ボクは仗助、 君、億泰   作:ふらんすぱん

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主は盾になり、守護獣は吠え、騎士は剣を突き立て、残りは傍観する

 誰かに頬を引っ張られ、はやての意識が覚醒する。

 

「ヴィータ、さすがにそれはやり過ぎだ」

 

 自分はいつ眠ってしまったのだろうか、頭に感じる柔らかさから、ソファーに横になっていることに気付く。

 寝室ではなく、リビングで眠ってしまうとはだらしない。

 昨夜ははしゃぎ過ぎてしまった。

 初めての友人達との一夜を思いはやての顔に笑みが浮かぶ。

 ソファーで同じように眠りこけている二人の顔を見ながら、はやては外がまだ暗いことに気付いた。

 時計を見ると、まだはやてが気を失ってから、半時程しか過ぎていない。

 ――気を失ってから、そう、はやては気絶していたのだ。

 少女は事実から全力で目を背けていたのだが、リビングの真ん中に跪いている四人の『現実』からは逃げられない。

 四人の中、長い髪を紐でくくり後ろに下げた彼女が、はやての瞳を見ることなく、頭を垂れたまま、発言する。

 

「闇の書の起動を確認しました。我らヴォルケンリッター、主のもと、御身を守り、闇の書の収集を行います。主よ、なんなりとご命令を」

 

 一説には、死者に言葉を返したものは、地獄に引きずり込まれるという。

 これは東洋、西洋にかぎらず、有名な話である、死者の手を取ってはならない、死者の国の物を食べてはいけない。

 神話の中に共通して語り継がれているだけにきっと意味があるのだろう。

 ――つまり何が言いたいのかというと、彼女の宣言をはやては無視しすることに決めた。

 なるべく視界に入れないよう、それでいて不自然にならない程度に、横目で彼女たちを気にしながらはやては体をずらし車いすに乗る。

 

「ああもう、こんなとこで寝たら二人共風邪引くよ、ちゃんと寝室で寝な、アカンよ」

 

 はやてはどちらかが起きてくれることを願い、独り言にしては大きな声で、つぶやく。

 

「それならば、私が運びましょう、主よ、寝室はどちらですか?」

 

 犬耳をつけた大柄な男性の霊がはやてに答えるが、それも無視し、はやては車いすを走らせる。

 はやての額を汗が流れる、動揺を彼女たちに悟られてはいけない。

 そう判断し、彼女たちをいないものとして扱うはやての一人芝居が行われる。

 日が昇るまでの辛抱だ、朝の日差し、陽の光が照らせば彼らも消えることだろう、古今東西、霊が活動する時間は夜と相場が決まっているのだ。

 アリサと仗助はぐっすり眠っているので連れ出せない。

 まあ、霊を認識しないという点においては、意識のない彼らのほうが、はやてよりも安全である。

 今夜は寝室に籠もり、リビングには近づかないようにしよう。

 寝室を目指し一直線に、はやては車いすの方向レバーを倒した。

 速すぎず遅すぎないスピードで彼女たちを振り切る、ここではやては一つのミスを犯した、いや、正確に言うならばミスではないのだろう。

 彼女たちを霊として扱い、存在しないものとしていたのならば。

 

「主、なにかご不満がありましたか? ううん、もしや、ザフィーラがなにか失礼でも?」

 

 緊張した声が、束ねた髪の女幽霊、シグナムから発せられる。

 はやてはそれも無視し、レバーを倒す。

 ソファーからリビングの出口に続く最短のルートに男性の幽霊が立っていた。

 不自然に迂回することが出来ないはやては彼の中を通り過ぎるしかない。

 数十秒後、盾の守護獣に体当たりをかまし続ける風変わりな主に彼女らは困惑し、車いすがいつまでも前に進まないことにようやく、はやては気づいた。

 

 ●

 

「主はやてよ、ご理解いただけましたか? 主、私達の下半身が何か?」

 

