モモナリですから、ノーてんきにいきましょう。   作:rairaibou(風)

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コラム モモナリという男 其の三 ――リーグトレーナー クシノ――

 モモナリマナブと言うトレーナーは、同じリーグトレーナーからどの様にうつっているのか。モモナリ氏のエッセイでもお馴染みのクシノ氏のインタビュー記事からモモナリ氏について語っている部分を抜粋して記載する。

 

 

 

 

編集部:モモナリ氏はクシノ氏と古い付き合いとお聞きしていますが。

 

クシノ氏(以下クシノ):うん、もう十年ほどやな。と言ってもナリ(モモナリ氏のこと)はこの業界長いから付き合いだけで言えば俺より長い奴はいるやろうね。ただ一緒に飲んでる回数で言えばブッチギリやね。

 

 

編集部:同じリーグに在籍してからは飲みの回数を減らしたとエッセイには書いてありましたが。

 

クシノ:その分シーズンオフに埋め合わせするわけよ、貯めに貯めてるぶん話すこともぎょーさんあるから今までよりも盛り上がるわけやな。

 

 

編集部:モモナリ氏はあの独特のキャラクターとエッセイで有名ですが、普段からあのような感じなのでしょうか。

 

クシノ:あれで勘違いしたらアカンで、今でこそあんなんやけど若い頃はメチャクチャ尖ってたんやから、人間あそこまで丸くなるもんなんかと驚いてるわ。自分より強いと言われているやつを見つけるとすぐ噛み付いてたんやから、俺がどんだけ苦労したとおもてんねんあのアホ。今更自分だけ好感度あげよって。

 

 

編集部:友人としてはかなり打ち解けているのが今の話でよくわかりましたが、トレーナーとしてのモモナリ氏はクシノ氏にとってどのような存在なのでしょうか。

 

クシノ:トレーナーとしては正直かなり上の方におるね。必死こいてバッジ集めた俺と違ってナリはほんま…拾うみたいにコンプしたからなあ。トレーナーとしてみると、どうしても嫉妬してまうわ、俺にあれだけの才能があればと思う時もあるよ。

 

 

編集部:殿堂入りトレーナーのワタル氏などはモモナリ氏の才能を高く評価していますが、私達素人からすると抽象的すぎてピンとこない部分もあります。具体的にどのようなものをさして才能が高いと評価しているのでしょうか。

 

クシノ:難しい質問やねえ。うーん、ワタルさんと俺の思ってることは違うやろし、才能というものの定義も曖昧やからこれは個人的な話になるけど、ナリは自分にセーブをかけた状態であれだけ勝ててるのがちょっと凄いところやな。

 

 

編集部:セーブをかけている?

 

クシノ:うーん、結構エッセイでいい思いさせてもらってるから切り込みにくいんやけど…本人はクレバーなつもりでもちょっと勝負というものを綺麗に捉えすぎてる節があるなあ。何が何でも勝てばええんや、と言う泥臭さがない。綺麗に勝たなアカン、自分が納得できる勝ち方じゃなきゃあかんという思いが強すぎてがむしゃらさがないいうか。

 そう思うこと自体は何も間違いではないんやで、俺だって子供の頃とか駆け出しの頃はそう思ってたし、ただポケモンリーグ言うのはそんなに簡単なもんじゃないし、そんな考えではどっかで頭打ちになるて普通。実際俺はバトルと生活を直接結び付けてはじめてここまでこれたわけやからな。

 素人さんはBリーグやからとナリを馬鹿にするけど、あんな甘っちょろい考え方でBリーグ上位におることがもうちょっとおかしいねん。

 

 

編集部:トレーナーとしてはまだ発展途上だと?

 

クシノ:恐ろしい話やけどそういうことになるわな。本当に才能だけでやっとるよナリは。Cリーグやアマチュアにも熱意のある泥臭い戦い方するのはおるけど、ナリは格下相手には絶対に取りこぼさん。才能だけじゃナリには勝てんし、熱意だけでもナリには勝てん、そのどっちも備わって初めて勝てんねん。一流と超一流のリトマス紙みたいな位置におるわ。

 

 

編集部:熱意さえあればモモナリ氏の時代も来るのでしょうか?

 

クシノ:昔天候変更パーティが流行った時に、ナリはむちゃくちゃキレててなあ「あんな戦法は根絶やしにしてやる!」つって息巻いてたんや、そしたら天候変更に対するアンチ戦略を完成させて、あっという間に天候変更の時代を終わらせてしもーた。あの時のナリは間違いなく超一流だった、天候変更の時代が終わったらまた元通りになってしもうたけどな。何かがむしゃらになれるような熱意さえありゃあ、それこそトップも狙える思うわ。

 まあ仮定で盛り上がってもナリが辛いだけやけどな。ナリだってナリなりに頑張ってるわけやし、まあ今後に期待位の事で終わらせようや。

 

 

 

 

 

※ クシノ ヨウイチロウ

 

○○○○年コガネシティ生まれ、カントー・ジョウトポケモンリーグトレーナー。

木の実のコレクターとして知られ、自宅では世界中の木の実を栽培している。また、ボングリ栽培の第一人者。

独特の感性から繰り出されるユニークな著書で知られる。上記のインタビューは著書発売記念のもの。

□□年、Bリーグ昇格

著書『愛で節約育成術・上』『愛で節約育成術・中』『愛で節約育成術・下』『技術で節約ボングリ論』『きのみそのまま』




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