気づいたら知らない学園にいました   作:椎名

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前話の続きです。


21話 新たな物語

【河原】

 

決闘をする事となった俺とモブ男は、人気のない河原へと移動をした。

こんなことがあろうかと、NPCをボコした後に土塊を使って剣を作っといてよかったぜ。

河原にいるのは俺とモブ野郎だけではなく、遊佐とその他大勢のゴミ野郎共がいる。

俺は今から目の前にいるモブと戦うのだが、奴は何も武器を出していない。

 

「おい! お前もさっさと武器を出せ!」

 

「いや、武器なんて持ってないんだけど……」

 

「……テメェ、この俺を舐めてんのか…?」

 

武器すら持ってないとは……、コイツは馬鹿なのか…?

 

「……それで、決闘のルールは?」

 

「降参して負けを認めるか、死んだ方の負けだ!」

 

「殺しもありかよ!!?」

 

「どうせ生き返るんだから構わねぇだろ?」

 

ちと遊佐の前で殺すのもあれだが、これも遊佐をアイツの魔の手を救うために仕方ない事さ。

話せば遊佐だってわかってくれて、俺の事をメロメロになって……。

グフフフフフ………! …っと、いかんいかん。集中集中!

…ん?どうやらあの単細胞馬鹿。確か名前は藤壺……だったっけ。

とりあえず藤壺って奴は持ってたドスを渡して、日向の奴は拳銃を渡してんのか。

んで、何かモブと日向がコソコソと話してるな。

………いつまでグダグダ喋ってんだよ…、ウゼェな……。

 

「おい!! いつまでコソコソと話してやがる!!! そろそろ始めるぞ!」

 

流石に心が広い俺にも我慢の限界が来たので怒鳴ると、日向の野郎と藤壺は離れ、モブ男は貸して貰ったドスをベルトに挟めるようにしまい、銃を両手で持ち、俺の方へ構える。

ハッ! 銃を使って近づけさせないようにしてんだろうが、生憎俺は銃の弾なんて剣で弾く事ができんだよ。

 

「やっとやる気になったなぁ。そんじゃあ、始めェン!!?」

 

俺は何が起きたのかわからず、わかる事といったら自分の頭の左横から痛みがあった事ぐらいであり、俺の意識はそこで途切れたのだった。

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

【元校長室】

 

目を覚ますと、俺は縄でぐるぐる巻きにされており、どうやら俺が気を失ってる間にゆり達がいつもいる作戦本部に連れて来られていた。

これはこれで手間が省けたぜ。ここで戦線に入れば俺のハーレムルートができるってもんだからな。

 

「目が覚めたみたいね」

 

目の前から女の声が聞こえ、その声の主を見てみると、校長の椅子に座っており、組んだ足を机の上に乗せているゆりの姿があった。

ゆりっぺキタアアァァァァァ!!!! 生ゆりっぺじゃねぇかぁぁぁぁぁぁッ!!!! やっぱ美人だなぁ~~!! あの食い込んだ感じのニーソックスがエロ過ぎる!! そして見えそうで見えないあのスカートの絶対領域も中々だッッ!!!!

 

「…さて、あなたの名前は?」

 

い、いかんいかん!! 今は変な事を考えちゃいかん!! まずは自己紹介だな………よし!

 

「俺は竜胆零(りんどうぜろ)だ。零と呼んでくれて! ゆり!!」

 

そう言ってゆりに爽やかな笑みを見せ、ゆりの他にも一度自己紹介した遊佐といつも端にいる椎名にニコッと笑みをかける。

……つうか椎名の服はやっぱエロいよなぁ!! 動きやすくするようにという理由で改造した露出度の高いあの制服にチラリと見えるヘソ。そして健康的な肌色をしている綺麗な足もいいが、ひさ子と同等か、それよりもちょっと下かのあの大きな胸もまた溜まらねぇぇぇッ!!!!