 シグナムの説明が手短に済ませられる。

 その最中にも、はやては彼女らの足の有無を必死に確認していたのでは、シグナムもうかばれない。

 『魔法』やら、『闇の書』など、かなり胡散臭い単語が上がっていたのだが、はやてにはそんなことよりも気になることがあった。

 幽霊でないことは理解した。

 では、こんな夜遅くに子どもたちしか居ない家に忍び込んだ彼女たちは一体何者なのだろうか。

 はやては思う。

 ここは慎重に彼女等に対応しなければいけない。

 自分たちは魔法使いであり、はやてがその主であるなどという、言い訳を信じるほど自分は馬鹿ではない。

 しかし、一方で、彼等は非力でしかない子どもたちに実力行使をしてこない。

 そして真剣に、小娘でしかないはやてに言葉だけではない敬意を払っているのが理解できた。

 悪人ではないと信じたい、幸か不幸か、はやては回りにいる人のせいで、人の悪意よりも善意を重きとする人間に育っていた。

 ただ、悪人でないとするならば、いったい彼女たちは何者なのだろう。

 似たような黒い服、タイツを着ていて、深夜に家に忍びこむような常識外の行動を取る。

 

「……病人」

 

 はやての口から言葉が漏れる。

 思考のまま流れてしまった言葉であるがそれが正しいように思える。

 そうか、それならば彼女たちの奇怪な言動や、空想話、統一された服装にも納得がいく。

 はやては己の中で完結した答えを持ち、同情を彼女たちに向ける。

 四人ははやての言葉を待っていたようだ。

 彼女たちのごっこ遊びに付き合って上げてもいいのだが、病院の人たちも抜けだした彼女たちのことを心配していることだろう。

 はやては彼女たちを保護してもらうために電話機に手を伸ばす。

 ここから一番近いハヤテの掛り付けもいる病院で間違いないだろう。

 その時、八神家の呼び鈴の音が響いた。

 そうだ、気を失う前にアリサが執事である鮫島を呼びつけていた。

 はやては焦り、彼女たちを特にザフィーラを見る。

 子供しか居ないはずの家に彼女たちがいることを知られれば、いい結果にはならないことは簡単に想像できる。

 彼女たちのためにも穏便に済ませたいのだが、そのためにも成人男性であり、屈強な体躯を持つ彼だけはどうにかしたほうがいい。

 鮫島から大人三人と子供一人を隠すのは難しいが、ならば彼だけでも隠してしまおう。

 はやてはザフィーラに何処かに隠れてくれるようにと説明する。

 

「つまり、この格好でなければいいのですね、それならば」

 

 はやては、彼の隠れる場所と、彼女たちの素性をどうにかでっち上げようとしていたため、気もそぞろであったが、さすがにザフィーラの発光には気づいた。

 光の中、男が消え、獣が姿を現す。

 はやては目を閉じ唸り、右手で自分の頭を軽く叩く。

 その後、己の頬を思い切り抓り、涙目の顔でシグナムに問う。

 

「ごめんな、さっきの説明、最初からもう一回お願いできる?」

 

 玄関から痺れを切らした執事の呼び声が聞こえた。

 

 

 ●

 

「そう、アタシの親戚なんやけど、仲良うしたってや」

 

