
「はい、落し物だよ」
「え?ボクなにかオトシた?うーん???アリガトう」
首をかしげながらも明久に礼を言ってノートを受け取ったリンネは
「じゃ。アキヒサにセイフクモみせたし、ボクはそろそろショクインシツニいくよ」
リンネの奴明久に制服を見せるためだけに来たのかと少し呆れたが、その前に
「職員室?転入の手続き?」
「ウウン!ゴゴノしゅうかいでハナシをするじゅんびをするんだ。じゃーね。アキヒサ!」
そう笑って教室を出て行くリンネを見ながら龍也が
「1年生が午後の集会の話?……なんだろうな。何か嫌な感じがする」
「龍也もか?実は俺もだ……っと午後の集会って言うと3年の進路ガイダンスか……」
「接点は無いよな?留学とかの話か?」
リンネと交換留学の話だろうかとか?また博士の悪巧みか?とか色々と龍也と話したが
(まぁ俺達にはそんなに関係ないか、俺達は俺たちでやることは決まっているしな)
今日の召喚戦争でAクラスに勝つ。俺達の目的はそれだけだ、3年生がどうこうとかはあんまり関係ない
「龍也。今日の召喚戦争の点数の把握とチーム編成を考える。手伝ってくれないか?」
「昨日休んだ分手伝わせてもらう。とりあえず作戦は決まってるんだろう?」
「大筋にはな。後はそれを煮詰めて、チーム編成をする。なにか案があったら教えてくれ」
Fクラスには馬鹿が多いが、Aクラスに匹敵する連中だっている。前回は負けたが今度は負けはしない
(負けっぱなしってのは性じゃねえし……それに色々と考えた結果もあるしな)
一学期の敗北。明久や龍也。そして魔王軍団を見て、色々と考えて出せた答えもある……だけどそれを言うのはAクラスとの勝負にかってからだ。俺はそんなことを考えながら龍也と話し合い、今回の召喚戦争のチーム編成・戦略を固める作業を進めていった……
「じゃあ。これ!優月!文月アイランドのフリーパス。来週の休み一緒に行こうよ」
怒っている優月に言うと。優月は僕の手の中のフリーパスを見て漸く笑ってくれて
「いいよ。じゃあ来週ね。約束破ったら……ユルサナイ」
「はい……」
ヴィータさんと話す事が多いせいか順調に魔王化している。優月に背筋が凍りつくような寒気を感じながら自分の席に座ると
「……本当にどこにいったのかしら?ウチの日記」
「おはよ。美波」
「……やっぱり昨日間違えて持ってきちゃって。どうしよう……あれを見られたらウチは……」
挨拶はしたんだけど、僕に気づいてない。どうしたんだろう?何か考え事かな?
「美波?」
「え?あ、あああ……アキ。おはよ」
挨拶はしてくれたんだけど何処か上の空って感じだ、何か気がかりでもあるのだろうか?
