魏ルートのラストで泣きました
城に招かれた太公望と雛里は謁見の間に通される。
「ふむ、中々に良い君主と見える」
「おや、呂望殿。公孫賛殿の評価は高めですかな?」
太公望の呟きに趙子龍は興味深そうに問い掛ける。
「町の者達は平和に暮らしておったし何より、民の顔よ。人々の暮らしを見ればある程度良い政策をしておると分かる」
「公孫賛様は良き領主として伝わってます。商人からの噂も良いので民も安心するのでしょう」
趙子龍は太公望と雛里の言葉を聞いて二人の評価を改めた。
やはり、この二人は只者では無い。
趙子龍はやはり楽しめそうだと口端を上げて笑う。
「民の話を聞いていたが愉快な連中みたいだな」
話をしている間に上座に赤髪のポニーテールの女性、領主の公孫賛が現れた。
「白蓮殿、町で噂の占い師、呂望殿と鳳士元殿をお連れした」
「ああ、すまないな星。さて、お前達が噂の占い師か」
公孫賛は呂望と鳳士元を見つめる。
「お主の町で占い屋をさせて貰っていた呂望じゃ」
「ほ、鳳士元でしゅ」
太公望と雛里は公孫賛に頭を下げる。
「ああ、私がこの町の領主、公孫賛だ。急に呼びつけて悪かったな営業許可も出さずに勝手に占い屋をしてるから星に確認して貰ったんだ」
「うむ、あれだけ派手に動けば領主が気付かぬはずが無い。ちょいと領主殿に頼みたい事が有ったのでな」
「私が動くのを待つために占いやってたのかよ」
太公望の発言に公孫賛はタラリと汗を流す。
「うむ、それが全てでは無いがな。さて此処に居る鳳士元は少し前に離れ離れになった友人を探しておるのだ。二人でこの町を目指していたと言うのだが、領主のお主なら知っているかと思ってのぅ」
「す、師叔……」
雛里の頭をポンと手を乗せて頭を撫でる太公望。
雛里は太公望が自身を思って行動してくれている事に感動を覚えた。
「ああ、町を賑やかにしてくれていた人の頼みなんだ。叶えてやりたいが……その友人の名は?」
対する公孫賛も何の疑いも無く太公望の言葉を信じた。
相も変わらずのお人好しだと思う趙子龍だった。
「は、はい。名前は諸葛亮孔明です」
「ん、孔明?孔明なら城に居るぞ!?」
雛里の発言に孔明は城に居ると話す公孫賛。
「ふぇ!?朱里ちゃんが公孫賛様の城に!?」
「少し前に桃香……劉備達と一緒に城に来たんだよ!確かに孔明も友達とはぐれたって……おい、孔明を呼んできてくれ!」
公孫賛は近くに控えていた兵士に孔明を呼びに行かせる。
「雛里の友人は既に劉備の下にいて公孫賛殿の客将となっていたか」
雛里から劉備や友人の話を聞いていた太公望は思案顔で雛里に話し掛ける。
「はい、私も朱里ちゃんも劉備様の目指す物に感銘を受けて劉備様の下を目指していましたから……」
対する雛里は少々暗い表情になっていた。