 自分の声は震えていないだろうか、うまくごまかせているだろうか、はやての体温が低くなる。

 リビングのソファーに座るアリサたちとはやての視線が交わる。

 はやての後ろには付き従うようにシグナムたちが無言で控えていた。

 穴だらけの説明ではあったが否定できる根拠もない、はやてが親戚と言うならばそれを認めるしかない。

 今日この時をやり過ごせればそれでいい、嘘を塗り固めるだけの時間が確保できるのだから。

 はやてはじっと二人を、特にアリサを観察する。

 友人達の力関係を鑑みるに、彼女さえ納得したのなら、この場を収めることが出来る。

 仗助が騒ぐかもしれないが、それはいつものことなので特に気にすることではなかった。

 アリサは口をへの字に結び、こちらを見つめてきた。

 シグナムたちのことについて質問するつもりなのだろう。

 大丈夫、焦ることはない、早まる鼓動の音、体内からの警鐘が彼女の耳に届かぬよう、はやては祈る。

 素直に魔法のことを話す気はない。

 シグナムに教わったテレパシーで口裏を合わせることが出来るのだ、どんな言葉をアリサに突きつけられようとも、彼女たちのことをはやては守ってみせる。

 言葉とともにアリサの視線の矢が放たれる。

 後ろの皆を守るためはやてはすべて受け止める所存だった。

 主の気持ちを悟り、守護騎士が前に出ようとする。

 しかし、優しい主はそれを手で制した。

 大丈夫、私に任せてと。

 

「つまり、今夜のことは全部、はやての仕込みだったてことよね? 嫌だ、私、すっかり騙されちゃったわ。怯える私達はさぞ滑稽だったことかしら。ふふ、覚悟はできてるんでしょうね」

 

 守る必要どころか矢はすべてはやてに突き刺さった。

 アリサの笑顔は引きつっていた、全力で維持された笑顔である。

 少しでも気を抜いたら、般若が顔を出すに違いない。

 予想外の疑いに困惑するはやて。

 盾になる覚悟はあっても、屍になる気はさらさらない。

 

「いや、ちが、そうや! DVD! 持ってきたのはアリサちゃんやろ、やから、あたしが計画したわけやない!」

 

 反論ができないのかアリサが整った眉を歪め、気勢いを下げる。

 

「アリサ、テレビの下のデッキに、これがあったぞ!」

 

 眩暈が起こる、なぜ彼はいつも余計なことしかしないのか。

 彼が持ってきたそれは、興味があって録画したはいいが、一人で観る勇気が湧いてこず、放置していた怪奇特集の番組を焼いたものだった。

 再び少女の瞳に鈍い意思が燻ぶり、彼女につき従う悪魔はDVDを持ち、こちらを挑発する様に小踊りを始める。

 少女の事はおいておいて、誤解が解けたら、仗助に制裁を加える事を、はやてはその小さな胸に誓った。

 

「やだ、仗助、あんたも偶には、気が利くじゃない。さぁ、はやて、尻をこちらに向けなさい、って仗助、布団たたきは必要ないわよ、戻してきなさい」

 

 バットが無かったからと代わりに仗助が持ってきたのだが、アリサはそれを受け取らず、五本指をきっちり揃え、平手での素振りを始める。

 素手であることに彼が不満をこぼしていた。

 気心の知れた友人達の狂気を、はやては垣間見た。

 親友という言葉をくれた少女が、風切り音を響かせながらはやてに近づいてくる。

 ああ、神様、親友とは斯くも恐ろしいものなのでしょうか、はやては自分の無知を嘆いた。

 アリサがまた一歩近づくと、今度はテレパシーではない肉声で彼女の声が発せられる。

 

「誤解です、主は、いえ、はやてちゃんは今回のことを知りません。私達が悪いんです!」

 

 後ろに控えていた、守護騎士シャマルが高く優しい声で訴える。

 同時にはやてを守るように守護の獣ザフィーラがアリサとの間にゆったりとした足取りで、風格を伴い割り込んだ。

 彼女たちは偶々、サプライズで隠れてはやてを驚かそうとしただけで、アリサたちを怖がらせるつもりはなかったと弁明する。

 先ほどまで無言でいた大人たちが、急に子供の話し合いに水をさしたことでアリサも落ち着きを取り戻す。

 はやてはこの歳になって臀部の打撃によるトラウマを抱えなくて済みそうだと、話し合いで中断した刑の執行を喜ぶ。

 ただ一人仗助だけが、アリサの後ろで布団たたきを見詰めていた。

 

「――仲間が増えると思ったのに」

 

