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蛇寮で生き残るために
夜、寮にて。
「ラーニャさぁ~」
ぐったりと、ベッドにとけるような姿勢で、ロザリーが話しかけてくる。
「イジメになんか首突っ込まないほうがいいよぉー? あんな、キミのお姉さんみたいな性格なら大丈夫だけどさぁ。キミ、優しいし」
「そんなことありませんわ」
「あるから言ってんの」
怒ったように、ロザリーはその小さな腕で枕を殴った。
「スリザリンって、もっと性格悪いやつらが集まるんじゃないの? キミなんか、帽子のお墨付きでスリザリンにきたくせに」
「んー。それは、たぶん、私の……家系と、顔?」
「ぐぬぬ」
確かに、という顔をするロザリー。
……同意するなよ。
「まぁ、この寮をもっとよくしたいなら、さ。もうちょい路線をインパクト強めにしたら?」
「……ふむ、一理ありますね。お母様はホグワーツ在学中にジェームズ・ポッターやリリー・ポッターと敵対していたらしいですし、姉さまは……」
「姉さまは? お姉さんがどうしたの?」
「……わりと、やりすぎるところがあるんです。正義感が強いといえばそうなるけれど、思い込みは激しいし。前に、私をいじめた女の子を、殴ったことがあるんです。……しかも、その子の杖で」
「うわ、そりゃひどい」
ロザリーは顔をしかめていた。
「まぁ、そんな経歴があれば誰も逆らわんわなぁ。よし、やっちゃえラーニャ」
「い、いやですよ!」
「えぇ~?」
ムスッとして、「もういいよ」と言いながらロザリーは眠りについた。
できるだけ読みやすい文章を心がけていますが、なかなか難しいものですね…