モモナリですから、ノーてんきにいきましょう。   作:rairaibou(風)

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カントー日報『灯火』④

Q 時代遅れのカントーは危機感を持つべきでは?

 

 二年ほど前からガラル地方に留学しています。

 カントーやジョウトとは何もかも違う文化に最初は戸惑っていましたが、最近はようやくなれてきました。

 しかし、ポケモンバトルにおいては未だにカルチャーショックが抜けないでいます。ガラルのバトルはダイマックスを取り込んだ迫力のあるものであり、それ故に戦略も深く考えられています。

 正直な話、これまでカントーで見てきたポケモンリーグは何だったのかと思ってしまいました。このままではカントー・ジョウトやその他地方のポケモンバトルは世界から置いていかれるのではないかと不安でたまりません。カントー・ジョウトポケモンリーグは現状に満足せず危機感を持つべきではないでしょうか?

(二十代女性 学生)

 

A 何でも新しいものは魅力的に見える

 

 これは正直厳しい話だね。

 色々と言葉を濁す人もいるだろうけど、僕としてはガラルのダイマックス戦術の派手さとインパクトは、カントー・ジョウトリーグにはないものだと思うし、トレーナー達のレベルも非常に高かった。僕は実際にガラルに行って向こうのリーグトレーナー達と手を合わせているからそれは断言できる。

 ただ、だからといってカントー・ジョウトリーグがガラルリーグよりも劣っているかといえば僕はそうは思わない、僕は向こうのトップトレーナー達と互角の戦いをしたという自負があるし、僕がそれをできるのであれば、カントー・ジョウトのトップトレーナー達も同じことができるだろう。

 ガラルリーグのダイマックス戦術が、興行としては非常に素晴らしいものであることを前提として、それでも僕は、それは諸刃の剣であると感じている部分がある。

 例えば、ダイマックスを行うにはダイマックスバンドという特殊な鉱石が埋めこまれたアイテムが必要だ。これは誰でもが手に入れることができるものではなく、選ばれた人間にしか渡されない。そして、何よりダイマックス戦術はそれを行うことができる土地が限られている。これは大した格差だ、ダイマックス無き町に生まれたトレーナーはとてつもないハンデを背負うことになる。

 誤解のないように言っておくが、僕はガラルリーグトレーナー達の『ダイマックス無き実力』をこれっぽっちも疑ってはいない。彼等はダイマックス戦術がなくても十分に成熟した技術を持ち合わせているし、特にスパイクタウンのネズくんは素晴らしい技術とテクニックを持ったトレーナーだった。

 だが、単純な技術面でもカントー・ジョウトはガラルに引けを取らないだろう。ガラルのポケモンたちは『めざめるパワー』も『シンクロノイズ』も使えないし、ガラルのガブリアスは『つばめがえし』を覚えない。僕のゴルダックが『めざめるパワー』を使えば、彼等はびっくりするんじゃないかな。

 あなたは二年前からガラルに留学してガラルリーグを見ているという、その二年間、カントー・ジョウトリーグは見てくれたかな? 二年という歳月は、僕らにとっても大した歳月だ、あなたがカントーに帰って再びカントー・ジョウトリーグを見たとき、あなたが再び驚くことを、僕達は期待しているよ。

(リーグトレーナー モモナリ・マナブ)




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