 彼の期待のこもった眼差しがはやてと叩き棒に、交互に飛ぶが、刑を免れた少女はその意味を理解できない。

 まぁ、理解できたからといって、どうということもないのだが。

 

「はやて、この子、何て言うの?」

 

 少年から目を移動させ、少女を見ると、ザフィーラの顔を覗きこんでいる。

 大人であるシグナムやシャマルにはまだ警戒を解いていないが、アリサは獣には心を許した。

 彼をとっかかりにして、打ち解け、今日のことは有耶無耶にしてしまおう、あの二人は興味が他の対象に移ると、途端に前のことを忘れてしまうシンプルな頭をしている。

 はやては、黒い思惑を胸に秘めザフィーラの名前をアリサに告げる。

 

「ん、ああ、違う違う。名前じゃなくて犬種。――っていうか、この子、犬でいいのよね?」

 

 ザフィーラの首に抱きつき、アリサはこちらの答えを待っていた。

 そう言われ、改めて彼を観察するも、犬にも見えるが、犬にも見えない。

 はやては適当に、でっち上げることにした。

 法律上、犬であって困ることはないが、犬じゃなくて困ることはあるのだ。

 

「ええっと、確かボルゾイとか」

 

『主、私は誇り高き守護獣であって、犬ではありません!』

 

 はやての頭のなかに、抗議の声が飛ぶ。

 しかし、ここは堪えてもらうしか無い。

 

『ザフィーラ! 主が望まれたのだ。ならばお前は今日この時より、犬として生きる覚悟を持て、それが我らヴォルケンリッターの有り様だ!』

 

 シグナムは説得、いや、ただ決定事項を伝えただけだった。

 そこまで大げさな事だったのだろうか。

 小学生でしか無いはやての肩に、載せる荷物をこれ以上増やさないでほしい。

 はやてはザフィーラの助けを求める視線を無視しようとするも、罪悪感から、慰めにもならない言葉を掛ける。

 

『犬やって言っても、ほら、血統書付きってことにするし。ボルゾイってスラっとしてて格好いいし、それに賢いんやで!』

 

 今日から、犬の人生を送ることになった彼が目を輝かせ、しっぽを勢い良く振り始めた。

 

『なんと、そうなのですか! 主の言葉に異を唱える気などありません! ですが、賢く格好良いのですか』

 

 全くその通り、とても賢いのだ――犬畜生にしては。

 わざわざ口にする必要のない都合の悪い事実は飲み込む、はやては大人の分別を持っていた。

 はやての心労を無視する様に、アリサは否定の言葉を告げる。

 

「何言ってるの? この子、ボルゾイじゃないわよ。私、犬には詳しいけど、この子は見たことないわね。まさか、はやて、違法な動物じゃないでしょうね」

 

「ええっ! いややわぁ、ちょっと勘違いしてもうた。ええっと、だから、その、そう!――雑種や」

 

 苦し紛れの言い訳がとんでもない事になった。

 はやては目をそらした、眼前にいる少女ではなく、彼女の隣にいる雑種犬から。

 

『ふむ、シャマル、ザッシュとは、何なのだろう? どことなく先ほどのボルゾイと同じく賢く、鋭利な響きがあるが』

 

 犬は仲間に期待のこもった瞳をくれる。

 

『えっと、あの、そのね、ザフィーラ』

 

『ザッシュではない雑種だ。どこかの馬の骨と馬の骨の股から生まれてきたという意味だ、理解したな、雑種犬!』

 

 シグナムの言葉に顎が抜けたかのように口を開ききったザフィーラ。

 目からは困惑の色が見え、文句を言おうにも、先ほど堂々と主の命に背く気はないと宣言した自らの言が首を絞める。

 

「そう、雑種なんや、やから、ちょっと変わってるんよ! でも間違いなく犬や、ほら、ワンって吠えるし、な、ザフィーラ、ほらワンや、わかるやろ!」

 