 

「……それで、竜胆くんはこの世界の事はもう知ってるみたいね」

 

「零で構わないのに…。いや、まだ名前で言わせるのは早すぎたか?くそっ…!俺とした事が……!! これじゃあ不振がられちまうじゃねぇか…。まだがっついちゃいけねぇ、もっと慎重に攻略をして、ゆっくりと時間を掛けてやらないとな………ハッ! おいテメェ!! 何ゆりに近づいてんだ! さっさと離れやがれ!!」

 

俺が考えてる間にあのモブが今度はゆりに近づいてやがる、遊佐だけでは物足りずゆりまでも近づきやがってえぇ……!! 下心丸出しでゆり達に話しかけたりしてるだろうアイツ!! なんてクズ野郎だ……ッ! 縄で縛られていようが関係ねぇッ!! あのクズモブをぶっ殺してやるッッ!!!

 

「静かにしやがれってのテメェッ!」

 

「あんま暴れんなって!!」

 

「離せゴルアアァァ!!!! 調子こいた事してっとぶち殴るぞオラァァ!!!」

 

こうしてる間にもゆりはあのモブ男に取られちまう………どうやらゆりから離れたみたいだな、最初からそうすりゃよかったんだよ、タコがッ!

 

「…それで、竜胆くん。あなた、ここがどんな世界なのかわかる?」

 

改めてなのか、ゆりは先ほどの質問をして来て、俺は一旦血が昇った頭を落ち着かせ、きちんとゆりの質問に答える。

 

「ん? あぁ、ここは死後の世界だろ? 生前の記憶があるしな。だから俺は死んだんだって知ったんだ」

 

ここで俺はあっさりと自分の死を受け入れるアピールをする。

普通なら自分が死んだ事を認めないだろうが、俺はあっさりと認めるような素振りをする。

そうすればゆりや他の女子の気を引けるからな、『へぇ~、珍しいわね。そんなあっさりと受け入れるなんて、すごいわ!』な~んて言われたりなッ!ヌッフフフフ………

 

「へぇ、珍しい奴もいるもんだなぁ~」

 

褒めたのはゆりではなく、日向のホモ野郎だったので俺は

 

「黙れクソモブ」

 

とドスのかかった声で日向に殺す勢いのある目で睨みつける。テメェなんかに褒められたって嬉しくねぇんだよ。

 

「……それで、何で遊佐さんに話しかけてたの?」

 

「いやぁ、俺まだこの世界に来たばかりだからこの学園を案内して貰おうと思ってな。それで遊佐を見かけたから案内して貰おうと思ったんだよ」

 

「ハッ、良く言うぜ。遊佐があんだけ断ってたのにしつこく何度もお願いしてたんじゃねぇか。学校の案内なんてただの口実だろ」

 

「ア? 何だこのかませ犬。お前俺の視界に入んないでくれる? ウザイったらありゃしねぇんだけど」

 

「んだとテメェッ!!?」

 

俺の言葉を聞いて藤壺はドスを引き抜こうとして俺の事を突き刺そうとするが

 

「ふ、藤巻! ここは押さえて! 押さえて!!」

 

「さっきから誰かが暴れてはそれを止める作業ばっかだなぁおい!!」

 

糞モブと日向のホモが藤壺を取り押さえ、藤壺はギャアギャア暴れている。

 

「離せ二人ともぉぉぉ!!」

 

「藤巻くん、落ち着きなさい! …あなたも、うちのメンバーにいちいち喧嘩腰にならないで」

 

「…っち。あぁ、すまないな、ゆり」

 

ゆりがそういうなら従うしかないな。俺は皆(女性戦線メンバー)の迷惑を掛けたくないからな。

 

「全く……。それであなた、これからどうするの?」

 

「いやぁ、できれば戦線に入隊しようかなって思ってるんだ。何でも、今は天使と戦うのに人手が足りないらしいじゃんか?それに俺だってこのまま消えたくねぇし、神がいたらぶん殴りたいさ。俺戦力になるぜ?」