「あ、あのね、アキ。ちぃっと聞きたいんだけど」
「な、何かな?」
真剣な顔で尋ねてくる美波に思わず背筋が伸びる。一体どうしたんだろうと僕が思っていると
「あのね?ウチの古典の参考書は見なかった!?どこかに落としちゃったみたいなんだけど」
「古典の参考書?」
酷く真剣な顔なのでなんだろうと思ったら参考書か……えーと。辺りを見ると誰かの鞄と椅子の間に落ちている何かを見つけた
「あ、あれってそうじゃない?参考書って書いてあるみたいだよ?」
「え?どれどれ!?」
美波からは死角のようで見えてないようだ。僕はそれを拾い上げながら
「これだよ、これって……あれ?」
拾い上げてみると中身が無い表紙だけだ……
「カバーだけみたい……ぐっえ!?「あ、アキ!それの中身は!?近くに落ちてない!!!」み、美波……極まってる、首極まってる」
駄目だ。酸欠で落ちる……なのに美波は随分と焦っているようで自分が僕の首を締めている事に気づいてない。マジで……おち
「おーい、美波ー?明久の首極まってるぞ?」
「え?ああ!!!ごめん!アキ」
ヴィータさんが声を掛けてくれたおかげで助かった。朝から三途の川送りになるところだったと思いながら
「だ。ごほ……大丈夫だよ……」
膝を付いてるから顔は上げれない。今顔を上げると美波かヴィータさんのスカートの中を見て本当に三途の川送りになるから。なんとか床を見て呼吸を整えてから立ち上がって
「これと似た様なサイズの英語の本はげほっ!?美波、美波さん!?「それは今どこにあるの!?」
「おーい、美波ー?全力で肘うちをみぞうちに叩き込んでそれは無いぞ?完全に酸欠になってる」
もしかすると僕は美波に嫌われているのかもしれない。そんなことを考えながら
「1年生の留学生……のこの本だと思って渡したよ」
余りの激痛に顔を上げるとやはりよそうとおり。美波のスカートの中身をばっちりに目撃してしまった。青と白のストライプだった
「ウチ、用事を思い出したわ」
言うが早く美波はすごい勢いで教室を出て行った。スカートの中を見た罰はないのかと一安心していると、強烈な寒気を感じ横を見ると優月がにっこりとイイエガオで
(あとで締める)
……どっちにしろ死亡フラグだったようだ。深く溜息を吐きながら立ち上がるとヴィータさんが僕の肩を叩いて
「優月は嫉妬深いから行動を気をつけたほうがいいぞ?」
「……忠告ありがとう」
もう手遅れになってるけど次からは気をつけよう……そんなことを考えながら作戦会議をしている龍也と雄二をぼんやりと見つめながら。今日の召喚戦争の開戦時刻の10時を待った、時計を見ると召喚戦争開始まであと30分。2度目のAクラスとの召喚戦争はもう直ぐそこまで迫っていた……
「♪♪」
「今日は随分とご機嫌ですね?雅」
「ええ♪今日お父様からメールが来まして」
嬉しそうに携帯を取り出し私に見せてくれる雅。内容はお見合いでしかも想い人の吉井君とのお見合い。なるほどこれは確かに雅が喜ぶのは無理もないと思いながら
「しかし浮かれるのは程ほどに……最後の最後で凄く良い思いが出来ると話したのは覚えていますか?」
私がそう言うと雅はぼんっと言う感じで耳まで真っ赤にしてからこくんと頷いた
「それは結構。では戦争が始まったら動きますよ」
Cクラスの小山さんとBクラスの根本君はルール違反がばれて。代表の座から降格と言うのは既に決定らしく、今朝の職員会議で決まったらしい。半分は私のせいだが、実行したのは彼らだ。私には関係ない……私にとって重要なのはいかに感動的かつ美しい状況で吉井君と雅を再会させるかだけ
(もう再会だけじゃなくてそれ以上も考えてますけどね♪)
もうただの再会だけじゃ面白くないと思う。色々と調べて同じ学年で3人+α(ゲイ)と濃すぎる面子を相手に幼馴染だけではインパクトが余りに足りない。もう一手必要だ、幸いにも雅は吉井君との再会を想像してイヤンイヤンしているので私の顔は見ていない
(ふ、ふふふふ……あれをこうして……これをこうすれば……あはっ♪絶対に上手く行く)
3年Aクラス。うふふふっと悪巧みしている小暮と鏡を見て念入りに髪形を整えている雅の周りに一切の生徒の姿は無かった。Aクラス生はこの2人に危険性(小暮の黒さを知っているので殆ど話しかけない)そして3年生でも特に危険といわれているコンビが試験召喚戦争の裏で動き出そうとしていた……
そして様々な思惑が交わる中。2-Aと2-Fの二度目の召喚戦争が幕を開けたのだった……
第101問に続く
次回からは召喚戦争の話に入っていきます。そして最後のほうで驚愕の展開が待っているとだけ言っておきます。そして私のやりたいベントもあと少しでお披露目できそうです。面白い展開に出来ると良いなと思っています。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。