 まだ忠誠心が足りないのだろうかと、自らの主が与えた試練に、戦慄するザフィーラ。

 ザフィーラは忠義と誇りを天秤にかけてくれたのだろうか、そして細く鳴いた、キャィンと。

 

「ああ、やっぱり犬なんだ。そうよね、そうポンポンと狼とかが飼えるはずないわよね、こんな日本で、やっぱりあの緋色の子も犬だったのよね。でもこの子もなかなかハンサムよね、ほら、お手。そうよ、もうちょっと、後はその上げた足を私の手に置くだけよ、頑張って」

 

 無邪気な友人が軽い気持ちで、絶望を彼の葛藤する前足に要求する。

 シャマルともう一人の守護者である少女のヴィータは目を覆い、静観する。

 シグナムはザフィーラの瞳の訴えを受け止め、鷹揚に頷ていた。

 助けてくれるのだろうか、ザフィーラは守護騎士としての絆を思い出したのか潤んだ瞳でシグナムを見つめていた。

 厳しい言葉もあったがそれも全てはやてのためであり、本来この二人には断ちがたい絆があるのだろう。

 守護騎士の将であるシグナムが自分を見捨てるはずがないのだと、ザフィーラは彼女の静止の言葉を期待するようにお座りの姿勢を保っている。

 

「何をやっているのだザフィーラ。早く前足を差し出せ、主の友人がお待ちかねだぞ。簡単だろう、お前は『格好良く賢い』犬なのだからな」

 

 シグナムは何よりも、そう全てにおいて主を優先する、この場合も。

 召喚されたその夜、ザフィーラは誇りをすべてドブに捨てることになった。

 ザフィーラの前足がアリサの手に降りると同時に、彼の頭と耳も垂れ下がる。

 

「わ、私はシャマルです! はやてちゃんの、親戚で人間です!」

 

「アタシはシャマルの妹のヴィータだ! ええっと、血統書付きだ!」

 

 鼻息荒く、二人が名乗りを上げる。

 変な設定を付けられては堪らないと、我先にと口から出たのだろう。

 はやては大人の小ずる賢さと、口に出したことに責任を持つことの厳しさを知った。

 二人の後にシグナムが自己紹介をする、その間中、我が家の飼い犬は力の限り吠えた。

 念話ではないその叫びをはやてと守護騎士の女性三人は理解した。

 彼はこう叫んでいたのだろう、『裏切り者』と。

 シャマルとヴィータは葛藤していたが、シグナムが鋭い眼光を放ち言った。

 

「賢い犬は吠えない!」

 

 シグナムとザフィーラの間には何らかの確執があるのだろうか。 

 容赦の無い刀の美しさを持つ彼女と、石像と化した犬を見てはやての冷や汗が止まらなかった。

 

 

 ●

 

 八神家の玄関先に待たせていた執事の鮫島は、長時間待たされていたにも関わらず、悪態の一つもつかなかった。

 アリサは完全にはやての言を信用したわけではないが、危険がないことを理解したのだろう

 ザフィーラにじゃれて満足したその後、顔色を青く変える。

 

「はやて! ごめんお手洗いを借りるわね!」

 

 お化け騒動やらのお陰で忘れていた尿意をアリサは思い出したのだ。

 走りだした、彼女が廊下の途中で派手にすっ転ぶ。

 

「はやて、悪い、トイレ貸してもらう、ふう、あとチョットで漏れるところだったよ」

 

 ごめんあそばせと、優雅に礼をし、足払いをして転ばせたアリサの横を通りぬけ――ようとした仗助の右足をアリサの左手が掴んで離さない。

 また始まった二人のじゃれあいに、はやては苦笑し、ヴォルケンリッターに念話を贈る。

 

『ごめん、みんな、アタシがトイレから出てくるまでその二人をしっかり拘束しとって』

 

 因みにこれが、闇の書の主が、その守護騎士に与えた最初の正式な命令になる。

 こうして八神はやての、初めてのお泊りの夜は賑やかに過ぎていった。

 


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