 

「………」

 

俺は戦線に入りたい事を聞いたゆりは目を閉じ、沈黙をする。

当然戦線に入れるのだとわかっているが、俺はただゆりの返答をジッと待った。

 

「…………わかったわ。入隊を許可するわ」

 

どうやらゆりは俺の入隊を許可してくれたみたいだ。まあ、わかりきってた事だがな~。

これで最初の目的、戦線に入る目的が達成されたな。

 

「おいゆりっぺ! 正気か!? こんな奴を戦線に入れんのかよッ!!」

 

藤壺は気に食わないのか、俺の戦線の入隊について反対のようだ。

テメェみたいな噛ませ犬の単細胞なんかより5000倍役に立つってのバカが。

あんな馬鹿は無視するに限るな。無視無視。

 

「今は人手不足だから一人でも多く欲しいとこなのよ。それに彼、自分から戦力になるって言ってたんだから腕に自身はあるんでしょ?」

 

「あぁ、剣の腕なら誰にも負ける気しねぇ! 戦いなら任せろ!」

 

生前ではメインの武器が剣だったからな、この世界で俺に勝てる剣使いはまずいないだろうし、剣を使う奴だってほとんどいないはずだ。

強いているというなら、ハンドソニックを使う奏だろう。

ま、チート能力を持ってるとはいえ、戦闘経験は俺のが上だし、負ける気も要素もサラサラねぇな。

 

「音無くん、縄を解いてもいいわ」

 

「ゆり! いいのかよ!? また暴れるかもしれないんだぞ!?」

 

音無は俺の事を警戒しながらチラチラと見てくる。

……ったく、警戒心の強いバカ共ばっかだな。

 

「安心しろ、そんなカッカと怒る俺じゃねぇよ」

 

俺は落ち着きのある声でそう言うと、音無は心配そうな顔をしながら俺を縛っていた縄を解いてくれた。

俺は縄から解放されたと同時に、ゆりに近づき、すぐさま手を取る。

すべすべしててやわらかい手だな、ずっと触りたいくらいだ。

 

「ちょ……!」

 

「これからはよろしく頼むぜ、ゆり」

 

俺はゆりの両手をスリスリと触りながらジッとゆりの事を見つめてよろしくと言う。

すると、気恥ずかしいのか、ゆりは俺と目を合わせずあちこちと見渡している。ハハハッ、恥ずかしがり屋だなぁ~ゆりは。

 

「え、えぇ……よろしく…頼――」

 

―――バンッ!!

 

「ゆりっぺぇぇぇぇ!!! そんな奴あああぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」

 

あの声は野田って奴の声だろうな。あんなトラップに引っかかるのはあの馬鹿だけだろうし。

 

「……まあ、あのアホはほっといて…椎名も遊佐もよろしくな!」

 

俺は名残惜しいがゆりの手を離し、次は椎名のとこへ行き、手を握ろうとするが避けられる。次は遊佐の方へ近づき、手を握ろうとするが、遊佐にも避けられてしまう。

 

「何だよぉ、照れなくてもいいのにぃ~」

 

遊佐もそうだけど、椎名も見た目に反して照れ屋とは、可愛いところがあるなぁ~~。

 

 

 

 

―――こうして、ゆり達率いる“死んだ世界戦線”に加わった俺、竜胆零の新たな物語が始まる。

 

目標は勿論…………俺の! 俺様による !!俺様だけの楽園(パラダイス)を作り出す事!!!

ゆり、奏、ユイ、椎名、遊佐、岩沢、ひさ子、入江、関根は勿論。可愛いモブキャラの娘達も加えて俺だけのハーレムを作り出してやるぜぇッッ!!!!




以上、21話でした。

かなりぶっ飛んでるオリキャラ、竜胆零が戦線へと加わりました。

まあ、彼の立ち位置は俗に言うオリ主(笑)と言われているオリキャラみたいな感じです。

それではまた次回。

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