4 / 13
初日。
初日の一時間目は、スネイプ先生の魔法薬学だった。
一応は教科書を丸暗記してきたものの、やはり不安だ。
しかもなんか怖いこと言ってるし。
……スネイプ先生って、本当は闇魔法に詳しいらしいけどなぁ。
杖を振るような野蛮な、とかなんとか言っちゃって、実は先生ったら闇魔法防御の授業がやりたいんでしょ?
――――まぁ、希望が通らなかったのにモチベーションをあげるためには、あれくらいしなきゃいけないのかもしれない。
ノートを必死でとっていると、いつのまにか後ろにスネイプ先生がいた。
「良いノートだ。諸君、ギルティクを見習うように」
……おぉ?
褒められたぞ?
「すごいじゃん、えっと、ラーニャちゃんだっけ」
にやにやと猫のように笑う、小さな少女に話しかけられた。
茶髪をツインテールにして、ネクタイはゆるくしめている。
ローブが大きいのか、袖を何重にもまくっていた。
たぶん同じ部屋の子だったと思う。
「あたし、ロザリオ・アルナティアっていうんだ。ロザリーでいいよ」
「えぇ、ロザリー、よろしく」
授業終了の合図で廊下に出る。
二時間目は、えっと、確かマグル学だ。
「ねー、マグルのことなんか知ってどうすんだろうねー? 意味なくない?」
「そうでもありませんわ。マグルと友好的な関係を持つことは重要ですもの」
「そうかにゃー?」
ロザリーがうなりつつ、頭を抱える。
「あたし的には、ただでさえややこしい勉強が増えるからやめてほしいよぅー」
「あはは……、それは仕方ないでしょう。さ、頑張りましょうよ」
「うーい」
だるそうに、ローブを引きずりながらロザリーは返事をした。